双眸 ~紺碧の哀 > 紅蓮の愛~過去ログ Ⅳ

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― 寄宿舎 ―


ヴォイド「……(冷房の効いたロビーで、テレビの特番を眺めている)……旅行か……(旅に長らく行っていない事を改めて感じ、少し項垂れ)どっかのタイミングで行きてぇな。一人でもいいが、二人旅も悪かねェ……いや、まず休暇の取り方が―― 」

×××「(ザク…ザク…ザク…)――――― あァ…ここッスかね。(夜風の切る音が心地良い日。薄明かりの寄宿舎前に、一人の訪問者が現れる) …ちーッス!(ずかずかと屋内へ踏み込む) 」

ヴォイド「――いらっしゃい。宿泊希望者か?(「しぃ―っ」とジェスチャーをして、訪問者の対応をするために目の前のテレビの電源をリモコンで消す) 」

×××「あー!どーもどーも!!(耳障りなほどきんきんと響く大きな声で挨拶をしてきたのは、銀髪に黒いバンダナを巻いた青い肌身を持つ青年… その奇抜な外見は、人間ではないがそれに似た種族であることがひと目でわかった) やァーさー!実は俺、人を探しているんスよー!この辺にィ…『ヴォイド』?って奴がいるって聞いたんスけど~。あんた、ご存知無いスか??(ヴォイドのジェスチャーになど目もくれず、人差し指で顎を掻きながら辺りをキョロキョロ見渡している) 」

ヴォイド「静かにしてくれ、この時間になると俺に苦情が来ちまう……(ため息混じりに立ち上がり、来客対応用の椅子へと移動)『ヴォイド』って呼ばれているのは俺だ。ここの準管理人をやっている。 」

×××「あっ!!マジッスか!!!?(ウヒョーとコミカルなリアクションを取って、初めてヴォイドと目を合わせる)やったッス!いきなりお求めの方と出会えたッス!!!(パンパンと手を叩いてはしゃぐ)…じゃあ、早速なんスけど―――――― 」

×××「―――――― "あんたの首、貰っていくッス"!!(刹那―― ヴォイドが振り返るとそこには低空跳躍から居合の態勢に入った、狂気を孕んだ表情へ豹変した青年―――) 」

ヴォイド「――ここで抜いても意味がねェ。今すぐその口閉じて悪ふざけはやめろ。(今まで寄宿舎の刺客など、巡り会うこともなかったというのに、驚愕をくれもせず、硬直もせず、その青年を見据え)ゴトゴト(座ろうとしていた椅子から離れ、元の位置に戻す)騒ぎで山羊を起こすわけにはいかねェんだ 」

×××「   ニ    ィ    ッ    !    !   (ヴォイドの忠告が耳に入っているのかどうかは分からない。しかし青年は「赤い眼」は一直線にヴォイドの首を狙い――――)――――   ズ   ァ   ッ   !  (凶刃を振り抜いた) 」


BGM♪



ヴォイド「(視線はその狂気を視野に収めたまま)……(振り抜かれた時、「ソレ」は空振りに終わっていた)ドッ!!(狂気を振り抜いた青年に対し、その硬直を狙い足元の椅子を蹴り上げて胴体へと遠投すると)バッ!(幸い、管理室の真横に立て掛けていた鞘に対して大きくローリングし、手に取り立ち上がる) 」

×××→シド「―― げぶッ!?(蹴り上げれた椅子が直撃。そのまま宙で一回転し、ヴォイドと距離を保ったまま対峙する)……ッッッッハァ!!!(わなわなと身体を震わせ、愉快に満ちた満面の嗤い顔を晒す)初見でかわされたのは初めてッス!(刀で虚空を裂きながら一旦納刀) やっぱクドゥエラの言ってた通り… こいつぁ上質なもんが"採れ"そうッスわ!……んッ、決めたッス!俺の名は『 シド 』。その首取れるまで、ちぃ~~~っと遊んでくれッス! 」


――― Vs 【 赤い泪 】 シド ―――


ヴォイド「諦めてさっさと静かにしろ。その剣は俺に届かねェ(ツカツカと玄関へと歩き、靴のつま先を叩くと寄宿舎の外へと出る) 」

シド「くぅ~~~~~ッ!!(ヴォイドの行動から「相手をしてくれる」と察した青年は両腕でガッツポーズ。彼に続き寄宿を出る)んじゃま、遠慮なくいくッスよ!( フ ォ ン ッ )(暗夜を疾る無音の影―――)―――― ッ シ ェ ア ッ ! ! (懐に現れるや否や閃光が瞬き、虚空が切り裂かれる) 」

ヴォイド「(ダイニングテーブルや掲示板は壊したくねェ、住民を起こしたくはねェが……)バ チ 、 ヴ ァ リ リ ッ (闇夜に煌く閃光が、鞘の間から漏れる)ヴ ァ リ リ リ ッ ! ! (シドを『視野』に捉えており、その零距離からの攻撃に対して即座に抜き取った雷神剣が、シドの攻撃を防ぐ)ギ チ ッ …(片手で持った雷神剣に、もう片方の手を添え、鍔迫り合いに持ち込む) 」

