~とある町~
金髪の少女「……(穏やかな風が佇むとある町の中。レンガ造りの建物が立ち並ぶ町中を歩いており、立ち並ぶ店をあちこち見渡している)… きれいなお洋服、おいしそうな食べ物…いっぱい…(まるで好奇心旺盛な幼子の様に様々なお店に並ぶ商品に目移りしている) 」
垂れ目の青年「ジャラ…ジャラ……(人々が行き交う町中に、不自然な挙動でふらつきながら歩く青年が現れる。足を踏み込む度に金属音をジャラジャラと掻き鳴らし、45度に曲がった猫背でただただ流離う様に歩みを進めている)……あァァ……やっぱり、ダメだァ…―――――― もー、我慢できねーわ。(チッと舌打ちを鳴らし、その掌を地面に添えた) 」
ズ ア ア ア ア ァ ァ ァ ァ ァ … ッ … ! ! ! (その時、青年を中心に鮮やかな色をした地面が真っ黒に染まり出す。地面を黒く染めだしたそれは建物へと浸食。レンガ造りの建造物が瞬く間に"腐食"し、風に吹かれただけで跡形もなく吹き飛ばされてしまった)
おわあああぁぁぁーッ!!! なんだ…なんだなんだ…ッ…!? キャーッ!!! あの…はちみつ…買ってください… おいやばいって!逃げろって!!!うわああああぁぁ!!!町が……町が破壊されている……おのれディケイドォーーー!!(黒々と染まり出す町の光景に、人々は阿鼻叫喚し逃げ出していく)
金髪の少女「むぅ…お腹空いた…良い匂いがするところ――――!(美味しい食べ物を嗅ぎつけようと鼻を少し突き出した時、一瞬だけ何かが腐ったような異臭を感じ思わず鼻を手で抑え込む)なに……これ…?……!!(異臭がする曲がり角を抜けると、そこに広がる黒い光景を間に当たりにする)…酷い……ぜんぶ…腐っている…っ……?(黒く染まった地面の正体が腐食化だと気付き後ずさりする) 」
垂れ目の青年「ハァァ……ァハハハハハハハ…!!(黒く汚染され、一つずつ崩れ朽ちていく町々の様子を愉快そうに嗤っている)…そうだよ…『楔』なんか落さなくたっていいじゃないか…俺っちにはこれくらいがちょうどいいんだよ。こうやって、少しずつ何かが壊れていく様を見るのが…最高に愉快な事だからなぁッ!!キャァーーーーアハハハハハッ!!!(両腕を広げ、耳が劈くほどの奇声にも似たような笑い声を上げる)おぁあ…?(そんな最中、少女の姿が視界に入る)逃げ遅れた餓鬼が一人…よっし…次はお前だ。その身体…脳みそを……解剖させてくれよ…ジャラ…ッ… ! (纏っていたコートを広げ、内側に装備していた大量のメスの内一本を引き抜き、その切っ先を彼女に突きつけながら接近する 」
金髪の少女「すべて、あなたの仕業… 破壊…何も、うまない………!(迫られる恐怖に身が竦む) 」
垂れ目の青年「キェアーーーハハハハッ!!!(少女に凶刃を振り下ろそうとした、その時――――) 」
カキイイイイイイインッ!!!!!(垂れ目青年のほうに凄い勢いで野球ボールが飛んでくる)
シュルッ……ビッキィッ!!(どこからともなく、青年の振り上げ、ボールにより動きを止めた凶刃に、一本の黒糸が螺旋を描く。それはその場に固定され、青年の体ごと凶刃を引き留める)トドッ!(余波もなく、青年の上空から軽快な足蹴りが、彼の目元に一撃だけ繰り出されると、その本人は少女の元に着地する)
トラック「おいしいところ持っていくなんて、柄じゃあないんですけどねェ……よっとぉ!(少女をうつ伏せの体勢に、肩の上に少女を担ぎ上げる)しっかり捕まってな!(浸食される街風景の中、ワイヤーアクションで生存している街の足場から次々と渡り歩き、青年と距離を取った位置に着地し、同時に少女を下す)千里眼でもあれば状況がわかるんですがね……おたく、あのマッドサイエンティストとお知り合いですかい? 」
