双眸 ~紺碧の哀 > 紅蓮の愛~過去ログ Ⅲ.2

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**[[戻る>双眸 ~紺碧の哀/紅蓮の愛~]] **[[前へ>双眸 ~紺碧の哀/紅蓮の愛~過去ログ Ⅲ]] ~PM5:23 Kハウス~ ミオリ「バンッッ!!!(玄関のドアを勢いよく開け、素早く靴を脱いでリビングに駆け込み)アッちゃんっ!!! ………キー君がさらわれたって、本当なの……!? 」 アキラ「! ………ミオリ、さ………っ(ソファを立ち、ミオリに縋りついて涙をこぼし)兄さんが………兄さんがぁぁっ………!! 」 清空博士「(ミオリの後から家に上がり、アキラの様子を見て)………これは、ただ事じゃないね………  一体、どういう事なんだい? 」 ミーラ「清空博士、ミオリお嬢様………  お嬢様の言うとおり、坊っちゃんは………人間ではない何者によって襲撃され、その者の手によって捕えられた後、その場で地面に吸い込まれるかのように消えてしまったのデース………ほんの、数秒の出来事でーシタ………今、坊っちゃんが、坊っちゃんを攫った輩が何処に消えたのか………依然分かっておりマセーン………。 」 ミオリ「………! ………分かった、分かったから落ち着いて、アッちゃん………(縋りつくアキラを宥めながら)………人間ではない何者かって………そんなの、この世界にはウヨウヨいるから分かんないよ………何か、手掛かりはないの? 」 ミーラ「………申し訳ありマセーン、私も手を尽くしたのデースが、見つける事は出来ませんでーシタ………。 」 清空博士「……君の力をもってしても、か………これは、参ったね………。 」 アキラ「! 手がかり――――――――(その一言に反応し、くしゃくしゃの顔を上げて)………1つだけ……あるかも、しれない………。 」 ミオリ「!! ………教えて、アッちゃん……キー君を攫った奴の特徴でも、何でも良いから………! 」 アキラ「………うん………(涙を拭って)………信じて、貰えるか、分かんないけど………兄さんを、攫った奴………あいつの、顔…………  兄さんと、まったく同じ顔してたの……。 」 ミオリ「……!?(アキラの発言を聞き、驚いた様子で)………キー君と、同じ顔………? 何それ………犯人は、ドッペルゲンガーって事………? 」 清空博士「!……いや、ドッペルゲンガーであれば、キルビス君は死んでいるだろう………犯人は、人間ではないと言っていたね………地面に吸い込まれるように、消えたとも言っていた………だとすると、犯人は何らかの異能力を持っていて、それによって自分の顔をキルビス君と同じに変えていたのかも………。 」 ミーラ「………坊っちゃんと、同じ顔………異能力者…………  !(はっとした様子で、アキラの方を見て)………お嬢様、今の証言………とても大きな手掛かりになったかもしれマセーン………! 」 アキラ「……? どういう事、ミーラ………? 」 清空博士「……! ミーラ君、何か分かったのかい……? 」 ミーラ「………確証はありませんが………お嬢様の証言と一致する危険人物が、坊っちゃんから、私の脳にインプットされたブラックリストに含まれていマース………探ってみる価値は、十分にあるかと。 」 ミオリ「! 誰なの?教えてミーちゃん!!(ミーラの肩を揺さぶり 」 清空博士「落ち着きなさい、ミオリ……(ミオリを肩に手を置いて)すまないね、ミーラ君……では、そのブラックリストを見せてもらっても良いかな?(鞄からノートPCを取出し 」 ミーラ「はい、清空博士。 ――――カチャッッ シュルルルルル………(項の辺りを押し、小さなハッチを開いて、中に収納されていたケーブルを伸ばす 」 清空博士「(伸ばされたケーブルを、起動済みのノートPCに接続し)よし……では、拝見しようか……。  ――――カタカタカタカタ……(ミーラの脳にあるデータバンクにアクセスしていく 」 アキラ「………。(ノートPCの画面を覗き込み 」 ――――――ピピピッッ……(アクセス完了の文字が画面に映った後、夥しい数のブラックリストフォルダーが映し出される) ミオリ「Σなっ…… こ、これ、全部キー君が……?ど、どんだけかき集めたのよ、これ………。(フォルダの数を見て、驚愕した様子で 」 清空博士「おお……キルビス君が用心深いのは知っていたが、これ程とは………これは、1つ1つ開いていたら時間がかかってしまうね………ミーラ君、君の言う人物のデータだけを選んでこっちに見せてくれるかい? 」 エクロシア「――― おや、まあ…シャクシャク…(林檎を咀嚼しながら上空から画面を覗きこんでいる)私の顔もありましたね~。それに懐かしい面々も何名か…フフフ…(愉快そうに嗤いながら更に林檎にかぶりつく) 」 ミーラ「了解デース。 ―――――ピピピ……  パッ  パッ  パッ(自身のデータバンクの中の、数あるブラックリストフォルダーの中から、先ほどのアキラの証言に該当した人物のデータのみをノートPCの画面に映して)ブラックリストNo.34、『ブラッドキルビス』………闇族の狂信集団『闇の眼球』教祖、シング・バレッティーノによって造りだされた人造人間………身長、体重、顔、共に坊っちゃんと瓜二つであり、以前にも坊っちゃんを襲撃した事のある人物デース。 」 ミオリ「……!(ブラッドキルビスの顔写真を見て)………瓜二つ?いや、キー君こんな目ぇ真っ赤じゃないでしょ……髪の色も違うし………いや、確かにそれを差し引けば似てるけどさ………  後、あんたの存在にも慣れて来てる私がいるわ……。(エクロシアを見て呟く 」 清空博士「闇の眼球、か……まだヴァナダが生きていた頃、騒ぎを起こしてた連中だね………  どうだい、アキラちゃん……こいつで間違いはないかい?(画面を指してアキラに 」 エクロシア「んまあ、何だかんだで人間の生活に慣れ親しむのも悪くないかと思われましてねえ(ミオリの発言にふふふとほくそ笑みながら林檎を咀嚼)…シャク、シャク…… おや、『その方』は…(ブラッドキルビスの写真を見て、ふと何かを思い出したかのように顎元を摩る) 」 アキラ「………確かに、似てる………でも、ちょっと違うかも………目は血走って無かったし、顔つきももっと、穏やかな感じだったと思う………それこそ、兄さんみたいに………。 」 ミオリ「そう………  ?(エクロシアの様子を見て)ねぇ、あんたもしかして何か心当たりあるの? 」 エクロシア「…かつて、我々『女神』(アルカディア)が崩壊した後… 「第二の女神」と呼ばれる得体の知れない存在によって、混沌神下七神衆が再編成され復活したことがあります。『彼』はその一人だったと思います。ただ、当時は名前を変えていたような…え~… 確か…――――『サングル』。スペイン語で"血"を意味する名を名乗っていたかと思われます。シャクリ(林檎を咀嚼) 」 エクロシア「実際にお会いしたことはないのですが、我が女神様曰く…歴代の七神衆においてもかのエンペラーさんや…貴方がたもお世話になったキルゴアさんよりも遥かに高い実力を持つと伺っております。…もっとも、その第二の女神も潰え、新生七神衆も壊滅。その後『彼』が何処へ姿をくらましたのかは、知る由もありませんがねえ…(芯だけ残った林檎を名残惜しそうに見つめる) 」 清空博士「!……七神衆だって!?このデータによると、奴はもうこの世にはいないと書いてあるが………  まさか、自分の死を偽装してそっちに寝返ったというのか………? 