海を汚す人類を侵略して懲らしめるべく、深海から地上にやってきた少女。
しかし、最初の侵略拠点と定めた海の家「れもん」で壁を壊してしまい、現在はその修理代の弁償という名目で
「れもん」従業員として超低賃金でこき使われている[9]。
「れもん」を経営する相沢姉妹の指示で日々仕事をこなすが、面白そうな事があるとすぐそちらにかまけてしまう。
上陸後しばらくは「れもん」で寝泊りしていたが、後に千鶴の提案により相沢家に居を移す。
身長不明[10]だが栄子の目の高さぐらいの高さで、清美とほぼ同じかやや低いぐらい。周囲の人間よりも身長が低いのを悩むことがある。
体重は可変(後述)。年齢も不明で本人すら把握していないが、外見上の年齢は13 - 14歳とのこと[11]。
「イカ娘」は種族名にして彼女自身の固有名でもある。同族の存在は不明だが、イカ帽子を被っていると彼女から「同胞」の扱いを受ける。
一応家族はいるらしく、第69話でわずかに父親の人となりが示唆されている。
人間には症例のない、種族特有の病気(ゲソニンムルゴボング病、イカモスロップソン病)に罹ってしまうことがある。
また、しゃっくりを30回すると触手がグロテスクな形に変形して無差別に周囲の人を襲うらしい。
熱中症や光化学スモッグなど人間の病気にもかかり、そのために何度か倒れているため実は虚弱なのではと栄子に疑われている。
服装は白地で、スカート部分のすそに青でイカの吸盤をあしらい、上半身部分はノースリーブ(袖なし)でVネック
開口部をスカートの模様と同じ青で縁取りしたシンプルなワンピースを着用。中には常に白いスクール水着を着用している。
入浴時にのみ水着も脱ぐ(脱いだ姿は人間の少女そのもの)。着衣はこのワンピースか水着が基本だが、浴衣を着る事もある。[9](第146話)
日焼けしようとするとなぜか肌ではなく、服が日焼けする。
また早苗に無理矢理(時として自発的に)コスプレをされ、撮影される場合も多々ある。
両腕に装着した青い腕輪は体重を増減させる機能を持っており(原作では、手首から肘の間をスライドさせて調節する。
(手首方向は加重、肘方向は軽減)
アニメでは、位置は変えず回転させて調節する(手の方から見て時計回りで加重、反時計回りで軽減)[12])、触手の威力を増減したり
海中での沈降・浮上速度を上げるために使用する。
加重すれば100kgにも達する一方、極限まで軽減すればドライヤーの風で宙を舞うほど軽くなる。[13]
腕輪と同じデザインの足輪は、靴と一体化しており、靴を脱ぐ場面(室内など)では足輪も外れている。
イカの胴部に似た白い帽子状の頭頂部はれっきとした身体の一部で、外すと死ぬ(本人談)。
人型部位との接合は脆弱で、記憶喪失になった際に自ら外そうとして死にかけ、寸でのところで危うく回避したこともある。(記憶は戻った)
帽子側面のエンペラ(三角形のヒレ、「耳」、作中では「ピコピコ」とも)は自分の意思で動かせる。(無意識で動くこともある)
威力はかなり強く、外敵(主に早苗)に対する武器としても機能する。
もっともイカ娘本人は蚊を退治する際に自らもダメージを負い、「こんな能力要らない」と発言している。
作者の絵柄の変化もあってか現在は初期に比べると帽子が短く前髪の量も増え、胸も小さく細身になっている。
(公式ファンブックのリテイク版)
頭髪と一体化した10本の青い触手は、イカ娘の最大の武器であり、スピード・パワー・リーチ[14]を兼ね備えている。
普段は腰の位置までの長さだが、それ以上に縮める(人間のショートヘアー位)ことも可能。
また水泳、捕食、物の運搬、大道芸、タイピング(アニメでの描写)等、文字通りイカ娘の手足として非常に器用に動くほか
原木から製材して小屋を作るなど、物を切断する鋭利さと精密さを兼ね備えている。
触手で似顔絵を描くと非常に写実的な物に仕上がるが、特定のイメージや感情を持つ人間はイカ娘の主観がそのまま出てしまう。
極めて高い再生能力をもち、切断されても翌日には元通りになる。痛覚はないようだが、アレックスやリスに噛まれて痛がる場合もある。
一時的に動かなくなった時にショックで短く切ったことがある。
ほぼ全ての作業が触手で事足りるため、人間の手足にあたる部分はむしろ不器用で本人曰く「蛇足」(箸の扱いや筆記はできる)。
触手を使えないと泳ぐことすらままならず、触手を使えないサッカーも苦手。
口からイカ墨を噴ける。美味であるそうで、これを利用したイカスミパスタ[9]が海の家のメニューに加わった。
かなり大量に出せるが、一定量を越せば憔悴してしまう。クシャミの時にも無意識に出る。
相手を攻撃する際に武器(嫌がらせ)として使う事もある。このイカ墨で植物を栽培すると異常な速度で成長する。
こけた時など血の代わりに出ることも多い[15]。
ホタルイカの原理で、全身から光を発する事ができる[9]。発光力はかなり強く、周囲の人間がまぶしく感じるほど[16]。
発光量は調節できないが、点滅はできる。
ドラマCDでは超音波による共鳴を起こしてガラスなどの物質を破壊する能力を披露した。原作でこの能力が使用可能かは不明。