シド「(   ガ   キ   イ   ィ   ン   ッ   !   !   !   ) ニ ィ ィ ィ イ イ ッ ♪ ( ギギッ…ギジッ…バジバジィッ… ! ! )(拮抗した鍔迫り合い状態の中、彼は依然ヴォイドを直視している)ギギギィ…ギジィッ…ジギギッ… ! ! (受け止めたまま前方へ圧倒し)――― ギ ャ ア ァ ン ッ ! ! ! (両断する勢いでヴォイドを吹き飛ばした) 」

ヴォイド「( ズ ズ ズ サ ァ ァ  ― ッ !)(吹き飛ばされると、両足で地面をえぐり、シドとの距離を隔離させないよう、踏みとどまる)……(俺の体重と雷神剣の重量……優に110kgを超え、俺の圧力も加えた。それをこいつは――)やってくれるぜ、ったく(バツが悪そうに、口を曲げて雷神剣を一振り)(カ チ ッ …)(ただ構えるだけでも、雷神剣の機械音は響き、光を灯す)”風は風に”(中距離のシドに対し、小竜巻を発生させ牽制を行う) 」

シド「ほわッ!!?(目前より草葉を巻き込み迫る小さな竜巻に驚嘆)剣で起こすなんてマジパネッスねぇ!!(そう言うと回避するかと思われたが、自ら飛びこむ様に直進) ブ   ワ   ァ   ン   ッ   !   !   !  (何を行ったのかは不明だが、可視できぬほどの高速剣技で竜巻を相殺)―――― イヤッフウウウゥゥゥゥウウウウ ! ! ! (剣士の稚拙な行動理念と相反するように、無駄なく洗練された幾重の剣閃がヴォイドをジリジリと圧倒し始める) 」

ヴォイド「――(”風は風に”は相殺されたか、誘いには使えねぇ……)チッ…!(防戦一方で、シドの攻撃をひたすらに剣の筋で当てていく)―ーッ!(ガードから反撃に転じようと、半ば無理やりに彼の攻撃を雷撃で弾く) 」

シド「(―――!)っととォ…!(微弱な静電気から雷撃を予知。明らかに人間離れした感知能力で雷撃を受け止め後退する)…んへェ…!ヤベェ…スゲェ…!!!んな"重い"剣で、風を起こし、雷を起こし…ただの剣士ってわけでもなさそうッスね!じゃ~…俺も少し見せてやるッスかー!!(人差し指と中指を合わせ刀に沿わす)―――― 哭け、『 禍 津 』。(口上と共に黒い瘴気が刀を包み込む)  ブ  ワ  ァ  ッ  !  !  (瘴気が散乱すると、銀色の刀身が黒く変色。その峰部分に、赤く不気味な一閃が描かれている)……(刀を肩に掛け、もう片方の手で来いよと挑発) 」

ヴォイド「ヴ ァ リ リ ッ(雷鳴で返事をすると、両手ではなく片手で雷神剣を持ち下げる)――(機敏に距離を詰め)ギャインッ!(剣の間合いで階段の段差、一段程度跳躍した上空からの振り下げ)ヴォンッ!(上空攻撃を意識させて、着地と同時にしゃがみ姿勢に移行し、下段斬り払い)飛んでけッ!(右に振り終えた雷神剣を、弧を描くようにシドの真下から振り上げ) ッ セ イ リ ャ ァ ! ! (ガードされる前提の振り上げの連携として、華麗に見えるほど垂直に出された前蹴りでシドの腹部を突く) 」

シド「(接近するヴォイドをまだかまだかと待ち構え) ガ キ ィ ン ッ ! ! (振り下げを水平に構えた刀身で防御) フ ォ ン ッ (続く下段斬りを低跳躍で回避)――――ッ!(ちょ―――)  ガ  キ  ャ  ア  ァ  ン ッ  ! ! ! (ヴォイドの読み通り、低空で縦に構えた黒刀で重い斬撃を防御。しかし…)ぐぶ…ッ…!(蹴りが見事に腹部にクリーンヒット。「く」の字に吹き飛びゴロゴロと地面へ転がり倒れるが) ズ ザ ザ ザ ァ ー ッ … ! ! ! (態勢を整え直し着地) 」

シド「……ッ…ッ…ッ……!!(込み上げてくる亢奮にその身が震え出す)――― 楽しいっスねぇ!!!(がばっと顔を上げ、その不敵な笑みでヴォイドと向き合う)そうッス…!そうこなくちゃ…面白くないッスよ!!!…ハアアァァァァアアイッ――― ザ グ ン ッ (刀を地面に突き刺し)―――― ヤ ァ ッ ! ! 」


――― ズ  ギ  ャ  ァ  ッ  !   ズ  ギ  ャ  ア  ッ  !  !   ズ  ギ  ャ  ア  ァ  ッ  !  !  ! (シドの突き刺し後、地面から巨大な刀身が幾重にも突出し続け、距離が縮まる度に刃も増え、ヴォイドに串刺しにせんと襲いかかった)