」 エクロシア「いや~…当時、あの世の管理を務めるはずの死神である私が仕事を放棄…ゲフン、女神様に仕えることを誓ってからは、地獄のことは一切かかわっていないので分かりませんよ。…ただ、"何か"が死んだ『彼』を突き動かし、脱獄へと導いたのかもしれませんねえ。あ、これはあくまで考察ですが。(結局芯ごと口の中へ放り込む) 」 ミーラ「サングル………七神衆………  該当するデータが1件ありマース、そちらに送信致しマース……。  ―――――ピピピ……  パッ  パッ  パッ(ノートPCに、サングルのぼやけた顔写真を含むデータを送信し、画面に移す 」 ミオリ「………?何これ……顔がよく見えないなぁ………もうちょっと、解像度上げれたりしない?(顔写真を見て 」 ミーラ「……これは、顔が確認できませんね………坊っちゃんの隠密行動をもってしても、正面から綺麗に移すのは難しかった様デースね………清空博士、画像の解像度を上げるツールは所持しておられマースか? 」 アキラ「………うーん……薄っすらと、雰囲気は似てる気がするんだけど………。(ぼやけた顔写真を見て 」 清空博士「よーし……任せなさい!丁度、このPCには、高性能の画像解析ソフトをダウンロードしてあるんだ!そいつにかければ………!(解析ソフトを起動し、サングルの顔写真を解析にかける)………さーて……どうだ!! 」 ズズ……(ぼやけていた画像が、徐々に鮮明な姿を映し出していく) ミオリ「!(画面を見て)……凄い、ぼやけた顔がどんどんはっきりして来た……! 」 アキラ「…………!(徐々に鮮明になっていく画像を見つめ 」 ズッ―――――― ピピーーーーーッッ(解析完了の音と共に、ぼやけていたサングルの顔が鮮明に映し出される……  フードを被ってはいるが、微かに見える目元などの顔のパーツや輪郭は、まさに今日、アキラの目にした”敵”の顔とすべてが一致した―――― アキラ「――――――!!! ………こいつ………こいつだよ!!こいつが………兄さんを攫って逃げた!!間違いないよ!!!(顔写真を指差し 」 エクロシア「へぇ…これが…(…しかし、この"眼"… ああ、わかりますとも。殺戮衝動に駆られた、狂気を孕んだこの"眼"… ―――― 誰かを、思い出しますねぇ…)(サングルの写真を静かに見つめる) 」 清空博士「………! まさか、そんな………本当に………  何てことだ、キルビス君はあの七神衆の1人に………!? 」 ミオリ「………さっきのより、こっちのが断然キー君によく似てる………こいつで、間違いないんだね………!(顔写真を見て)………ねぇ、ダメ元で聞くけどさ………一応、元は仲間だったんだよね?だったら、こいつが行きそうな場所とか、何か少しでも心当たりがあったりしない?(エクロシアに 」 ニュースキャスターここで臨時ニュースをお伝えいたします。(一同が困惑に捕らわれる最中、テレビの放送画面が急に変わり始める)先日、聖国「コスモス」で開催された首脳会議にて、テロリストによる襲撃事件が発生。ディーヴ王国第二王女・キュウカ姫が誘拐されました。」 ニュースキャスターまた、同日、政府保有の裁判所がある司法の島「デッドエンド」においても同様の事件が勃発。主犯格は『赤い泪』と呼ばれるテロリスト集団だそうです。」 エクロシア「まあ、繋がりが全くなかったとは言い切れませんが…いくら私でも、彼の居場所についてはお応えかねま……おや?(ふと、テレビの画面に一瞥を与える) 」 清空博士「ん、何だい…?(テレビの方を見て)……はぁ……怖いなぁ、テロか………赤い泪、聞いたことが無いが………新手の組織か?  ……おっと、テレビを見てる場合じゃなかった、どうにかして助ける方法が無いか………。 」 リポーター「(画面が転換し…)こちら、司法の島「デッドエンド」より中継です!現在島周辺区域に政府軍による警戒態勢が強いられており、島内部への侵入は不可能となっております! 」 リポーター「デッドエンドの対空防衛システムにより、上空より内部の様子を確認することは極めて危険な為、現在内部で何が起こっているのかは不明です!現在政府は付近に緊急特別対策委員会を設立し、事件解決に向けて日夜検討している模様です!以上、現場からお伝えいたしました! 」 ニュースキャスター「ありがとうございます。…主犯格の一人は、二週間前の政府軍艦襲撃事件、及び先日の大監獄インフェルノ襲撃事件の主犯であることが判明いたしました。政府は彼らの経歴を探り、『赤い泪』と呼ばれる組織が『闇の眼球』をはじめとするいくつかの組織によって構成されていることも明かされました。」 ニュースキャスター「政府は今回の事件を同時多発テロとして全国に緊急警戒態勢を発令。現在その構成員の指名手配書を発行しており、全国に注意喚起を促しています。(それと共に画面に映し出されたのは、何名かの指名手配写真。その中に、PC画面にも映っていた、あの「サングル」の姿もあった) 」 ミオリ「……え?(ふと、テレビに映る手配書が目に留まり)―――――――あああああっ!!!ちょっと、今!こいつ映ってる!!!(アキラと清空博士に呼びかけ 」 アキラ「えっ?………!!!!(テレビに映るサングルの手配書を見て)………間違い、無い…………こいつだよ………さっきのと、同じ…………!! 」 エクロシア「…今、『闇の眼球』と聞きましたね。例の『彼』も含め、あの使命手配書の面々…私にも見覚えがあります。彼、キルビスさんがあの事件に巻き込まれてしまったとおうのであれば…これはもはや"ただの誘拐事件どころではすまなくなる"でしょうねえ。…さて、これからどうします。 」 清空博士「Σ何―――――――  !!!(テレビを見て、驚愕した様子で)………何てことだ………こ、こんなに早く、手掛かりが舞い込んで来るとは…………これは、神のお導きか…………!?(ショックと歓喜で震えながら 」 エクロシア「ただ私に言わせてもらうのであれば、彼(キルビス)の"死相"は近づいているといってもいい。何せ彼を誘拐したあの男(サングル)と、その男が所属する組織が政府本部が現在最も警戒しているところなのですから。…そんな組織に捕まってしまった以上、いくら『英雄』の協力をもってしても救出は不可能に近い。 」 ミオリ「………まさか、キー君が闇族のテロリストに捕まるなんて………一体、何が目的なの………単に英雄狩りが目的だっていうなら、キー君を狙うのはお門違いってもんでしょ………  キー君はもう、”あの一件”で英雄は退いたも同然だもの……。 」 清空博士「!………英雄でも、不可能だって?そんな馬鹿な………じゃぁ、どうすりゃ良いんだ………? 」 ニュースキャスター「また『赤い泪』は裁判官15名とキュウカ姫を人質に取り、政府に対し「血液」を要求。血液の量により人質を一人ずつ解放すると供述しているようです。政府の見解によれば…―――――(以降、アキラたちにとって目ぼしい情報は流れず) 」 アキラ「………っ(死相という発言に、表情が青ざめ)………そんなの、嫌………せっかく、帰って来たのに………一緒に、いられるはずだったのに…………こんな形でお別れなんて、絶対に嫌!!(エクロシアの服を掴んで)あいつらの事知ってるんでしょ?なら、何でも良い……何でも良いから、あいつらを倒す手がかりを教えてよ!!何か少しでも情報があれば、『英雄』の人達にも有利になるでしょ!? 」 エクロシア「(アキラに掴まれ、うーんと困った表情に)…とりあえず、『現場』へ向かってみてはいかがでしょうか。ここで手をこまねいていも仕方ないでしょうし。それに…百聞は一見に如かず。まずは直接情報収集を行ってみるべきかと。 」 ミオリ「現場………って、キー君が攫われた場所?