303 :マロン名無しさん  2006/10/11(水) 22:15:28 ID:??? 

加速する思い

加速する勢いを止める理由はない。
利かない理性を無視してただ自分のいたいようにすれば
それはお互いに、自然に…

雪広豪邸の大浴場、さすがに二人では大きすぎるのでミニサイズの風呂に入る。
「どうしました?」
「なーんであんたと一緒に風呂に入らなきゃならないのよ」
ふてくされ気味の明日菜の後ろを抱くようにして一緒に入るあやかであった。
「仕方ありませんわよ、アスナさん、一人で立つのがやっとですもの」
「誰のせいでこうなったと思ってるの!」
ほんの数十分前のことを思い返すとそうだろうと考えてしまう。
それほど二人は激しく、そして勢いに身を任せてしまっていた。
そしてその反動は、主に明日菜の腰にばかり向かう。

「あーもー…腰ダルイのよ…」
端に寄り添うようにして明日菜はぐてついていた。
「私も、今日はさすがにやりすぎましたわ…すみません」
あやかに抱かれる瞬間、心のブレーキが壊れる音がした。
そんなことを考えていると恥ずかしくなり、あやかに背を向けた。
「あまり刺激しないでよ、痛いんだから」
「ふふ、分かりましたわ」

ボディソープをスポンジにつけて背中を綺麗にするあやか。
「痛くありませんか?」
「痛いわよ、特に腰」
力を入れすぎたと思い少し手を抜いて洗う。それでも明日菜の腰には結構響くものだ。
「あんたは無駄に激しすぎるのよ」
「それはどうも」
あやかの手の温もりを感じながら明日菜はぼんやりと湯船を眺めた。


304 :マロン名無しさん  2006/10/11(水) 22:15:59 ID:???  


「あんたのもやったげる」
明日菜はあやかのスポンジを奪ってあやかに向き合う。
「あ、しかし…」
あやかは何故か遠慮している、それが明日菜の考えていた通り。
痛む腰を押して体を向けると、あやかの体を逆方向に向けて背中を確認する。
「…やっぱり」
あやかの背中には、明日菜が背中を抱きしめたときについた引っかき傷が残っていた。
腰が痛む明日菜を気遣って、自分の痛む背中を壁際に背を合わせていた。
「ごめん、私も力入りすぎた」
「・・・それはお互い様ですわね」
「今度は…もっとよくしなさいよ」
それが合図、もう歯止めは利かない。

「もっと経験を積んで痛くならないように頑張りましょうね」
「なによ、その極めきったような言い方は?」
正面に向かい合い裸のまま抱きしめる、そして首筋にキスをする。
「ちょっ…いきなりすぎ…」
「アスナさんにもっと頑張ってもらえるように、頑張りますわ」
肌と肌が触れ合い、互いの温かみが直に伝わる不思議な感触。
明日菜はあやかの背中に手を回して、あやかは明日菜の体を抱きしめて求め合う。

それ以上のことはない、ただ自分のやりたいように。
その加速する勢いを止めるものは…今の二人にはない。


 


306 :マロン名無しさん  2006/10/11(水) 23:03:16 ID:???  


三分後投下~
>>265-269の続きです

人物紹介

刹那 主人公、職業勇者。とっても頑張り中

木乃香 勇者の幼なじみ、職業賢者。せっちゃん命の色狂い。夜が来るたびにケダモノと化す

古菲 異世界から迷い込んだ少女、職業武道家。言葉はわかるが「ある」としか喋れない。刹那は心の中で”あるある”と呼んでいる

エヴァ 職業魔王。別の魔王に襲われて、記憶を失っていた


307 :刹那 そして伝説へ(byDQⅢ)  2006/10/11(水) 23:06:10 ID:???  


刹那 そして伝説へ(byDQⅢ)


1/5
>ぼうけんのしょ1をはじめます

エヴァ 「我が名はエヴァンジェリン・A・K・マクダウェル!!!闇の福音にして・・・破壊の魔王!!!」


幼女は私たちにそう叫ぶと、禍禍しい殺気を放ちながら空中へと浮かび上がり始めました
エヴァ 「ククク・・・感謝するぞ貴様ら。お礼に・・・」
その時です。不意に鉄の従者たちが幼女を抱きしめてその匂いを嗅ぎ始めたのです

茶々黄 「ご主人様、御髪が乱れておりますね。それにお顔も洗っておられないのでは?」
茶々茶 「マスター、ちゃんと朝は起きているのですか?夜更かしはいけませんよ?」
茶々黒 「お前、エサ・・・喰ってるのか?」
茶々青 「着替えもしていないじゃないですか~だめですよ、そんなの」
茶々赤 「綺麗な靴、履こう」
茶々白 「やぁん、御館様。下着から変な臭いがするえ?着替えへんとなぁ・・・」
茶々桃 「主殿、歯磨きをするでござるよ」
茶々紫 「エヴァちゃん、爪の手入れがなっていないよね~」

エヴァ 「き、貴様ら何・・・・」

ゼロ赤 「ソイツラゴ主人ヲ世話デキナカッタンデ、ストレスガタマテンダ」
ゼロ緑 「ゴ主人ガイナカッタ期間ノ分、ヤリタガッテルゼ?」
ゼロ黄 「ブッ壊レナイヨウニナ?ゴ主人」

鉄の従者たちはあっという間に幼女をその16本の手で絡めとると、そのままお城の奥にと連れ去っていきました

茶々丸 「申し訳ありません。マスターの身支度が整うまでお城の中でお待ちください」

308 :刹那 そして伝説へ(byDQⅢ)  2006/10/11(水) 23:07:32 ID:???  

2/5
刹那 「ふわぁぁぁ・・・あの壷なんか高そう」
木乃香 「せやな、年代もずいぶんと古そうやし」
古 「あるぅ」

お城の廊下を案内されて歩く私たちの目には、それはそれは高価そうな調度品の数々が飛び込んできました
それらの一つ一つが丁寧に手入れされて、曇り一つありません

明日菜 「ね、ねえ・・・こんなに簡単に魔王のお城に入れちゃうの?罠じゃないの?」
木乃香 「せやけど魔王があのエヴァちゃんやし・・・大丈夫なんやないかな?」
まあ、その心配はあたりまえだと思います。でも魔王があの幼女なのです、何とかなるでしょう

しずな 「あの従者さん?ネギって言う男の子どこかしら?」
茶々丸 「ああ、ネギ様ですね。今はご入浴中です、その後御食事をされますがご一緒されますか?」
明日菜 「ネギは無事なの!!!」
茶々丸 「大事なゲスト様ですから丁重におもてなししております」
しずな 「それは良かったわ、ねえ、お酒あるかしら?」
明日菜 「しずな先生!!今はそれどころじゃないでしょう!!」
しずな 「いいじゃない、無事だって言うんだから」
明日菜 「まったくもう」

茶々丸 「ではこちらでお待ちください」
案内されたのはそれは豪華な一室でした。清潔なクロスが引かれたテーブルの上にはいくつものお料理が並び、私たちを出迎えてくれました
古 「あるぅ~」
それを見たとたんに、あるあるが涎を垂らしながらふらふらとその料理に近づいていきました

明日菜 「だ、ダメッ!!!罠だったら・・・」
しかしそんな忠告など飢えたあるあるには聞こえるはずもありません

309 :刹那 そして伝説へ(byDQⅢ)  2006/10/11(水) 23:08:32 ID:???  
3/5
明日菜 「な、何ともないの?」
卓上の豪華料理を無心にほうばるあるある。その姿に変化はないようです。と思っていたのですが・・・
古 「あるぅ~」
突然あるあるは苦しそうにうめき始めたのです
明日菜 「や、やっぱり!!」
しかし、苦しみもがくあるあるでしたが、近くにあったコップを掴んで水を一気に飲み干したのです
古 「あるぅ~」
あるあるは一息吐くと、再び料理をがっつきはじめました
刹那 「喉、詰まっただけみたいですね・・・」

あるあるの様子をしばらく見ていた私たち、別に毒とかはなさそうなので少しだけお料理に手をつけてみました
木乃香 「う、美味いやん!!」
刹那 「こ、このまったりとしながらもしっかりとした舌への刺激・・・あのバハラタの五月王にも勝るとも・・・」
この言葉を発した瞬間、魔王の従者の目の色が変わりました
茶々丸 「今なんとおっしゃいましたか?確かバハラタの五月王と言いませんでしたか?」
その雰囲気に押され、少しばかり恐縮して私は言います
刹那 「え、ええ。五月王といいましたが・・・ご存知なのですか?」
茶々丸 「ええ、何度か戦ったことがあります。戦闘にしろお料理にしろ決着はつきませんでした」
木乃香 「あ、あの人強いん?」
茶々丸 「私たちが部隊で襲い掛かって勝てなかったのです。戦闘にしてもお料理にしても」
あの人・・・見た目とは裏腹にそんな強かったんだ。あの欠食児童たち、変なことしてなきゃいいけど

さて、食事をしながら幼女を待っていたときのことでした。扉が開いたかと思うと、一人の少年が現れたのです
明日菜 「ね、ネギ!!!無事だったのね!!!」
その少年は叫んだ少女を見つけると、泣きながら抱きついたのです
ネギ 「明日菜さん!!!明日菜さぁん!!!」
しずな 「良かったわ、ネギ君!!!さぁ!!抱きしめてあげるわ!!!」
ネギ 「あ、あのしずな先生?おっぱむぐぅ!!!」

その完全なる抱擁に言葉は要らないのでした
310 :刹那 そして伝説へ(byDQⅢ)  2006/10/11(水) 23:09:29 ID:???  
4/5
ネギ 「特に危害は加えられませんでした。ご飯もお風呂もお布団も用意してもらいました」
明日菜 「でもここは魔王の城なのよ!?」
その問いに答えたのは魔王の従者でした
茶々丸 「美少年は愛でるもの、それがマスターの言葉です」
なるほど

さて感動の再開はさておき、これからどうしたらいいのでしょうか?
次なる目的は?そしてこれで世界に平和が?もしかしてエンディング?何て考えていると・・・
茶々丸 「マスターが参られます」
がちゃりと扉が開いたと思うと、車椅子に乗った幼女が現れました

綺麗に梳かれた金色の髪、純白の服、真紅に染められた爪、御姫様にしか履くことが許されないようなガラスの靴
そして白目をむいた瞳にだらしなく開いた口、その端からたれる涎・・・どうみても、あれ?
茶々丸 「申し訳ありません、着替えの途中にマスターは眠りについてしまったようです」
しかしどうみてもこれは眠っているようには見えません。どちらかというと苦しみのあまりに気絶したような気がします

木乃香 「あ、あんな・・・なんでエヴァちゃんは記憶を失ったん?」
茶々丸 「それは先ほどマスターから伺いました。どうやら魔王に戦いを挑んで負けた際のショックによるものだそうです」
木乃香 「魔王?エヴァちゃんやないの?」
茶々丸 「ある程度の力以上の存在は魔王と呼ばれる場合があります。残念ながらその存在の力はマスターを遥かに凌ぎます」
木乃香 「そ、そんなにすごいん?」
茶々丸 「たぶん瞬殺でしたでしょうね。それほどの存在なのです」

と、ここまで話したときのことでした

エヴァ 「や、やめろぉぉぉぉぉぉ!!!」
車椅子の幼女が叫び声をあげたかと思うと、息を荒げて飛び上がったのです

茶々丸 「おはようございます、マスター。ご友人の方々がお待ちですよ?」
311 :刹那 そして伝説へ(byDQⅢ)  2006/10/11(水) 23:10:33 ID:???  
5/5
エヴァ 「き、貴様ら・・・何だあの洗い方は!?どこか壊れているのか!!」

茶々黄 「ご主人様、御髪が乱れていましたから少し無理したんです。ごめんなさい」
茶々茶 「マスター、夜更かしのし過ぎで御肌荒れていたんです。ちょっと無理しないといけませんでしたよ」
茶々黒 「お前、いいエサ喰っていない」
茶々青 「お洋服きちゃなかったんだよ?無理やりにでも脱がさなきゃダメでしょ?」
茶々赤 「靴は臭かった。いい靴を履こう」
茶々白 「御館様。下着に染みが着いてたえ?不潔や」
茶々桃 「主殿、歯垢がたまっていたでござるよ」
茶々紫 「エヴァちゃん、爪がギザギザだったよ」
エヴァ 「ぐぬぬぬ・・・」

木乃香 「え、エヴァちゃん魔王やったんやな」
エヴァ 「ふんっ!!!今にでもこいつらと貴様らは殺してやりたいところだが・・・今は力が要る」
刹那 「力?」

エヴァ 「そうだ!!!奴を!!!あの”おばさん”を倒すための力が要る!!!」


そのとき、大地が揺れました。そして今私たちがいる山脈の側の大地が裂けて、そこから巨大な長ネギが突き出てきたのです
そして突き出た長ネギが消えて揺れが収まると、大地には小さな国が一つ入ってしまうような裂け目ができていました

>ぼうけんのしょ1にきろくします


ハルナ 「な、那波さん見ていないよね?」
夕映 「死にたいのですか?私は巻き込まれるのはいやですよ?」
ハルナ 「い、一応やばい表現は抑えたつもりなんだけどな・・・さ、先に進めてみる?」
夕映 「まあ、気長に待つです」

 

324 :真名 後悔の後に  2006/10/12(木) 00:57:55 ID:???  
真名 後悔の後に


1/5
私には恋人がいる。大河内アキラ、それが彼女の名前だ
今日は特別な日、私と彼女が出会った日なのだ
だが出逢ったといってもそれ以前から面識はあった
強いて言えば一年前の今日、彼女と仲良くなった日なのだ

喧嘩することも多かった。現に一昨日も喧嘩した。だが今日で仲良くなれる

はずだった

美味しそうな食事が並んだテーブルをはさみ、目の前にアキラがいる
彼女は嬉しそうに微笑み、そして何かの期待を含ませながらその瞳で私を見つめた
この後、私はアキラと何をするかは想像にお任せする
まあ、大体は想像のとおりに進めていくことになる

はずだった


記念日に必要なもの。それはともに過ごす時間、愛の語らい、そして相手にふさわしいプレゼントだ
これはどの時代でも、どの世界でも変わらない


私は懐を探る。大丈夫、プレゼントはしっかりとある。超特製の時計だ
その正確さは原子時計並で、少なくとも生きている間は電池交換が必要ないというすばらしいものだということである
私はそれの片割れをアキラに渡す。二人での時をいつも一緒に過ごせますようにとの願いを込めて

そして時はきた
325 :真名 後悔の後に  2006/10/12(木) 00:58:28 ID:???  
2/5
真名 「あ、アキラ・・・これ」
そう言って私はアキラの目の前にプレゼントを出した
小さな箱に入ったそれ。そして中を開けてアキラに見せる

アキラ 「ね、ねえ・・・それ下着?」

箱の中には時計と一緒に何か布切れが入っていた。見覚えのあるそれ
取り出して手にとって広げてみる

”桜咲 刹那”

そう書いてあった。それもパンティ
そういえば昨日・・・

アキラ 「ど、どういうことなの!!!」
真名 「こ、これはだな・・・ええと」

ぴりりりり・・・
不意に私の携帯がなった。怒り心頭のアキラを牽制しつつ、私は携帯の表示画面を見る

”桜咲 刹那”

アキラ 「真名の馬鹿ぁ!!!」
その直後、彼女の右手はうなりをあげて私を襲い、頬を張ったのだ
真名 「・・・」
その後は覚えてはいない。気がつけば硝煙の匂いが立ち込め、手には銃を握っていた
326 :真名 後悔の後に  2006/10/12(木) 00:59:36 ID:???  
3/5
床にはアキラが倒れている。思わず抱き上げるが、その体には力が入ってはいない
床を見る。ベージュの絨毯が赤く染まり、その染みがどんどん広がってゆく
アキラの胸を見た。生暖かい液体が流れ落ち、床を汚してゆく
その液体はアキラの生命をどんどん奪ってゆく。いや・・・奪ったのは私

真名 「アキラ・・・アキラァァ!!!!」

叫んでもどうしようもない。命が流れ出てゆき、その止めるすべがない
つまり彼女は死を迎えるのだ


ぴんぽーん・・・
その音に私はびくりとする。我に返ったのだ
ぴんぽーん・・・
今この状況を誰かに見られたら・・・そんな後ろめたい思いが脳裏を掠める
私はアキラを床に横たえると、玄関に行ってそっと覗き穴からドアの外を見た

立っていたのは桜咲刹那、件の人間だ

なぜ刹那がここに?それよりもこの状況をどう片付ける?
死体を隠す?