垂れ目の青年「真っ二つに裂いてや――― ガ キ ャ ァ ン ッ ! ! (彗星の如く飛来した野球ボールにメスを弾かれた時、全身に感じた違和感―――黒い螺旋に身動きを封じられたことに気づきだす)――― ゲ ハ ァ ッ …!!?ゴロゴロ…ッ… ! ! (突然の急襲に顔面が吹き飛ばされ、転がり倒れる) 」
真島吾朗「――――――ストラァァァァァァイク!!エェ…!エェでぇ~……!我ながら惚れ惚れしてまうとこやァ……!ひひひ…!(バット担いで歩いてくる) 」
金髪の少女「…っ……!(刃が振り下ろされる寸前目を伏せるも、我が身に何も起こらないことに恐る恐る目を開けてみる)……えっ……わっ…!?(目を開いたその時、自分はいつの間にか何者かに担がれ町上に浮いていることを知り、驚きを隠せないでいる)ふわ…あなたが助けてくれた…ありがとう…(ぺこりとぎこちなくお辞儀する)…知り合い…ううん、知らない人…でも……放っておくと…取り返しのつかないこと、なりそう… 」
垂れ目の青年→ビゾット「ッ~~~~!きッッッさまらァ…ッ…!!(憤怒の形相を露わに起き上がる)よくも俺っちの……『ビゾット・コスターク』様の顔を痛めつけてくれやがったなぁぁああ???(右目を抑えつけながら三人のもとへと少しずつ歩みよっていく)俺っちが…『箱庭』の人間だと…知ってんのかァ…ッ…!?(枯葉色と暗緑色のメッシュをかけた短髪に死んだような目をした青年。その右手、武装した義手で彼らを指さす) 」
トラック「そうですかい。死闘の邪魔にはなりたくねーでしょ?さっさと雲隠れしちゃいな(光も一切通さない、ガスマスク越しに彼女へとフッと笑い飛ばし、倒れこんだ青年に向き合う) 」
鳴滝「 ついに『奴ら』が動き出したか…(腐食した町とは反対側からその場所へと赴く)気を付けたまえ。奴の名はビゾット・コスターク!もともとは『解体屋』の異名で知られた犯罪者の青年だ。だが甘くみてはならない。何故なら彼もまた…【秩序の箱庭】、あちら側の人間なのだから! 」
金髪の少女「う、うん……(ガスマスクの男、
トラックに言われるがまま建物の陰へと逃げ込みそこに潜む)…『箱庭』……また、何かが動き出す……不吉の予感… 」
真島吾朗「 お…?何や……やるんかァ?本気出すんかァ~!?俺ァ~いつッッッでも予定あいとるでェ?どや…少しは目ェ覚めたか。(近づいてきた垂れ眼青年に) 」
トラック「自慢の顔に庶民の靴舐めさせちまったのは申し訳ないんですがね。こっちも楽しみにしてた「サンリオキャラクター総勢限定プッチンプリンちゃん」が台無しになっちまったんですよ。オアイコどころか釣り貰っても機嫌が収まりやしねェ(買おうとしていた紙袋が、腐食して台無しになっている) 」
ビゾット「うるせェ…ッ… この際『楔』などどうでもいいッ…!(左手に嵌めていた黒い手袋を脱ぎ棄てる。その甲に刻まれた「 B 」の紋章が赤く眩い光を放ち出した)――――― 潰 す 。 (何かの印が刻まれた仮面を取り出し…)―――" 偽 装 "―――(その仮面を自らの顔面に装着) 」
ビゾット→感染者「(仮面から噴出した黒い靄と紅の電撃に包み込まれ…)―――― シ ェ ア ァ ッ ! ! ! (靄が晴れた時、そこには姿形を変えた存在が現出。顔面に右目のみを残した奇妙な生命体は、
トラックと真島に両腕の指の間に挟んだ8本のメスを突き出し…)――― キサマ等も、俺っちが解剖してやるよ。キェアァッ!!!(奇声と共に両腕のメスを豪快に振り上げながら斬りかかった) 」