それとも………  まさか、テロが起こった現場とか言わないよね?いや、確かにそこなら情報収集捗るだろうけど………。 」 エクロシア「私が持ち得る情報よりも、有益なものがきっと手に入るでしょう。 」 アキラ「……何処でも良いよ、奴らの手掛かりが掴めるなら、何処へだって行く!!(エクロシアを離し、急いで2階に上がっていく 」 清空博士「Σあ、アキラちゃん!?何処に………。 」 ミーラ「おそらく、出かける準備をなさっているのではないかと。(外したケーブルを項の収納ハッチにしまい)お嬢様は、本気で坊っちゃんを助け出すつもりデース、何が何でも、何をしてでも………。 」 清空博士「な……そ、そんな、危険すぎる!いくらなんでも無謀だ………!(ノートPCをしまい、焦った様子で 」 ミオリ「………アッちゃん………  そんなとこ見せられちゃ、さ………私も負けてられないよね………。(アキラの決意を感じ取って、呟く)パパ……  私も、アッちゃんと行くよ! 」 ---- その後、支度を終えたアキラたちは清空博士が運転する車で3時間かけ、司法の島がある南の国へと向かった――― ――― South・M・Land 司法の島「デッドエンド」へと続く橋の門前 ――― 政府軍兵士『当区域は大変危険ですので、取材はお引き取り願います! 下がって、危ないから! 誘導員を増員しろー!!(厳重なバリケードが敷かれた門前にて。政府の役人とカメラマンたちが周囲を何度も行き来し、現場は混乱としていた)』 清空博士「(車を運転しながら)………(結局、押し切られてしまった………アキラちゃんも、ミオリも、一度言い出したら聞きゃしないんだから………でも、どの道キルビス君は助けなきゃいけない………親友の、大事な倅だから………!)………そろそろ、着くぞ………! 」 アキラ「(窓から、島の方を見て)………これが………  司法の、島―――――――! 」 **[[BGM♪>https://www.youtube.com/watch?v=zmAjT8tVHOA]] ミオリ「………よーし……アッちゃん、パパ、武器はちゃんと持ってるよね?うちが用意出来る最高の護身用武器を厳選して来てるんだ………もしもの時、絶対役に立つはずよ………。(腰のホルダーに、黒い懐中電灯の様な物を下げて 」 アキラ「うん、大丈夫だよミオリさん。 ……随分、騒がしいね………どうやって、通ろう………。 」 政府軍将校「…緊張を解くなお前たち!いつ何が起こるか分からん…!厳重警戒態勢で待機せよッ!!! 」 政府軍兵士『 は っ ! ! ! ! 』 」 清空博士「(車を止め、ポケットから免許証入れを取出し)……一応、私も政府公認の科学者の端くれだ、政府の管理する施設への通行許可証は持っている………しかし、この状況で許可が下りるだろうか………  何とか、食い下がって頼む気ではいるが………こうもピリピリした役人を見るのは、私も初めてだからね……。 」 サトミ「――――……?あれ…アキラちゃん……??(その時、現場へ駆けつけてきた傍観者の群衆の中から、聞き覚えのある声が聞こえる)―――アキラちゃん…!! 」 アキラ「……それでも、意地でも入れてもら――――――  !(群衆の中から放たれた、聞き覚えのある声に、思わずその方向を振り返って)―――――今の……  サトミ、ちゃん………?(車のウィンドウを下げ、顔を出し、辺りを見回して 」 ミオリ「……? どうしたの、アッちゃん?いきなり窓開けて………もしかして、何か見つけたの? 」 サトミ「アキラちゃーん…!(アキラたちの元へと駆け寄る)はぁ…はぁ…びっくりした…!アキラちゃん、何でこんなとこに…?(横髪を掻き上げ) 」 アキラ「Σあっ…… やっぱり、サトミちゃんだ!それはこっちの台詞だよ……サトミちゃんこそ、どうしてここに? 」 清空博士「サトミ?(ウィンドウを開け、顔を出し)! さ、サトミちゃんじゃないか!ヴァナダの教室にもよく来てたから、覚えてるよ………君、どうしてここに………? 」 ミオリ「サトミって、アッちゃんのお友達だよね?まさか、こんなとこで会うなんて………  やっほー、久しぶりだね?ミオリお姉ちゃんだよー。(サトミに手を振り 」 白衣の女性「……?どうしたの、サトミ…?(その後、彼女の後を追うように一人の女性が現れる。麗しく長い黒髪で、研究員らしい白衣を身に纏っている)……?……! 」 白衣の女性→サユリ「…あ…貴方は…!(清空博士の顔を見て驚嘆する)…清空博士…!私です、山本です…!(女性の名は「山本紗由里」(やまもと さゆり)。元は清空博士と同じアームズカンパニーの研究員を務め、現在は政府の科学班に所属している)…お久しぶりです。まさかこのような場所でお会いするとは… 」 サトミ「あ…!お久しぶりです!(ミオリ、そして清空博士にお辞儀し)えっと、それは…あっ…!その前に、紹介するね、私のお母さん。昔、ワンナップリさんの会社に勤めていたの。(白衣の女性、サユリを見ながら)今は政府で研究員として働いているの。今日は有休なんだけど、政府に突然緊急招集をかけられて… 私も気になってここへ来たんだけど… 」 清空博士「えっ………  えぇっ、や、山本さん!?こ、こちらこそお久しぶり………(サユリに)………そうだったのか………事態は、深刻なようだね………。 」 アキラ「ど、どうも!私、サトミちゃんと仲良くさせていただいております……あ、アキラと申します!(サユリに)………そうだったんだ………  私達もね、どうしても島に入れて欲しいんだ………兄さんを、助ける為に………! 」 サユリ「ええ…そうですね…(厳重に閉された門へ視線を向け)…ここへ来た、ということは…既にご存知かと思われます。事件発生より数時間が経過していますが、未だ政府、犯罪者、両者共に動きはなく睨み合いの状態が続いているようです。初めまして。この子がいつもお世話になっているわね。(ふふっと柔らかい表情でアキラとミオリに挨拶) 」 サトミ「お兄さん…を……?どういうこと……?? 」 その後、アキラはサトミたちに事情を説明… サトミ「…そん――――(事情を聴き、一瞬言葉と目の輝きを失う)…… …… ……キルビスお兄さんが…(その後、遥か先に立つ巨大な白い塔を眺める) 」 サユリ「……!? まさか…ご家族の方が事件に巻き込まれたのですか…!?(アキラたちの証言を聞き、清空博士へ) 」 清空博士「……その通りです、キルビス君は、アキラちゃんの目の前で………ここを襲った奴らの仲間の手によって、連れ去られてしまった………。 」 ミオリ「………で、私達は奴らの手掛かりをどうにか手に出来ないかと、ここに来たわけ………  けど、この様子だと………(白い塔の方を見て)………ビンゴ、みたいね………あそこに、例の奴らが………  キー君を攫ったクソ野郎も、いるかしら………? 」 サトミ「……(ふと伏し目がちになり、何か深く考えつめた様子だったが)……!(突然母サトミへと振り返る)……お母さん、お願い…!キルビスさんを…アキラちゃんのお兄さんを、助けてあげて…! 」 サユリ「そんな…… ……?サトミ…?(険しい表情へ一変した娘を見て) 」 サトミ「…キルビスさんのお陰で、私…お姉ちゃん(マドカ)から助けてもらったんだ… あの時、キルビスさんに救われていなかったら…私今頃、機関の「例の計画の実験体」にされていた…(唇を震わせながら)だから…今度は、恩返しをしたい…!それに、大切な友達のお兄さんだもの!見捨てることなんて、できない…!!(アキラを一瞥し、再びサユリと向き合う) 」 サユリ「……!