津守「……という訳で来たんだが」
氷川「あー淀ちゃん来た、ごめんなーもう始まってて」
桜川「もう始まってる!!」
地野「まま、そう焦らないで、とりあえず座って、ね?」
シュトゥーカ「これ百合アニメだったんですね!!教えてくれてありがとう!」
柴原「……普通に面白いですね、これ…」
笠間「ま、まあまだ三話なんで…(百合アニメっつって喰霊零勧めるって完全に嫌がらせっすよ氷川さん)」
津守「が、喰霊か…そうか…」
シュトゥーカ「あら^~~」
笠間「ああ^~~」
桜川「そうそうこういうのでええねんこういうので」
氷川「ニヤニヤ」
地野「何回見てもいいですよねぇ、このシーン」
津守「男の前で堂々と、というのもポイントが高いな」
シュトゥーカ「過度に排除されちゃいますからねぇ、アクセントとして、障害物、もとい引き立て役としてはあっても良いですよね」
柴原「……」
桜川「(普通に見とるな)」
津守「(意外といけるかもしれない)」
(休憩挟み全話終了後)
桜川「わかっとってん、一話二話の時点で…」
シュトゥーカ「桐ちゃんも室長も……黄泉も神楽も…ズズー」
柴原「あんまりですよ…グズッ」
氷川「でも面白かったでしょ?」
笠間「ま、まあ名作っすよね、原作も悪くはないんすけど…」
津守「別物として見た方が良いかもしれんな、とりあえず此処のメンバーには勧められない」
地野「信じたいよー私達♪孤独じゃないー♪」
笠間「(めっちゃ上手いし…)」
ピピー
氷川「あ、反応があったわ、シュトゥーカちゃんお願い」
シュトゥーカ「ズズー…あ、はい……このルートだとハイエース集団が……ズズッ、三又路にもうすぐ着きます…」
津守「え?何の話…」
地野「淀さんはそこの刀を」
津守「は?」
笠間「マジでやるんすか」
桜川「当たり前やろ、襲撃やで」
氷川「えー、今回襲撃するのは指名手配もされてるハイエース集団、前科持ちよ」
シュトゥーカ「標的のハイエースは三台走ってます」
氷川「うち一台しか女の子が入ってない可能性も、すべての車両に女の子が入ってる可能性もあるわ」
津守「だからその三又路全てに人員を配置し、襲撃する…と」
氷川「そういうこと、じゃあまずメンバー分けるわよー」
氷川「シュトゥーカちゃんは多分この中で一番強いし、索敵も移動も出来る。一番遠いこの位置で一人だけど…大丈夫?」
シュトゥーカ「大丈夫です、これでも最新型アンドロイドですから」
氷川「で、汐見ちゃんと千歳ちゃん、あと胡桃ちゃんもこっちでいいかな、三人は多分一番通りやすい中央に」
桜川「了解やでー」
地野「オーバーソウルするのは久しぶりだけど、まあ大丈夫でしょう」
笠間「って、事は、近いこの道は」
氷川「そそ、私と淀ちゃん」
津守「私は刀一本だなんだがな……氷川さんは大丈夫なんですか」
氷川「そんな事ないわよ、多分今の淀ちゃんなら刀一本でハイエースくらい真っ二つに出来るし、あと最近ちょっと法術ってのに凝ってるのよ」
柴原「(良かった、帰れる…)」
氷川「666種中だいたい550位は使え……あ、柴原ちゃんもこっちね」
柴原「」
シュトゥーカ「あ、こちらシュトゥーカ、ハイエース一台来ましたので片付けますねー」
シュトゥーカ「女の子は……あ、居た、あの娘を避けてロックして…」ピピピピピ
シュトゥーカ「ホーミングレーザー発射」
パシューン ギャアァァァァァ
桜川「此方桜川ー、ハイエース確認や」
地野「今胡桃ちゃんが囮になってまーす」
笠間「すいません、この辺で道に迷ってしまって……」
ハイエースおじさん1「ほーう、そうか、じゃあ乗ってけや」
ハイエースおじさん2「ですよねぇ!!いやぁついてますよ、捕まえ損ねちまったんで」
笠間「え、えっと、道を教えて貰えれば…」
ハイエースおじさん3「良いから乗れ、な?」チャキッ
ハイエースおじさん4「これからおじさんと良い事するんだからよ」
笠間「ホウアタァ!!」バキッ
ハイエースおじさん3「あれ、う、腕が」プラーン
ハイエースおじさん5「くそっ、一旦降りろぶす」ゴシャァ
ハイエースおじさん1「なんだあのでっかい…狼?えっ」ゴシャァ
地野「式神展開完了でーす」
ハイエースおじさん2「お、お姉さんやめちくりー」
桜川「嫌や」ボウッ
ハイエースおじさん2「」
笠間「駄目っすー女の子居ないっすー」
地野「骨折り損でしたねぇ」
氷川「ハイエース来るわよー、淀ちゃんお願いねー」
柴原「え?マジで?マジで私カメラですか」
津守「……折角貰った刀ですから、やってみますよ」
ザッザッ
柴原「大丈夫なんすか!?淀ちゃんただの剣道部員ですよ!?大会上位常連ですけど!!」