{――― Vs. 《秩序の箱庭》 "B" ビゾット/感染者 ―――
}
真島吾朗「 おーおー……せや、そう来なきゃァ………面白ォないのォォォォォう!!(ドススタイルに切り替え、はちゃめちゃに暴れまわるが如くドスを振り回す) 」
トラック「おたく、結構イケるクチですかい?(真島に腕っぷしを聞き)って聞いちゃいねぇ!すんげぇドスの回し方……そもそも味方なのかってところなんですが、まぁ計算には入れておこう。さて、クソマッドサイエンティストから、多額請求させてもらいましょうかね(右腕の裾に仕込んである可動式ケースから、一振りしてナイフを手元に取り出す)お兄さんよろしく(真島が暴れている最中、遠距離からまずは感染者の腹部目掛け、固有礼装からワイヤーを射出する) 」
感染者「ズェェエイッ!!!(ギィンッ、ガキャンッ ! ! ズギャンッ、ギャギィンッ ! ! ! )(ドスを振り回す真島と攻防を拮抗させ、互いの獲物がぶつかり合う度に火花が飛び交う)……!(腹部巻きつかれたワイヤーに視線を落とす。すると…)―――― ジ ュ ワ ア ア ァ ァ … (彼を捲きつくワイヤーが腐食し、その残骸が塵となって消滅する)あまあまなんだよ…キサマら…(背後から取り出した刀―――歪な異臭と邪気を放つその刀を手に取り…)―――― フ ェ ァ ア ッ!!(建物に向けて強く薙ぎ払った) 」
ズ ア ァ ン ッ ――――― ズ シ ャ ア ア ア ア ア ア ア ア ア ア ア ア ァ ァ ァ ァ ァ ァ ン ッ ! ! ! ! (立ち並ぶ建物に衝撃が走る。するとその時、建物の一階部分が瞬く間に腐食し、崩れ落ちた残骸が彼らの頭上より迫った)
金髪の少女「……!あぶない…っ……! 」
真島吾朗「 よろしく?……何のこっちゃ。俺は、やりたいようにやらせてもらうだけや。縛り付けられて生きるンは、性に合わんからのぉ…! ――――――――んあっ?どぉふっ!!(残骸に潰されたように映るが…) 」
鳴滝「 おのれディケイドォーッ!(崩れ落ちる瓦礫から一目散に退避する) 」
トラック「ッ!(嘘だろ、俺の魔力擬態がそんな簡単に消滅すんのかよ!)ビュッ!(サブワイヤーソケット、左腕からワイヤーを射出し、降り注ぐ瓦礫の中、スレスレで脱出)ヴォンッ!!(煙幕の中から、ワイヤーで引き取られた遠心力により飛び出し、そのまま感染者へと高速な一閃を繰り出す) 」
感染者「 ザ キ ィ ―――― ン … ッ … ! ! ! (瓦礫崩壊に舞い上がる砂塵の中から現れた
トラックへの対応に間に合わず、そのまま真正面から斬撃を受ける)――――(確かに彼の攻撃は直撃した。しかし、感染者の身体には一閃の痕がまったく残っていなかった)甘過ぎるんだよ…キサマら、なにもかももなァ。(
トラックの方へ振り返し彼の方――――"腐食し、刃を取られたナイフ"を指さした) 」
真島吾朗「 ――――――ぬぉぉッ……ヒ、ヒヒ、ヒィ……!グググゴゴゴゴ(大きめな残骸を両腕で辛うじて受け止めて持ち上げていた) 」
感染者「死に底無いが…(真島の方へ一瞥を与え、地面に手を添える)―――――地獄に堕ちろォッ!!!(瞬く間に地面を腐食させる) 」
―――― バ ゴ ォ ォ ン ッ ! ! ! (真島が立つ地面が腐食によって脆く崩れ落ち、そこに巨大な穴が誕生した)
真島吾朗「 ぬ、ぬぅ… ちょっ……… 」
トラック「おいおい、嘘だろ?とんでもねェバカ能力見せつけてきやがる……(使い物にならなくなった固有霊装に見をやり、ガスマスク越しに苦悶の表情を浮かべる)おたく、どうしてこんな綺麗な街を襲いやがった。彼女にでも振られちまったか?(一部の固有霊装を取り外し、ハンドガンに持ち帰る) 」