ぴんぽーん・・・
更に呼び鈴が鳴った。追い詰められる私、どうしてよいのかわからない
そんな時、目に入ってきたのはあの時計であった

真名 「くそう!!!こんなものを贈らなければ!!!」
そう叫び、私はその時計を壁に投げつけた

壁にぶつかった時計は”カチン”という音を鳴らした
327 :真名 後悔の後に  2006/10/12(木) 01:00:56 ID:???  
4/5
アキラ 「ねえ、真名。そこに飲み物のグラスを置いてよ」
アキラの声が台所から聞こえてきた

真名 「え?」
私は耳を疑った。たった今の今までアキラは床に血まみれで倒れていたのだ
それがなぜ?

アキラ 「真名?聞こえてるの?」
真名 「あ、ああ・・・」
台所から聞こえる声はアキラの声だ。それは間違いない
それよりも私が殺してしまったはずのアキラは?
死体はどこに?床の血は?
それよりも死体が生き返った?
そんな馬鹿な・・・

ふとポケットを探ってみた。その中にはアキラに渡すはずのプレゼントが入っている
封は開けられていない
私はさっきこれを開けたはず・・・それなのに・・・
私は箱を開けた。中には時計と問題になったパンティが入っている
時計の時間を見ると、アキラを殺してしまった時間より10分も前だ

つまり・・・時が戻ったのか?


原因はわからない。だがおそらくはこの時計
天才 超 鈴音が作ったこの時計であることは間違いないだろう
時間が戻った。それならば

私はパンティを隠し、箱の封を元に戻す。そして携帯の電源を切った
328 :真名 後悔の後に  2006/10/12(木) 01:01:47 ID:???  
5/5
アキラ 「乾杯・・・」
その乾杯の音頭に合わせて私たちはグラスを合わせた
チーンという澄んだ音が響き、私たちは笑顔で見詰め合う
グラスの、それはジュースではあるがそれを飲み、料理に手をつける
アキラ特製の料理は五月のそれには及ばないが、愛情はそれを遥かに超えるだろう
真名 「美味しいよ、とても」
アキラは微笑む、そして語らいは弾んだ

ぴんぽーん・・・
不意に呼び鈴が鳴った。それは刹那訪問の合図。だが私にはもうそんなことは問題にならなかった
真名 「いい、私が出よう。すぐに・・・す・・・」
息ができなくなった。胸が・・・そして意識が混濁し始めて私は床に倒れこんだ

アキラが席を立つ。だが私を見向きもせず、玄関へと向かっていった
真名 「あ・・きら?」
やがて戻ってきたアキラは刹那と一緒だった。二人に驚いている様子はない
私を見下ろすように見て、その視線は冷たい

ぼんやりとした意識の中、二人の声が聞こえてきた
アキラ 「これで私たち、邪魔されないよね」
そして消え行く視界の中、二人が抱き合ってキスするのが見えた


ハルナ 「多分これもありよね」
机に向かうハルナが書き上げた原稿、それは創作系同人誌の原稿である
ハルナ 「まあ、たいちょーはもうバッドエンド確定だから・・・後はいつそうなるかだけだもんね」
冷たいグリップは持つもの覚悟を引き締めてくれる。そして硝煙の臭いは・・・心を躍らせる

真名 「安心しろ。私はそんなへまはしない。だが秘密を知るものを生かしておくわけにもいかないのでな・・・」

 

330 :真名ちゃんもっこり日記120  2006/10/12(木) 01:18:22 ID:???  
真名ちゃんもっこり日記120

第2期アニメも波乱で始まるスタートだったな。
これからも無病息災、安全第一で始まるようにお祈りをしておくか。
せっかく用意した巫女姿なのに出番がないのは残念だ。
とりあえず清めの塩を撒いておくか。パッパッパっと。
この滑り台が何か臭いな…念のために多めに撒いておくか。

さぁいいことをした後は水泳部に行ってアキラを眺めるか。
ハァハァ…いろんな角度からアキラを(盗)撮影してしまった、最後のバカレンジャー専用テープだが大丈夫だろう。
ふぅ、少し疲れたし腹も減ったから一休みだ。
こんなこともあろうかとバナナを持参しておいた。

もぐもぐ…ふぅ、腹は膨れたがこの皮が邪魔だな…捨てちゃえ。そーれ
あー、風に乗ってグラウンドの方向へ…
知ーらないっと。

 

335 :マロン名無しさん  2006/10/12(木) 17:13:44 ID:???  
ネギ「ええっ、シャークティさんって先生なんですか!?」
シャークティ「見えないでしょう?よく高校生にしか見えないって言われるんです。
       修学旅行で引率してても生徒の子たちと間違えられますし……」
美空「いーじゃないっすか。いつも怒ってばかりいる割には、眉間にしわできてないってことなんですから」
シャークティ「怒ってばかりなのは、貴女が何度注意しても改めないからです。まったくもう……
       いつまでも貴女が子供っぽいから、一緒にいる私までそう見られるのです」
ココネ「……私は、大人っぽいってよく言われる……」
美空「おーっ、それはやっぱり、この大人な美空さんがいつも一緒にいるか」
シャークティ「本人の努力と私の指導の賜物です。あなたも見習いなさい」
美空「へーい。あ、でも、もしかして私の子供っぽさは、私がココネの子供っぽさを
   吸い取っていてあげてるからじゃ」
シャークティ「それなら、ココネが一人前になる頃には、貴女とココネの関係は逆転しているかもしれませんね。
       風格のある後輩シスターにしっかりと指導してもらいなさい、シスター美空」
美空「げっ。それは、ちょっと嫌かな~」
シャークティ「なら、もっとちゃんとなさい」
??「……」

??「風香ちゃん、史伽ちゃん、ちょっと私の傍に来てくれるかしら」
風香・史伽「なーに??」

 

336 :真名ちゃんもっこり日記外伝  2006/10/12(木) 18:02:44 ID:???  
真名ちゃんもっこり日記外伝

それは、いつまで経っても空気扱いの    が切れたことから始まった。

  「もう空気なんて言わせない!張り切って頑張って目立つぞー!!」
真名「とか言ってるが、もうすでに消えてるぞ」
  「うそ!?」

『     の脱空気挑戦期 Vol.1』

  「うわーん。せっかく日記を乗っ取って番外コーナー作ったのにー!」
真名「仕方ない。面が割れれば消えるのだろう、登録名を謎のシスターにすればどうだ?」
謎のシスター「まぁ消えるよりはマシか。でもこれじゃあ微妙だし…じゃあちょっとひねって『シスターX』」
真名「まぁいいか、それじゃあ頑張れよ」


マナP「―ということで始まりました『シスターXの脱空気挑戦期』。司会は私『マナP』(ちう命名)です」
ちゃおりん「解説は悪のラスボス火星人『ちゃおりん』ネ」
ちう「特別ゲストでネットアイドル『ちう』がお送りしまーす♪(…ちっ、何で私が)」
マナP「この企画はいつまで経っても空気扱いのシスターXの脱空気への道を綴った物語です」
ちゃおりん「解説とセリフだらけのために、日記シリーズでは久々の台詞の前の字幕復活ネ」
マナP「さて、今回は第2期アニメの『ネギま!?』のレギュラー奪取を目論んでます」
ちう「随分大きなな計画ねー。身の程知r…おっと夢は壮大に行かないとねー♪」
ちゃおりん「とか言ってるうちに『ネギま!?』が始まったヨ」
マナP「さて、脱空気なるか見ものです!」



マナP「…えー、物語が始まって約12分。意気込んで見たところ、前半の登場回数ゼロ」
337 :真名ちゃんもっこり日記外伝  2006/10/12(木) 18:03:44 ID:???  
ちゃおりん「序盤の展開上仕方ないとはいえ、セットの陰で嘆いてたネ」
ちう「やっぱり身の程s」
マナP「おーーーーっと!後半に入って約1分半、ようやく出番が…って背景扱い」
ちゃおりん「私の営業スマイル可愛く映ってたネ」
ちう「細かなところで宣伝してるとは以外ー♪」
マナP「長谷川もイラつきながらキーボードを連打しています」
ちう「私は関係ないだろ」ボソ
マナP「また出たけど背景扱いー。むしろ那波の携帯連打のほうが印象に残るー!」
ちう「もう出番ないかも」
ちゃおりん「じゃあもし画面に単独で大写しになったら(σ・∀・)σゲッツってやろうヨ」
ちう「…おいおい」
マナP「…ハァハァ。泳いでいる姿は最高だアキラ」
ちう「そんなことやってると、出てきたよー」
マナP、ちゃおりん、ちう「あー!転んだーーーーー!!」
マナP「一番大きく写ったけど全然セリフなし!」
ちゃおりん「はい、みなさん御一緒ニ、せーの」

マナP、ちゃおりん、ちう「(σ・∀・)σゲッツ」


糸冬 了


シスターX「ねー、みんな見てた…って、あれ?」
誰も居ないセットを眺めて途方にくれるシスターX(      )であった。

 

340 :マロン名無しさん  2006/10/12(木) 22:17:13 ID:???  
862:名無しかわいいよ名無し :2006/10/12(木) 14:16:51 ID:dcGT4woE [sage]
だんだんザジに甘くなってくる龍宮
新密度が上がる二人にやきもきするちう
でもどうしてもツンケンしてしまう。

龍宮「ふむ。今日は60点あげよう」
ザジ(にこにこ)
ちう「・・・ケッ、どこが」

ザジスレより

 

342 :あいあんすとまっく  2006/10/12(木) 22:21:54 ID:???  
あいあんすとまっく


1/4
和美 「第一回、大食い選手権~!!!」

お祭り好きの3-A、誰が思いついたのかは知らないがそんなイベントが突発的に発生します
今回は運のいいことに超包子、那波千鶴さんの協力、更には雪広財閥からの支援を得ることができたのです
テーブルには何人か並び、そして厨房には五月さんと千鶴さんがそのときを待ちました

和美 「まずは一食目、それはチャーハンだぁ!!!」
五月さんと千鶴さんの振るう鍋からは小気味良い音と、香しい匂いが漂ってきます
それは当然挑戦者たちの胃袋を刺激して、食欲を掻き立てました

裕奈 「ふにゃぁぁぁぁ!!!」
テーブルにチャーハンが置かれた瞬間に、裕奈さんがそれを掻き込み始めます
チャーハンは次々と挑戦者の目の前に並べられ、そして挑戦者の胃袋へと消えてゆきます
そしてチャーハンはあっという間に消えていきました

和美 「続いて二食目、カニタマです!!」

黄色にうっすら赤い繊維が見えるカニタマ。乗せられたグリーンピースが、単調ながら彩りを添えています
弐集院 「これは・・・いけますね」
レンゲでカニタマを掬い、頬張ってゆく挑戦者たち。このカニタマにしても消えるまでにはそう時間はかかりませんでした

和美 「更に三食目、鍋焼きうどん!!!」

湯気の立ち上がるそれにはさすがに簡単には手がつけられないようです
裕奈 「ふーっ、ふーっ、熱いにゃぁぁぁ!!!」
どうやら猫舌は大食いには不利なようです
343 :あいあんすとまっく  2006/10/12(木) 22:22:58 ID:???  
2/4
史伽 「もう・・だめ」
次々と倒れてゆく挑戦者たち。さすがに胃袋の限界に来ているようです

和美 「さぁさぁ大分減ってまいりました。今残っているのは・・・」
司会者はそう言うと、視線をめぐらせました

和美 「まずは優勝候補筆頭!!!弐集院先生!!!失礼ながら体格からの判断ですが・・・」
結構余裕でギョーザを食べている弐集院先生。まだまだ胃袋は大丈夫なようです

和美 「そして運動する女神!!二ノ宮先生!!!傍らのコップにはお酒が入っているとのことです」
結構普通に食べている二ノ宮先生。しかしながらコップのお酒をあおった後に、ぷはぁ、というのはおっさんの証です

和美 「大きな体に寛容な心!!!3-Aの頼れる姉御、長瀬楓さんだぁ!!!」
ニンニンと言いながらニコニコ笑顔で食べている不思議忍者。体格的には有利なようです

和美 「???」
その瞬間、誰もが目を疑いました
和美 「こ、これは私の目の錯覚でしょうか?」
それもそのはずです。次々と脱落者が出る中、ありえない少女がそこに座っていたのです
和美 「な、なんと言うことでしょうか!?こんな小さな少女が強敵相手に戦っています。教会所属のココネちゃんです」
普段は物静かな少女、その少女がこんな特技を持っていたとは・・・


さて試合は進み、強者にも脱落者が出てきます

和美 「おおっと、15食目のからしれんこんに二ノ宮先生がいちゃもんをつけているようです」
二ノ宮 「酒とからしは相性が悪いんだ!!もう、酒しか飲まぬ!!!」
和美 「キャラが壊れてしまったようですが、ここで二ノ宮先生脱落です」
344 :あいあんすとまっく  2006/10/12(木) 22:23:33 ID:???  
3/4
楓 「んにゃぁぁぁぁぁ!!!」
突然叫び声をあげる楓さん、慌てて司会者が楓さんを覗き込みます
朝倉 「おおっと!!!ここで楓さん脱落だぁ!!!18食目、蛙の姿焼きは耐えられなかったようだ!!!」
楓さん、泡を吹いて気絶していまいました


和美 「さて、デッドヒートは進みます!!見た目からの優勝候補、弐集院先生!!」
スプーンの柄をがっしりと掴み、一所懸命に口に掻きこむその姿はまさに大食い

和美 「対しては黙々と、そして確かに食を進める少女、ココネちゃんだぁ!!!」
こちらはしっかりと礼儀正しくスプーンを持ち食事を掬っては口に持ってゆく
しかしそのスピードは落ちることがありません

和美 「さて、大食いの栄冠を勝ち取るのは・・・どちらでしょうか!!!」


日も傾き、そして最後の40食目を二人が食べていたときのことでした
明らかに誰が見てもわかるほどに片方の限界が見て取れました
弐集院 「ば・・・ばかな・・・」
握っているスプーンは震え、顔は真っ青になっています
やがて最後の言葉を残すと弐集院先生は40食目のカレーライスの中に倒れこんだのです
その瞬間・・・

和美 「勝者!!!ココネちゃん!!!」
345 :あいあんすとまっく  2006/10/12(木) 22:25:15 ID:???  
4/4
ワァァァァァ!!!