……(サトミが…こんなにも誰かを思う娘だったなんて… …マドカは、私の責任で"変わって"しまった…けど、この子は…)……そう…(――― いい友達に出会えたね。)(ふっ、と娘に微笑む) 」 サユリ「…… …… ……わかったわ。(ふぅと肩の力を抜くように)…清空博士。デッドエンドへはあの一本道しか通路はありません。現在通路はあのように厳重に封鎖されており、現時点では将校たちですら侵入を固く禁じられています… ですが…もう一つだけ、"あの島へ侵入できるルートがあります"。 」 清空博士「!! ……山本さん………協力してくださるのですか………? 」 ミオリ「……!(表情が一気に明るくなり)サトミちゃん、ナイス!!サトミママも、本当にありがとう!!……アッちゃん、良かったね!キー君を助けられるかもしれないよ!! 」 アキラ「………っ(溢れそうになる気持ちを堪え、深々と頭を下げて)――――――ありがとうございますっっ!!!! 」 サトミ「……!!……お母さん、ありがとう…!(ぱあと表情が明るくなり)よかったね、アキラちゃん…! 」 サユリ「はい…!娘から、当時(機関時代)のことは聞いています。この娘は友達のお兄さんに命を救われた…断る訳がありません。(ふふっと笑む)…あのお方…『ヴァナダ』さんが残した究極の遺産が、まだカンパニーの地下に眠っているはずです。それがあれば、デッドエンドへの侵入も可能のはずです。……ですが…(白い巨塔を見やる)…侵入できたとはいえ、命の保証は―――― 」 エルナ「―――その心配なら要らないよ。(サユリの言葉を遮る様に現れたのは、政府軍が誇る精鋭"エージェント"の少女。拳銃をくるくると回しながら彼女たちの元へやってくる)お話、聞かせてもらったよ。警戒態勢で待機を命じられていていい加減痺れを切らしていたところなんだよね~。…だから、あなたたちの護衛は、私が責任を以て務めるわ。(手中の拳銃をホルスターへ華麗に差し込む)―――よろしくっ☆(ウインクし) 」 アキラ「……うん……っ(目元をサッと拭い、サユリの方を見て)………お父さんの、遺産………?それがあれば―――――  えっ?(エルナを見て)………あなたは……? 」 サユリ「あなたは…!(突如現れたエルナ、そして彼女たちの登場に首を傾げるアキラたちに気づき紹介する)…彼女は、世界政府が誇る屈指の精鋭《エージェント》の一人よ。…手厚い護衛、感謝します。(そう言い、エルナに会釈) 」
**[[戻る>双眸 ~紺碧の哀/紅蓮の愛~]] **[[前へ>双眸 ~紺碧の哀/紅蓮の愛~過去ログ Ⅲ]] ~PM5:23 Kハウス~ ミオリ「バンッッ!!!(玄関のドアを勢いよく開け、素早く靴を脱いでリビングに駆け込み)アッちゃんっ!!! ………キー君がさらわれたって、本当なの……!? 」 アキラ「! ………ミオリ、さ………っ(ソファを立ち、ミオリに縋りついて涙をこぼし)兄さんが………兄さんがぁぁっ………!! 」 清空博士「(ミオリの後から家に上がり、アキラの様子を見て)………これは、ただ事じゃないね………  一体、どういう事なんだい? 」 ミーラ「清空博士、ミオリお嬢様………  お嬢様の言うとおり、坊っちゃんは………人間ではない何者によって襲撃され、その者の手によって捕えられた後、その場で地面に吸い込まれるかのように消えてしまったのデース………ほんの、数秒の出来事でーシタ………今、坊っちゃんが、坊っちゃんを攫った輩が何処に消えたのか………依然分かっておりマセーン………。 」 ミオリ「………! ………分かった、分かったから落ち着いて、アッちゃん………(縋りつくアキラを宥めながら)………人間ではない何者かって………そんなの、この世界にはウヨウヨいるから分かんないよ………何か、手掛かりはないの? 」 ミーラ「………申し訳ありマセーン、私も手を尽くしたのデースが、見つける事は出来ませんでーシタ………。 」 清空博士「……君の力をもってしても、か………これは、参ったね………。 」 アキラ「! 手がかり――――――――(その一言に反応し、くしゃくしゃの顔を上げて)………1つだけ……あるかも、しれない………。 」 ミオリ「!! ………教えて、アッちゃん……キー君を攫った奴の特徴でも、何でも良いから………! 」 アキラ「………うん………(涙を拭って)………信じて、貰えるか、分かんないけど………兄さんを、攫った奴………あいつの、顔…………  兄さんと、まったく同じ顔してたの……。 」 ミオリ「……!?(アキラの発言を聞き、驚いた様子で)………キー君と、同じ顔………? 何それ………犯人は、ドッペルゲンガーって事………? 」 清空博士「!……いや、ドッペルゲンガーであれば、キルビス君は死んでいるだろう………犯人は、人間ではないと言っていたね………地面に吸い込まれるように、消えたとも言っていた………だとすると、犯人は何らかの異能力を持っていて、それによって自分の顔をキルビス君と同じに変えていたのかも………。 」 ミーラ「………坊っちゃんと、同じ顔………異能力者…………  !(はっとした様子で、アキラの方を見て)………お嬢様、今の証言………とても大きな手掛かりになったかもしれマセーン………! 」 アキラ「……? どういう事、ミーラ………? 」 清空博士「……! ミーラ君、何か分かったのかい……? 」 ミーラ「………確証はありませんが………お嬢様の証言と一致する危険人物が、坊っちゃんから、私の脳にインプットされたブラックリストに含まれていマース………探ってみる価値は、十分にあるかと。 」 ミオリ「! 誰なの?教えてミーちゃん!!(ミーラの肩を揺さぶり 」 清空博士「落ち着きなさい、ミオリ……(ミオリを肩に手を置いて)すまないね、ミーラ君……では、そのブラックリストを見せてもらっても良いかな?(鞄からノートPCを取出し 」 ミーラ「はい、清空博士。 ――――カチャッッ シュルルルルル………(項の辺りを押し、小さなハッチを開いて、中に収納されていたケーブルを伸ばす 」 清空博士「(伸ばされたケーブルを、起動済みのノートPCに接続し)よし……では、拝見しようか……。  ――――カタカタカタカタ……(ミーラの脳にあるデータバンクにアクセスしていく 」 アキラ「………。(ノートPCの画面を覗き込み 」 ――――――ピピピッッ……(アクセス完了の文字が画面に映った後、夥しい数のブラックリストフォルダーが映し出される) ミオリ「Σなっ…… こ、これ、全部キー君が……?ど、どんだけかき集めたのよ、これ………。(フォルダの数を見て、驚愕した様子で 」 清空博士「おお……キルビス君が用心深いのは知っていたが、これ程とは………これは、1つ1つ開いていたら時間がかかってしまうね………ミーラ君、君の言う人物のデータだけを選んでこっちに見せてくれるかい? 」 エクロシア「――― おや、まあ…シャクシャク…(林檎を咀嚼しながら上空から画面を覗きこんでいる)私の顔もありましたね~。それに懐かしい面々も何名か…フフフ…(愉快そうに嗤いながら更に林檎にかぶりつく) 」 ミーラ「了解デース。 ―――――ピピピ……  パッ  パッ  パッ(自身のデータバンクの中の、数あるブラックリストフォルダーの中から、先ほどのアキラの証言に該当した人物のデータのみをノートPCの画面に映して)ブラックリストNo.34、『ブラッドキルビス』………闇族の狂信集団『闇の眼球』教祖、シング・バレッティーノによって造りだされた人造人間………身長、体重、顔、共に坊っちゃんと瓜二つであり、以前にも坊っちゃんを襲撃した事のある人物デース。 」 ミオリ「……!(ブラッドキルビスの顔写真を見て)………瓜二つ?