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思えばおもむろに79のボタンを押したのは失敗だった、と後悔する。
もし敵が待ち構えていたらどうするつもりか・・・?
俺はともかく、このチビはどうなる。
ハァ・・・仕方ない、守ってやるか・・・。
とんだお荷物だ。
試作品500「お前、俺の後ろに隠れてろ。」
試作品499「ふぇ?なんでー?」
素っ頓狂な声だ、・・・ええいマヌケめ。
扉が、開いた・・・。
次の瞬間、目の前に広がったのは
見渡す限りの死体、死体、死体。
そこらに広がる血溜り。
死体はその殆どが研究員と思わしきものだった、白衣は剥ぎ取られていたりいなかったりと疎らだ。
試作品500「当然の結果ではあるな・・・裁きが下ったまでだ。」
そっ、と試作品499の目を手で覆い、見えないようにする。
試作品499「あれ?なんで目隠しするの?ねぇ、なんで?」
試作品500「お前は見ないほうがいい。」
見たらどうせ失神するのだろう、されると面倒くさい。
ある程度歩いていると、多くの個室を発見した、研究員と思わしき死体もあるからして研究員の詰め所と見て間違いないだろう。
試作品500「・・・開かないな、ロックされている。」
ので―――――
試作品500「ふんッ!!」
姿勢を少し落とし、前に踏み込んでからの右足。
扉が捻じ曲がり、人一人が通れる程の隙間が生じる、やはり力はしっかりと入る。
試作品499「ひっ!・・・ね、ねぇ・・・なにしたの?そろそろ前を見せてよぉ・・・」
試作品500「安心しろ、開錠しただけだ。」
かなり手荒な方法だがな。
中はそれなりの広さだ、三人分のベッドとPC等がある。
いいものを見つけた、PCのデータを見れば何か分かるかもしれない。
試作品500「・・・もう目を開いていいぞ。」
そっと手をどけてやった。
試作品499「あれ?ここ、どこ?さっきと全然場所が違うよ・・・。」
そんな事はいざ知らず、俺はPCを弄り始めた。
流石にパスワードがかかっている・・・と思ったが、二つ目のPCは電源をつけっ放しだった、愚かな・・・。
暫く操作していると、ある程度のデータが取れた・・・。
まず、今置かれている状況。
研究員は幽閉に近い状態にあったらしい、帰りたいと言おうがお構いなしに研究しろの一点張りのようだ。
次に、研究所長は重役の会合にすら殆ど顔を見せず、見たものは数名程しかいないようだ。
その上、全くと言って良いほど喋る事もなかったようで全く得体が知れない人物らしい。
そして各階層の詳細、この研究員が分かる範囲でしか記載されていなかったが十分だ。
後は個人の趣味のようなものが綴られていたが、これは関係のないものだろうから斜め読みしただけだ。
そしてもう一つ収穫、ベッドの下にカードキーが落ちていた。
忘れ物のようだが、ありがたく頂戴させてもらおう、今後手荒な開錠をする必要が少しはなくなりそうだ。
試作品500「こんなものか・・・行くぞ。」
試作品499「・・・ZZzzzz」
こいつ、寝てやがる。
しかもこの短時間で、堂々とベッドで。
ふざけた奴だ・・・が、何故か放っておくのは少々引っかかるものがある・・・。
仕方なく俺は試作品499を背負い、再びエレベーターに戻っていく―――――
研究員A「・・・なぁ、何で俺等はここに隠れてまでトランプやってんだ?しかもババ抜き、先日もやったろ。」
研究員B「いいだろ別に、ここに隠れてりゃさしもの
試作品でも見つけられんさ。」
研究員C「でもなぁ、そこまでしてトランプやりたいって訳
でも・・・。」
研究員D「さてはお前、負けそうだからそんな事言ってるな。」
研究員C「さ、さァ~て、どどどどうかなぁぁぁ~?AHAHAHAHAHA!」
研究員E「まさか俺よりも手札の分かりやすい奴がいるなんて思っていなかったぜ・・・。」
研究員D「あがりだ、一位抜けだからビリは俺にジュースを奢れよ。」
研究員B「ブラト、お前本当にババ抜き強いよなぁ・・・イカサマやってんじゃないだろうな?」
研究員D「イカサマやるトランプなんて持ってないのは知ってるだろ。」
研究員E「おっと、俺二位抜けな!ニシシ」
研究員A「ちょっとこれマズいんじゃないか・・・?」
研究員C「手札バレやすくても、嫌に強いよなオリアン・・・ってかまたこのグループかよ。」
研究員B「こうなっては、このグループの中で誰が一番強いかを決めなければなるまい・・・負けんぞ!」
研究員A「俺だって負けねェぞ!ジュースなんて誰が買ってやっか!」
研究員C「きょ、今日こそは勝つ!俺が一番だって思い知らせてやる!」
研究員D「・・・低レベルな争いだ。」
研究員A&B&C「な、何をぉーッ!!」
研究員E「ってか、この暴動の元凶って試作品500らしいな、まさか反乱を起こすなんてな・・・」
研究員A「そりゃあさぞ、お怒りだろうよ・・・だって知らぬ間に体を好き放題弄られてるんだからな、俺だって怒る。」
研究員B「真っ先に殺されるのって、多分ブラト、あんたじゃないか?」
研究員D「・・・平和的解決を試みたい所ではある。」
研究員C「弱気になっちゃってェーこのっこのっ、声のトーン落ちてんぞ!」
研究員A「俺アガりな。」
研究員C「えっ」
研究員B「はい残念俺もアガりー。」
研究員C「うそ」
研究員D「フォンス、お前の負けだな・・・ジュースは買ってもらうぞ。」
研究員E「お前本当に、弱いよなぁ~・・・大体の勝負でビリ取ってないか?」
研究員C「うっそぉぉぉぉ!!??」
続く。
最終更新:2014年04月18日 23:40