会場は大きな歓声に包まれました。そしてそのすべてが一人の少女に向けられます
和美 「おめでとうございます!!!なんと40品目すべて完食!!!信じられません!!!」
最後の一掬いを口に入れて、少女は傍らの水を一口飲みました

和美 「完食した今の感想は!?」
そう言ってマイクを向ける和美さん。少女は向けられたマイクを見た・・・かと思うとそのまま視線をあらぬ方向に向けました
和美 「?」
不思議に思った和美さんは、少女のその視線の先を追いました
そこにあったのは・・・厨房の上に並んでいる御品書きでした
和美 「あ、ああ、何を食べたかですね?チャーハンに始まってカレーライスに終わる。それは壮絶な戦いでした!!!」

ワァァァァァ!!!
再び歓声が上がります。ですが少女はそんなことには興味がないようです
そして少女はとある一言を発したのです

ココネ 「チャーハン・・・」
和美 「え?今なんて・・・」

ココネ 「次は・・・またチャーハン」


会場は一瞬にして静寂に包まれたということです

 

347 :バーボン・ハウス  2006/10/12(木) 22:39:13 ID:???  
良の一角にある、古ぼけた建物、それがマスターの運営している
バーボン・ハウス。ここでは人々の悩みを聞いたり、人の裏の顔を
少しのお金で提供するお店、いつも平和に、ゆっくりと時は流れるのですが・・・
今日は少し様子が違います。この前のお客さん、千鶴さんが春日美空という人間
の存在を知っているという事、春日美空はいつの間にか自我がある空気になってしまい
存在自体忘れられてしまいました、そこでマスクやら何やら着込んでこのお店の
マスターという存在が生まれたのです。しかしここで春日美空の存在が何故か
戻ってきているという信じがたい事が起っているのです。
ココネは確かに自分とシャークティだけしか春日美空という人間の存在は
知らない、と言いました。ココネはまずミスをしません。しかし
何故か千鶴さんは知っていました。これは何を意味するのでしょうか。
春日美空という人間の存在が少しずつ復活しているという事です。
マスターははやる気持ちを抑えて久しぶりに制服に袖を通しました。
バーボン・ハウスのマスターから春日美空へと戻ったのです。
美空は期待をしないようにと強く自分に念を押して園内を歩き回る事にしました。
まずは寮です。予想通り、というかやっぱり、というか
存在は認識されてないようすでした。話しかけてみても
反応すらしません。しかしそこに偶然夏美さんが通りかかりました

348 :バーボン・ハウス  2006/10/12(木) 22:39:46 ID:???  
すると・・・。
「あれ、美空!今まで何所行ってたの!?」
夏美さんは美空が見えているようなのです。その事に驚いたのか
美空は声を出せずにいました。夏美さんは美空を部屋に招き入れました。
出迎えたのはまず千鶴さん、やはり見えたようでビックリしながらも
優しく迎えてくれました。三人でしばらく話していると
あやかさんが帰ってきました。
反応は先程同様、やはり見えているようでした。その後に帰ってきた
小太郎君も見えていたのです。
「確かにいきなり美空の事忘れちゃったけど・・・何でだろ、いきなり見えなくなる
なんて。」
「何か怪しいなぁ、せや、超の所で相談してみたらええんちゃう?」
小太郎君の提案で超さんの研究室へと一同は向かいました。
「・・・なるほどネ、これじゃあ消えるわけだヨ。
でももう安心ヨ、あと二週間もすれば完全に全員から見えるようになるヨ。
最も今の私には見えないんだけどネ。」
一体何で空気化してしまったのか、これからどうなるのかは
また次のお話にしましょうか。

 

360 :マロン名無しさん  2006/10/13(金) 10:17:30 ID:???  
昼休み

桜子「わーい昼ごはんだー」
円「桜子、お昼どう?」
桜子「あー、悪いけど千雨ちゃんたちとご飯に行くんだよー」
円「あ、そう…」
桜子「あれ、円も行かない?」
円「…ごめん、私行けないの。ごめんね」
桜子「そうなんだ…分かったまた誘うね」

桜子「やっほー」
千雨「遅せーぞ」
ザジ「…(手を振る)」
美砂「あれ?円は行かないの?」
桜子「うん、行かないって」
朝倉「ふーん、意外とチアの付き合いって薄いなんだね」
桜子「きっと都合があるだけでなんだよ」
千雨「わーったから、さっさと行くぞ」
桜子「あーごめん、財布教室に忘れたー」
千雨「えーい、さっさと取ってこーい!」

円「………だめだよね、みんなで約束してるのに…頼んでもない弁当作られても迷惑だよね」
アキラ「釘宮さん、どうしたの?」
円「あ、その、弁当作りすぎちゃって…学食行くなら、食べる?」
アキラ「ありがとう、ちゃんと洗って返すね」
円「うん、あ…」
桜子「…円。そうなんだ、それだからいけなかったんだね」
円「え、いや…その…」
桜子「いつの間に先越されちゃったね、私も頑張らないと」
円「…あ。………」(キリキリキリ)

 

366 :マロン名無しさん  2006/10/13(金) 17:10:44 ID:???  
うちのいいんちょ

あやか「まき絵、今日はゆっくりしていってくださいね」
まき絵「うん」
あやか「飲み物はコーヒーですか?それとも紅茶?」
まき絵「それじゃ紅茶で」

あやか「ダージリン?アッサム?それともセイロンがいいかしら?もしかしてウバ?ヌワラエリヤとかお好みで?
    他にもディンブラ、とかルフナ、キャンディ、ケニヤ、キーマンも取り揃えてますしアールグレイの高価なものも
    最近手に入りましたのですよ。ラプサンシューチョンとか珍しいのも手に入りましてちょっとおすすめですわ。
    あ、グレードはどうしましょう?フルリーフからダストまで色々揃ってますけどまき絵は何がお好みで?今日は
    フラワリーでゆっくり飲むのもいいかと思われますが、あとフルーツ系、フラワー系、ダージリン系、どれがお好みですか?
    ミルクを入れるならエアシャー種あたりがおすすめですが…
まき絵「あ、あのあやか…普通のレモンティで」
あやか「そうですか。そういえばジャンピングを起こしやすくするためにいろいろと試しているのですが、最近はお湯を沸かすときに
    ちょっと多めに用意して勢いよく注ぐといいみたいで分かってきまして…
まき絵「…あの…その……」


無意識に得意分野を語りまくる人ほど、ナチュラルに相手の精神を圧迫するのである。

 

372 :バーボン・ハウス  2006/10/13(金) 23:15:18 ID:???  
さてと、何故美空は空気化してしまったのか。それがこのお話で解明されるわけです。
「こんな話があるヨ、パラレルワードで起った出来事は時として他のパラレルワールド、
または現実に影響を与える場合がある。・・・そこで私はイロイロ調べてみたガ
そのパラレルワールドというのが何なのか判明したネ。」
超さんがよくわからない小難しい事を言っていますが一同は何とかそれに
納得し、次の超さんの言葉を待ちました。
「美空ウイルス・・・これがそのパラレルワールドで起った事件ネ。
しかもこの事件は現実の世界にまで影響を与えてしまったみたいダタヨ
この事件はこの美空ウイルスと状態が似ているネ・・・。でもその時は
人に感染するモノであったみたいだが・・・今回のはそれよりチト複雑ネ。」
ここまで話を聞いていてとうとうしびれを切らしたのか小太郎君が
「難しい事ゆーてないでその複雑な何かを話してくれやー!」
超さんは苦笑いをして説明を続けました。
「じゃあ言うネ。これは美空さんがウイルスに感染したワケではないネ。
逆に言うと、私を含める、見えていない人が感染しているヨ。
名前をつけるなら特定人物不可視病といったところネ。」
一同は生唾を飲み込んで頷きました。
超さんはさらに続けます。
「コレは美空さんに何か思い入れがあった人は発病しないヨ。

373 :バーボン・ハウス  2006/10/13(金) 23:15:49 ID:???  
見たところ偶然に治癒されてしまう場合もあるみたいだけどネ。
・・・見えていない人への治療は難しいかもしれないヨ。
美空さんに対する思い入れを新しく作らなくてはならないヨ。
私はこうして説明しておるから輪郭だけだが見えてきたしネ。」
「じゃあその思い入れを作るにはどうしたらいいの?」
夏美さんが口元に指を当てながら聞きました。
「それが解らないネ・・・そこは努力しかないヨ。何か大きめなイベント
を用意するしかないネ。」
少し考え込んでいましたがそこにあやかさんが大声で提案しました。
「それなら私に任せてください!絶対美空さんが見えるように
してあげますわ!オホホホホホ」
一人高笑いを続けるあやかさんを前に、少し引いてしまった一同。
一体どうなってしまうのでしょうか。それと当初の目的とは
大きくずれてしまうこの状況もどうしたらいいのか。
美空が今回一言も喋っていない不幸な状況になっていますが
全ては次のお話に続きます。
次のお話ではそのイベントが実行に移されます、それでは。

 

378 :くーふぇ 100円のお味噌汁  2006/10/14(土) 00:59:25 ID:???  
くーふぇ 100円のお味噌汁


1/4
古 「はうう・・・」
少女はバカイエローと呼ばれてどのくらいたつのでしょうか?
相変わらず補習に明け暮れ、帰る時間もついつい遅くなりがちでした
古 「どうしてワタシは馬鹿なのかナ・・・」
それは悩んでも仕方のないことでした

古 「ん?いい匂いアル・・・」
暗い道をとぼとぼと歩いていると、向こうの角辺りからいい匂いが漂ってきます
古 「この匂いは・・・味噌汁アルね」
その匂いは適度に空腹だった少女の胃袋を刺激しました
その匂いにつられて少女はふらふらとその角の向こうへと誘われます

五月 いらっしゃい・・・
そこにあったのは小さな屋台、薄暗い明かりが一つだけぽつんとついた目立たない屋台でした
古 「最近は寒くなったアルし・・・一杯頂くアル」
そう言って少女は御品書きに目を通しました。しかしそこに書かれていたのは・・・
100円の味噌汁、1,000円の味噌汁、10,000円の味噌汁、そして100万円の味噌汁でした
古 「み、味噌汁しかないアルか?それに100万円って・・・」
五月 ふふっ・・・ウチは味噌汁専門店なんですよ。味は絶品ですよ?
古 「ね、値段の差はどうしてアルか?」

五月 効果の差、ですよ
379 :くーふぇ 100円のお味噌汁  2006/10/14(土) 01:00:11 ID:???  
2/4
古 「効果?味噌汁にアルか?」
少し怪しげなその店主の雰囲気に、少しばかり少女は気後れします
五月 値段が高くなると頭が良くなるんですよ。100万円だとハカセって呼ばれるくらいの効果ですね
古 「まさか・・・」
笑っておどける少女、しかし店主の態度はまじめそのものです
五月 信用できないのはわかりますがね・・・要らないのなら出てってくださいな
少女は悩みます。しかし、空腹は怪しさを上回りました

古 「じゃ、じゃあ・・・100円の味噌汁貰うネ」

店主はにやりと笑うとこう言います
五月 100円のでいいんですね、100円でも効果は十分です。きっと先生ってよばれるくらいの頭になると思いますよ
古 「あはは・・・それは嬉しいアル」
五月 でも100円ですからね・・・

真っ白な湯気の上がるその味噌汁を目の前に置かれた瞬間、思わず少女はつばを飲み込みました
古 「美味いアル!!!」
長ネギ、わかめ、油揚げだけのシンプルな味噌汁でしたが、少女の舌は合格点を出したようです

古 「美味しかったアル!」
先ほどのお話など忘れたのか、少女は屋台のカウンターに100円玉を置くと、上機嫌で家路に着きました

五月 ありがとうございました・・・


次の日、少女は生まれ変わりました
380 :くーふぇ 100円のお味噌汁  2006/10/14(土) 01:00:59 ID:???  
3/4
ネギ 「ど、どうしたんですか古老師!!!こんな難しい問題を・・・」
黒板に書かれた少し難解な問題、普段の少女なら黒板の前で”ワカラナイアル!!”といっているはずです
古 「なんとなくわかるアル、多分・・・勉強の成果アル」
ネギ 「ぼ、僕感動しました!!」
なんとその日から少女の頭は良くなったのです


古 「また100円の奴頼むアル!!!」
ここは少女のお気に入りになった屋台、そう、あの御味噌汁の屋台です
少女は注文します、ですが店主は少し困った顔をしたのです
五月 すみません・・・お味噌が尽きたんでもう出せないんですよ
古 「そ、それは困るアル!!!もうないアルか!?」
五月 別のならあるんですけれどね・・・値段は100円なんですがちょっと癖がありまして・・・
古 「それでかまわないアル!!!」
五月 いいんですね?
古 「100円、先払いアル!!!」
そう言って少女は叩きつけるようにカウンターに100円を置いたのです
五月 わかりました・・・

店主は鍋にだしを要れて具を入れます。そして・・・壷の中の味噌を溶き始めました
五月 どうぞ・・・

古 「頂きま~す」
少女はそれを嬉しそうにかきこみました

そして次の日・・・
381 :くーふぇ 100円のお味噌汁  2006/10/14(土) 01:02:01 ID:???  
4/4
古 「あ~る~!!!」
少女は登校してくるなり、いきなり奇行をはじめたのです
クラスメートが半分ほど登校している教室内、少女はいきなり教壇の上に上ったかと思うと・・・

古 「おはようアル!!みんな、見てほしいアル!!!」
そう言って服を脱ぎ始めたのです
明日菜 「くーちゃん!?」
古 「ふぉぉぉぉぉ・・・みなぎるこの思いは何アルか!?たぎるぅぅぅ!!!爆発するぅぅぅ!!!」
少女は恥じらいもなく腰を振って暴れ始めたのです
古 「楓!!!ワタシの愛を受け止めてほしいアル!!」
楓 「く、狂ったか!!」
やがて暴れる少女は取り抑えられ、いずこかへと連れ去られていったのです


超 「やあ、五月。新しい御味噌を持ってきたネ」
五月 ああ、超さん。この御味噌はだめですね、あんなに弊害が出るようでは・・・
店主の持つ壷、それは100円のお味噌が入った壷。そして”新田”とかかれた壷
超 「スマナイアル、まさかあんなに思考が腐っているとは思わなかったアルネ」

そして業者が持ってきた壷には・・・”くーふぇ”と書かれていました
五月 さて・・・これは50円ぐらいのお味噌汁ができそうですね・・・


ハルナ 「さて・・・お味噌汁が飲みたくなってきたな」
机に向かうハルナが書き上げた原稿、それは創作系同人誌の原稿である
ハルナ 「50円って・・・まだ高かったかな?」
偉大なる師父はこう言った。”考えるな!感じるんだ” と。まあ、格闘に脳みそは要らないのかもしれない

古 「ハルナさんの脳みその値段はいくらなのカナ?とりあえずぶち割ってどのくらいの量があるか計ってみるアル」


384 :マロン名無しさん  2006/10/14(土) 01:07:46 ID:???  
思い出した、世にも奇妙な物語かw
確かオリジナルはアインシュタインが100万でキ**イ東大生が100円だったっけ

そういえば>>342-345も奇妙ネタだったな…田舎の食堂のお話
385 :マロン名無しさん  2006/10/14(土) 01:18:59 ID:???  
>>383
ありが㌧
>>384
ば~れ~た~
>>378-381は百円の脳みそ
>>342-345はハイ・ヌーン
>>324-328は殺人者は後悔する
が元ネタ、っていうかほとんど変えていない

恥ずかしいです・・・

 

386 :マロン名無しさん  2006/10/14(土) 09:24:50 ID:???  
いいんちょ「はは…なんですの、あれは…」
美空「…私たち、空気の間に伝わるお伽話ですよ。奴らは…」
亜子(toten sie… toten sie…)
美空「蒼いネコミミと共にやってくるっ…!」

 

387 :マロン名無しさん  2006/10/14(土) 10:13:30 ID:???  
笑顔

千雨「なーザジ。お前って本当に笑わないよな」
ザジ「…そう?」
千雨「ピエロの時だって、あれは営業スマイルなんだろ」
ザジ「そうだけど」
千雨「もっとこう、素でにこって笑ってみろよ」
ザジ「…」
千雨「だめか」
朝倉「はーいちうちゃんザジちゃんこっち向いてー」
千雨「朝倉!てめぇまた撮影か!?」
朝倉「いーじゃんいーじゃん。はいチーズ」

パシャッ
ザジ「( ^―^ )ニコッ」
千雨「!?」
ザジ「あ…つい営業スマイルが…」
千雨「カメラ向くとすぐ笑顔になるアイドルかお前は…」

 

392 :Dr.アコー診療所3rd・9  2006/10/15(日) 14:03:41 ID:???  
Dr.アコー診療所3rd・9 一ヶ月以上間隔空けちゃってごめんなさい的秋の特番スペシャル