ヴォイド「(蹴りから体勢を整え、目の前から迫り来る数多の刃を認識すると)”守護雷神”(自身の真下に、魔法陣を生成)ボッゴォッ!!(魔法陣ごと、真下から強烈な衝撃で吹き飛ばされ、宙を舞うも体制を崩さず)スタッ(上手く後方に着地し、再び雷神剣の側面を構える)こっからだろう 」

シド「(自分の刃の餌食にならなかったヴォイドを、そう期待していたかのように青年の笑みは崩れることを知らなかった)ああ…ッ!まだまだ遊び足りねえッス!もっと俺を楽しませてくれるんスよねぇ!!?(黒刀で虚空を薙ぎ、無音移動―――) ――― ィ ェ ェ ェ エ エ エ エ ! ! (嶄然と輝く刃を振り抜こうとした、次の瞬間―――) 」


ズ ズ ズ ズ … ―――――――  ガ   キ   ャ   ア   ァ   ン   ッ   !   !  (闇夜から剥がれ落ちた何かがシドの刃を受け止める)


シド「――――!……何やってんスか…(自らの刃を受けたその『影』を見やり、落胆したように目を細める) 」

ネロ「(ズズズズ…)(影はみるみると人の形を成していく。少女の背から生えた黒翼が彼の刃を受け止めていた)……( 『 招集 』 )(スマホに打ち込んだ文字がホログラムとしてシドに伝わる) 」

シド「今いいとこなんスよ。もーちょっと待ってもらえねえスか。 」

ネロ「……( 『 教祖様が呼んでる 』 )…… ズ ズ ズ ズ … (ヴォイドに一瞥を与えた後、少女は再び影となる) 」

シド「……チッ… (柄に添えた手と、刀を握ったもう片方を後頭部へ回し) ちぇ…なら戻るッスよ。(不満足そうに唇を尖らす)…"次"は死線を越えるまで殺り合いたいッスね。(ヴォイドに不敵な笑みを浮かべると、その影に包みこまれ、闇夜へ溶け込む様に消え去った) 」

ヴォイド「…(刃を交えたシドではなく、ネロの姿を最後まで直視する)――(姿は覚えた。この因縁のつけられ方は、あの時代を思い出す……)……(寄宿舎には戻らず、雷神剣の雷鳴を圧え、その場から重い足取りで離れる)……赤い眼の奴らか…… 」



――― 走行中のカオストレイン ―――


ガタンゴトン… ガタンゴトン… ! (列車の窓の外には、綺麗な夜の街並みが広がっている)


謎のヒロインK「んしょ…(空席にちょこんと座りこむ) ふぅ… (キュウカの言うとおり 隣の国まで行かないと この列車に乗れば 大丈夫 かな…)(みすぼらしいローブ服に身を包んだ少女が列車に揺らされる)コク…コク…(その揺れがあまりに心地よいのか、うとうとする) 」

エディ「 ゴトン ゴトン (なだらかに流れる夜景を収めた車窓を傍らに窓に頭をつけ、殆ど街明かりが星々を散りばめた地上の夜空の様にしか見えないそれに視線を落とす)––––––スゥゥ……(ふと腕時計に視線を落とす、指し示す時刻からして長い間寝ていないことを思い出すと疲労感が襲いかかり瞼を重くして吐息をこぼしながら背もたれに体重をかけるまどろみに溶けようとしたところ、間際に他の乗客とは風貌が若干異なる謎のヒロインKが視界の端に収まり片目を開け銀の瞳を向けた) 」

エディ「(旅行者……には見えないな、不自然だ。何より”楽しい日曜日”って雰囲気でもない。じゃあ仕事帰り……でもないな、あれでやる仕事が想像つかない。ジプシー……いや、それもない。なりの割には小綺麗にしている) 」

セールスマンの男「コツ…コツ…(アタッシュケースを片手に先頭車両へ踏み込み、運転士の真横へ移動する)……(何も言わず、ただただじっと運転士を見つめる) 」

運転士「……?お客さん。両替でしたら、車掌の方へお声掛けください。(セールスマンの視線に気づいたのか、彼の方へは振り返らず運転に集中している) 」

セールスマンの男「…… ス ッ ――――(ロングマガジンを装備したグロック18Cを懐から取り出し、運転士の脳天に銃口を突きつけ) 」


―――  パ  ァ  ン  ッ  !  !  ―――


運転士「 ド ッ … ! (操縦台にぐったりと倒れ込む) グ イ ッ … (その拍子で加速レバーを最大まで押し込んでしまう) 」


――――   グ     ォ     ン     ッ     !     !  ――――― (途端、列車が急加速する)


な、なんだ…!?急にスゲェ音がしたぞ…? おわっ!? きゃっ!? なんだなんだ…っ!?(発砲音と列車の急加速による突然の事態に全車両がその異変に気づく)