真島吾朗「 嘘やろ……!?おわああああああああああああああああぁぁぁ――――――――――(巨大な穴に落ちていく) 」
感染者「慄けよ…それが俺っちの能力(ちから)…触れるものすべてを腐らせる――――『腐華死儀』(ラフレシア)。( ジ ュ ウ ゥ ゥ ゥ … )(彼が立つ足場が黒く変色していく)そして、
完成系変体刀の一振り―――『腐刀「鈷」』と併せることで、俺っちの力は更なる相乗効果を発揮する。その気になればこの澄んだ空気をも腐らせ…毒ガスに変えることも分けねえが…生憎キサマの様な野郎には通用しねぇみてぇいだがな。(ガスマスクの
トラックに舌打ちする) 」
感染者「俺っちはただ、この世に存在するものすべてを破壊したいだけだ。人や自然の手により、長い時間をかけて生み出された"もの"… それが、一瞬と言う刹那の中で朽ち果てる姿が、俺っちにはたまらなく愉しく感じるんだよ…!!すべてを壊し尽し、崩れ朽ちていく様を見届けさせろよ!!キャァーハッハッハアハッアアハハッハッ!!!(猟奇的な嗤い声を上げながら両腕を広げる) 」
金髪の少女「こわれていく光景…とても、儚い… いつかはみんな、そうなっていく… でも…それは、存在していたからこそ輝けるもの…こわれていくことそのものには、なにもない… あなたは…おもちゃを乱暴に遊ぶこども…かわらない…… 」
トラック「破壊衝動か。なんともまぁ見た目通りの特性だこと……んじゃあ一つ、俺の『固有霊装』の特性だ(足元から朽ちていく足場に、何も恐れることなく、前進する) 」
グチャ、グチャ、グチャ……(
トラックが腐食した足場に触れてもなお、彼の装備は腐ることなく、飄々と感染者と距離を徐々に詰める)
感染者「もっとも?『俺っちたち』は近いうちにこの世界丸ごと浄化するつもりらしいが…もう待てねェんだよ…!俺は"ずっと"待ち続けてきたんだ。今更もう一度我慢など出来るかァッ!!『楔』などなくても、俺っち自身でこの世界のなにもかも滅ぼしてやるよ!!ヒェアアハハハハハハアッハハハッ……ハ……??(腐食する世界の中で何ごともなくこちらへと歩み寄る
トラックの姿に目を疑う) 」
トラック「『ワンマンアーミー』 俺の装備全般は「バリアー型被膜」っつー防腐加工が施されていてな。俺の魔力量によってはその防腐効果は粒子レベルにまで到達する。さっきのナイフとワイヤーには悪いことしたが……てめーとは対等に戦えそうじゃねェか。感染者(ハンドガンの銃口を、約5尺程離れた位置から突き付ける)ついでにその辺(楔)の話、聞かせてもらうぜ。こっちの稼業は歩合給だから興味しかねェ――ズダンッ!!(銃弾を彼に弾くと、姿勢を低く腰を落とし、感染者の懐へと鋼鉄グローブにより打撃を繰り出す)シッ!(余裕もなく、余裕も与えないため、更なる殴撃として、左ジャブ→右フック→回転蹴りと、重装備からは考えられない華麗な速度で、コンボを重ねる) 」
感染者「んだと――――― ド ス ッ ! (――――!!?)(胸部に走る違和感。銃弾が心臓を見事に貫き、その動揺に右目が泳ぎ出す)ぐはァッ…!!?(鋼の一撃に身体が「く」の字に曲がり、その後の連撃によって吹き飛ばされる)ゴロゴロ…ッ… ヅァ…ッ!!(地面に転がり倒れ、膝に手をつきゆっくりと起き上がる)ごの野゛郎゛…ッ…!!(腐刀を地面に突き刺し、そのまま勢いに身を任せた蹴りを繰り出そうと襲いかかるが―――) 」