いや、キー君こんな目ぇ真っ赤じゃないでしょ……髪の色も違うし………いや、確かにそれを差し引けば似てるけどさ………  後、あんたの存在にも慣れて来てる私がいるわ……。(エクロシアを見て呟く 」 清空博士「闇の眼球、か……まだヴァナダが生きていた頃、騒ぎを起こしてた連中だね………  どうだい、アキラちゃん……こいつで間違いはないかい?(画面を指してアキラに 」 エクロシア「んまあ、何だかんだで人間の生活に慣れ親しむのも悪くないかと思われましてねえ(ミオリの発言にふふふとほくそ笑みながら林檎を咀嚼)…シャク、シャク…… おや、『その方』は…(ブラッドキルビスの写真を見て、ふと何かを思い出したかのように顎元を摩る) 」 アキラ「………確かに、似てる………でも、ちょっと違うかも………目は血走って無かったし、顔つきももっと、穏やかな感じだったと思う………それこそ、兄さんみたいに………。 」 ミオリ「そう………  ?(エクロシアの様子を見て)ねぇ、あんたもしかして何か心当たりあるの? 」 エクロシア「…かつて、我々『女神』(アルカディア)が崩壊した後… 「第二の女神」と呼ばれる得体の知れない存在によって、混沌神下七神衆が再編成され復活したことがあります。『彼』はその一人だったと思います。ただ、当時は名前を変えていたような…え~… 確か…――――『サングル』。スペイン語で"血"を意味する名を名乗っていたかと思われます。シャクリ(林檎を咀嚼) 」 エクロシア「実際にお会いしたことはないのですが、我が女神様曰く…歴代の七神衆においてもかのエンペラーさんや…貴方がたもお世話になったキルゴアさんよりも遥かに高い実力を持つと伺っております。…もっとも、その第二の女神も潰え、新生七神衆も壊滅。その後『彼』が何処へ姿をくらましたのかは、知る由もありませんがねえ…(芯だけ残った林檎を名残惜しそうに見つめる) 」 清空博士「!……七神衆だって!?このデータによると、奴はもうこの世にはいないと書いてあるが………  まさか、自分の死を偽装してそっちに寝返ったというのか………? 」 エクロシア「いや~…当時、あの世の管理を務めるはずの死神である私が仕事を放棄…ゲフン、女神様に仕えることを誓ってからは、地獄のことは一切かかわっていないので分かりませんよ。…ただ、"何か"が死んだ『彼』を突き動かし、脱獄へと導いたのかもしれませんねえ。あ、これはあくまで考察ですが。(結局芯ごと口の中へ放り込む) 」 ミーラ「サングル………七神衆………  該当するデータが1件ありマース、そちらに送信致しマース……。  ―――――ピピピ……  パッ  パッ  パッ(ノートPCに、サングルのぼやけた顔写真を含むデータを送信し、画面に移す 」 ミオリ「………?何これ……顔がよく見えないなぁ………もうちょっと、解像度上げれたりしない?(顔写真を見て 」 ミーラ「……これは、顔が確認できませんね………坊っちゃんの隠密行動をもってしても、正面から綺麗に移すのは難しかった様デースね………清空博士、画像の解像度を上げるツールは所持しておられマースか? 」 アキラ「………うーん……薄っすらと、雰囲気は似てる気がするんだけど………。(ぼやけた顔写真を見て 」 清空博士「よーし……任せなさい!丁度、このPCには、高性能の画像解析ソフトをダウンロードしてあるんだ!そいつにかければ………!(解析ソフトを起動し、サングルの顔写真を解析にかける)………さーて……どうだ!! 」 ズズ……(ぼやけていた画像が、徐々に鮮明な姿を映し出していく) ミオリ「!(画面を見て)……凄い、ぼやけた顔がどんどんはっきりして来た……! 」 アキラ「…………!(徐々に鮮明になっていく画像を見つめ 」 ズッ―――――― ピピーーーーーッッ(解析完了の音と共に、ぼやけていたサングルの顔が鮮明に映し出される……  フードを被ってはいるが、微かに見える目元などの顔のパーツや輪郭は、まさに今日、アキラの目にした”敵”の顔とすべてが一致した―――― アキラ「――――――!!! ………こいつ………こいつだよ!!こいつが………兄さんを攫って逃げた!!間違いないよ!!!(顔写真を指差し 」 エクロシア「へぇ…これが…(…しかし、この"眼"… ああ、わかりますとも。殺戮衝動に駆られた、狂気を孕んだこの"眼"… ―――― 誰かを、思い出しますねぇ…)(サングルの写真を静かに見つめる) 」 清空博士「………! まさか、そんな………本当に………  何てことだ、キルビス君はあの七神衆の1人に………!? 」 ミオリ「………さっきのより、こっちのが断然キー君によく似てる………こいつで、間違いないんだね………!(顔写真を見て)………ねぇ、ダメ元で聞くけどさ………一応、元は仲間だったんだよね?だったら、こいつが行きそうな場所とか、何か少しでも心当たりがあったりしない?(エクロシアに 」 ニュースキャスターここで臨時ニュースをお伝えいたします。(一同が困惑に捕らわれる最中、テレビの放送画面が急に変わり始める)先日、聖国「コスモス」で開催された首脳会議にて、テロリストによる襲撃事件が発生。ディーヴ王国第二王女・キュウカ姫が誘拐されました。」 ニュースキャスターまた、同日、政府保有の裁判所がある司法の島「デッドエンド」においても同様の事件が勃発。主犯格は『赤い泪』と呼ばれるテロリスト集団だそうです。」 エクロシア「まあ、繋がりが全くなかったとは言い切れませんが…いくら私でも、彼の居場所についてはお応えかねま……おや?(ふと、テレビの画面に一瞥を与える) 」 清空博士「ん、何だい…?(テレビの方を見て)……はぁ……怖いなぁ、テロか………赤い泪、聞いたことが無いが………新手の組織か?  ……おっと、テレビを見てる場合じゃなかった、どうにかして助ける方法が無いか………。 」 リポーター「(画面が転換し…)こちら、司法の島「デッドエンド」より中継です!現在島周辺区域に政府軍による警戒態勢が強いられており、島内部への侵入は不可能となっております! 」 リポーター「デッドエンドの対空防衛システムにより、上空より内部の様子を確認することは極めて危険な為、現在内部で何が起こっているのかは不明です!現在政府は付近に緊急特別対策委員会を設立し、事件解決に向けて日夜検討している模様です!以上、現場からお伝えいたしました! 」 ニュースキャスター「ありがとうございます。…主犯格の一人は、二週間前の政府軍艦襲撃事件、及び先日の大監獄インフェルノ襲撃事件の主犯であることが判明いたしました。政府は彼らの経歴を探り、『赤い泪』と呼ばれる組織が『闇の眼球』をはじめとするいくつかの組織によって構成されていることも明かされました。」 ニュースキャスター「政府は今回の事件を同時多発テロとして全国に緊急警戒態勢を発令。現在その構成員の指名手配書を発行しており、全国に注意喚起を促しています。(それと共に画面に映し出されたのは、何名かの指名手配写真。その中に、PC画面にも映っていた、あの「サングル」の姿もあった) 」 ミオリ「……え?(ふと、テレビに映る手配書が目に留まり)―――――――あああああっ!!!ちょっと、今!こいつ映ってる!!!(アキラと清空博士に呼びかけ 」 アキラ「えっ?………!!!!(テレビに映るサングルの手配書を見て)………間違い、無い…………こいつだよ………さっきのと、同じ…………!! 」 エクロシア「…今、『闇の眼球』と聞きましたね。例の『彼』も含め、あの使命手配書の面々…私にも見覚えがあります。