問4 命令を並列実行するためのアーキテクチャであって、複数の命令を同時に実行するとき、命令を実行する演算器をハードウェアによって動的に割り当てる方式はどれか。
ア SMP
イ VLIW
ウ スーパースカラ
エ スーパパイプライン
解説
マイクロプロセッサアーキテクチャに関する問題です。
ア 不正解
SMP(対称型マルチプロセッシング Symmetric Multiprocessing)とは、同じ機能、役割を持たせられるプロセッサによる並列処理方式。いわゆるマルチコアCPUや、CPUを複数搭載したサーバがSMPに当たります。
SMPと対照的なのがASMP(非対称型マルチプロセッシング Asymmetric Multiprocessing)で、こちらはOSのカーネルを担当するCPUとアプリケーションを担当するCPU等、各プロセッサの役割や機能が異なる並列処理方式です。
イ 不正解
VLIW(超長命令語 Very Long Instruction Word)とは、プロセッサが処理する命令がものすごい長い(一度にたくさん処理出来る)+VLIWプロセッサに対応したコンパイラによって、並列実行出来るようにプログラムを解析して命令セットを作り出す方式です。
前述の通り、VLIWプロセッサの性能を活かすには、そのプロセッサに対応した高度なコンパイラを利用する必要があり、ハードウェアはコンパイラによって最適化された命令セットを実行するため、不正解です。
ウ 正解
スーパースカラとは、並列に命令を実行することで処理性能を向上させるアーキテクチャです。VLIWとは違い、ハードウェア(分配機構)が命令群を解析し、並列に実行できる命令を選択しプロセッサに供給します。ハードウェアにより並列処理に分配する命令を制御しているためウが正解です。
エ 不正解
スーパパイプラインとは、パイプラインを更に細分化したマイクロプロセッサの高速化手法です。
プロセッサが命令を実行するには、命令の読み出し、命令の解釈、命令の実行、メモリへの読み書き、レジスタへの書き込み等の段階(ステージ)があり、これらを階段上に並べて、異なるステージを並列に処理するのがパイプラインです。実際に命令を並列に実行しているわけではないため、不正解です。
最終更新:2013年09月15日 00:08