トラック「ダァンッ!!(待ってましたと言わんばかりに、蹴りを繰り出す初期動作に合わせ、構えていたハンドガンのトリガーを引き、再度彼の行動を制限する)物体の腐食化は出来ても、その勢いを殺すまでは行かねェようだな。銃弾を腐らせるには速度が足りないか?(再びナイフを取り出し、次は手放すことなく、感染者へと素早いナイフによる乱舞を繰り出す) 」
感染者「 ダ ァ ン ッ ! ( ! ? )(攻撃のタイミングを完璧に読まれ、脚部を前へ突き出そうとした瞬間足を撃ち抜かれ態勢を崩す)ギィ…ギサマ…ァッ!!!(ナイフによる高速軌道に右目だけでは追い付かず、成すすべなく全身を斬り裂かれていく) 」
トラック「スチャッ(四方八方からの切り裂きを終えると、彼の後頭部に拳銃を突き付けるが……)なんてな(切り裂きのその道中にて張っていたワイヤーの欠片を引っ張り)グッ!!(感染者の全身をワイヤーで拘束し、封ずる)いっちょあがりぃ。さぁて漏らしてくれるよな。絶対なる組織の一部始終をよ 」
感染者→
ビゾット「ぐぁ…ッ……!( パ リ ィ ー ン … ッ … ! )(ワイヤーによる拘束の後地面に顔面から叩きつけられた衝撃で仮面が割れ、全身から黒い靄が放出されて元の姿へと戻る)ご…ごのッ…!離しやがれェッ!!!(がっちりと拘束された状態でじたばた暴れ出す) 」
金髪の少女「戦い…決着…ついた。(陰から戦いの一部始終を見守っていたが、何とか収束しほっと胸を撫で下ろす) 」
真島吾朗「 う゛……っあ゛ぁ゛…ゼェ…ハァ…ゼェ…ハァ……ふんっっっっっだらぁ~~~コンチョクショウ!!(作業員用の黄色いヘルメットを被ってあの大穴から自力で這い上がってくる) 」
現場猫「 ヨシ!(真島のヘルメットの上で彼の安否を確認する) 」
トラック「(さっきのお兄さん(真島)が心配だが……というかありゃもう死んでるか?)と思ったらとんでもねェ勢いで出てきやがった!大丈夫なのかあんた!? お約束のセリフだな。離すわけねェでしょうが(うつ伏せの
ビゾットの背中に腰を下ろし、より一層ワイヤーを締める)しっかしまぁ、暴れてくれたもんだ……結構気に入っていた風景だったんだがな~、さっさと改修してくれりゃいいんだが…………おや、お嬢さん。戻ってきたのか?怪我ねェか 」
金髪の少女「うん…あなたたちのお陰、平気… おじさんも、戻って来てくれた…よかった。 」
ビゾット「クソがッ…!クソがクソがクソが…ッ…!!俺っちが…抑え込まれるなんて…こんなところ、『奴』に見られたりもしたら…――――― 」
真島吾朗「 ハ、ハァ゛~………み……水……水、ゥゥ……かはっ(満身創痍、疲労困憊。這い上がって早々大の字) 」
Dr.@「――― あっはは…♪ぶっざまだな~。(腐食によって崩れ落ちた瓦礫の上に、いつからいたのかそこに居座っていた。白衣を纏う少女は敗北を喫した
ビゾットに嘲笑を与え、ぴょんとそこから飛び降りて彼のもとへと歩み寄る)… ス ……(地面に横たわる彼に手を差し伸べる) 」
金髪の少女「え、えっと……!(腐食によって半壊した自販機の近くにミネラルウォーターが転がっているのを見て、それを拾い上げる。自分の財布から硬化をその付近にそっと置いた)あの…どうぞ…(そのペットボトルを、大の時に転がる真島に差し出す) 」
トラック「心配して駆けつけてくれたのならありがたいが、何があるかわからねぇ、一旦戻って――(付近、Dr.@の存在を、急に認知し、焦りからか
ビゾットから離れて腰を上げる)イ、いつの間にッ!何者だ 」