彼、キルビスさんがあの事件に巻き込まれてしまったとおうのであれば…これはもはや"ただの誘拐事件どころではすまなくなる"でしょうねえ。…さて、これからどうします。 」 清空博士「Σ何―――――――  !!!(テレビを見て、驚愕した様子で)………何てことだ………こ、こんなに早く、手掛かりが舞い込んで来るとは…………これは、神のお導きか…………!?(ショックと歓喜で震えながら 」 エクロシア「ただ私に言わせてもらうのであれば、彼(キルビス)の"死相"は近づいているといってもいい。何せ彼を誘拐したあの男(サングル)と、その男が所属する組織が政府本部が現在最も警戒しているところなのですから。…そんな組織に捕まってしまった以上、いくら『英雄』の協力をもってしても救出は不可能に近い。 」 ミオリ「………まさか、キー君が闇族のテロリストに捕まるなんて………一体、何が目的なの………単に英雄狩りが目的だっていうなら、キー君を狙うのはお門違いってもんでしょ………  キー君はもう、”あの一件”で英雄は退いたも同然だもの……。 」 清空博士「!………英雄でも、不可能だって?そんな馬鹿な………じゃぁ、どうすりゃ良いんだ………? 」 ニュースキャスター「また『赤い泪』は裁判官15名とキュウカ姫を人質に取り、政府に対し「血液」を要求。血液の量により人質を一人ずつ解放すると供述しているようです。政府の見解によれば…―――――(以降、アキラたちにとって目ぼしい情報は流れず) 」 アキラ「………っ(死相という発言に、表情が青ざめ)………そんなの、嫌………せっかく、帰って来たのに………一緒に、いられるはずだったのに…………こんな形でお別れなんて、絶対に嫌!!(エクロシアの服を掴んで)あいつらの事知ってるんでしょ?なら、何でも良い……何でも良いから、あいつらを倒す手がかりを教えてよ!!何か少しでも情報があれば、『英雄』の人達にも有利になるでしょ!? 」 エクロシア「(アキラに掴まれ、うーんと困った表情に)…とりあえず、『現場』へ向かってみてはいかがでしょうか。ここで手をこまねいていも仕方ないでしょうし。それに…百聞は一見に如かず。まずは直接情報収集を行ってみるべきかと。 」 ミオリ「現場………って、キー君が攫われた場所?それとも………  まさか、テロが起こった現場とか言わないよね?いや、確かにそこなら情報収集捗るだろうけど………。 」 エクロシア「私が持ち得る情報よりも、有益なものがきっと手に入るでしょう。 」 アキラ「……何処でも良いよ、奴らの手掛かりが掴めるなら、何処へだって行く!!(エクロシアを離し、急いで2階に上がっていく 」 清空博士「Σあ、アキラちゃん!?何処に………。 」 ミーラ「おそらく、出かける準備をなさっているのではないかと。(外したケーブルを項の収納ハッチにしまい)お嬢様は、本気で坊っちゃんを助け出すつもりデース、何が何でも、何をしてでも………。 」 清空博士「な……そ、そんな、危険すぎる!いくらなんでも無謀だ………!(ノートPCをしまい、焦った様子で 」 ミオリ「………アッちゃん………  そんなとこ見せられちゃ、さ………私も負けてられないよね………。(アキラの決意を感じ取って、呟く)パパ……  私も、アッちゃんと行くよ! 」 ---- その後、支度を終えたアキラたちは清空博士が運転する車で3時間かけ、司法の島がある南の国へと向かった――― ――― South・M・Land 司法の島「デッドエンド」へと続く橋の門前 ――― 政府軍兵士『当区域は大変危険ですので、取材はお引き取り願います! 下がって、危ないから! 誘導員を増員しろー!!(厳重なバリケードが敷かれた門前にて。政府の役人とカメラマンたちが周囲を何度も行き来し、現場は混乱としていた)』 清空博士「(車を運転しながら)………(結局、押し切られてしまった………アキラちゃんも、ミオリも、一度言い出したら聞きゃしないんだから………でも、どの道キルビス君は助けなきゃいけない………親友の、大事な倅だから………!)………そろそろ、着くぞ………! 」 アキラ「(窓から、島の方を見て)………これが………  司法の、島―――――――! 」 **[[BGM♪>https://www.youtube.com/watch?v=zmAjT8tVHOA]] ミオリ「………よーし……アッちゃん、パパ、武器はちゃんと持ってるよね?うちが用意出来る最高の護身用武器を厳選して来てるんだ………もしもの時、絶対役に立つはずよ………。(腰のホルダーに、黒い懐中電灯の様な物を下げて 」 アキラ「うん、大丈夫だよミオリさん。 ……随分、騒がしいね………どうやって、通ろう………。 」 政府軍将校「…緊張を解くなお前たち!いつ何が起こるか分からん…!厳重警戒態勢で待機せよッ!!! 」 政府軍兵士『 は っ ! ! ! ! 』 」 清空博士「(車を止め、ポケットから免許証入れを取出し)……一応、私も政府公認の科学者の端くれだ、政府の管理する施設への通行許可証は持っている………しかし、この状況で許可が下りるだろうか………  何とか、食い下がって頼む気ではいるが………こうもピリピリした役人を見るのは、私も初めてだからね……。 」 サトミ「――――……?あれ…アキラちゃん……??(その時、現場へ駆けつけてきた傍観者の群衆の中から、聞き覚えのある声が聞こえる)―――アキラちゃん…!! 」 アキラ「……それでも、意地でも入れてもら――――――  !(群衆の中から放たれた、聞き覚えのある声に、思わずその方向を振り返って)―――――今の……  サトミ、ちゃん………?(車のウィンドウを下げ、顔を出し、辺りを見回して 」 ミオリ「……? どうしたの、アッちゃん?いきなり窓開けて………もしかして、何か見つけたの? 」 サトミ「アキラちゃーん…!(アキラたちの元へと駆け寄る)はぁ…はぁ…びっくりした…!アキラちゃん、何でこんなとこに…?(横髪を掻き上げ) 」 アキラ「Σあっ…… やっぱり、サトミちゃんだ!それはこっちの台詞だよ……サトミちゃんこそ、どうしてここに? 」 清空博士「サトミ?(ウィンドウを開け、顔を出し)! さ、サトミちゃんじゃないか!ヴァナダの教室にもよく来てたから、覚えてるよ………君、どうしてここに………? 」 ミオリ「サトミって、アッちゃんのお友達だよね?まさか、こんなとこで会うなんて………  やっほー、久しぶりだね?ミオリお姉ちゃんだよー。(サトミに手を振り 」 白衣の女性「……?どうしたの、サトミ…?(その後、彼女の後を追うように一人の女性が現れる。麗しく長い黒髪で、研究員らしい白衣を身に纏っている)……?……! 」 白衣の女性→サユリ「…あ…貴方は…!(清空博士の顔を見て驚嘆する)…清空博士…!私です、山本です…!(女性の名は「山本紗由里」(やまもと さゆり)。元は清空博士と同じアームズカンパニーの研究員を務め、現在は政府の科学班に所属している)…お久しぶりです。まさかこのような場所でお会いするとは… 」 サトミ「あ…!お久しぶりです!(ミオリ、そして清空博士にお辞儀し)えっと、それは…あっ…!その前に、紹介するね、私のお母さん。昔、ワンナップリさんの会社に勤めていたの。(白衣の女性、サユリを見ながら)今は政府で研究員として働いているの。今日は有休なんだけど、政府に突然緊急招集をかけられて… 私も気になってここへ来たんだけど… 」 清空博士「えっ………  えぇっ、や、山本さん!?こ、こちらこそお久しぶり………(サユリに)………そうだったのか………事態は、深刻なようだね………。 」 アキラ「ど、どうも!私、サトミちゃんと仲良くさせていただいております……あ、アキラと申します!