謎のヒロインK「(はぅ… なんだか ねむくなって…)……!!?(突然の揺れにそのまま横席へ倒れ込む)うっ… な なんだろ…?(ゆっくりと身を起して静かに辺りを見渡してみる) 」

セールスマンの男「 ガ シ ャ ァ ン ッ ! ! (急激な加速で揺れ始める車内で悠然と佇み、操縦席のブレーキレバーを破壊する) ス ッ ―――― ズ ダ ダ ダ ダ ダ ッ ! ! ! (その後銃を構え、目の前にいる乗客に無差別発砲を始める) 」


はぎゃぁッ!! ぐぁぁああッ!!! ぎゃあああぁぁッ!!! (突然の発砲の餌食となった乗客たち。彼らの血飛沫が先頭車両を赤く染めていく)


逃げろォッ!! 馬鹿!押すな! 邪魔だッ!! あっち(隣車両)へ逃げろって!!早く!!(発砲音に怖れ慄く生存者たちが逃げまどい、一部車両で大混乱が起こる)


プリム「 うわああぁぁー!(車内で乗客たちに吹き飛ばされる) 」


BGM♪



エディ「––––––!! (一定のリズムで響く列車の走行音に混じって微かに響く甲高い破裂音、直後の急加速。一瞬目を丸くするが足を組んで座したまま肩を竦め)オーケー牧場の決闘だ……冗談よしてくれ、今日日曜だよな……!(逃げ惑う乗客達が彼の座席の側を濁流が如く流れてゆく。眼に映るは恐怖に歪めた何お落ち度もない乗客の顔顔顔、当然視界が悪く襲撃者の姿は見えない) ヒュオッ トンッ……  (そこで彼は楽器ケースを天井ぎりぎりまで放り投げ、目前のシートに手をかけそれを軸に腕力で宙空へ飛翔) 」

エディ「––––––––伏せろッ!!(乱暴に乗客達へ怒鳴りつけると同時に、足をコンパスのように広げ、下半身を捻り遠心力の乗せ蒼炎を灯した蹴りを楽器ケースの先端に叩きつけ、 セールスマンの男へ蹴投した) 」

謎のヒロインK「……! 嫌な音 聞こえる…(遠くの車両から聞こえた叫び声や発砲音に気づいて立ち上がる) わっ …!(こちら側へなだれ込んできた乗客たちの波を潜り抜け、彼らとは正反対に突き進む) 」

セールスマンの男「 ド ド ッ ド ド ド ッ … ! (乱射しながら後方車両へとどんどん歩みを進めていく)……!( ド ゥ ン ッ ! ! ! )(乗客の波から飛んできたその蒼い"火矢"を咄嗟にアタッシュケースで受け止める)……へぇ…(まるで商品を吟味するかのような目つきでエディの全身をまじまじと見つめる) 」

謎のヒロインK「わっ…!(乗客たちの中から飛び出したエディを見上げ驚く) 銃… あの人 主犯 (セールスマンの男と彼が持つ武器を見て、エディと並び身構える) 」

エディ「–––––––ガゴォンッ!! キ ィ ン…… (アタッシュケースの衝突で火矢と化した楽器ケースが潰した空き缶のようにひしゃげ蓋が開き、中から装飾一つない片刃剣が直線状の青い奇跡を描いて飛び、エディの手元に収まる)––––––("利"のある品物を見据える男の視線とは対象的に、廃すべき害を見据える冷淡な眼光を尖らせ黙して退治した)–––––車掌まで日曜日って訳じゃないだろ。あんたと一緒で仕事熱心な筈だ 」

セールスマンの男→グラムバッハ「よもやこのようなところで珍しいお方に出会えるとは。光栄ですよ―――『エドガー・アルクイン』さん。(初対面の名を口にした男はハットを目深にかぶり直し、不気味なまでに口角を上げる)自己紹介から始めましょう。私は『グラムバッハ・ノーベル』。武器商売を営んでおります。以後、お見知りおきを―――― パ ァ ン ッ ! ! (挨拶を終えるや否や、エディたちに向け発砲する) 」

ヒロ「(寄宿舎内ロビー)…へぇ、ヒースが初勝利ねぇ…よくあそこで逆転したたn…緊急ニュース……え、何?カオストレインが暴走?超高速で突っ込んだ?おいおいただ事じゃねーだろこれ……… 」



――― Vs 【 赤い泪 】 グラムバッハ ―――


BGM♪



エディ「 チュインッ!!(片刃剣を左手に持ち替え並び立つ謎のヒロインKの前にスライド移動し、剣をX字に軽く振るって弾丸を難なく弾き落とし)人違いだ、それにあんたとは今後一切、縁もゆかりもない。お友達はブタ箱で作るんだな ––––––避難口はあっちだ。こう言う状況で『身を守る』に撤するを徹底できない点については後できっちり説教するからな、柄じゃないが(グラムバッハを注視したまま背越しにヒロインKへ囁き)–––––名前は? 」