1/9

 麻帆良学園中等部の保健室。そこにはちょっと性癖に難のあるドクターは―――

真名「……わ、私のアキラは?」
二ノ宮「もう帰ったぞ」

 居ませんでした。ドクターはおろか、助手の皆さんまでもが居ませんでした。
保健室に残っていたのは二ノ宮先生。そして、修羅場真っ只中の……、

ハルナ「明日の午後四時がデッドゾーンよっ!! 極限まで追い込むことによって、このバル様のペンは
加速する、萌え尽きるぅぅぅっ!!!」
夕映「付き合う方の身にもなって欲しいです……」

 ハルナさんとアシカタントの夕映さんが亜子先生のデスクで原稿と戦っていました。
真名「何故、保健室でやっているのだ?」
ハルナ「いつぶっ倒れてもいいよーにっ!!
夕映「です」
 ペン先から炎を走らせ、ズギャギャギャギャギャ!!とか、ガリガリガリガリといった効果音を奏でつつ、
修羅場モードの二人が答えます。ただ一人、二ノ宮先生だけは呑気にお茶を啜っていました。
真名「―――さて、私も帰るか」
 くるりと背を向けた龍宮さんに、ハルナさんは半泣きで呼び止めます。
ハルナ「お願い見捨てないでえええええっ!!! 今度オゴリで『女二人ぶらり甘味屋巡り珍道中』に
招待するからああああっ!!!」
真名「その依頼、承知した」
二ノ宮「安い傭兵だなおい……」
 太平楽な二ノ宮先生の独り言が、保健室に響いていました―――
393 :Dr.アコー診療所3rd・9  2006/10/15(日) 14:04:23 ID:???  
2/2
 放課後の超包子。そこは数多くのお客様で大繁盛していました。食欲の秋、といったところでしょうか。
従業員の皆様は目が回るくらい忙しいようですね。
亜子先生「―――ほんで、まき絵がバイトしとるワケやね」
まき絵「えっへへー、どう? このチャイナドレス♪」
 そう言ってまき絵さんはくるりと一回転して衣装を披露します。
裕奈「実はソレ着たかっただけでしょ?」
アキラ「うん、似合ってる……」
 テーブル席でくつろいでいた裕奈さんとアキラさんが答えます。亜子先生は何やら渋い表情をしていますが。
亜子先生「むー。これでもーちょいボリュームがあればええねんけどなあ……」
 亜子先生の注文にずーんとヘコんだのは、オーダーを取りにきたこの方でした。
夏美「ううっ、どーせ私とまきちゃんはハカセの衣装しかサイズ合わないもん……」
亜子先生「あ、いやウチは夏美ちゃんにゆーたワケやのうて……」
裕奈「成敗っ!」
 すぱーん!
 慌てて取り繕おうとする亜子先生でしたが、程無く裕奈さんのスリッパを浴びてしまいます。
保健室の外でも繰り広げられるやり取りに、夏美さんはくすりと笑うのでした。
夏美「そろそろオーダーいいかな? また混んできたみたいだし……」
アキラ「あ、私は海鮮春雨スープで……」
亜子先生「ウチはたゆたゆまんゆーな味や!!」
夏美「へっ?」
 メニューに無いオーダーに、夏美さんの目が点になってしまいます。
裕奈「その名前でゆーなあっ!! あ、あのね、コレの事かにゃ? さっちゃん特製のヤツ」
 裕奈さんは恥ずかしそうにメニューボードに記載されていた写真を指差しました。
それは、以前に五月さんが新メニューの肉まん作りに悩んでいた時に、亜子先生監修で開発された肉まんでした。
おっぱいの感触をモデルとした肉まんは、今や超包子の看板メニューとなっていました。ちなみに裕奈さんモデルが
四川風ピリ辛肉まんで、ハルナさんモデルは広東風ふわふわ肉まんというのが正式名称です。
亜子先生「まとめwikiの方に感謝しつつ第二部9話参照やで~♪」
裕奈「亜子、誰に言ってんのさ?」
 そこは突っ込まないで下さいよ、裕奈さん。
394 :Dr.アコー診療所3rd・9  2006/10/15(日) 14:05:14 ID:???  
3/9

夏美「―――それじゃ、ごゆっくりどうぞ」
 オーダーを取り終えた夏美さんはぱたぱたと屋台の方に戻っていきます。
裕奈「ふふ。まき絵も村上も活き活きしちゃって……」
アキラ「……だね」
 裕奈さんとアキラさんは忙しなく駆け回る二人を観察しています。やはり、恋人の為に働くというのは
疲れを感じないものなのでしょう。亜子先生もしきりにうんうん頷いています。
亜子先生「えへへ。ウチは幸せやで~? しょっちゅうゆーなと一緒に仕事しとるもん!」
裕奈「や、最近亜子が真面目に仕事してるトコなんて見たこと無いんだけど……」
 裕奈さんの突っ込みをさらりとスルーして、亜子先生はしみじみと妄想に浸ります。
亜子先生「好きな人とおんなじ仕事して、ほんで夜はしっぽりたゆりたゆられ……」
アキラ「亜子、戻って来て……」
 こうして注文を待つ間、亜子先生ご一行はまったりとした時間を過ごしていました。
まき絵「ちゃおりんちゃおりん、8番テーブルに肉まん6つと卵スープ2つ!」
超「オケね! まき絵、オーダー取るのには慣れたカ?」
まき絵「へへー、ちゃおりんの為だもん! 私もっと頑b
(まき絵の台詞が切れているのは仕様です)

 一方その頃の保健室では……。
ハルナ「ぬおっ!? 今ピーンときた!! 夕映吉そのシーン差し替えっ!! ここはもっとエロく激しく!」
夕映「今更変えるのですか?」
ハルナ「いーから原稿よこしなさいっ! ここはこうして、一気にずばばーんとっ!! どう隊長?」
真名「うむ。流石だな。しかし早乙女、そうなるとこの場面ではチラリズムを重視した方が……」
ハルナ「それいただきぃ!! っしゃああっ! 乗ってきたあああっ!!!」
夕映「……アホばっかです」

二ノ宮「今夜のつまみは何がいいだろう? やはり秋刀魚の塩焼きにすべき、か……」
 修羅場部隊の喧騒をよそに、煙草に火をつける二ノ宮先生なのでした。
395 :Dr.アコー診療所3rd・9  2006/10/15(日) 14:05:55 ID:???  
4/9

 所変わって超包子。亜子先生達のテーブルから少し離れたところで、何やら揉め事が勃発したようですね。
??「―――アンタが割り込んできたんでしょ!」
??「ぎゃあぎゃあわめくんじゃないよ小娘が」

裕奈「―――にゃ? 今の声って……」
アキラ「アスナと……、確かウルスラの」
 裕奈さんとアキラさんはもぐもぐと箸を進めながら騒ぎの方角を見ます。
裕奈「―――って、亜子いつの間にか居ないし!」
アキラ「まさか……」
 気が付くと亜子先生の姿が見えませんね。

英子「がたがたうるさいわね。ほら、そっち空いたからサッサと行きなさいよ。目障りだわ」
明日菜「アンタって人は……!」
 滑らかに奏でられる暴言の数々に、明日菜さんは今にも飛び掛らんとする勢いです。騒ぎを止めようと、
古菲さんが間に入ろうとしました。しかし……。
明日菜「くーちゃんはすっこんでて!」
古菲「んむむっ!?」
 すっかり頭に血が上った明日菜さん。いきなり古菲さんの唇を塞いで存分に蹂躙してしまいます。
へなへなと古菲さんの身体は崩れ落ちてしまいました。

裕奈「ありゃ。やっぱ古菲じゃアスナは止めらんないか」
アキラ「このスープ美味しい……」

 邪魔者を排除した明日菜さん。不敵な表情で英子さんを睨み付けています。
英子「少しは出来るようね……」
明日菜「アンタの唇は不味そうだけど、存分に可愛がってあげるわ……!」
 ばちばち、と火花が散っています。この一触即発の事態に五月さんはゆっくりと立ち上がりました。
しかし、そんな五月さんを制したのは、他ならぬ亜子先生でした。
396 :Dr.アコー診療所3rd・9  2006/10/15(日) 14:06:31 ID:???  
5/9
亜子先生「さっちゃんが出る必要あらへんて。ここはウチらに任しとき」
超「そゆコトネ!」
 亜子先生と超さん。二人のたゆリストが立ち上がったのです。二人は恐るべき速さで英子さんと明日菜さんの
背後に回り込みました。そして、
超「ここでの揉め事はご法度ネ!」
亜子先生「これはたゆん両成敗やな♪」

 たゆんたゆんたゆんたゆんたゆんたゆんたゆんたゆんたゆんたゆんたゆんたゆんたゆんたゆんたゆんたゆん……。

 超さんは英子さんに、亜子先生は明日菜さんにお仕置きのたゆんたゆんを敢行しました。
英子「こ、こらやめっ…! んんっ、そ、そんなに激しく……、ああっ!」
明日菜「やだちょっ、あ、亜子先生…ふあっ!? んっ、くっ、はうっ!? ら、らめぇ……!」
 瞬く間に甘い吐息を漏らす二人に、一部の男性客はヒートアップしてしまいます。
男性客A「出たあっ! 亜子先生のたゆんたゆんだーーっ!!」
男性客B「いや、超オーナーのたゆんもスゲーぜ!」
茶々丸「凄まじい技の競演です。どうでしょう解説の豪徳寺さん」
薫「流石は麻帆良が誇るたゆリストですね。あのお嬢さん達はもう限界でしょう」
茶々丸「豪徳寺さん、鼻血が」
 やがて、英子さんと明日菜さんはほぼ同じに気を失います。そして、超さんが口を開きました。
超「やはり亜子先生にはまだまだ敵わないネ……」
亜子先生「超さんも腕を上げたやん。あと一揉みウチの方が早かっただけや」

男性客A「亜子先生が1たゆん勝ったぞーっ!!!」
 その場にいた男達は涙を流しながら二人のバトルに歓声を送っていたそうです―――

裕奈「揉め事はダメで揉み事はアリなんだ……。つーかコレDMCネタだって何人気付いてんだか……」
アキラ「まき絵、おかわりお願い」
まき絵「おっけー、ちょっと待tt」
(まき絵の台詞が切れているのは(ry
397 :Dr.アコー診療所3rd・9  2006/10/15(日) 14:10:11 ID:???  
6/9

 その頃の保健室。
ハルナ「駄目よ……。これだけは譲れないのっ……!」
真名「早乙女、貴様は間違っている……!」
 ハルナさんと龍宮さん。二人とも一歩も引く様子はありません。
 緊迫した空気が保健室に流れていました。ただ一人、夕映さんだけはわき目も振らずに作業を続けています。
そして、無関係なこのお方は呑気に電話を掛けていました。
二ノ宮「―――もしもしさっちゃん、出前お願いできるかい?」

ハルナ「だからっ! ここはもーちょい引っ張ってからずばーんと脱がすのよっ!!」
真名「馬鹿な! その端折った分のコマを濡れ場に回すのが常道だろう!」
夕映「いいからとっと進めやがれです……」

 騒ぎの一段落した超包子。心なしか、男性客が増えた様に見受けられます。
裕奈「―――ったく、こんなトコでまでたゆたゆしないのっ!」
 ぺちん、と裕奈さんは亜子先生のおでこにでこぴんします。
亜子先生「けどまあ、超さんも大変やね~。酒まで扱うとるんやし、この手の揉め事は多いやろ?」
超「ハハハ。まあ、あの人が暴れるよりはマシヨ」
 ちらり、と超さんはカウンター席で一杯飲んでいた新田先生に視線を送ります。
変態教師の名を欲しいままにしている新田先生も、五月さんの前では紳士なのです。
美砂「ささ、もう一杯どぞ」
新田「おお、済まないね。やはり仕事の後の一杯は格別ですなあ!」
五月:ごゆっくりどうぞ。
 五月さんはにこりと微笑みながら、手早く調理を進めるばかりです。彼女の最も凄いところは、
その手際の良さでしょう。彼女のような敏腕料理人がいるからこそ、超包子は大勢のお客さんを相手に出来るのです。
五月;夏美さん、こちらを保健室にお願いしますね。
夏美「あ、二ノ宮先生の注文だね。じゃあ行ってきまーす」
聡美「気を付けて下さいね」
 五月さんからせいろを受け取った夏美さん。葉加瀬さんに見送られながら出前に向かいました。
398 :Dr.アコー診療所3rd・9  2006/10/15(日) 14:10:42 ID:???  
7/9

裕奈「にのみー、まだ残業してんのかにゃ?」
亜子先生「や、多分あっちの方や思うで」
超「では、ワタシもそろそろ仕事に戻るネ。のんびりするヨロシ」
 店員が一名出払ったため、超さんも厨房に戻っていきました。そろそろ日が沈もうとしています。
いよいよ忙しくなる時間です。古菲さんに茶々丸さん、葉加瀬さんにまき絵さんもぱたぱたと
目まぐるしく動き回っていました。
亜子先生「ウチの保健室もこれくらい繁盛せーへんかなあ……」
裕奈「なーに言ってんの。患者さんが少ないのはいいことじゃん」
亜子先生「せやけど、ウチの楽しみが……」
 亜子先生は苦笑しながら手をわきわきさせています。
裕奈「患者さんが来ないのは亜子がたゆんたゆんしまくってるからでしょーが……」
 まったりくつろぐ亜子先生御一行は、しばし雑談に花を咲かせていました。
アキラ「あ、まき絵。杏仁豆腐を追加で」
まき絵「ほーい。今行k」
(まき絵の台詞(ry

 その頃の保健室。
ハルナ「龍宮さん……。私、私間違ってた……!」
真名「分かってくれたか……」
 二人は目に涙を浮かべながら、がっしりと堅い握手を交わします。
ハルナ「このパル様の名に掛けて! ここから先の濡れ場は全身全霊を込めて描かせて頂きますっ!!
うなれ室伏君! ガッツンガッツンやおい穴に突撃してひぃひぃイワせるのよっ!!!」
 再びハルナさんのペン先に炎が宿りました。得体の知れない奇声と共に……。
ハルナ「あひゃひゃひゃひゃ! 鎖骨ぅ! うなじぃ! 尻えくぼぉぉぉっ!!!」
夏美「うわ。な、なんか大変そうだね……」
二ノ宮「お、早いな」
 出前を届けにきた夏美さん。目の前で繰り広げられている修羅場模様に呆然としてしまいます。
二ノ宮先生は相変わらずのマイペースでせいろを受け取りました。
399 :Dr.アコー診療所3rd・9  2006/10/15(日) 14:11:15 ID:???  
8/9

二ノ宮「―――さて、と。私も飲みに行くかな。これは私からの差し入れだ。まあ、死なない程度に頑張れよ」
 二ノ宮先生は勘定を支払うと夏美さんと一緒に出ていってしまいました。
夕映「ありがとうです二ノ宮先生」
 その後の早乙女ファクトリーの戦いを知る者はいません。ただ、奇声と効果音が一晩中響いていたそうです―――

二ノ宮「お、みんなもここへ寄ってたのか」
 超包子に着くなり、二ノ宮先生は見知った顔のテーブルを発見します。
裕奈「にのみー、あいつら放っといて大丈夫なの?」
二ノ宮「途中から龍宮まで参戦してたから、大丈夫だろう」
 そう言って二ノ宮先生はカウンターの方へ足を運びます。いっしょに戻ってきた夏美さんが
代わりに保健室の状況を説明しました。
夏美「―――というワケだから、今日はそのまま帰った方がいいよ」
聡美「すみません夏美さん、ちょっと手伝って下さいー」
夏美「あっ、今行くから」
 夏美さんもまた、ぱたぱたとカウンターへ戻っていきます。
亜子先生「ほな、ウチらもそろそろ帰ろっか」
アキラ「ごめん、あと一つだけ……」
裕奈「アキラ、今日はよく食べるね……」
 アキラさんの前には空になった食器がずらりと並んでいました。アキラさんは気恥ずかしそうに頬を染めます。
亜子先生「あはは。まあ、食欲の秋やもんな。アキラは水泳でぎょーさん運動しとるから、
太る心配もあらへんよー?」
裕奈「むしろ太る心配をした方がいいのはヤツだよね……」
 ちらり、と裕奈さんはカウンター席で二人の教師と飲み続ける柿崎さんを一瞥しました。
まき絵「ねーねー、さっきから私の台詞おかしくない?」
 アキラさんのラストオーダーを運んできたまき絵さん。小首を傾げながら尋ねます。
亜子先生「あるイミ美味しいんやから、ええんちゃう?」
 亜子先生の言葉に、裕奈さんもうんうん頷くのでした―――
400 :Dr.アコー診療所3rd・9  2006/10/15(日) 14:11:47 ID:???  
9/9

