――――――――暗号解読
イギーター「ラストゲームです。(なにもない白い空間、ただある円卓に両手を添える)
ラテーネ「……(表情一つ変えず、イギーターを見つめる)
イギーター「これが本当に最後のゲーム、その名も――――「暗号解読」でございます。ルールは簡単、今からお渡しする用紙に娘さんの居場所が隠された暗号を記しています。それを説いた次第、このルームから解放して真っ直ぐにそこへ向かってください。それで、このゲームは完全に終了となります。無事娘さんに出会えたのなら貴女の勝ち、だが仮に違うのであれば…私の勝ちとなり、そのまま娘さんを貰って行きます。…よろしいですね?
ラテーネ「(小さく頷く)
イギーター「よろしい。では、始めましょうか。ス…(A4の用紙を円卓の上に出し、彼女の前に差し出す)
ラテーネ「(すぐさま用紙に手を出し、目をやる)
暗号はこう記されていた…「×××××・××××× ×××・××××× ×××××・× ××××・××× / ××・××× ×××・××××× ×××・××× ×・×××××」
ラテーネ「……ハッ(;゜Д゜)(暗号を見て仰天する)
イギーター「フフフフフ…非常に難しい問題ですので、ヒントカードを与えましょう。(もう一枚紙を差し出す)
ヒントカードにはこう記されていた「一列目:012345 二列目:1ABCDE 三列目:2FGHIJ 四列目:3KLMNO 五列目:4PQRST 六列目:UVWXY 七列目:Z 」
イギーター「まあ流石ののんさんでも、今回ので既にお手上げなのでは?(不敵に笑む)
ラテーネ「――――――はぅ、どうだろうね♪(寧ろ表情が緩くなっている)
イギーター「………へ…?(唖然)
ラテーネ「この問題ね、実は結構前に“ある女の子”との戦いで一度解いているの。当時はひどく悩んだけど…今となったらとっても簡単だよ♪えっとー……(ヒントカードに目を通さず、暗号を凝視)
イギーター「馬鹿な……すでに、プレイ済みですと…!?(大汗)
ラテーネ「(しばらく暗号とに睨めっこ 2分後、暗号用紙を円卓の上に置く)……分かったよ。
イギーター「パチンッ☆(白い空間に罅が入っていき、元の現実世界に戻る)行きなさい、もう…貴女の勝ちですよ。(苦笑)
ラテーネ「はぅ…♪(すぐさま駆けだすが…途中足を止め、振り返る)……結構おもしろかった。
イギーター「……はい…?
ラテーネ「にしし……ありがと♪(初めて彼に微笑み、そのまま何処かへ駆けだしていく)
イギーター「………。(呆然と立ち尽くしたまま彼女を見送る)……私のゲームが…面白い…。……フ、ふふっ……生まれて初めて、私は認められたのか…?うれしいですねぇ……(涙を堪えている)こうなったらもう人攫い屋なんか辞めて、ゲーム屋として食っていきましょうかね。
ラテーネ「はぁ……はぁ……(着いた先はなんと、自分の家だった)…ただいま…。(戸を開けて入り、恐る恐る部屋中を見渡す)
ノン「あ、ママだ♪おかえりぃ~。(リビングのソファから顔を覗かせて)
ラテーネ「……!!……あ…あぁ……ノン…っ!(ぎゅうと抱きしめる)
ノン「あうー…?(抱きしめられて)
ラテーネ「よかった……本当によかった…。ぐす…
ノン「ママー…どうして泣いてるの?
ラテーネ「……はぅ、そうだ。(顔を見合せ)け、怪我はない?
ノン「あう…?(見たところ異変はない)
ラテーネ「じ、じゃあ変なおじさんに連れていかれたでしょ?…怖くなかった?
ノン「うん、知らないおじさんには連れて行かれたよ。けど……
ラテーネ「……?
ノン「とっても優しいおじさんだった♪あう。
ラテーネ「え……?
ノン「あのおじさんね、ノンにいっぱいいっぱいおいしい物を食べさせてくれて、いっぱいいっぱい遊んでもらったんだよー♪パパみたいだった。
ラテーネ「(あいつ……)…そ、そう。…よかったね。はは…(苦笑)
ノン「ねー、ママー。
ラテーネ「はう…なぁに?
ノン「今度は、ママとパパも一緒に遊ぼうね♪あう~。
ラテーネ「……そうだね…。(微笑む)ぁ、お腹空いてきたね。そろそろご飯にしようか。
ノン「わ~い♪
イギーター「因みに暗号の答えは「YOUR HOME」。そう…貴女の家でした。……のんさん、いろいろありましたが……ご家族で、どうかお幸せに。また何処かで会えたら…次は難しいの、用意しておきますから。それでは……オー、ルヴォワ~ル! バシュンッ(消える)
+
|
... |
第五章
amazarashiより「デスゲーム」
|
最終更新:2012年03月16日 14:52