氷川「大丈夫大丈夫、アレだったら私が法術で援護するし……もう適応してるみたいだし…あ、お茶飲む?」
柴原「へ?」
氷川「――この世界には、ただの人間が絶対に立ち向かえないような、そんな生物が溢れてる」
氷川「妖怪だの、化け物だの、
新世界だの異世界だの宇宙人だの、そんなのがね」
氷川「訓練された兵士が潤沢な装備と人員、作戦を用意しても、ね……きっと太刀打ち出来ずに殲滅なんてのは、珍しい事じゃないわ」
氷川「ズズー…ミルクティー甘ったるいわねこれ……そこまで用意する必要が無くても、市井に常備される戦力では対処仕切れず多くの人命が失われる」
柴原「……」
氷川「その様子だと、青葉ちゃんも何かを失くしてるでしょう?私もね、そんな理不尽に潰された患者をそれはもう多く診てきたわよ」
氷川「シュトゥーカちゃんみたいなアンドロイドは元々軍隊の強力な兵器として設計されてるケースが多いから、彼女なんかはその脅威に対抗出来るでしょう」
氷川「地球人の千歳ちゃんは15万超の巫力に効力な持ち霊を持ってるし、汐見ちゃんは本来何の能力も持っていなかったけど今は『紫の焔』と視界
ジャックがある」
氷川「胡桃ちゃんなんかは妖怪……それも多分高位の狐の妖怪と人間のハーフだから、人間離れした膂力で枯木を折る様に人の骨を折れるし、鍛え上げた人間を蹴り殺すくらい造作もないでしょう」
氷川「人間は性能の劣る武器しか持てないのが大半だし、フォローできるのは数くらい……多分その数も、圧倒的な個の前にはクズ同然。人間に個と戦う個の力は無いのか」
柴原「……」
氷川「答えはNOよ、きっかけ次第で誰でも、そんな化け物の類と渡り合う力を手に入れる事は出来る」
氷川「これは私の仮説になるけど、この
ケイオスという世界が、土地が……生物に特殊な力を与える、或いは進化を促すの」
氷川「私はこれを『適応』と呼んでるわ、そしてこの『適応』は、この世界に生きる誰にでも起こり得る」
柴原「氷川さんもですか」
氷川「そう、この法術なんかもその適応の一種で、やり方を覚えたら一週間である程度使えるようになったわ、行使するのに必要な……法力とでもしておきましょうか、それはこの世界に溢れてるみたいだし」
氷川「つまるところ、本当に何らかのきっかけさえあれば人は力を手に出来る、異能と戦う為の異能を手に入れる事が出来る、誰でもね」
柴原「淀ちゃんはそれを手に入れたって事ですか?」
氷川「淀ちゃんなんかは分かりやすく『適応』しやすいタイプの娘よ、変態だけど剣道という下地があり、心身共に癒えない傷があり、あれで多分責任感もある」
氷川「まあ見てなさい、あの娘に渡した刀、あれ『紅梅』って言う名刀なんだから」
ブロロロロロ
ハイエースマン1「お、見ろよ、(自主規制)がこんな時間に一人で歩いてるぜ」
ハイエースマン2「いいねぇー、二人目行っちゃいますか」
ハイエースマン3「ははっ、楽しみが増えるなァオイ、オイ4、5、お楽しみは後にしろっつってるだろ、ほら、二人目入れる準備しとけ」
ハイエースマン4「軽く轢いちまえよ、俺ぁ元気な女よりそういうののが(自主規制)んだよ」
ハイエースマン1「おっ、そうだな!じゃけんちょっと轢きましょうねー」
ブゥーン!!
津守「突っ込んで来るのか……」チャキッ
(落ち着け、手順を踏まえろ)
(……間合いに入るまであと一秒未満、殺気を引絞って……足の置き場と、太刀筋を『描く』)
(文字通り居を合わせ、完璧なタイミングで、一瞬で動作を終わらせる……!)
ハイエースマン1「当たるぞー!!」
ヒュッ
津守「……思っていた程上手くはいかんな」カチッ
キキキーッ!!!ドン!!
津守「斬れたのは足回りとドアと行った所か、斬ってはならない対象が居ると思うと、中々……」
ハイエースマン3「お、お前、何しやがった…」
津守「死にたくなかったら仲間を連れて消えろ、変な気は起こすなよ、ここは包囲してあるからな」
ハイエースマン4「1と2がのびてやがる、女は捨ててずらかった方が得策だ」
ハイエースマン3「ふっざけんじゃねぇ、こんな所で引き下が」
パン!
氷川「どうする?逃げる?」
ハイエースマン3「畜生…」
ブロロロロ…
笠置「本当に、その、助けてくれてありがとうございます……もう本当におしまいかと…」
難波「千歳ちゃん助けてくれてんな、ありがとうな……皆さんも本当にありがとうございました、しかも送ってくれるなんて」
地野「例なんて要りませんよ、別に助けた訳じゃないんですから、ね?」
津守「そう、誰も助けた訳じゃない」
氷川「ねー」
笠置「えっ」
シュトゥーカ「セカンドハイエースですよ」
難波「」
おわれ
最終更新:2014年09月15日 00:06