 翌朝。亜子先生と裕奈さんはいつもより早く保健室にやってきました。

亜子先生・裕奈『わお。』

 死屍累々、とはこのことでしょうか。デスクではハルナさん夕映さんが、ベッドでは龍宮さんとのどかさんが
完全に沈黙していました。皆さん、壮絶な恰好をしています。ハルナさんは何故かバニーガールのコスプレで、
夕映さんは下着姿のまま。龍宮さんに至ってはパンツを頭にかぶった状態です。マトモなのはのどかさんだけです。
裕奈「んー、原稿仕上がったのかにゃ?」
亜子先生「取り合えず起こした方がええやろ」
 亜子先生はおもむろにハルナさんのおっぱいに手を掛けました。
亜子先生「おはようさん。お目覚めのたゆんたゆんやで~」
ハルナ「……にゅ?」
 効果覿面です。泥のように眠っていたハルナさんも、これには覚醒せざるを得ませんでした。
ハルナ「ぬおっ!? もう朝なの?」
裕奈「おはよ。んで、原稿上がったの?」
 裕奈さんの問いに、ハルナさんは乾いた笑みを浮かべます。
ハルナ「あっははは。それがさあ、夜からのどかにも手伝ってもらってたんだけど、あまりの修羅場っぷりに
ブラック降臨しちゃってさあ……」
亜子先生「成程なあ……。ほんで、こーなったんやね……」
裕奈「つまり、まだなんだね……」
 じり、と亜子先生と裕奈さんは後ろに下がります。しかし……、
ハルナ「あと4ページなのっ! お願いだから手伝ってえええええええええええええええええええええっっっ!!!」
 こうして亜子先生と裕奈さんまでもが、早乙女ファクトリーの一員として戦うハメになったそうです―――

(カオスなままつづく)


更新ベタ遅れでごめんなさい。しばらくは1スレに1話ペースになりそうですorz

 

410 :千鶴のささやかなる重荷 (1/7)  2006/10/15(日) 17:40:42 ID:???  
「……最近、肩が凝って仕方ないのよ」

放課後の教室で、溜息混じりに那波千鶴は切り出した。
何やら一日中憂鬱な表情で、溜息ばかりついてる千鶴を、保険委員の亜子が心配して訊ねてみたのだが。
その答えが、この一言。
帰り支度をしていた級友たちが、なんとはなしに集まってくる。

「肩凝るって……何かしてるの? 疲れる仕事とか」
「特に思い当たることはないわねぇ。保育園の仕事は、相変わらずだし」
「巨乳は重くて肩が凝る、とか聞くけど……どーなの、実際?」
「でも、今まではなんともなかったのよ? ここ数日なの」
「あ、そっか……ちづ姉がおっぱい大きいの、昔っからだもんねェ……」

原因不明の謎の肩凝り。
以前から慢性的に患っていた……のなら、その原因を彼女の豊かな胸に求めるのが自然なのだが。
最近になって急に、というのは、ちょっと何らかの異常があるとしか思えない。
色々な可能性を考え、しかしある可能性を思いついても口に出せず……

「ハッハッハ。千鶴さ~ん、そりゃ四十肩じゃないの~? あ、五十肩かな~?
 い~加減、いい歳だもんねぇ。身体は大事にしないとね~」

……いや、懲りない彼女ははっきりと言い切ってしまった。
早乙女ハルナ。神をも恐れぬ笑う腐女子。
次の瞬間――みんなの目の前から、千鶴の姿が、掻き消えて。
瞬間移動したかのように、ハルナの背後に、2本の凶器を手にした『鬼』が出現する。

「……うふふ。どのお口かしら、そういうイケナイことを言うのは?」
「あっ、ちょッ、やめ、みんな見てるって……! そんな、2本刺しなんて……!
 ちょっ、そっちはお尻じゃ…… ア ー ー ー ー ッ ! ? 」
411 :千鶴のささやかなる重荷 (2/7)  2006/10/15(日) 17:42:07 ID:???  
放課後の教室に、悲鳴とも嬌声ともつかぬ声が上がる。――合掌。
無様に腰を突き上げた格好で倒れこみ、ピクピクと震えるハルナ。
お尻のあたりから伸びた2本の長ネギ。微妙に角度を変え、上下に並んだ2本の最終兵器。
スカートの布に隠れて見えないが、その先端は一体どこに刺されているのか。
イケナイ想像に思わず赤面する級友たちをよそに、千鶴は落ち着いた調子でみんなを見回す。

「……それで、誰かいい肩凝り解消法を知らないかしら。
 ほんとに、憂鬱だし、ついイライラしちゃうし……。そのせいかつい、手元も狂っちゃうし……ふぅ」
「わ、分かりましたわ。クラスの力を結集して、千鶴さんの肩凝りを解消しましょう!
 いいですわね、みなさん!? これはクラス委員長としての命令です!」

あやかが千鶴の言葉を受けて、クラスの面々に呼びかける。
そう、これはクラス委員長としての責任感。これ以上、ハルナのような犠牲者を出すわけには行かない。
3-Aの面々は、一致団結してこの危機(主に貞操の)に立ち向かう――

【対策その1:肩揉み】

「へっへ~。お父さんの肩揉むのは慣れてるからね♪ これが一番♪」

まず最初に名乗りをあげたのは、明石裕奈。
椅子に座らせた千鶴の背後に回り、肩凝りに対する最も基本的なマッサージ・肩揉みを開始する。

「おやお客さん、結構凝ってますね~~。……ってか、固ッ!?
 何これ!? 石!? 生身の人間じゃないよ! ミイラ!? いやいくらちづ姉が歳だって、そんな……」

ゴゴゴゴ……。裕奈がうっかり漏らした不用意な一言を敏感に聞きつけて、恐ろしい気配が生じる。
慌てて裕奈はニャーニャーと猫の鳴き真似をしてとぼけようとするが、もう遅い。

「ふぎゃッ!?」

踏み潰された猫のような悲鳴が上がって――床に転がる犠牲者、1人追加。合掌。
412 :千鶴のささやかなる重荷 (3/7)  2006/10/15(日) 17:43:29 ID:???  
【対策その2:全自動電気刺激マッサージマシン『ビリビリ君 Z 』】

「ふっふっふ。ここは工学部の試作品、『ビリビリ君 Z(ゼータ)』の出番ですね!」

もはや誰も千鶴の肩を揉もうとはせず、気まずい沈黙が支配するの中。
自信満々に名乗り出たのは、白衣をまとった葉加瀬聡美だった。
どこから持ってきたのか、怪しげな、マッサージチェアに短い手足の生えたようなロボットを呼び寄せる。
手にしたリモコンが、いかにも怪しい。

「このマシンはですね~、従来のマッサージチェアに、自己判断能力をつけてるんですよ~。
 座った人の症状を把握して、電気刺激を含めた最適なマッサージを施しますよ~」
「あらあら、それは嬉しいわねぇ」

怪しさ爆発のその発明品に、千鶴は嬉々として座る。
早速椅子型のロボットが起動して、マッサージを開始する。だが……

「……あらあら、全然大したことないわねぇ」
「う、嘘っ!? いきなり最大出力入ってるんですよ!?」

千鶴の肩の凝り具合を診断した『ビリビリ君』が、いきなり最大出力で作動を開始する。
ほとんど処刑用の電気椅子のように、凄まじい電撃が千鶴の身体を貫く。
傍目で見ていても、所々に火花が散っている。だが、座っている千鶴は、まるで平然とした様子で。

「これは……! 電撃系魔法でもこれほどの威力はそう出ないぞ!? 私の退魔術でも……」
「想像以上の恐るべきタフネスだな。はっきり言って、化け物だ。魔王としか言いようが無いぞ!?
 那波千鶴……どれだけの時を生き、どれだけの修練を積めばこんな真似ができるんだ?」

刹那と真名が、絶句する。彼女らのレベルで考えても常識外れな電圧の中、ニコニコ笑う千鶴。
やがてマシンの方が耐え切れなくなり、ボンッ! と煙を上げ、機能停止して。
爆発に巻き込まれて黒焦げの顔でケホケホと咳き込む聡美をよそに、全く焦げ跡1つない千鶴は。
413 :千鶴のささやかなる重荷 (4/7)  2006/10/15(日) 17:44:22 ID:???  
「あらあら。誰が『化け物』なのかしら? 誰がどれだけの時を生きてきたというのかしら?」
「!!」

達人であるはずの真名の背後を、あっさりと取る。手にはやはり、一本の長ネギ。
魔眼の使い手をもってしても、逃げることも抵抗することも叶わず、それは深々と突き刺され――
また1つ、犠牲者が床に転がる。合掌。

【対策その3:東洋医学の神秘・鍼灸術】

「……ハカセのロボット工学が敗北した今、科学が抵抗するには東洋医学しかないネ。
 元々、こういう分野は西洋医学より得意としてるヨ。私に任せるがヨロシ」

聡美の仇討ちとばかりに立ち上がったのは、超鈴音。
漫画本編でも全く使ったことのない、ほんの1コマ出たきりの東洋医学研究会会長の設定。
新発明を繰り出しても勝てないと見た彼女は、この作者すら忘れているかもしれぬ裏設定に勝負を賭ける。

「上着を脱いでそこに横になるネ。初公開の鍼灸の技を見せてあげるヨ」
「これで……いいのかしら? うふふ、針なんて初めてだから、楽しみだわ」

タオルが敷かれたその上に、上半身裸になった千鶴がうつ伏せに横たわる。
床との間に潰された大きな胸が、柔かにたわむ。思わず観客からも、羨望と嫉妬の溜息が漏れる。

「……全くけしからん乳ネ。まあいい、始めるヨ。痛かったり熱かったりしたら言うネ」

ブツブツ文句を言いながら、超は鍼を打つ。灸を据える。
東洋医学の粋を集め、考えうる限りの手を打って……。

「うーん、ちょっと気持ちいいけれど、あまり治った感じはしないわねぇ」
「ぐぐぐ……これは尋常ではないネ。正直、お手上げヨ」

冗談のように山盛りにされた灸でも大した効果を上げられず、ついに超はギブアップした。
あの負けん気の強い超が降参するのだ。並大抵の肩凝りではない。
414 :千鶴のささやかなる重荷 (5/7)  2006/10/15(日) 17:45:37 ID:???  
【対策その4:おまじない(に見せかけつつ……)】

「ほな、占い研のウチが、肩凝りにキく『おまじない』してあげるで~」

いかにも怪しげなローブ姿で、そう宣言したのは近衛木乃香。
手にオモチャのような杖を持って、もっともらしく呪文を唱える。

「プラクテ・ビギ・ナル 汝が為に ユピテル王の 恩寵あれ……『治癒(クーラ)』!」

……そう、おまじない、と称してはいるが、これはれっきとした西洋魔法の治癒呪文。
魔法のカモフラージュとして、わざと怪しい格好で、占い研という立場を強調したのだ。
既に魔法を知っている人々は期待を込めて、知らない人々は苦笑しながら、結果を見守る。

「あらあら。今、何か光ったかしら?」
「どうなん? 楽になったりせぇへん?」
「何も感じないわねぇ。ちょっとだけ気が楽になったくらいかしら」

肩を回しながら首を捻る千鶴に、木乃香は肩を落とし、魔法関係者は顔を見合わせる。
技術的には未熟ながら、魔力だけなら東洋随一の力を持つはずの木乃香。
彼女の魔法さえ効かないなら――もう、魔法的アプローチにできることはない。
いったいどこまで手強い肩凝りなのか。

【対策その5:肩凝り解消筋肉トレーニング】

「……というトレーニングを毎日続けると、肩への負担が減るそうで……」
「でも、即効性は無いのよね? 困ったわぁ」

スポーツ医学に基づくアキラの提言、役に立たず。
いや、正論ではあるのだが、今求めているものとは違うというか……。
415 :千鶴のささやかなる重荷 (6/7)  2006/10/15(日) 17:46:23 ID:???  
【対策その6:たゆんたゆん】

「胸へのマッサージの刺激で、肩凝りも忘れる快感を得てしまえばええやろ? な? な?」
「……アンタは単にたゆりたいだけでしょ。ちづ姉、構わないから、やっちゃって」
「や、やめ……あーっ!?」

ドサクサ紛れにちづ姉の巨乳を狙った不届き者(あえて名前は伏せる)、長ネギの前に轟沈。

【対策その7:お料理研による肩凝り解消薬膳料理】
【対策その8:悪い霊が憑いてるかもしれないですし、お払いとか……あ、私を払っちゃダメですよー!】
【対策その9:神頼みでもしたらどうッスかね? 懺悔とか。シスター・シャークティー、紹介するよ?】
【対策その10:七不思議に数えられる世界樹の力で………】
【対策その11:……………】

……案は出る。次から次へと出る。けれどもどれも効果が薄く、あるいは全くなく。
うっかり危険な言葉を発してしまった者たちの屍(←と言っても死んでないが)だけが増えていく。
このままではクラスの全滅も避けられない、と誰もが絶望しかけた、その時……。

「……あ~、酷い目に会った。てかさー、クセになっちゃったらどーすんのよ。責任取ってよね?」

立ち上がったのはようやく2本刺しの衝撃から復活した最初の犠牲者、早乙女ハルナだった。
彼女はニッコリ笑うと、相変わらず憂鬱そうな表情の千鶴に歩み寄り、肩に手を乗せる。

「まー、さっきは悪かったよ。私が悪かった。そりゃ四十肩でも五十肩でもないって。
 そーゆーことなら、ちょっとショッピング行こうか♪ おねーさんと一緒に♪」
「あら、お買い物? いいけれど……何を買うの?」
「んふふ……肩凝りに効く、ちょっとしたアイテムよ☆」

まさか……ピップエレ○バンでも買いに行くつもりなのだろうか?
そんなババ臭いもの(!)提示したりして、さっきの二の舞にならないだろうか?
誰もがハルナの自爆を心配する中、2人は連れ立って商店街に出かけていって、そして……

416 :千鶴のささやかなる重荷 (7/7)  2006/10/15(日) 17:47:11 ID:???  

翌朝。
一晩経った千鶴は、昨日までの憂鬱そうな様子もなく、普段の明るさを取り戻していた。
どうやらハルナの『処方』が効いたらしい。
頑固な肩凝りの前に討ち死にした者たちが、その秘密を知りたがって2人を取り囲む。

「何を買ったの、と言われても……ねぇ。言っちゃっていいのかしら」
「い~んじゃない。どうせ女同士だし」

ニヤニヤ笑うハルナに促されて、千鶴はちょっと躊躇った後、告白した。

「あのね……ブラジャー、買いなおしたの。少し古いのを使い続けてたのが、悪かったみたい」
「胸囲の数字だと、大して変化ないんだけどね~。カップがちょっと、ね。
 ここ最近、前よりさら大っきくなってきてたからさ。ホルモンバランスの影響かな?
 元々おっきくて重いから、合わないブラしてるだけで肩凝っちゃうんだよねー」

ただでさえクラスで一番の巨乳の千鶴が、さらに成長してる!?
信じられない言葉に、クラスの貧乳グループが思わず顔を見合わせる。
というか、普段、何の気なしに大浴場に一緒に入っているのに、誰もその微妙な差異に気づかなかった。
恐るべきはハルナの観察眼……。
いや、観察眼、と言っていいのだろうか? むしろ、恐るべきは……。

「まだまだ千鶴さんも成長期だもんねぇ。みんなすっかり忘れてるみたいだけどさ。
 大体、四十肩とか患うような歳なら、あんな張りのあるオッパイしてないって」
「もうハルナったら、恥ずかしいわ。そんな大声で」

頬を染める千鶴と、ニッコリ邪気もなく笑うハルナ。
その2人を横目に見ながら、夕映は人の輪の外側で、こっそり、自分の薄い胸を抱いた。

「……正直、あやかりたいです。あの千鶴さんの巨乳をさらに育てる、そのフィンガーテクニック……!」

                             (終……?)