(サユリに)………そうだったんだ………  私達もね、どうしても島に入れて欲しいんだ………兄さんを、助ける為に………! 」 サユリ「ええ…そうですね…(厳重に閉された門へ視線を向け)…ここへ来た、ということは…既にご存知かと思われます。事件発生より数時間が経過していますが、未だ政府、犯罪者、両者共に動きはなく睨み合いの状態が続いているようです。初めまして。この子がいつもお世話になっているわね。(ふふっと柔らかい表情でアキラとミオリに挨拶) 」 サトミ「お兄さん…を……?どういうこと……?? 」 その後、アキラはサトミたちに事情を説明… サトミ「…そん――――(事情を聴き、一瞬言葉と目の輝きを失う)…… …… ……キルビスお兄さんが…(その後、遥か先に立つ巨大な白い塔を眺める) 」 サユリ「……!? まさか…ご家族の方が事件に巻き込まれたのですか…!?(アキラたちの証言を聞き、清空博士へ) 」 清空博士「……その通りです、キルビス君は、アキラちゃんの目の前で………ここを襲った奴らの仲間の手によって、連れ去られてしまった………。 」 ミオリ「………で、私達は奴らの手掛かりをどうにか手に出来ないかと、ここに来たわけ………  けど、この様子だと………(白い塔の方を見て)………ビンゴ、みたいね………あそこに、例の奴らが………  キー君を攫ったクソ野郎も、いるかしら………? 」 サトミ「……(ふと伏し目がちになり、何か深く考えつめた様子だったが)……!(突然母サトミへと振り返る)……お母さん、お願い…!キルビスさんを…アキラちゃんのお兄さんを、助けてあげて…! 」 サユリ「そんな…… ……?サトミ…?(険しい表情へ一変した娘を見て) 」 サトミ「…キルビスさんのお陰で、私…お姉ちゃん(マドカ)から助けてもらったんだ… あの時、キルビスさんに救われていなかったら…私今頃、機関の「例の計画の実験体」にされていた…(唇を震わせながら)だから…今度は、恩返しをしたい…!それに、大切な友達のお兄さんだもの!見捨てることなんて、できない…!!(アキラを一瞥し、再びサユリと向き合う) 」 サユリ「……!……(サトミが…こんなにも誰かを思う娘だったなんて… …マドカは、私の責任で"変わって"しまった…けど、この子は…)……そう…(――― いい友達に出会えたね。)(ふっ、と娘に微笑む) 」 サユリ「…… …… ……わかったわ。(ふぅと肩の力を抜くように)…清空博士。デッドエンドへはあの一本道しか通路はありません。現在通路はあのように厳重に封鎖されており、現時点では将校たちですら侵入を固く禁じられています… ですが…もう一つだけ、"あの島へ侵入できるルートがあります"。 」 清空博士「!! ……山本さん………協力してくださるのですか………? 」 ミオリ「……!(表情が一気に明るくなり)サトミちゃん、ナイス!!サトミママも、本当にありがとう!!……アッちゃん、良かったね!キー君を助けられるかもしれないよ!! 」 アキラ「………っ(溢れそうになる気持ちを堪え、深々と頭を下げて)――――――ありがとうございますっっ!!!! 」 サトミ「……!!……お母さん、ありがとう…!(ぱあと表情が明るくなり)よかったね、アキラちゃん…! 」 サユリ「はい…!娘から、当時(機関時代)のことは聞いています。この娘は友達のお兄さんに命を救われた…断る訳がありません。(ふふっと笑む)…あのお方…『ヴァナダ』さんが残した究極の遺産が、まだカンパニーの地下に眠っているはずです。それがあれば、デッドエンドへの侵入も可能のはずです。……ですが…(白い巨塔を見やる)…侵入できたとはいえ、命の保証は―――― 」 エルナ「―――その心配なら要らないよ。(サユリの言葉を遮る様に現れたのは、政府軍が誇る精鋭"エージェント"の少女。拳銃をくるくると回しながら彼女たちの元へやってくる)お話、聞かせてもらったよ。警戒態勢で待機を命じられていていい加減痺れを切らしていたところなんだよね~。…だから、あなたたちの護衛は、私が責任を以て務めるわ。(手中の拳銃をホルスターへ華麗に差し込む)―――よろしくっ☆(ウインクし) 」 アキラ「……うん……っ(目元をサッと拭い、サユリの方を見て)………お父さんの、遺産………?それがあれば―――――  えっ?(エルナを見て)………あなたは……? 」 サユリ「あなたは…!(突如現れたエルナ、そして彼女たちの登場に首を傾げるアキラたちに気づき紹介する)…彼女は、世界政府が誇る屈指の精鋭《エージェント》の一人よ。…手厚い護衛、感謝します。(そう言い、エルナに会釈) 」 エルナ「いーよいーよっ。それが仕事みたいなもんだもん。それに、誘拐されたのは君(アキラ)のお兄さんだけじゃないからね。あいつらに拉致された人たちを全員解放しないとね。 」 ミオリ「Σマジで!?……アッちゃん、聞いた?今の私達に、こんな凄い助っ人が来てくれるなんて………  本当に、神様の慈悲としか思えないね………。(目を輝かせながら 」 アキラ「………!ありがとうございます、エルナさん………(頭を下げ)………私、ここに来てよかった………これで、兄さんを助けられる………! 」 サユリ「それなら、早速カンパニーへ向かいましょう。あとのことは、移動中にお話しします。(清空博士にアイコンタクトを送り) 」 浦橋龍助「ぶおん!ぶおん!ぶおおおおおおおおおおおんっ!!(たまたまミオリたちの近くに停車する)さてと、疾風達とR34ミーティング、楽しかったし、休憩でもするか・・・・そろそろこいつ、タイヤ交換でもすっかな・・・・。っと、その前に・・・・吉岡が行方不明らしいな・・・・・(車から出ないで、コーヒーを飲みつつ) 」 清空博士「……よし、では早速、ヴァナダの会社に向かうとしようか。(車のエンジンをかけ)まったく、あいつめ……友である私にも隠れて、どんな凄い物を開発していたのかね………。(そう呟き、車を発進させる 」 清空博士のワゴン車に乗り込んだ一同は、その後高速道路に乗り真っ直ぐに東の国へと走行したのだった… ---- ――― 某所 ――― 薄暗い一室。幾つも展開されたディスプレイの電光によって照らされたその部屋に、一つの影が立っている。 白髪の青年「…… …… ……(ディスプレイに映る一人の人物を凝視している。青い髪をした少女たちが車に乗り込み、今まさにどこかへ出発した瞬間まで…) 」 白髪の青年「……「ここ」へ来るのか。…ふふっ…なら、ちゃんと歓迎してあげないとね。 ブ ワ サ ァ ――――(踵を返すと身に纏った白衣が靡く。不敵な笑みを浮かべた青年はそのまま一室を後にした…) 」 ---- その頃、アキラたちは… サユリ「(車内の後席に座っている)…デッドエンドはただの司法の島ではありません。島内部にある裁判所には『マザリス』というビッグコンピュータがあります。ヴァナダ博士と私は過去に、そのコンピューターの共同研究に携わったことがあります。 」 サユリ「マザリスは、この世界の全住人の個人情報が格納されていて、人工衛星とリンクしたマザリスを利用することで、対象者の現在の位置情報を検索できる機能があります。犯罪者の位置を特定するためだという政府の考えに則り、あの裁判所に設置されるようになったのですが… 」 サトミ「……?どうしたの、お母さん…?(急に言い淀んだサユリに首を傾げる) 」 サユリ「…実は、先程エルナさんがおっしゃっていたように、キルビス君以外にも誘拐された方々がたくさんいるみたいなんです。