初上陸時から日本語が堪能で、諺や慣用句なども知っている。しかし字は下手で漢字はおろか原作ではカタカナすら書いていない[17]。
ただしこれは手を使った場合であり、触手を使えば漢字などもきれいな字でしっかり書ける(第144話)。
会話では「〜でゲソ」「〜なイカ?」等の語尾を付けて話す[18]。また「〜するもんか!」は江戸弁調に「〜するめイカ!」と言う。
態度はやや尊大で、他人の名前は常に呼び捨て。二人称には「お主」や「お前」を使う。
本人曰く「海では博識な方」らしいが、地上関連の知識は非常に限定的で、強力な兵器の存在をまったく知らず
人類の総数(64億人)も1,000人程度と思っていた。
そのため、地上での生活は未知との遭遇の連続であり、好奇心豊かな性格も手伝い、なにかと積極的に首を突っ込んでは様々な体験をしていく。
一方で多方面に優れた学習・適応能力を発揮し、英会話や大学レベルの数学、機械類(ゲーム機。携帯等)の操作方法も短期間で習得した。
特に数学は東大合格も楽勝のレベルで、アニメではフーリエ変換やポアソンの和公式すら楽々理解している。
数式の解析には人類とは異なる独特の方式を用いる。アニメでは極めて短い時間(試合中)に野球が上達した。
なお、視覚情報の認識能力にはやや難が見られ、人間には通常分別できる存在同士(上述のイカ帽子を被った人間のほか
共に日焼けしている悟郎と磯崎、自分自身と偽イカ娘、自分自身と普通のイカ等)を混同、ないしは区別がつかないことがある。
エビが大好物で、嫌いな食べ物はない(本人曰く「海で生きるなら好き嫌いなど出来ない」)。
ただし、長期間エビを食べないと憔悴する。また、極端に辛い物を食べると火を吹いて泣き叫ぶ。
海中での捕食者(サメやシャチ)を何よりも苦手とするが、地上に上がってからは千鶴が更なる恐怖の対象となった。
幽霊は当初恐怖の対象としてみていなかったが、実物を見て以降は恐れている(原作のみ)。
蚊や蠅には何度も翻弄されているため嫌っているが、ゴキブリは平気で触れる。
人間を刺したクラゲに対し最初は加勢しようとしたが、自分も刺されたため「無差別に危害を加える無法者」として処分する側に回っている。
趣味はテレビの視聴とコンピューターゲーム。テレビは将棋の対局、天気予報、時代劇、通販番組など、ほぼ何を見ても楽しめる。
居を「れもん」から相沢家に移したきっかけも「れもん」のテレビが故障した際に千鶴が気を利かせたことから。
ゲームはパズルゲームなら栄子にも負けない。
本人の意思とは関係なく、子供達から絶大な人気を得ており、たけるたちのグループと遊ぶことも多い。
また、初対面の人間に対しても物怖じせず概ね気軽に接することができる。
しかし、海を汚す存在として、未だ人類への不信感は完全に消えておらず、毎回失敗しつつも折に触れて侵略者としての行動を繰り返している。
本人は侵略者として恐れられることを望んでおり、海水浴客らを恐怖させた[19]時は得意がり
また「侵略者にふさわしい」派手なメイクで脅そうしたこともある(実際には周囲から気持ち悪がられた)。
しかししばしば自分が侵略者である事を忘れ、地上に何をしに来たのか解らなくなる。
そのことで唯一イカ娘を侵略者として恐れている渚からすら
「(侵略を)やる気があるのかないのかはっきりして欲しい」などと言われてしまう始末。
またアニメでは「侵略者の割にフレンドリーで今ではすっかりみんなの人気者になっている」(6話C)ことを自覚し
それを他人から渚に暴露されることを心配している。なお、侵略行為には営業時間が存在する模様で、昼間限定である。
相沢家の姉妹からは当初冷ややかな扱いを受けていたが、相沢家に居候するようになってからは
徐々に家族の一員としての扱いをされるようになる。
一たび優位に立てるチャンスがあると見るや攻撃的姿勢に転じたりもする一方
次第に家族として他のメンバーに気遣いを見せることも多くなっていく。
劇中では「上陸するまでみんなとともに遊ぶという経験がなかった」とも発言しており
触手が使えなくなっても千鶴から家族として受け入れられた時は泣きじゃくっており
栄子から「支配者になって対等な人間がいなくなれば孤独になる」という事実を突きつけられた時は動揺するなど
孤独になることを恐れている描写もある。
また、ザリガニを飼育した時には愛情を注いで世話をし、金魚すくいの金魚や採集されるセミの命の心配をするなど
生命に対する強い感受性を持っている。侵略についても人類を奴隷にすることは考えているが、命を奪うことは考えていない。
「れもん」では給仕と共に子供や男性客を呼び込む看板娘の役割を果たしている。男性客曰く「新鮮で可愛い」とのこと。
その人気を当て込んで、「れもん」でイカ娘のキャラクター商品が発売されたこともある。
基本的には真面目な仕事ぶり[20]だが、時々思いつきでお客に対してすら大胆な振る舞いに出ることもある。
自己について持つイメージはクラーケンのような巨大な海の怪物。
最終更新:2011年12月11日 23:00