真島吾朗「 …………ん………ぉ…ぉお……スマン…のぉ…… ガシッ!! ゴクッゴクッゴクッゴクッゴクッゴクッゴクッゴクッゴクッ(ry(ペットボトルが差し出されるや否や、無我夢中で少女の手から奪い取り、ある程度飲んだ後は残りを自分の全身にぶっかける)―――――――――キエエエエエエエエエエエエエエイ!!!(顔をぶるぶるして発狂しながら立ち上がる) 」
はらぺこあおむし「 (頭をトンカチ代わりに自販機の修理のアルバイトを始める) 」
金髪の少女「わっ……!ごーかいにかぶった… ううん、いいの… お医者さん…? 」
ビゾット「テメェは…―――「 @ 」(アルファ)か…!(今まさにこの状況を見られたくない人物の出現に動揺し、拘束されているにもかかわらず
トラックから転がるように離れ、両膝を地面について身を起こす)…っるせぇ…っ…冷やかしに来たならテメェも腐らせるぞ………!(差し伸べられたその手に、初めは驚きを隠せなかったが、しばらくその手を見つめ、応えるようにその手に近づこうと身を寄せる) 」
Dr.@「……―――― ス チ ャ (拘束された彼に救済の手を差し出そうとしたその瞬間、ぶかぶかの袖の中から銃型注射器「シリンゲス」がそのままスライドするように彼女の手の内に現れる。そして…)――― ド ン ッ ! ! (彼の胸部に銃口を突きつけ、発射) 」
ビゾット「――――!?(一瞬何が起こったのか分からない顔を浮かべるが、胸に感じる「ぽっかりと穴の開いた」様な虚しい感覚に意識を奪われる)……アル…ファ……?な、なに、を……ッ……???(全身が痙攣し始め、その双眸が泳ぎ始める) 」
Dr.@「―――「細胞分解酵素」…今注入したもの。あんたはここで"お終い"。用済みでーす。(
ビゾットを見捨てるように彼を通り過ぎていく) 」
ビゾット「…っ……??…はぁ…ッ…!?何言ってんだよ…@…っ…?(彼女の方へ振り返る)あんたは…俺っちを認めてくれたじゃねえか…ッ… 殺戮の才能…破壊の才能を…俺っちは、何でも壊せるんだ…そういう男なんだろ…ッ…!!?(身体の至る部位が、黒く滲み出していく) 」
Dr.@「―――(歩みを止める) チンピラ風情が。あんたみたいな底辺のカスなど、幾らでも拾える。(最後に彼に与えた一瞥の眼差し。それは彼を人以下と見なした嘲りの眼。一切の慈悲も与えない彼女は彼を切り捨て、
トラックの方へと歩みを進めた) 」
ビゾット「…どお゛してだ…ッ…!お゛いッ…!!…まだだ…まだ、壊し足りねえぇんだよォ…ッ…!滅びゆく様を…もっと見てェんんだよ…ォォ…ッ…!!!俺っちが先に朽ち果てたら…何も得られねェじゃんかよォッ!!!(じわじわと身体が浸食されていく)ヂギジョ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛――――――(腐り切っていく肉体。やがて真っ黒に染まった彼の身体は、ただのそよ風に灰となって吹き付けられ、跡形もなくこの世界から消滅した) 」
金髪の少女「……!!……ひどい…なかまに、あんなこと…(@の取った予想外の行動、そして断末魔を上げながら消えてしまった
ビゾットに恐怖する) 」
真島吾朗「 んぁ……!? おい………何や……?いったい、何が起こっとるんや……(復活を果たして周りを見るも、状況を把握できず) 」
トラック「――(止めようと思えば、止めることが出来たかもしれない。だが、その可能性は捨て、彼女らの物語を俯瞰し続けた)……(金髪の少女を庇う様に、片腕で彼女の侵攻先を塞ぐ)これが『慈善活動』か?(その組織について、知りえる情報を公表し、彼女に己の立ち位置を伝える。その声色は、特に嫌悪も好感もない。表情も、ガスマスクで知りえないところだった) 」