謎のヒロインK「グラム…バッハ… 何が 目的… きゃっ…!(飛んでくる銃弾に思わず身を屈めるが、庇うように現れたエディに救われ、恐る恐る彼の背を見上げる)ありがとう… ―――――『     』。(エディに、その名を伝える) 」

グラムバッハ「 ゴ ト … ―――― コツ……コツ…コツ…コツ、コツ、コツ、タン、タン、タン…ッ… ! (銃を捨て、足早とエディたちのもとへ詰め寄っていく) グ ォ ン ッ … ! (エディの目前まで迫り、大きく振り被ったケースを彼の脳天を穿つ勢いで叩きつけようとする) 」

エディ「よし『   』。悪いが今車掌はバカンスに出かけたらしい、列車が夢の山に仲間入りになるまで帰ってこないだろ(砕けた口調とは裏腹に真剣な眼差しを『   』へ向け、接近してくるグラムバッハの気配を察知すると、とっさに彼女の踵に足を引っ掛け体を浮かせ) 」

エディ「––––っつァ!(抱きかかえると同時にスライディングするようにしてグラムバッハのギロチンが如く振るうケースの殴打をくぐり抜け、『   』を無駄なく最低限床への衝突による痛みがないよう加減を加えつつ彼女を床に放り)っシャァァァッ!!(同時に防御される前提で屈んだ状態をバネに飛翔しアーチを描くようにして回し蹴りをグラムバッハ目掛け振り落とす)行け!君が止めろ!! 」

謎のヒロインK「う、うん…? ふぇ―――――(スローモーションの世界で宙に浮かされる)――― わっ…わ…っ…!ひゃん…っ…(思わず目を瞑り、自分が抱きかかえられたことを認識する間もなく床へ放り出される)……ぅ、うん…っ…!(エディの気迫の籠る声音から自分に託されたことを汲み取り、強く揺れる列車の中を覚束ない足取りで進んでいく) 」

グラムバッハ「 ガ ツ ァ ン ッ ! ! (空ぶったケースが床を強く打ちつける) ド ゴ ゥ ッ ! ! (前かがみのまま振り返る最中、わきの中から覗きこんだエディの蹴りを片腕で受け止めた)…無駄ですよ。あの幼子に止められるものですか。(腕を払いエディを退かせる) 」

ヒロ「……運転手がなんか企んでるか、乗客か……どっちにしろ目的はわからんがテロ目的っぽいなこれ…え、乗客が撃たれた?(テレビにかじりつくように見ながら) 」

エディ「クルンッ トツ(腕で足を払われるとその勢いのままバク宙し着地)––––止めるさ、だから行かせた(根拠一つ提示せず、それが当然とでも言うように短く返し)–––––ああ、思い出した……グラムバッハ・ノーベル……【死の商人】。で、そんな有名人が何の用だよ。大方新作のプレゼンか……それとも(『   』が駆けて行った方向を一瞥し)–––––探し物か 」

グラムバッハ「おや、私の名をご存知でしたか。まあ、札付きで名が通っている様なものなんでしょうけど。フフフ…そうですねぇ。ただいま新しいビジネスに向けて準備に忙しいんですよ。できれば邪魔しないでいただきたいのですが…(帽子の陰から覗く『赤い眼』が鋭く輝く) 」

グラムバッハ「“剃”(ソル)――― シ ュ ン ッ (1秒間に地面を何十回も蹴り上げ瞬間的に消える) シ ュ ド ン ッ、 ド ゥ ッ、 ド ゥ ア ッ ! ! ! (不可視の高速移動が空間を駆け廻る) シ ュ ン ッ ―――(片手でハットを抑えたままエディの背後へ旋回) “嵐脚”(ランキャク)――― ズ ッ バ ア ァ ン ッ ! ! (強く振り上げた脚から巻き起こされた鋭い鎌鼬が斜め45度に飛んでいく) 」

謎のヒロインK「はぁ…はぁ… 止めないと これ以上 犠牲者 増やさないため …きゃっ…!(暴走列車の強い揺れに前方に転倒する)…いたぃ… でも (よろよろと立ち上がる)絶対 止める (再び先頭車両へ向け歩みを進める) 」

エディ「(防げないか……)ヒュオッ ザシャッ(片手剣を背後へ捨てるようにして宙空へ放り、振り向き側に足を広げつま先で半円を描き前進しつつ 地に伏せ、飛ぶ斬撃が頭上を通過)ッ  ガァンッッ!! (伏せた状態から立ち上がると同時に座椅子を思い切り蹴り上げ砲弾よろしくグラムバッハへ飛ばす) 」


―――― パ リ ィ ィ ィ イ イ イ ン ッ ! ! ! (エディを吹き抜けた鎌鼬はそのまま後方車両の窓を断裂。ガラス破片が一辺に砕け散った)