その原因として考えられるのが、あの「マザリス」なのではと… 」 エルナ「…現在(いま)、世界各地で犯罪者やそうでない人たちが忽然と行方を眩ます事件が…例の大事件(首脳会議やデッドエンド襲撃)の水面下で密かに相次いでいるの。首脳会議に出席していたある二人のお姫様の誘拐事件を始め、それに誘発されたかのよう、次から次へと…ね。どう考えても不自然よ。(腕と脚を組み、車の窓から覗く景色を一望しながら) 」 清空博士「そうか………奴らは、一体何のために………  どちらにせよ、一刻も早く手を打たないとマズイね………。(そう言って、前方にかすかに見える建物を見て)………お、もうすぐだね………あそこに行くのも、いつ以来だろうか………。 」 ミオリ「………キー君のパパの、会社………  あそこに、キー君を救えるかもしれない物が――――――(徐々に近づいてくるカンパニーのシルエットを見て 」 サユリ「(徐々に近づく建物を見据え、更に話を進める)…カンパニーには、人間をデータ化して遠隔地に転送する装置―――『ヴァーチャル・スキャナー』(※以下:V.S.)があります。ヴァナダ博士が発明した世界最高峰の転送装置… ケイオスにあるすべてのコンピュータを構築する巨大ネットワーク「コスモネット」に人間を送り込む技術から誕生したものです。 」 サユリ「この装置を利用し、人をデータ変換してコスモネットに送り込み…そのネットワークを通じて、短時間で世界の反対側へ移ることも可能なんです。彼のV.S.は世界的に認められ、今では世界各地のコンピュータ施設に設置され、V.S.から別のV.S.へと人間を送り込むことが出来ます。当然、デッドエンドにもその装置があります。だから、カンパニーからマザリスへ移動出来るもう一つの手段こそ、V.S.なのです。 」 アキラ「!……凄い………じゃぁ、それを使えば―――――!! 」 エルナ「ふーん… でも、各地にその装置があるってんなら、そのカンパニーってところに拘らなくてもいいんじゃない?(首を傾げる) 」 サユリ「ええ…ですが、V.S.の行く先は一部に限定されていて、特に強固なプロテクトが掛けられているデッドエンドへは転送できないんです。…しかし、カンパニー地下にある「プロトタイプ」は世界中にあるすべてのV.S.に干渉でき、デッドエンドのようにプロテクトが施されたV.S.の侵入路を解除することができるんです。 」 清空博士「………!な、何という………あいつ、そんな物を密かに………   やっぱり、敵わんなぁ………。(小さく呟く 」 ミオリ「あら、パパってば……キー君のパパの技術力に改めて妬いちゃってる?(少しからかった口調で 」 エルナ「なーるほどね~…(科学ってよくわかんないけどすごいんだな~…)(自分とは遠い世界のことのように真顔で感心)まっ、その装置を使って島の内部へ侵入できるなら…案外楽勝じゃない?現場潜入した後のことを警戒すれば… 」 サユリ「ええ…あの方の技術には、いつも驚かされるばかりです… ……(カンパニーに近づくにつれ、徐々に表情が陰っていく) 」 サトミ「やっぱりワンナップリン博士はすごいなぁ…!(最も尊敬する人物の開発秘話を聞けて目を輝かせている)……?…お母さん…?(サユリの顔を心配そうに覗きこむ) 」 アキラ「………私、こう見えて潜入とか、隠密行動は得意なんです………昔、ちょっとした訓練を受けた事があって………。(エルナに 」 サユリ「……っ…( ギ ュ ッ … )(唇をかみしめ、自分の白衣の肩部を強く掴む)……!……う、ううん。平気よ、気にしないで。(サトミに、何処か弱弱しく笑ってみせる) 」 ミオリ「アッちゃんって、元々の生まれは忍者の家系だったんだよね?カッコいいじゃねーの………  ん?(サユリを見て)………サトミママ、大丈夫?車酔い? 」 エルナ「へぇ~!(ずいっとアキラへ詰め寄り) ふ~ん…じゃあさ、君、ウチ来る?(にやりと悪戯っぽい表情のあと、「冗談冗談!」と笑う) それなら心強いね~。 」 清空博士「えっ?大丈夫ですか山本さん………もうすぐ到着しますから、少し窓を開けて外の空気を吸われた方が………。 」 アキラ「Σえっ………  は、はぁ……兄さん程、上手くできるかはわからないけど………頑張ります、頑張って………必ず兄さんを助けだします。(エルナに 」 サユリ「…ああ、いえ……平気です…(――――…彼女たちに『真実』を伝えるべきか… そうしなければ、キルビス君を救うことはできない… でも…これを、もしもこの事実を伝えてしまったら…私は… 博士から受けた恩を…仇で返してしまう……っ…――――) 」 そして一同は、目的地のアームズカンパニーへと到着する… エルナ「よっ…と!(車から降り、目の前にそびえ立つ建物を見上げる)…ふーん、ここがあの、例の装置があるって会社? 」 清空博士「(車を降りて)………久々に来たが、変わってないなぁ………  ヴァナダ、お前の最高傑作……見せてもらうぞ。 」 ミオリ「(車を降りて、プリン型の会社の看板を見て)あはは、相変わらず面白いね……キー君のパパ、やたらとプリンにこだわってたよね~。 」 アキラ「(建物をじっと見上げて)…………サユリさん、早速ですが地下への案内をお願いします………私、いつでも奴らの所に潜りこむ覚悟は出来てますから。 」 サユリ「……(無言でカンパニーを静かに仰ぎ見る。自身の脈打つ鼓動が徐々に高鳴り、今にも破裂しそう心臓を抑え込もうと胸元に手を添える)……行きましょう…(そう言い、彼女たちを先導しカンパニー本社の出入り口前へ向かうが…)――――― ザ ッ … ! (突如踵を返す。無言で彼女たちの前に佇むその姿は、先程の協力者としての彼女ではなく…アキラたちを、"カンパニーに入れさせないという"意思が全面的に現れていた)…ハァ……ハァ……!(ずっと我慢していた感情が徐々に零れ始める) 」 アキラ「………え?(サユリの様子を見て、立ち止まり)………サユリ、さん? 」 サトミ「わぁ~…!(カンパニー前に来て興奮している)私、いつかここで研究するのが夢なんだ~♪ふふふっ…♪……はっ!ぶんぶん。(まるでピクニック感覚に浸っていたが、本来の目的を思い出し我に返る)さ、さっ!いこう!……!?(突然振り返った母の姿が先程と何かが違うと感じ取り、表情が一変する)……お母さん…?(ゆっくりと、一歩詰めよる) 」 清空博士「? 山本さ………  !(サユリの様子を見て、彼女の意志を薄々ながら感じ取り)………あなた、まさか………。 」 エルナ「……(アキラたちの背後で、サユリの行動を黙視する) 」 サユリ「ハァ…ハァ……!(徐々に荒くなる呼吸、滴る冷や汗、青ざめる表情―――)――――― ス チ ャ ッ (徐に取り出した銃を一同に向ける) 」 エルナ「――― ス チ ャ ッ (サユリが銃を取り出したタイミングでアキラたちの前に現れ、サユリに銃口を向ける) 」 サトミ「ひっ……!…お、お母さん……!?(今まで目にした事の無かった母の姿に驚愕と戦慄が走り、思わず身が竦む) 」 ミオリ「………嘘でしょ………何で………?(サユリとエルナを見て 」 アキラ「………! …………どういう、事ですか………(サユリの行動を見て、肩を震わせ)何で――――――   何で邪魔するんですかっ!?(怒りと困惑の混じったような表情と声で、言い放つ 」 サユリ「…… …… ……ごめんなさい… やっぱり…―――― 貴方たちには『真実』を知られたくない…っ…! 」 清空博士「真実………?  どういう事なんですか、山本さん………? 」

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