Dr.@「壊れていく瞬間に愉悦を感じるのなら、自らそれを体感すれば極上の幸せなんじゃないかって。私が彼にしてあげたこと、これが"慈善"として何か間違ってるとでも?(自らの選択に一切の誤りがないと自負するように、歪に口角を上げる)そんなことより、『偽装者』の適合者であるビゾットと渡り歩けるなんて…なかなか良い腕をしているな。どうだい、今度は私のもとで傭兵稼業に勤しんでみる気は。(
トラックに片手を差し出す) 」
真島吾朗「 ……何やねん……おう、説明せぇ!何が……(
Dr.@の存在を見て)……………目ぇ冴えたわ。(渇いたような低い声) 」
トラック「俺をスカウトしてくる企業団体ってのは碌なもんじゃねェんでな……見る目はあるけど、センスがねェですぜ(Dr.@の死角から、金髪の少女の腰にワイヤーを音もなく巻き付ける)それに、俺のウリは慈善活動なんてもんじゃないんでね、おたくらの企業理念とは合いそうにないぜ?(こいつに今関わるのはやばい、直感だが……逃げの一手が必要だ。流石に女の子見捨てるわけにもいかんし、ここは穏便に……) 」
金髪の少女「慈善…あなたたち、本当は…何を企んでいるの…?(ワイヤーが巻きつかれたことに気づいていない) 」
Dr.@「…クスッ…♪そうっ。(そっけない返事で瞳を閉ざす)まあいいけど。…「伐刀者」…あなたたちの戦闘データは既に閲覧済みだし。その戦闘情報を基に完成させた伐刀者の「進化系」…その適合者もウチにはいるのでね。 」
Dr.@「…いいでしょう、せっかくだ。答えたげる。私たちの名は――――【秩序の箱庭】。新たなる世界の創生を行う者。この世界に点在する『エンドポイント』…そこにある『世界の楔』。すべての『楔』の封印を解き、世界浄化―――"ワールドエンド"を引き起こす。すべてをまっさらにした後、その世界には選ばれし新人類…『第二人類』のみが生存し、『私たち』が彼らを管理する。"混沌"を改め、"秩序"なる世界を創生する存在として。(左手を天高く掲げる) 」
真島吾朗「 ……へへ……(
Dr.@の姿を後方から舐めるような目つきをして見始める)ほぉ~~~………こりゃぁ~中々……ええケツしとるやないか………ペロリ(舌舐めずり) 」
Dr.@「ちょっ…なんなのこのエロ親父…!今いいところなんだから邪魔しないでくれる!?(しっしっと手で払いながら) 」
ズ……ッ……ズ ズ ン ッ … ! ! ! (白衣の少女が手をかざしたその時、腐食した町が揺らぎ始める) ズ ガ ガ ガ ガ ガ ガ ガ ッ … ! ! ! ! (停止したはずの腐食化が再び活動し、町そのものが徐々に黒く染まり出していく)
真島吾朗「 (追い払われ)ひひひ…安心せぇ、聞いとるわ。よーするに……ほぅ、あれや。俺らの住みにくぅ~い世界を、快ッ適にしてくれよる……女神様っちゅうわけやな?(
Dr.@に) 」
トラック「――(俺が伐刀者であることがバレているのはまだしも……なんだ、進化系?) ……いつぞやの『新時代機関』みてぇな理想を抱いているわけですか(ネザリアンを彷彿とさせる、感染者の姿形と、Dr.@が掲げた思想から、嘗て傍観した事件を思い返す)だったらその企みは――ッ!!?なんだ、また腐食化が始まった!?(地面の揺らぎから、軸がズレて転びかけるも、しっかりと地に足をつけてDr.@に視線を落とす)……今、この場も……そのエンドポイントってやつなのか? 」
