ケイオスが日々腐食し続けているという裏事情は、とある組織も感知していた。
奴らは
BOSSという謎の男の命により、
カオス界を第二の地球にせんと、ケイオスを救う為に星の記憶を消そうと企んだ。
組織のリーダー格、
デュルグは、歴代の戦士たちが関わっていた事件簿を探索していた。
すると彼の目に留まったのが『カオス界記憶喪失事件』。
かつて、世界のバランスを保つ為にマスターが全ての記憶を消したとされるあの出来事だ。
彼はこれを利用しようと企み、“絶対の鍵”を使ってケイオスの記憶を再び閉ざそうとした。
世界を救う為に。
しかしその一方で、奴らの行いが間違っていると指摘するある少女が立ちはだかった。
新たに惑星神に加盟した、神族のルーキー…フーナだ。
そして後に、この二つの存在が対立する事となった。
互いの、意味の異なる世界を護る意思。
己の持つ意味を貫き通す為…少女は一人、強大な組織に立ち向かった。
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~カオスルームへと繋がる遺跡・6F~
フーナ「ゴクリ… とうとう、ここまで来ちゃった…。(ルームへと繋がる扉を前に)……ここまで来たんだ。もう絶対に…退かない。護るんだ、みんな…みんなが愛した、この世界…。ギギィーー……!!(扉に両手を添え、思いっきり押して開く) 」
――――――カオスルーム―――――――
フーナ「……!!(カオスルームを目の当たりにした瞬間に仰天し、辺りを見渡す)…凄い、まるで…別世界にいるみたい…。(ルームへと足を踏み入れそのまま歩く)なんだか不思議な感じ……。」
××××「とうとうここまで来たか、子娘。(真っ白な空間の先に背を向けたまま佇んでいる) 」
フーナ「――――!!あ…貴方は……!(咄嗟に身構える) 」
××××→デュルグ「一市民の子娘がここまで辿り着いたことは高く評価してやろう。だが、その傷ついた身体で…俺を止める事は出来ない。」
フーナ「ここまで出会ってきたマフィアたちはみんな斬り伏せてきたわ。残るのは貴方だけよ。(大型手裏剣を突き付ける) 」
デュルグ「自意識過剰か?そんな安易な考えで勝てると思っているのか?愚かな…。」
フーナ「何とでも言いなよ、べーっ(舌を出して)……とにかく貴方を止めないと、元も子もないの。覚悟してよね…! 」
デュルグ「……こんな子娘風情に敗れるとは、D.K.X.も堕ちたものだ。使えない奴等だったな…。 」
フーナ「…!何ですって…!?貴方の仲間なんだよ!?どうしてそんなこと言うのよ!! 」
デュルグ「所詮、使えないものは使えないのだ。結果が総べて…しくじればそこで切り捨てられるのがマフィア界の常識だ。」
フーナ「どうして貴方達はそこまでして目の前の事をやり通そうとするの!?どうしてそんなに平気に仲間を見捨てられるの!?どうして…そうも簡単に仲間の命を切り捨てられるの!!?