 

420 :マロン名無しさん  2006/10/15(日) 20:13:07 ID:???  
宣言

いつからこう思ったのだろう。
クラスメイトとか親友だとかいう感情の好きだと信じていた。

「こらー!そこのバカ二人!!」
騒がしくする美砂と桜子、それを何とかしようとして怒鳴る円。
「まったく…っ…痛たた…」
「いつもの発作?」
「発作とか言うな…」
薬を飲んで落ち着く円を横目にして見ている美砂は呑気に背を伸ばす。
「あんなになるまでテンパリ気味にするからよ」
「…」
自分には自分のやり方で押し通す、円のように何にでも突っ込む姿勢が性に合わない。
何の変化も成長もない、ただ退屈な毎日。

今日は部活が休み、桜子は…
「ちっさめちゃーーーーーん。一緒に帰ろーー!」
「…またかよ」
「千雨。仲良くしてね」
横に居るザジにそう言われる。
「わーったよ。ほら」
「うえーん。また荷物持ち~」
「当たり前だ。同じ立場になりたけりゃもっと頑張るこったな」
「はーい」
いつもどんな扱いを受けても、パシリでも何でもいつものペースをする桜子。
いつしかそんな桜子を見て、千雨もここ最近は毛嫌いしている様子はない。
むしろ荷物持ちやパシリの一番手として認めているのかも…
そんな有様をただ眺めるしかない円を見てしまう。
「…」
421 :マロン名無しさん  2006/10/15(日) 20:13:56 ID:???  
どいつもこいつも困った恋に嵌っている。
自分の知らない世界。自分だけ取り残された気分。

結局、偶然を装って円に声をかけて一緒に帰った。
「明日は休みだし、桜子と一緒に街に行かない?」
「…」
「…美砂?」
桜子の知っている。円の知っている世界。自分は知らない世界。
「あ、ごめん聞いてなかった」
「何それ!ちゃんと人の話を聞いてよ」
そんなに気に悩むとまた…
「あ、痛たたたた…」
もう薬持参の上に胃が痛むタイミングとか条件とか分かってしまった。
それくらい3人で一緒に行動している時間が長かった。
こうやって一緒に居るんだから…だから…
「ふぅ。桜子、また荷物持ちだし…大丈夫かな」
ここにいない人の話をしないでほしい。

ガッ
突然、美砂は円の体を押さえ込む。
「な、何!美砂!?」
「…」
たぶん取り残されたとかそんな感情じゃない。
「ねぇ!何とか言ったらどうなの!」
桜子は好きでやっているし楽しんでいるから別に何をされてもどうとも思っていない。
だが円は自分を犠牲にして何とかしようとして悩んでいる。
そんな姿が見てられないんだ。
その悩みをどうにかしてやりたいと思えば、それは円を余計に困らせることになる。
422 :マロン名無しさん  2006/10/15(日) 20:14:32 ID:???  
―それでもきっと、私は…

「…美…砂!?」
美砂は円の唇に思いっきりキスをした。
決して酔っ払っての勢いではない、切実に訴えるような目が正気の証。
その場にへたり込む円。

「何で…どうして…」
「円。私…あんたのこと好きみたい。桜子のことで悩んで倒れるくらいなら、桜子のこと諦めて私と付き合ったら?」
その告白に心を打ちつけられる円。胃がまたキリキリ痛む。
桜子のことだけでもいっぱいなのに、今度は美砂だ。
「嘘でしょ…」
そこで嘘と言えば、これからも円は親友のまま。
でも、もう親友としての立場なんていらない。
「悪いけど、本気よ円」

 

429 :マロン名無しさん  2006/10/15(日) 21:49:44 ID:???  
好き?嫌い?

パル「ちゃーおりん♪」
チャオ「キャッ。何をするカ早乙女サン!」
パル「だってー。このぷにぷにしてるのがたまらないんだもーん」
チャオ「こっちは困るヨ」

パル「えー!?本当は気持ちいいんでしょ~」
チャオ「嫌ヨ」
パル「いやいや、口で言ってるだけでまんざらでもないでしょ?」
チャオ「嫌ネ」
パル「またまた~好きなんでしょ~」
チャオ「イヤ」
パル「嫌なの」
チャオ「イ・ヤ・ヨ!」
パル「ス―?」
チャオ「キ……………!?」

パル「もーやっぱりね~」
チャオ「やめるヨ!誘導尋問ネ!あっ、スカート引っ張るナー!!!」



 

441 :マロン名無しさん  2006/10/16(月) 01:31:33 ID:???  
一緒にいたい

「ねぇ、いいんちょ。数学で分からない所があるんだけど」
下校前の下駄箱前で珍しく明日菜からそんなことを言われ、あやかは思わず耳を疑う。
「あなたがそんなことを言うなんて…明日は吹雪かしら?」
「うるさいわね。あと少しでテストでしょ!補習がいやなの!」
担任であり同居人のネギに教えをしようものなら、嫌というほどの問題集が出るし、木乃香と一緒にすると心のどこかで同居人だから
という甘えが出てしまう。結局のところあやかの方が頼み安いのが現状だ。
一方のあやかも、自分を頼ってくれる明日菜を快く迎える。
そのため、あの下駄箱前で少しだけ待ち伏せしてみた。

「えーーーーーーーーっと…かっこを外してこの整数を移動させると…マイナス3…なの?」
「ここでXイコールの形を無視してますわよ」
「あ!?え!?う!?」
全く駄目、ほとんどの式を忘れている。ちなみに内容は2年生前期の問題だ。
「まずはこの式を整理して応用させることから始めますわよ」
バカレンジャーレッドの名は伊達ではない。マンツーマンで教え込む。
「…ふぅ。これだけやれば補習くらいは免れるのでは?」
「うん」
そして最後にあやか自身が作ったプリントを渡す。
「これ、大体の所が出ますので。その応用を繰り返せばいいですわよ」
「…ありがと」
素直に礼を言う明日菜の手をあやかはそっと手に取った。

「それより気づきませんか、こうやって二人っきりになれたのは久々というのが…」
「…」
だが明日菜は黙ったまま体を強張らせている。
「別にこんなことをしてほしくて来たんじゃ…」
「では、勉強を教えたお礼をしてほしいですわね」
そう言えば、少しでも明日菜の負担を軽くできそうだから。
442 :マロン名無しさん  2006/10/16(月) 01:32:06 ID:???  

決して振り向くまいとそっぽを向く明日菜を強引に自分の方向に向ける。
その瞬間、明日菜も対応できない速さで唇を奪った。
「…私のせいにしておけばいいですわよ」
服を脱がされ、あやかに抱きつかれる。
「アスナさん。しばらく触れてないうちに胸が大きくなりませんでしたか?」
「な、何言ってんの!最後にヤってからまだ一週間しか経ってないのよ!」
常に触れ合って濃厚な夜をお過ごしのあやかにとって、一週間は“しばらく”になってしまったのだ。
そのままの勢いで明日菜を徐々に快楽の海に引きずりこんでいく。
「ふぁ…ひぁ………んあっ!」
大きく仰け反るように細かく痙攣する。
今ので、覚えた公式の一部を忘れたかもしれない。

―本当はいいんちょと一緒になんかいたくなかった。そうしないとずっと一緒にいたくなる。
明日菜の心の中にそんな矛盾した言葉がよぎる。
でも一緒にいたい。一人ぼっちになるのが怖かった、孤独が嫌だった。
子供の頃から自分を見て知っているのは彼女だけだ。
だから、こんな関係になって今更自分は一人ぼっちじゃないことを再確認することになるなんて…

「大丈夫ですかアスナさん?フラついてますし、部屋まで送りますわ」
「いい」
だがあやかは腰が痛くて前かがみ気味の明日菜を抱きしめる。
「問題が分からなくなった時は、また私を頼ってください」
軽く微笑むあやかをだるそうな顔で見つめる明日菜はそっと答える。
「私は嫌」
あやかの顔に漫画でいう『がーん』という文字が出ているような顔をする。
そっとあやかを押して引き離す。
443 :マロン名無しさん  2006/10/16(月) 01:32:38 ID:???  
「私はあんたみたいに頭良くないから…何にも頭に入らなくなるから」

「あんたのことしか考えられなくなるから…ッ!」

そんなことを言って明日菜は走って帰ってしまう。
腰が痛くて愚痴をこぼす。
「痛っ!これでテストが駄目だったらあいつのせいだから…!」
そんな有様を呆然と見届けるあやか。
「…困りましたわね」
本来は自分のことしか考えられなくなるようにしたい、けれどその状況にはなりにくいわけで…
それは自分の我侭なのかもしれないと思うあやかだった。

 

446 :禁断の果実 日常編4  2006/10/16(月) 16:26:00 ID:???  
テストが迫ったある日の放課後、円は美空にテスト勉強の進み具合について尋ねた
美空は満面の笑みでピースサイン、円はため息をつき
「いいわよね、恋人が先生なんだから。しかも本職の・・・」
「だったら円も来れば?。歓迎するのに」
だが円は首を振り
「そうしたいのはやまやまなんだけどね、テストぐらいは美沙や桜子とやらないと・・・ね」
最近、美空やシャークティなどとの付き合いが増えたせいもあり、彼女なりに気を使っていたのだ
美空はそんな円に苦笑する
どちらの関係も大事にしたいと言う円の想い
「あ、笑ったな。まったく・・・」
「ごめんごめん、円はいっつも大マジなんでねぇ」
ぺろっと舌を出して笑顔で肩をすくめる美空
悪意のないのを知っている円もやれやれと肩をすくめ、笑いあった

 

451 :マロン名無しさん  2006/10/16(月) 23:09:07 ID:???  
夢は大きく億万長者

亜子「宝くじか~」
ゆーな「にゃー」
アキラ「1等2億円だもんね」
まき絵「ただの紙切れ一枚で億万長者か…いいなぁ~」

あやか「夢は大きく持たないといけませんわね」
亜子「えーなーブルジョワは、元からお金持ちで。いいんちょにとって2億ははした金ちゃうん?」
ゆーな「にゃー」
あやか「人聞きの悪い。そこまで傲慢ではありませんわよ」
アキラ「そうだよね。いいんちょってそんなにお金持ちをすごぶるところがないよね」
まき絵「にしても2億円か…せめて50万くらいは欲しいな~」
あやか「50万?」
亜子「それくらいはほしいな~」
あやか「50万といえばわが雪広家の一日の食費ですわね」
アキラ「…」
まき絵「…」
ゆーな「にゃー…」
亜子「ブルジョワめ」

 

454 :刀子 小さなプレゼント  2006/10/17(火) 19:50:40 ID:???  
刀子 小さなプレゼント


私の手元には小さなリボンがある
一年ほど前、刹那に貰ったものだ

刹那 「そ・・・その、刀子さん。お誕生日おめでとうございます。これはいつもお世話になっているお礼です」
刹那はそう言うと、私に赤いリボンをプレゼントしてくれた
その頃はまだ刹那は仕事が少なく、実入りも少なかった頃だ
だがそんな中で刹那は私に贈り物をしてくれたのだ
そんな優しさが忘れられない

そして刹那はこう言った

刹那 「刀子さん・・・今日で××歳ですね!!わ、私の倍以上ですね・・・」

枕が涙で濡れました

 

456 :マロン名無しさん  2006/10/17(火) 20:23:59 ID:???  
年齢で思い出した
千鶴は名前の通り1000歳以上なんだよ!
あれ?誰かキタ?
457 :マロン名無しさん  2006/10/17(火) 20:30:38 ID:???  
わかっていないな
鶴は千年生きるんだよ!!!その鶴が千羽分だから・・・
あれ?誰かキタ?
458 :マロン名無しさん  2006/10/17(火) 20:38:43 ID:???  
千年生きても変わらずあの容姿ならば理想の嫁さんじゃないか。






ってことで千鶴姉と刀子さんとシスターシャークティは俺がもらって行きますね。

460 :マロン名無しさん  2006/10/17(火) 20:50:09 ID:???  
シャークティなら、先ほど亜光速で走る何者かにお持ち帰りされましたよ。
462 :マロン名無しさん  2006/10/17(火) 20:53:28 ID:???  
俺ザジ貰っておくね
463 :マロン名無しさん  2006/10/17(火) 21:01:35 ID:???  
千雨「そいつは置いていけ。それとも、ネットで晒されたいか?」
龍宮「大人しく置いていけ。それとも、蜂の巣になりたいか?」

464 :マロン名無しさん  2006/10/17(火) 21:07:04 ID:???  
なんで隊長もなの?
465 :マロン名無しさん  2006/10/17(火) 21:12:02 ID:???  
ヒント:パニポニ
466 :マロン名無しさん  2006/10/17(火) 21:14:16 ID:???  
アニメかwwwwwwww
ってことはそのうちここでちうVS隊長があるかもなw

 

467 :刀子 褥(しとね)の想い出  2006/10/17(火) 21:20:00 ID:???  
刀子 褥(しとね)の想い出


枕を二つ並べて眠ったのは何時のことであったでしょうか?
その昔は愛する人に胸枕で夢物語を語って貰ったものです
でもあの人はいなくなった・・・

そんなとき・・・それは決して寂しさからではなかったと思います
あの子を見ていて可哀想だと思ったからと言うのは言い訳でしょうか?