グラムバッハ「……!(砲弾の如く蹴り飛ばされた座椅子を交差した腕で防ごうと試みるが、その勢いに圧倒され後方へ吹き飛ばされる)グルン…ダンッ… ! (一回転した後態勢を整え直し着地)ガ シ ャ ア ァ ン ッ ! ! ガ シ ッ ! (その後、偶然真横にあった非常口ドアの窓ガラスに片手で突っ込み、ドアを鷲掴む)グ ォ ン ―――― ド ゥ ァ ッ ! ! (強引に引き抜いたドアを軽々と持ち上げ、エディ目がけ水平に勢い良よく投げ飛ばす) ダ ッ … ――― ズ ダ ン ッ ! ! (その後剥きだされた非常口から飛び出し、車両の上へ移動した) 」

謎のヒロインK「もう少し かな… はぁ…はぁ…(肩で息をしながらひたすら直進、ついに先頭車両へ到着する) 」


地獄絵図と化した先頭車両。そこには数えきれないほどの死体が転がり、血と肉の醜悪な臭いが充満していた。


謎のヒロインK「うっ… (ひどい… 人が こんなに…)(遅い来る醜悪な光景に思わず目を伏せる)…だめ 任されたんだ …止める …行かなきゃ (口元を手で抑え込みながら死体の山を潜り抜けていく) 」

エディ「 ゴォンッツ!!(鉛の塊を殴りつけるようなおよそ人体からはありえない音を立ててドアを片腕で受け止めるが)  フォ……   ガ ツ ドッ  ズシャァァ(宙に浮いたまま想定外の圧で吹っ飛ばされ両足を地につけてもなお押されグラムバッハとの距離を離される)チッ……(無表情を守り一つ舌打ちしドアを押しのけると既にグラムバッハの姿はなく上へ向かったたと察し)––––––("罠"……いや、車掌室か) 」

エディ「(傍にある乗り入れ口に横目を向け)ゴォンッ!(蒼炎を灯した”銀の腕”で”強めにノック”し、彼方へひしゃげたドアが葬られる)元から趣味の悪いデザインだと思ってた(ひとりごちるとドア枠を鉄棒の要領で両手で掴み、そのまま両足を前に繰り出して車外へ身を投げ、逆上がりの要領で身を逆さにするとドア枠から手を離し、きりもみ回転をし、風圧で先に逝ったドアの後を追いそうになりながらも天井へ着地。既に待ち構えていると判断しノールックて剣を抜き放つ) 」

グラムバッハ「バサバサ…(スーツが強く靡く中、後を追ってきたエディを不敵な笑みで迎える) 間もなく列車は終点へ辿り着く。このまま進めば駅に大衝突――― 全乗客は"死亡"。バ ッ ――― ズ ギ ュ グ グ グ … (片手を広げると手中から黒い靄が噴出。靄は細長い形を成していき、やがてそれは黒刀となる) シ ャ キ ン ッ (手首を軽くひねり黒い刃をエディへ向ける)貴方がたを始末すれば、私の「任務」は果たされる!(黒刀を振り抜き、駆け出した後に斬りかかる) 」

謎のヒロインK「んしょ…っ… ……ッ…(操縦席のもとへ辿り着き、そこで絶命した運転士の姿が視界に入り、列車暴走の発生原因に気づく)…ごめんなさい(ぐったりと倒れ込んだ運転士の遺体を壁に寄せ、操縦台を見る)停止は…どれだろう……あ…っ…!(その時、一部だけ不自然に破壊されたものが停止レバーだと気付き、表情が青ざめる) 」

ヒロ「………や、やばいな…これ止まんねえと列車が突っ込みそうだ…!(テレビを見ながら) 」

エディ「そーかい、上手くいくといい……なッ!(腕をくの字に降り刃を体と水平になるよう構えて一閃を受け止め)ザシャァッ……ツ(車上の上を滑走するようにして鍔迫り合いになったまま押され)フッ!!(余った腕でグラムバッハの胴体に肘打ちし牽制→距離を僅かに離すと小ぶりなアッパーの要領で切り上げ→振り上げた剣に両手を添え袈裟斬りを振り下ろす) 」

グラムバッハ「ぐッ…!(肘打ちが腹部に炸裂、僅かにひるみながら後退する) ッ……!( ギャキィンッ、ガギャアァンッ ! ! )(切り上げられた刃を黒刀でいなし、続く袈裟斬りをも片方に握ったケースで防御するが軽く宙へ浮かされ後退する)やれやれ…困ったものだ―――― ヒ ュ ン ッ ! (瞬間的にエディの懐へ) ガキィンッ、キャギィンッ ! ! キィンッ、カキャァンッ、ギャキャンッ ! ! (片手の黒刀だけで斬撃を繰り出し圧倒) ヒュンッ――――(繰り出される斬撃の死角からケースを振り上げ殴り飛ばそうとする) 」

謎のヒロインK「どうしよう このままじゃ……!(ふと視線を落とした先に、施錠された両開きの蓋を発見)そうだ……!(運転士の腰元にぶら下がっている、幾つもの鍵が付いたキーチェーンを取る)この中のどれかに… …… …… ……やった…(鍵を何本か差し込んで施錠を解除) 」


