レポートNo.40
未知の電波信号を検知。
これを逆探知し、発信源を手繰る。
するとどうしたことか、発信源は”ここ”だと言うのだ。
電波を発信している機材は一切ない、にも関わらずだ。
暫くすると、反応は途絶えてしまった。
便宜上、この電波をEM”X”とする。
レポートNo.41
EM”X”の反応を再度検知。
今日に至るまで、近似値の事例が過去に存在するかどうかを調べた。
当然だが、そんなデータはどこにもなかった。
件の碑文を運び込んでから、このような不可思議な現象が頻発する。
どうやらこの電波は、暗号らしい。意味のある順序に則って発信されていると推測される。
不可思議だ、不可思議だが、だからこそ興味深い。
レポートNo.42
EM”X”の反応を確認。
あれ以来、様々な検証を重ね、この電波の正体を探った。
どういう事か、この電波は”何もない場所から発せられている”のだ。
そう、何もない。存在してはならないはずの電波だ。
而して、而して。こうして電波は流れている、どういうことだか。
この電波が何の意味を持っているのか、何の意図を以って発せられているのか。
不可思議だ、大変不可思議だ。実に滾る、これこそ探求だ。
覗き込んだ深淵は暗く、なお暗く、闇よりも儚い。
見れば見るほどに肥大化する、受信の度に数値がより負数へと近づく。
本来ならば何にも伝搬出来ない筈だ、しかしこうして受信しているのだ。
次の実験は。
実に、実に
興味深いものになるだろう。
最終更新:2017年10月17日 22:23