刹那 「と、刀子さん!?」
目元の涙の後が何なのかは私は知っている
刀子 「無理しないでもいい・・・あなたはまだ中学生なんですよ。ぬくもりを求めるのは恥ずかしい事じゃありません」
刹那 「でも・・・その・・・あっ!!」
刀子 「暖かいでしょう?これがぬくもりですよ?」
私はそっと刹那を胸元に抱きしめると、そのまま横になって頭を撫でました

やがて力を抜いて私に身を預けてくる刹那、しばらくすると寝息が聞こえてきます
その寝顔は心なしか安らいでいるようにも見えます
刀子 「やっぱりまだ子供ね。可愛いところも・・・」
そのとき刹那はこう言いました

刹那 「ははうえ・・・」

わたしそんな歳じゃないもん
また、枕が涙で濡れました

 

469 :マロン名無しさん  2006/10/17(火) 21:51:41 ID:???  
千羽鶴

美砂「桜子が昨日の帰りに交通事故に遭ったって!?」
円「それで、容態は!?」
千雨「大したことじゃねぇよ、ただ足を強く打ったせいで1週間ほどの入院だ」
美砂「そうなんだ…」
円「大体あんたが大量の荷物を持たせた挙句に、横断歩道の前で放っておくからこんなことに…」(キリキリ)
千雨「知るか。あいつがトロトロしたからだろうが」
朝倉「あーはいはい喧嘩はやめてね。お見舞いの品でも考えようよ」
美砂「そうね…私は花を贈ろうかしら?」
千雨「とりあえずシャレで菊の花でもいっとくか?」
朝倉「それはシャレにならないって、円はどうするの?」
円(ここは桜子に勇気付けるチャンス)「私は…千羽鶴折るわ!」

それから3日後―
円「ぜーぜー…743羽…744羽…745羽…」
美砂「ちょっと大丈夫なの一人で千羽なんて、ただでさえ胃が痛むのに」
円「大丈夫よ、桜子の受けた傷に比べれば…」

それから翌日―
円「…960羽…961羽…」
美砂「ちょっと千雨、昨日から徹夜でやったみたいだけど…いいの?」
千雨「しゃーねぇだろ、本人が行くって言うんだから」
??「あー、もしもしくぎみん?」
円「何、あと少しだから話しかけないで…966羽…?」
桜子「やっほー。本当はもう少しいないといけないんだけど、みんなのために早めに退院したよ」
円「…」
桜子「?」
円「ゲフッ(吐血)…」バタッ
桜子「わー!円ーーーー!!」
美砂「誰かー!救急車ー!!」

 

475 :リクカプ劇場  2006/10/18(水) 01:58:44 ID:???  
リクカプ劇場
ココネ×史伽:超ありがちでお約束のネタ

うっかり寝過ごしてしまい、風香や楓も置いてきぼりを食らった史伽は急いでいた。
「急がないと遅刻しちゃうですー」
その同時期に、遅刻ギリギリで急いでいるのがもう一人、ココネである。
「…遅刻…しちゃう」
運命の曲がり角、二人は急いで飛び込んだ瞬間…おでこ同士をゴツッと。
そしてお約束の…

「うあー!どうしてこんなことになったんですかー!?」
と嘆いているココネ。
「…これハ…?」
かなり無口になった史伽。
文字通り二人の人格は入れ替わってしまった。
困り果てるココネ(史伽)の口を塞ぐ史伽(ココネ)、いつになくクールな表情の史伽を見つめてしまうココネ(史伽)。
「その姿で騒がないで、ここは落ち着いて」
「え、あの…」
仕方なく二人の姿が入れ替わったままで過ごすことになってしまった。

「……」
「ふ、史伽?今日はどうしたの。機嫌悪いの?」
「…別に」
史伽(ココネ)の素っ気無い態度と返事、完全に普通ではない史伽を不思議そうに見るクラスの生徒。
風香と一緒に遊んで笑っているはずなのに、一人で椅子に座っているだけ。
そしてその調子のまま下校時間となった。
「…」
「今日は散々だったですー」
二人とも事情が事情だけに部活やシスターの仕事を休んで帰ることに。

476 :リクカプ劇場  2006/10/18(水) 01:59:16 ID:???  
待ち合わせの場所で話している史伽(ココネ)とココネ(史伽)。
互いに解決案も見つからず、途方に暮れていた。
これが他人の視点、自分という名の他人がこちらを見ている不思議な感触。
ココネも史伽もこの違和感を実感する。

「ところでどうするですか?」
「何が…?」
ココネ(史伽)はもじもじして言うのを恥ずかしがっているがそっと言った。
「その、お風呂とか…」
「…」
「トイレにいくのも一苦労ですのに…」
はっとしてココネ(史伽)を見つめる史伽(ココネ)。
「まさか、行った?」
「行きたくなるのは仕方ないですよー!」
泣き言を述べるココネ(史伽)はさらに困った顔をする。
本当に見ることのない冷静な顔をする史伽(ココネ)といろんなことに慌てオロオロするココネ(史伽)。
何だか不思議な気分。互いに思う、自分はこんな顔も出来るんだな…と。
「それじゃあ史伽の部屋に行ってもいい?」
「え?」
「私が目をつぶって史伽が私の体を洗えばいいよ…」
「あっ、それはいい考えですー」
「なにそれーーーーー!!」
そこへやってきたつむじ風(?)、すさまじい勢いでココネ(史伽)を拾い上げる人物が一人。
同じシスター仲間の春日美空だった。
「史伽!あんたいつの間にココネと仲良くなったの!
 それにココネも!今日様子がおかしいと思ったら、私という物がいながら浮気!?」
おそらく史伽以上に叫びわめく美空の後ろからそっと史伽(ココネ)が忍び寄る。
「許すまじ!―え?」

ゴキッ

477 :リクカプ劇場  2006/10/18(水) 01:59:51 ID:???  
「史伽、行こう…」
「い、いいの。何か首が変な方向に向いてるけど…」
半死体状態の美空をほったらかして二人で帰る史伽とココネ。

ジャー
帰って即風呂に入る二人。
当初の約束どおり、片方は目を閉じてもう片方が体を洗う。
「きゃはは、くすぐったいですー」
「あまり暴れないで…」
自分の裸をこんな形で見るなんて夢にも思わなかったが、史伽(ココネ)は黙々と体を洗う。
当然だが自分の体は他人の体なので、鏡に映る自分の姿を見ないようにする。
そんな中で、史伽(ココネ)は尋ねる。
「そういえばミソラは今日様子がおかしいと言ってたけど…何したの?」
「え?ただいつも通り過ごしただけですよー。お姉ちゃんいないからいたずらし辛いし、あまり笑えませんでした」
ピシッっと体が固まる史伽(ココネ)、自分のイメージが正反対の史伽に崩されショックを受けた。
「あれ、ココネさん?どうしましたですかー?」
「…|||」

翌日、何となく元に戻った二人だった。


 

482 :マロン名無しさん  2006/10/18(水) 17:48:07 ID:???  
独占欲

千雨はザジと恋仲になってから辺りだろうか、次第にまわりに打ち解けるようになった。
少しずつだが周りからも話しかけるようになり、人も寄り付きやすくなった。
本人は少し戸惑っているようだが。
ある生徒は言う。
「千雨っていつも何を考えてるか分からないけど、最近その顔が可愛く思えてきたよ」
「千雨ちゃんって、だいぶ前より素直に表現するようになったかな?」

「最近千雨って、みんなと仲良くなったよね」
「ん…まぁな」
二人っきりで部屋で居る千雨はザジに打ち明けた。
「だよね…」
「何で不機嫌なんだ?」
誰が見てもザジの態度は素っ気無い、その有様に千雨は困ってしまう。
互いに人付き合いは得意ではない、ザジは人付き合いが広まっている千雨が気に入らないのか?
「私、やきもち妬いてるの」
「な、なんだよそれ!少し交友が増えただけだろう」
「見てて面白くない」
それはザジなりの千雨に対する意思表示、いくら恋仲でも他人とばかり一緒に居るのが気に入らなかった。
「こっ、子供かお前」
「まだ中3だよ」
「~~~…!」
屁理屈を述べるザジに千雨は若干キレ気味だ。
「現に千雨を狙ってる人いるよ…」
確かにここ最近、千雨に対して好意を抱いている人も少なくない。
「そうかもしれねぇけどよぉ!」
少しずつ怒りが溜まる千雨に対してザジは立ち上がる。
そして、千雨の体を強く抱きしめるとキスをした。
「お、お前…」

483 :マロン名無しさん  2006/10/18(水) 17:48:38 ID:???  
「ごめんね。私、いつか千雨が誰かに取られると思うと…」
ザジの体が少しだけ震える、この所千雨が他の人と話すようになって自分は置いてきぼりを食らった。
そんな現実が怖くなってしまった。
「…すまん、お前がこんなに困ってるのにな」
千雨はザジの体を強く抱きしめた。

ただ付き合うだけなら誰にでも出来るが、いざ自分のことをすべて打ち明けられるのは難しい。
それが他人との交友が薄い人間なら尚更だ。
「でもな…そうやって私のことをいつも考えてくれるあんたが嬉しいんだ、好きなんだ」
泣いて笑って抱きしめあって、他の人に見せたことのない顔。
そんな顔を独占してしまうのは自分だけでいい、他の人間になんか見せてたまるか。
互いの独占欲は余計に溜まる一方、だから常に好きであることを確認しないと不安になる。
不安になりたくない、離れたくない、いつも一緒にいたい。
だから二人は今日も抱きしめあって求め合って…

「うぁーーーーーーーー…腰痛てー……ッ冷めてぇ!!!」
翌日、学校の机に倒れるようにしてへたばっている千雨を介抱するザジ。
腰に冷却スプレーを浴びせたりして飛び跳ねて余計に腰が痛い。
「大変だねちうちゃん」
そこへやってきたのは朝倉和美だ。
「うるせぇよ、どっか行け」
「ふーん、別にいいや。それはそうとザジちゃん」
手招きされるように和美にくっついていくザジ、教室の端でひそひそ話をしている姿を、腰を抑えた状態で見ることしか出来ない千雨。
「昨日機嫌が悪かったのは千雨のせいでしょ」
いきなり核心を突く一言にザジは少し焦ってしまった。
「いいって、千雨があの状態ならもう大丈夫なんでしょ」

484 :マロン名無しさん  2006/10/18(水) 17:49:09 ID:???  
「…(コク)」
「だったらいいこと教えてあげるよ」
耳打ちしてザジに何かを伝えるザジ。
話し終えるとそのまま和美は教室を出て、ザジは千雨の元へと向かう。
「一体何話してたんだ?」
「別に……クスッ」
ザジが笑った、何を言われて笑ったのかは知らないが千雨はマジになる。
「何だよ!一体何を言われたんだザジ!?」
「ふふ、秘密」

『普段さ不機嫌な顔してる千雨だけど、ザジちゃんがいないときって本当に誰でも分かるほど不機嫌なんだよ』

結局、似た物同士なのだ。

 

485 :マロン名無しさん  2006/10/18(水) 22:27:06 ID:???  
三分後投下~
>>307-311の続きです

人物紹介

刹那 主人公、職業勇者。とっても頑張り中

木乃香 勇者の幼なじみ、職業賢者。せっちゃん命の色狂い。夜が来るたびにケダモノと化す

古菲 異世界から迷い込んだ少女、職業武道家。言葉はわかるが「ある」としか喋れない。刹那は心の中で”あるある”と呼んでいる

エヴァ 職業魔王。大魔王に襲われて、記憶を失っていた
486 :刹那 そして伝説へ(byDQⅢ)  2006/10/18(水) 22:30:03 ID:???  
刹那 そして伝説へ(byDQⅢ)


1/5
>ぼうけんのしょ1をはじめます

その庭園は優雅で優しくて、どこか儚げでした
差し込んでくる優しい日差しは庭園に並ぶ木々たちをどこか霞ませます
どこからともなく聞こえてくる小鳥の囀りは耳に心地よく、風に乗って薫る薔薇の香りは心を癒すのです

木乃香 「あんなあ、聞きたいんやけど・・・なんでしずなさんのことしずな先生って呼んどるん?」
それは完璧な礼儀を身に付けたメイドさんが入れてくれた紅茶をすすりつつ、戦士さんは答えました
明日菜 「ああ・・・実は私とネギって孤児院で育ったの。で、その孤児院で育ててくれて勉強を教えてくれたのが・・・」
刹那 「しずなさんだったというわけですか」
ネギ 「そうなんです。そのときの名残で先生って呼んでるんです」

エヴァ 「貴様ら・・・」

しずな 「うふふ・・・明日菜さんとネギ君のおしめも換えたこともあるのよ?」
賢者さんは優雅に微笑みました。その溢れ出す母性に悪戯心を含ませながら・・・
明日菜 「せ、先生!!!」
しずな 「それにね、明日菜さんったらまだ生えて・・・」
明日菜 「せんせい!!!」

あはははは・・・

その庭園に響く笑い声はまさに平和そのものでした

エヴァ 「貴様らぁぁぁぁぁ!!!」
487 :刹那 そして伝説へ(byDQⅢ)  2006/10/18(水) 22:31:35 ID:???  
2/5
木乃香 「な、なんやのん!?大きな声を出して?」
エヴァ 「貴様ら!!!何で私を無視する!?今言ったようにな・・・」
明日菜 「アンタ馬鹿ぁ?あれを引き起こした奴と戦おうっての?正気?」
そう言って戦士さんは遠くを指差しました。その先には小国がすっぽりとがいるような大地の亀裂があります
エヴァ 「だからそう言っている!!!」
幼女は胸を張りました。しかし周りの反応はきわめて冷たいものでした

一同 「無理!!」

エヴァ 「ぐぬぬ・・・この根性無しどもめ!!」
木乃香 「大体どうやってあれと戦うん?」
エヴァ 「貴様らと茶々丸たちが盾になってだな・・・」
木乃香 「エヴァちゃんたらわがまま言い放題やな・・・そや!!」
このちゃんはそう言うと何か思いついたらしく、席を立ち上がりました
そしてテーブルの上に置いてあったクッキーに付けるジャムを指に掬うと幼女の元へと向かいます
エヴァ 「???」
そしてそのままそのジャムを幼女の服に付け、こう言いました

木乃香 「ちゃ、茶々丸さん大変や!!エヴァちゃんの服が汚れてもた!!着替えさせへんとな!!」
エヴァ 「な!?」
すると次の瞬間、どこからともなく16本の手が伸びてきて幼女を絡め取ったのです
エヴァ 「き、貴様ら・・・やめ」
幼女はそれ以上しゃべることなく、お城の何処かへと連れ去られていきました
きっと今頃は着替えと称した拷問を受けていることでしょう

明日菜 「アンタ・・・結構えぐいわね」
木乃香 「そんなこと・・・あらへんよ」
488 :刹那 そして伝説へ(byDQⅢ)  2006/10/18(水) 22:32:37 ID:???  
3/5
茶々丸 「あの・・・お話の腰を折るようですがマスターのお願いを聞いていただきたいのです」
空になったティーカップに紅茶を注ぎながら従者さんは言いました
明日菜 「そりゃ手伝ってはあげたいけどね・・・あんなのに戦いを挑むなんて無理よ」
茶々丸 「実は・・・大魔王様はそんなに横暴な方ではないのです」
木乃香 「横暴やない?魔王なんに?」
茶々丸 「力ある者は魔王と呼ばれることがあります。大魔王様は慈悲のあるお方で”原初の母”と呼ばれるくらいの方ですから」
刹那 「でも・・・」
茶々丸 「タブーに触れなければよいのです。本当に優しい方ですよ?」

私は正直な悩みました
皆を危険な目に遭わせるわけにはいきません。でも・・・

刹那 「じゃあ行ってみますか。大魔王の所へ」
木乃香 「正気なん!?少なくとも戦って勝てる相手とは思えへん!!」
刹那 「このまま放っておいても大変なことになりそうだし・・・とりあえず行ってみようと思う」
明日菜 「悪いけど私たちはパスね・・・魔王の従者の言うことは信用できないって言うのが建前、死ぬっていうのが本音ね」
刹那 「強制はしません。って言うよりそれはネギさんが決めればいいことです」

ネギ 「僕は・・・」
結局ネギ勇者は同行することはしませんでした
あんな光景を見せられればそれも仕方ないでしょう
ネギ 「怖いと言うよりも・・・明日菜さんたちを失うのが怖いです。だから・・・僕は勇者失格なんですね」
そう言って落ち込むネギ勇者。でも彼にも・・・仲間はいる

明日菜 「気にしないでよ。アンタは十分に頑張ったわ」
しずな 「そうよ~よく頑張ったわ。そう言えばのどかさんはどこに行ったのかしら?」

ネギ 「あ・・・」
489 :刹那 そして伝説へ(byDQⅢ)  2006/10/18(水) 22:34:22 ID:???  
4/5
木乃香 「こ、こんなに深いん?」
ここは大魔王が開けた亀裂の前、そのそこの見えない深さに皆が恐怖します
エヴァ 「むぐぐ・・・」
茶々丸 「暴れないでくださいマスター。落ちますよ?」
従者さんに抱きしめられ、猿ぐつわをかまされている幼女、今までとは違い、記憶を取り戻した幼女は結構活発になっています
古 「ある・・・」
そんな幼女の頭を撫で撫でするあるある。以前は大人しく身をまかせていたが、今は恥ずかしさが先行しているようです

刹那 「では・・・地の底に行きましょうか」

私を含めた皆で手を繋ごうとしました。しかし、従者さんは幼女を抱えたまま手を繋ごうとはしません
茶々丸 「大丈夫です。私は飛べますので」
木乃香 「茶々丸さん、実はエヴァちゃんが可愛いから抱きしめてるんちゃうん?」
茶々丸 「・・・お答えしかねます」
そう言いながらも従者の頬は赤くなった。その指摘の通りなのでしょう

意識を集中し、背中のつばさを出現させる私。と、同時に従者さんは背中からものすごい爆風を吹き始めたのです
力場で包まれた私たちと幼女たち

底の見えない穴は、私たちの不安をあおりました
木乃香 「な、なあ・・・本当に大魔王って慈悲深いん?」
茶々丸 「私もお会いしたことはありますが優しい方でしたよ」
木乃香 「でした?」
茶々丸 「ここしばらくお会いしていなかったので・・・以前は庭園で採れた紅茶などを差し上げたら大変喜んでおられました」
木乃香 「なんや近所のおば・・・」

