怪しげな満月により、紫がかった空の下、4人の男が集い、そしてある「儀式」を終わらせていた。

ウェスカー「───これで、「聖杯戦争」とやらの準備は整ったのか」

サングラスにオールバックの髪が特徴的な黒ずくめのこの男の名はアルバート・ウェスカー

元アンブレラの研究者であったが、ある恐ろしいウイルスを使った、新人類創造計画を成就すべく闇で暗躍し続けている男である。

言峰「えぇ、後はこれでマスターと呼ばれる「容器体」達に、何でも望みを叶えられる願望器の獲得の機会が訪れた、と触れ込み、サーヴァントと呼ばれる、聖杯が願望を叶える魔力を蓄えるための「魂」を各々に召喚してもらうだけです」

光の無い眼をウェスカーに突き刺すように当てながら、低腰に説明するこの神父は言峰綺礼

かつての冬木市における聖杯戦争をきっかけに、己の本性を自覚し、「愉悦」を求めんとする男である。

シャン・ツン「そこで私の出番というわけですな、お任せあれ皆様方」

ゆったりとそう喋る、この怪しげな大老の名はシャン・ツン

謀略と妖術に長けており、表面には己の本心を決して見せず、凶悪な野望を秘めた男である。

GO「いいねぇ、ちゃちゃちゃっとやって終わらせちゃって!言峰くん、マスター候補は決まってんの?」

軽々しい態度、カジュアルなファッションの若々しいこの男の名はGO

こう見えても「神」であり、あらゆる能力を使うことができ、言峰と同様、人の陥る姿を見るのが好きな邪神である。

言峰「こちらです」

そう言い、風魔術を使い、懐から一枚の書類をGOの手に渡す。

マスター候補

GO「いいじゃん、じゃあシャン・ツンくん、ヨロシクゥ!」

GOの言葉に、怪しげな笑みを浮かべながらゆっくりと、深く頭を下げ、了解の意を示すシャン・ツン

そして、ポータルを開き、消え去る。

GO「ちなみに言峰くんさ、ちょっと「面白い」こと思いついたからさ、あとでいい?」

言峰「ほう……面白いこと、ですか」

笑みを浮かべる両者

ウェスカー「…………………」

そして、この場での役目を終えたウェスカーは、密かに練り上げた「自身の計画」を進めるべく、静かに去っていった。


そして、各マスター候補達は、シャン・ツンの謀略に見事乗せられ、混沌に満ちた聖杯戦争が始まろうとしていた。
最終更新:2020年10月16日 23:36