Dr.@「…女神……そうね…フフフ… この世界から、神は消え去った。管理する存在がいないこの世界を放置すれば、最厄の未来は免れない。だから、私たちが管理するしかない。至極真っ当な考えだよ。(揺れ動く大地の中で、平然とと薄ら笑みを浮かべる)―――― ご名答。流石察しが良いね。もう既に「三つ目」が落された。世界浄化の日も近くなったね。あは、あはは、あは、あはは。(「 A 」の紋章が刻まれた舌を出しながら、少女は嗤う) 」
ズ ガ ガ ガ ガ ガ ガ ガ ァ … ッ … ! ! ! (
トラックたちが立つ足場に亀裂が生じ、瓦解の音を立てながら地面が崩れ落ちていく)
金髪の少女「…『箱庭』…さっき聞いた名前… 世界に、革命を起こすの……そんなことしたら、みんな、哀しむ―――きゃっ…!?(激しい揺れに一瞬転倒しかける) 」
真島吾朗 「 うおっ…!またかいな!せやけど………(
Dr.@の傍へ移動)……ここにおりゃぁ、生き長らえる。まさか術者が自分の術に足掬われるような、んなアホな事にはならんやろからのぉ? 」
トラック「絶対碌な死に方しないぜ、あんた!!(巻き付けたワイヤーを引っ張り、金髪の少女を自身の元に抱き寄せ、密着する)あんましジタバタしねェでくださいよ、変なところ触ったって怒るのも無しで!(辛うじて『生きている』建物の一部にワイヤーを取り付け、暗黒に染まりゆく街中を飛び回る) 」
Dr.@「―――そーとも限らないけどね。(真島にべーっと舌を出すと、なんと自分が立っている足場も崩れ、その穴の中へと落下し始める)あっははは…私は死なないよ。だって"既に死んでいる"から。また何処かで会おう、世界のモルモットたち。『楔』は私たちを引き合わせるだろうから。あは、あははははは―――――(不気味に嗤う少女はその大きな闇の中へと沈んでいった) 」
金髪の少女「へっ―――ひゃっ…!?(唐突に引き寄せられ、彼の腕の中へと連れ込まれる)―――――(
トラックに助けられ宙を飛ぶ中、崩れた大地の中へと落ちていく@を見届け、言葉にし難い感情をその胸に抑え込んだ) 」
真島吾朗「へっ?―――――――なっ……… ヘヘ………やっぱ………女っちゅうんは、読めへんもんやのぉ……(そう言いながら
Dr.@と同様に穴へ落ちてしまう) 」
現場猫「 ヨシじゃない!(真島と一緒に穴の中へ落ちていく) 」
はらぺこあおむし「 あーーーーーーーー(自販機修理を終えた直後に穴へと落ちる) 」
トラック「ヒュッー……スタッ…(エンドポイントから離脱し、安全圏である街の外に着陸し、彼女をそっと下ろす)今回の案件は金にはならなさそうだな……オタクはどうする?あの様子じゃ、ただの女の子ってわけじゃなさそうだしな 」
金髪の少女→和音「また、助けてけれて、ありがとう… 私は……(胸元に手を当て、答え辛そうな反応をするが、改まった表情で彼の顔を見上げる)……信じてくれるか、どうかは分からない… 私は…『和音』(かずね)。"未来"から、この時代にやってきた… 誰かに、助けを呼ばれた声がしたから。…だから、その「声の人」に、会いに行く。 」
トラック「メルヘンチックなこと。クソ真面目に聞くこともないんでしょーけど、まぁ他人事程度には応援しますよって(あとはこの子が……あの「箱庭」共の標的にされなきゃいいんだが……)この過去にいる、その声の人、見つかるといいですね。んじゃあ、今度は助けられるんじゃなく、しっかり護れるよう頑張って(柄じゃないことはわかってはいるが、その場凌ぎの檄を和音に飛ばす)……そんじゃ(ガスマスクを揺らし、その場からワイヤーで飛び去る) 」
和音「うん… ぁ…ありがとう。(飛び去っていく
トラックを静かに見送り出す)……私が聞いたあの「声」は……ううん… きっと、出会える。そう、信じる…――――― 」
最終更新:2019年07月25日 11:03