デュルグ「…所属故に、だ。」
フーナ「……絶対に…許さないっ…!! ダッ(駆け出す) 」
デュルグ「身勝手にも世界中に台頭する、哀れで愚かしい悪党風情を抹消する為だ。その為にこの星は、我等地球人の力を貸してほしいと助けを求めている。邪魔をするというのなら・・・・俺を止めるというのなら…(同時に駆け出す) 」
フーナ「許さないんだからあぁぁああっ!!(大型手裏剣で斬りかかる) 」
デュルグ「倒してみるがいい、悪魔に体を売ったこの俺になあ!!!(M500マグナムリボルバーで防ぎ、離れると同時に幾つか発砲) 」
フーナ「くぅ…!ガキィン、ガキィン、ガキィンッ!!!(手裏剣を高速回転させて銃弾を弾き返す)やあぁっ!!(風分身を二体作り出し、共に斬りかかる) 」
デュルグ「未熟。神様如き、俺を止められると思うな。(掌を向ける事により、謎の力を使って動きを止める) 」
フーナ「…な、何なの…これ!?(分身と一緒で動けなくなる) 」
デュルグ「悪魔の実超人系「サイサイの実」の能力だ。ふんっ…!(超能力で真っ白い壁に激突させる)俺は超能力人間、あらゆる物体を意のままに操る事ができる。」
フーナ「きゃふんっ…!(頭から酷く激突する)いったぁー……ち、超能力…本当にこの世に存在していたんだ…。(頭を摩りながら) 」
デュルグ「余所見をしている暇は有るようだな。(蹴り上げ→頭上のフーナに発砲→落ちてきたところで蹴飛し→発砲の連続攻撃を繰り出す) 」
フーナ「はう…っ!痛いっ!ぎゅう…っ!ああぁっ!!(隙のない連続攻撃をまともに喰らう) 」
フーナ(分身×2)「……!!(二人で巨大な竜巻を作り出し、それを放つ) 」
ズゴゴゴゴゴオオオォォオオオオォォォオオ……ッッ!!!!!(巨大な竜巻がデュルグに襲い掛かっていく)
デュルグ「――――――ガシィッ(なんと原形を取り留めぬ竜巻を握りつぶすことで相殺する) 」
フーナ「……!?そんな…今、竜巻を掴んだ…?(汗) 」
デュルグ「“アンビション”という、この世において希少価値である能力を知っているか?実体の無いものを実体としてとらえる事ができる為、能力を無効化することが出来る。貴様が天空の女神と知った上で使わせてもらった。風を操る能力でさえも、俺の持つこの地球人として並み外れた力の前では…無力。“剃” シュピンッ(一瞬にして姿を消す) 」
フーナ「そんな―――――ッ!?(消えたことで周囲を警戒して見渡す) 」
デュルグ「――――――――“剃脚” ズバアァンッ!!(フーナの背後に立った途端、彼女の腹部が思いっきり切り裂かれる) 」
フーナ「後ろ―――――――ッ!!(腹部が切り裂かれて、ぐらりとうつ伏せに倒れ込む) 」
デュルグ「そんな身体で立ち向かうことが無謀なのだ。否…そもそも我等の前に立ち塞がったこと、それ自体が過ちだった。まだ幼い命だというのに…哀れだな、そんなにその命、摘まれたかったのか。 」
フーナ「ケホッ…ひぐぅ…っ!(吐血)私は…みんなの為に、戦っているだけ…なの……!こんなところで……こんなところでぇ…っ!(ゆっくりと立ち上がる)…私は、負けないっ…!!!(涙ぐんだ眼で叫ぶ) 」
デュルグ「可哀そうだ…実に、可哀そうだ。同乗してやろう、その哀れさに。シュンッ(ミドルキック→発砲→ミドルキック→連続蹴り→蹴り払い→発砲の第二連続攻撃を繰り出す) 」
フーナ「(全ての攻撃を直に喰らい、宙へと舞って落下する) 」
デュルグ「俺には俺なりの正義がある…例えそれが間違った正義だとしてもな。己が正義を貫くのならこの俺を全力で否定してみせろ。まあ、今の状態では不可能に近いだろうけどな。(そのまま横切って鎖で縛りつけられた塔へと向かう)……(それを見上げ、絶対の鍵(アブソリュート・セズ)を取り出す)星の記憶は今、ここで絶つ。そして世界は救われるのだ。救世主はこの世界の創造神ではない、この俺だ。(鍵穴に鍵を差し込もうとする) 」
フーナ「……(全身傷だらけ、血だらけの体でもすくっと立ち上がる)……貴方じゃ、平和な世界は創れない……っ! 」