蓋を開くと、そこには謎のメーターや剥き出された何本ものチューブが並んでいた。


謎のヒロインK「この内のどれかが きっと… そう信じる(懐からナイフを取り出し、目の前のチューブ一本切り落とす)……これ ちがう … ぜんぶ きらないと (そうして一本ずつ切り落としていく) 」

エディ「ギィンッ キィン!! ガンッッ キィンツ ガァンッ!!(正面からグラムバッハの姿が消えるとノールックで刃を背の鞘に収めるような動作で回し斬撃を防御、目の前に向かって振るうようにしてそれを弾く→ 振り向き側に柄の先端を二度目の斬撃にぶつけつつ一瞬の隙を作り態勢を立て直す→その後は左手に刃を持ち替え、片手で繰り出す小ぶりな斬撃で”凌ぎ”、グラムバッハの左手側へ回り込むようにしながら剣閃が、軌跡が、火花が、幾度となく疾走する車上の上に咲き)––––– ┣¨ゴォッ!!(一切の無駄なく斬撃の合間に放たれたアタッシュケースの打撃に対し直撃を避けようと回避を試みるが、剣を握る左手にそれは衝突し––– 」

エディ「ヒュンッ ヒュンッ ヒュンッ ヒュンッ ギィンッ!!(無数の円を宙に描いて剣は吹っ飛ばされ車上に突き刺さり)ザシャァッ(その反動で押され後退し、丸腰、素手の状態でグラムバッハと対峙すこととなるが、以前としてその無表情を崩さずただ目前の敵を注視したまま、銀の瞳に眼光は冷たく横たわる) 」

グラムバッハ「 ニ タ ァ ――― (不気味に口角を上げ、ケースを背後へ放り投げる) ガ シ ッ ――――― ズ ダ ァ ン ッ (その隙を突くかのごとく“剃”で一気に距離を詰め、エディの首を掴みそのまま馬乗りになる)これにて、さようなら――――(黒刀の切っ先がエディの眼球に差し迫ろうとし―――) 」

謎のヒロインK「これも これも 違う… (チューブを切り落とす度、ナイフを握る手が次第に震え出す)――――― お願い…!!(そして、最後に残った一本に希望を賭けるように、切り落とす) 」


ガ  ゴ  ォ  ン  ッ  !  !  ! (彼女が最後の一本を切り落としてしばらくした後、列車に異変が発生) ギ ャ リ ギ ャ リ ギ ャ リ ギ ャ リ ィ ッ !  !  !  ! (急激に速度を落とした列車が線路と強く擦れ火花が飛び散る)


グラムバッハ「―――――!!?(エディの眼球を突き刺そうとしたその時、激しく揺れる列車によって転倒。エディの身体から離れてしまう) 」

エディ「キュィッ––––––– (グラムバッハに首根っこを掴まれる刹那、銀の腕から駆動音が脈動し、"自身"ごと焼こうと熱を収束させるが) ガ  ゴ  ォ  ン  ッ  !  !  !  (瞬間、果敢に脇目も振らず立ち向かって逝った少女の姿がフラッシュバックし、気づけば自身の体は宙に浮き、『納得』を得ると口角を釣り上げた) ガンッ (車上に着し、突き刺さった剣を拾い上げ首の掴まれた部位に手を添えコキコキと鳴らす)–––––よく頑張ったな(届くはずのない感謝を口にし、薄く笑む) 」


ギ  ギ  ギ  ギ  ギ  ギ  ギ  ィ  ィ  ィ  ィ  …  ッ  …  !  !  !  ! (暴走列車は徐々にその速度を落とし、終点へ辿り着く間際には、完全に停止したのだった…)


謎のヒロインK「……とまった…?……やった……!(揺れが収まったのを確認した後窓から外の景色を覗きこみ、安堵したようにほっと息をする) 」

グラムバッハ「グゥ……!よもや、こんなことに…(ハットを押さえつけ揺れに耐えようと強く踏み込む。列車が完全に停止したのを確認すると驚愕の眼差しで足元を俯瞰する)……やはりあの娘を警戒しておくべきでしたか。我々を"二度"も出し抜くとは、思ってもいませんでしたよ。(やれやれと溜息を吐き捨てる) 」

グラムバッハ「 ポ イ (黒刀を投げ捨て、傍らにあるケースを拾い上げる)とにかく「任務」は失敗。私はここらで撤退いたしますか。…では、またいつの日か。御機嫌よう ――― (帽子のトップに手を添え、天井からエディの方へ向いたまま飛び降りる。宙へ浮いた彼の身体は黒い靄となって散乱し、夜の中へ溶け込む様に消え去った) 」

エディ「チャキ……ッ(手にした剣を投擲しようと身構えるが、周囲が駅であり、大勢の民間人が事を確認しようとか混み始めていることを認識すると、ため息を零し伏して首を横に振り納刀)–––––(『二度』……ビジネスとは言っていたがあの娘の確保も目的だったのか……いや、それならここで退くだろうか……)…………。カツン…カツン…(踵を返し車上を沿うように歩き出す。駅員他数名が既に車両に集まり始めているのを確認すると、それから逃れるように駅から飛び降り)–––––報告書書かされるのは御免だ(さっさとさっきの娘の無事を確認したらどこかに預けて帰ろう……厄日だ……) 」