デュルグ「……!…まだ意識が残っていたか、しぶとい。ダキュン、ダキュン、ダキュン!!(発砲し続ける) 」
フーナ「馬鹿にされたっていい、貶されたっていい…!私は、私のやり方で……世界を――――(大型手裏剣を回しながら駆け出し、銃弾をはじき返していく)――――護る!!!(手裏剣をデュルグに向かって投げ飛ばす) 」
デュルグ「……クハ、クハハハハハハハハッ!!天に身を任せて向かってくるか――――ッ!?(間一髪、目と鼻の先で撃ち落とす) 」
フーナ「(もう一つの大型手裏剣を一瞬に取り出し、撃ち落とされた手裏剣を拾い上げて駆け出す)“天澪花雲”!!(二つの大型手裏剣を平行に構え、交差するように思いっきり切り裂く) 」
デュルグ「―――――ッ(見切れない!?)グッ……はぁ…っ!?(激しく吐血し塔に激突する)とうとう俺も追い詰められた…か…。ククッ、随分と老いたものだ…。(力なくグッタリとなる) 」
フーナ「これで仲間の事は悪く言えないでしょう…?…はぁ…はぁ……世界の運命を、無理矢理変えるのは絶対に許さない。世界はみんなの物…みんなで手を取り合って、協力し合う事で運命は変えられるの。一人じゃ運命は変えられない…っ!! 」
デュルグ「……クックックッ……(片手で顔を覆い、天を仰いで笑みを浮かべる)クハハハハハハハッ!!!馬鹿馬鹿、実に。貴様等偽善者の語る正義など、単なる幼稚のお飯事に過ぎない。終わりだ…この戦いも、“ここ”での戦いもな…! 」
ズズズズッ………ガラガラガラガラ…ッッッ!!!!!!(突然カオスルームが揺れ始め、天井から瓦礫が落下していく)
フーナ「……!!な、なに…何なの…っ!?(辺りを見渡す)」
デュルグ「このカオスルームの警報装置が作動したのだ。この塔に相当なダメージを与えた事により…それは作動するのさ。そう、さっき貴様が繰り出した攻撃によってな。ここは朽ちる、もはや誰もここへは足を踏みいれられないだろう。さらばだ、子娘。生きて地上へ出るといい…っ!クハ、クハハハハハハハハッ!!アッハハハハハ!!(塔に凭れたまま、両手を広げて狂ったように笑い上げている) 」
フーナ「――――ッ!(躊躇いを見せるも後ろへ振り返り、来た道を一目散に駆け出していく) 」
デュルグ「ハッハッハッハッハッハッハッ!!アッハハハハハッハッハ…ハッハッハッ…・・!!!(塔と共に、瓦礫に埋もれて消える) 」
フーナ「ハァ…ハァ…ハァ…ハァ…っ!!ハァ……な、なんとか…生きて戻ってこれた…。(地上へ帰還)
フーナ「はぁ……はぁ……やったよ…デイリンさん、私…ちゃんと神として、仕事を成し遂げたよ…?だから……もう、怒ら……ない、で………ドサァ(芝生の上に倒れ込む) 」
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主な登場人物
新たに惑星神に加わった天空の女神の職を持つ少女。
新たな悪の存在を放っておけず、一人悪事を許さんとして謎の組織「D.K.X.」に立ち向かう。
世界的有名なマフィアの組織「D.K.X.」のリーダー。
地球に滞在するBOSSという謎の男の命により、カオス界を支配しようする。
しかしケイオスが限界まで腐植し続けようとしている裏事情を感知し、先ずは星のブラックアウト(記憶喪失)化を行い、世界を救おうとする。
だがそれに反対するフーナに盾突かれ、何としてでも仕事を貫き通そうとあらゆる手段を使って彼女を蹴落とそうとする。
絶対の鍵を使って
カオスルームの鎖を解放し、世界の記憶を消そうとする。
用語
混沌世界で最も有名な美術館。
世界で希少とされている鍵「絶対の鍵」をマフィアグループに奪われる。
上記の美術館にて奪われた逸品。
その名の通り、どんな扉でも絶対に開くことのできる超万能鍵。
デュルグ曰く「この鍵の前において、開けられぬ扉など存在しない」。
名称不明。
下記のカオスルームへと繋がる謎の遺跡であり、下へ行くにつれそこへたどり着くことができる。
ケイオスの地中心にある不思議な空間。
詳細は
カオスルームを参照。
最終更新:2019年11月11日 23:26