謎のヒロインK「ふぅ…(車両からぴょんと飛び降りる)…列車 無事止まった …よかった……あ (その後、エディと遭遇) 」

エディ「––––––ん(ヒロインKと鉢合わせになり無意識に何度したのか口元が綻ぶ)無事だったか、何よりだ(成果よりもまず先に率直に『最優先事項』の結果に対する喜びを告げると片膝をついて目線を合わせ、靴底に血痕がこびりついていることを確認すると決して小さくない背徳が胸に刺さり歯噛みし……)–––––––君のおかげだ、誰も死なないというわけにはいかなかったけれど……少なくとも(くいと首を捻り視線を背後へ誘導する) 」

鉄道警備兵「誰かいますかー!」「押さないで、順番に……お年寄りや子供、体の不自由な方を優先してください」(彼の示す先では確かに今ある命、グラムバッハの任務において当然のように死して然るべき人々が、鉄道警備兵の懐中電灯に照らされながら線路上に降り、誘導され歩き、中には生存を喜び合い、抱き合う家族の姿もあった) 」

謎のヒロインK「あの… あの時 助けてくれて ありがとう(ぺこりとエディに頭を下げる)…うん……(エディの視線に釣られる様に、駆けつけて来た駅員や消防士、そして彼等に運ばれていく遺体に思わず目を伏せる) 」

エディ「–––––あれだけの数の人達を君は救えた。 安い文句で申し訳ないけれど……心から感謝するよ、ありがとう(救えなかったものよりも、救った数を数えられるようにそっと彼女の頭を髪をとかすように撫でめいいっぱいの感謝を伝える。保身を顧みず、果敢に立ち向かった少女だからこそ、失ったものに心を痛めることがないように)……(ありがとうに対し『大したことじゃない』と首を横に振って伝え)–––––あれだけの数の人達を君は救えた。 安い文句で申し訳ないけれど……心から感謝するよ、ありがとう(救えなかったものよりも、救った数を数えられるようにそっと彼女の頭を髪をとかすように撫でめいいっぱいの感謝を伝える。保身を顧みず、果敢に立ち向かった少女だからこそ、失ったものに心を痛めることがないように) 」 」

謎のヒロインK「ぁ……(この事件 たくさんの人 亡くなった… でも 生きている人も いる…)(生存者たちの素顔に一瞥を与え、自分の小さな手のひらに視線を落とす) 」

エディ「(ありがとうに対し『大したことじゃない』と首を横に振って伝え)–––––あれだけの数の人達を君は救えた。 安い文句で申し訳ないけれど……心から感謝するよ、ありがとう(救えなかったものよりも、救った数を数えられるようにそっと彼女の頭を髪をとかすように撫でめいいっぱいの感謝を伝える。保身を顧みず、果敢に立ち向かった少女だからこそ、失ったものに心を痛めることがないように) 」 」
謎のヒロインK「あぅぅ… うん… (優しく撫でられ目を瞑るが、その表情に陰りはなく、安らぎに満ちていた) 」

エディ「–––––––– (『"結果論"だが……この子がある種平凡ならざる精神を持っていたからこそ最小限に留められた……けど––––––– たったのこれだけだ。今回もまた、たったのこれだけしか俺は救えなかった……』)……(グラムバッハの姿がまぶたの裏でで幾度となくちらつき、人知れず強く、口内で鉄の味がするほどに強く歯噛みし自己の無力に対する呪詛を噛み締めた)––––––さて……と。どうするんだ、このままここに残れば事情聴取なりなんなりがうるさくなる。ともすれば君が列車の暴走を止めたことが明るみになって忽ちヒーローになるわけだけど……"今"は不味いんじゃないか、悪目立ちするのは 」

ヒロ「……ん、続報……電車は無事に事故らず停止、乗客もほとんどが無事生存、か…はぁ良かった……(テレビを見ながら) 」

謎のヒロインK「う、うん…… ……?あの ちょっと 待って… …… …… ……(エディにそう言うと急にしゃがみ込み小言を呟く。明らかに不自然なその行動には眉を潜めるものがあったが、しばらくして立ち上がる)……あの お願いが あります …あなたの傍に しばらく居させてほしい です…(少し気恥ずかしそうにお願いし) 」

エディ「(え、なにそれ困る)(と無表情を装っているが目がそう告げている)–––––もしもし110番案件って知ってるか……まあいいや。一応理由聞こうか。こっちにも事情があるしさ 」

謎のヒロインK「…わかった でも その前に… 「会わせたい人」 いる… きて…(そう言うと小さな手でエディの手を掴み、人気のない場所へ誘導。そこで物語はフェードアウト―――) 」



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最終更新:2018年08月07日 00:27