ぐらぐらぐら・・・

崖のようになった亀裂の中の側面が揺れ、その衝撃ではぐれた岩が落ちてきます

茶々丸 「それ以上は言わないでください」
490 :刹那 そして伝説へ(byDQⅢ)  2006/10/18(水) 22:34:53 ID:???  
5/5
どのくらいの時間、降下し続けたのかわかりません
もう日の光すら差し込んでこないほどの深さになってきました
幸いにも従者さんの瞳が光り、あたりを照らし出しているのが救いです

茶々丸 「もうじき地下世界です。そこが・・・」
その言葉を聞いた後、とあることに気がつきました
どういう訳か下の方からうっすらと光が見え始めたのです
夜の光、とでも表現した方がいいのかもしれません。月明かり程度の明るさですが


木乃香 「ここが・・・地下の世界?」

降りたったのは闇の世界、地下であるはずなのに月が浮かぶ不思議な世界でした


超 「さて・・・ずいぶんと魔王の城で道草を食っていたネ?」
夕映 「待ったりとする時間が好きなだけですよ」
超 「いよいよ地下の世界ネ!!!危険な部分はハルナサン任せだから・・・次が楽しみネ!!!」
夕映 「まあ、気長に待つです」

 

501 :刀子 秘密を覗く  2006/10/19(木) 00:48:41 ID:???  
刀子 秘密を覗く


刹那が私に剣を習っているとき、ふと怪訝そうな顔をすることがあります
何かありましたか?と聞いてみても、何でもありませんとだけ答える刹那
一体何があったんだろうと思ってしまいます

そんなとき、刹那が付けている日記を見る機会がありました
他人の日記を見るなど下衆のすることと思っていましたが・・・興味というものは恐ろしいものです


○月×日 はれ

今日も刀子さんがまた”あの言葉”を言いました
果たして自分はそんなことを言っているのだろうかと不安になります
もし自分もそんなことを言っていたら・・・注意しなければなりません
だって・・・私まだ若いんだもん

今日、刀子さんは「よっこいしょ」と3回言いました
だから、おとしより


枕のカバーを換えないと・・・
きっと今夜も枕が涙で濡れちゃうから


503 :マロン名無しさん  2006/10/19(木) 02:05:30 ID:???  
禁句を言ってしまった場合

千鶴・しずな:問答無用の制裁
刀子:静かに涙に濡れる
二ノ宮:笑って受け流す

つまり歳を重ねるほど反応が激しく……おや、こんな時間に訪問者が

 

507 :マロン名無しさん  2006/10/19(木) 11:22:14 ID:???  

まき絵の憂鬱

まき絵「うわーん、分からないよー」
アキラ「これは難しいね」
あやか「たしかにコレは難しいですね」
まき絵「え、この問題教えてくれるの?」
あやか「よくお聞きなさい、この問題は――――――――とすればいいですわよ」
まき絵「そうなんだ、ありがとー。さすがいいんちょだね」
あやか「それほどでも」
まき絵「この問題はどうするの?」
あやか「…まき絵、これ本気で言ってますの?」
まき絵「?」
あやか「これ、中1の問題ですわよ」
まき絵「あれーそうだっけ?」

亜子「自覚がないって怖いなー」
ゆーな「にゃー」

 

509 :真名ちゃんもっこり日記121  2006/10/19(木) 17:51:31 ID:???  
真名ちゃんもっこり日記121

今日は裏方の仕事を手伝っている。
正確には氷のオブジェ(?)を爆破するスイッチを押す役だ。

それまで時間があるからゾンビライダー婿養子編をやってしまおう。

ふぅ、面白かった。高速でやりこんでしまったから飽きてしまった。
適当にそこら辺で売って金にするか。
ふふふ、このゲームがいきなり中古で出るなんて驚きだろうな、買ったヤツの喜ぶ顔を見てみたい。

さてと、バカレンジャーのロボを運搬する準備に取り掛かるか。
「どうせ私なんか~」とか嘆いている佐々木にこいつをを渡しておこう。

つホッパーゼクター

 

510 :マロン名無しさん  2006/10/19(木) 19:30:07 ID:rSv996JW  
単行本16巻発売を祝して

ちう「なーザジ」
サジ「なにー」
ちう「キスしね?」
ザジ、突然の言葉にコケる 額をベッドの角にぶつけ、足の小指をひねった
ザジ「ち、ち、ち、ち、ちう…」
ちう「…いや、冗談で言ってるわけじゃねえよ?」
ザジに近づくちう、顎をくい、と上げる
ザジ「ちう…」

どんなスイーツよりも、甘い、あまいひととき


16巻でちうは力まかせ肯定とキス魔属性がついたと思う などと言ってみる

 

513 :刀子 変身願望  2006/10/19(木) 21:24:16 ID:???  
刀子 変身願望


手元にある服、これは二ノ宮としずなに貰った物・・・

奴ら曰く
しずな 「私ってコスプレしても胸にばっかり人気が集中しちゃって・・・」
二ノ宮 「私が男装すればコネコちゃんたちがいっぱい群がってくるんだがな・・・」

そう、これはコスプレスーツ。亀仙流の武道着だというものです
ちょっと着てみたくなりました

な、なんと言うことでしょう。一応、私もあの漫画は知っています
これを来た瞬間・・・かめは●波が撃てるような気がしてきました。いえ、今なら撃てます
ああん、だ・・・だめぇ・・・手が勝手に・・・体が構えを・・・

刀子 「か~め~は~め~」

そのときでした。バタン、と扉が開いたかと思うと、刹那が顔を見せたのです
刹那 「刀子さん、今日の訓練ですが・・・」
刀子 「波っ・・・」
気のかけらも出ていない”か●はめ波”のポーズを見られました

刹那 「ぷっ!!!」

刹那は吹き出した瞬間に扉を閉めて何処かへと走り去っていきました
大笑いしながら去ってくのがわかりました

今日はこのままの格好で寝よう
いいもん、きっとこの武道着にも涙は染みこんでいるんだもん


514 :マロン名無しさん  2006/10/19(木) 23:26:36 ID:???  
とーこさん……

なんだろう、この豊島なのに幼い感じ、激しく萌える
515 :マロン名無しさん  2006/10/20(金) 02:11:59 ID:???  
新ジャンル「身体はオトナ、心はコドモ」
516 :マロン名無しさん  2006/10/20(金) 07:34:21 ID:???  
>>515
体はオトナ、心は乙女の間違いだろう?
517 :マロン名無しさん  2006/10/20(金) 07:43:43 ID:???  
>>516
体は30代、心は10代の間違いだろう?
518 :マロン名無しさん  2006/10/20(金) 07:46:04 ID:???  
>>516
それなんてダメット?
519 :マロン名無しさん  2006/10/20(金) 07:57:00 ID:???  
外20代後半、中、13歳ってかwwwwwwwwwwww

 

520 :刀子 変身願望  2006/10/20(金) 10:02:00 ID:???  
刀子 邂逅


私には主婦時代というものがありました
愛しい旦那様に手料理を振る舞う、それが幸せでした
今ではそんな機会はないかというと・・・そんなことはないのです

刹那 「あの・・・私も手伝います」
台所に立つ私に刹那はそう言いました
刀子 「遠慮することはありません。あなたは座って待っていればいいのです」
刹那 「でも・・・」
刀子 「今日のあなたはゲスト、すべてを私にまかせなさいな」
刹那 「では・・・お皿だけでも並べさせてください」
刹那は健気に動きます。そんな姿がたまらなく愛おしく感じました


やがて私の手も進んでくると、つい昔の癖が出てしまいました
そう、お料理を作っていると、つい好きな歌を口ずさんでしまうのです
刀子 「・・・それはだあれ それはひみつ ひみつ ひみつ ひみつのアッコちゃん」
幼い頃の夢、いろんな人をいっぱい助ける少女のお話
私があこがれた少女のお話

刹那 「あ、ひみつのアッコちゃんですね。私も見たことがあります、再々放送で!!」

私の作ったご飯は涙の味がしました
今夜は泣きながらひみつのアッコちゃん第ニ期(VHS撮り)を見ちゃうんだから!!!

 

522 :五月の超包子繁盛記  2006/10/20(金) 18:20:31 ID:???  
五月の超包子繁盛記

今日も朝早く起きてスープの仕立てをします。
超「五月。今日はこんなものが手に入ったヨ」
鶏がらや長ネギなどのスタンダードなものを超さんは仕入れてきました。
ここは一つラーメンを作ろうと思います。

まず鍋に水を入れて強火に火をかけて、鶏がらを入れます。
そしてガラの色が白っぽくなれば一度ゆでこぼします。
その後、水1リットルと茹でたガラ、香味野菜(長ネギ、ニンジン、玉ねぎ)をいれて強火で煮ます。
煮立ってアクが出てきたら弱火にしてアクをとりながら半量になるまで煮詰めます。
これでスープの仕立ては完成です。

麺を茹ですぎず硬すぎないようにして、企業秘密のたれを入れて…っと
完成しました。試食は古菲さんです。
古「ラーメンはうるさいアルよー」
―と言って麺をすすりました。
古「ズルズル………!―ズルズルズルズル」
口にした途端、ものすごい勢いで麺をすすりました。
メンマと程よい厚さに切ったチャーシューも一緒に食べています、とてもおいしそうです。
そのまま麺をすべて食べた後は残ったスープを飲み干しました。
古「…ぁー……うまいアルー…」
とても幸せそうな顔をしてました。今日も繁盛確実ですね。

 

523 :マロン名無しさん  2006/10/20(金) 18:32:47 ID:???  
さっちゃん俺にもラーメン一丁!
524 :マロン名無しさん  2006/10/20(金) 18:53:04 ID:???  
ラーメン食いたくなったじゃないかwww
525 :新田  2006/10/20(金) 18:56:21 ID:???  
私の(以下略
526 :マロン名無しさん  2006/10/20(金) 18:57:15 ID:???  
ラーメン食いてえええええええええ
527 :マロン名無しさん  2006/10/20(金) 19:29:37 ID:???  
    ⌒●__●⌒
      ヽ|・八・|ノ ラーメンマンアルヨ~
      |__|
       | |
528 :マロン名無しさん  2006/10/20(金) 20:57:54 ID:???  
>>525から>>526の流れにワロタw

 

529 :さよ 小さな知識  2006/10/20(金) 22:02:01 ID:???  
さよ 小さな知識


さよ 「トタンに雨がぱらつく音が気になって眠れないさよです」
葉加瀬 「幽霊って眠るんですか~?」
さよ 「ひ、久しぶりなのにまた占領されるんですね!!!」
葉加瀬 「占領だなんて・・・私の知識を披露したいだけです」
さよ 「それを占領って言うんですよ~!!!」


葉加瀬 「で、知識の方ですけれども・・・”ゼロ”と”れい”の違いについてです」
さよ 「そういえばその昔、ここの生徒であやなみさんという人が・・・」
葉加瀬 「そんな人はいません。で、違いなんですけれど」
さよ 「書き方ですか?」
葉加瀬 「・・・”ゼロ”には全く何もないという意味があります」
さよ 「そんなの当たり前でしょう?」
葉加瀬 「でも”れい”には何もないという意味に加えて,小さいとか少ないという意味もあるそうです」
さよ 「ふえ?」
葉加瀬 「たとえば降水確率0(れい)%なんですけど、雨が降る確率が5%未満のことなんです」
さよ 「じゃあ、降水確率0%でも雨の降る可能性はあると?」
葉加瀬 「そうです。予報区内で一定の時間内に1mm以上の雨または雪が降る可能性があるんです」
さよ 「じゃあ、0(れい)点って言えば5点未満かもしれないんですね!?」
葉加瀬 「それは0(ゼロ)点です。無いものは無いんです。私はそんな点とったこと無いんですけれど」
さよ 「馬鹿レンジャーの人、喜ぶと思ったのに・・・」
葉加瀬 「まあ、そのあたりははっきりしていた方がいいかと。本人たちの為ですし」
さよ (そういえば私、テストって受けたこと無いな。何点ぐらい取れるのかな?)

 

531 :マロン名無しさん  2006/10/21(土) 08:30:51 ID:???  
可愛さあまって憎さ100万倍

明日菜「ホント、勉強だめな私のために一緒に残ってくれてありがとー」
あやか「そう思うなら少しでも成績を上げなさい」
明日菜「はーい」
あやか「あなたときたら、保険体育以外は全くだめなんですから…それで馬鹿力、文字通りの体育会系ですわね」
明日菜「うっさいわね、その減らず口もなんとかしなさいよ」
あやか「はいはい、そうですか」

翌日
明日菜「はい、教科書貸してくれてありがと」
あやか「借りた物を返すのは当然ですわよ」
明日菜「ふふ。いいんちょ、次の授業ってそれ使うよね」
あやか「?」

授業中
あやか「…!」
その日、予習として教えた場所に『ホントに助かったわよー。大好き♥』と落書きされていた。
あやか「全く、あの人ときたら…ボールペンで書いてなければ怒るところでしたわ」
消しゴムを取り出して消そうとするが…
あやか「………はぁー」
悔しいことに、こんなシャーペンの走り書きが消せない自分が馬鹿らしく思えた。
亜子「いいんちょ、あたっとるでー。何教科書隠しとるん?」
あやか「!?」
後ろの席で笑っている明日菜が、憎いというか可愛げがあるというか…


532 :マロン名無しさん  2006/10/21(土) 08:31:33 ID:???  
おまけ

あやか「アスナさん、進路希望調査書けましたか?」
明日菜「あ、うん。じゃよろしくー」

『エレベーターで高等部に行く』

あやか「…(が、学力以前の問題ですわ)」
明日菜「おーい、どうした?いいんちょー」
つくづくこの学園がエスカレーター式であってよかったと思うあやかだった。
533 :マロン名無しさん  2006/10/21(土) 08:57:27 ID:???  
エレベーターwwwww

 

537 :マロン名無しさん  2006/10/21(土) 16:34:47 ID:???  
大切な日

今日は特別な日、村上夏美はうきうきして公園で待っていた。
待ち合わせ時間は5時、大好きな葉加瀬聡美とデートの時間まで約30分。
「わー!約束の時間まで30分以上もあるよー。早く来過ぎたー」
一人で慌てるがどうしようもない。黙って待つことにした。
ぼんやりしていること約30分ほど、ようやく約束の5時だ。
「…なーんて5時きっかりに来るわけないか」
聡美はいつでも時間には何分か遅れてやってくる。研究所の手伝いなどで遅れるのが当たり前。
夏美もまた演劇などの遅れで聡美を何度か待たせてしまったことがある。
このくらいは全く苦にならない……だが

「来ない」
もう夜の7時を越えている。約束の時間から2時間過ぎてしまった。
何度かメールや電話をかけているのだが全く繋がらず。
もう何度目かの、祈る思いで携帯に電話をしてみた。
『……プッ…こちら』
「あ!ハカセ?」
『―おかけになった電話番号はただいま電波の届かない…
電話をすぐ切った。完全なるぬか喜び。
「はぁ~~~~~」
思いっきり脱力してベンチに座る。

さらに1時間待った、もう8時を過ぎた。
「どうしちゃったんだろ、ハカセ」
もしかして約束を忘れた?折角自分で準備したのに待ちぼうけの挙句忘れられたとなると最悪だ。
半泣き状態でベンチで待ち続ける。聡美が来るのをただ祈る思いで待ち続けた。
538 :マロン名無しさん  2006/10/21(土) 16:35:21 ID:???  
今日ほど大事な日はないというのに…
「…ハカセ?」
公園の入り口付近で息を上げている少女が一人。片手に小さな荷物を持って肩で息をしている状態。
ずっと待ち続けていた聡美だ。
「ハカセー!」
予定を3時間以上遅れて現れた聡美は申し訳なさそうな顔をしていた。
「ごめん夏美。電車が事故で立ち往生して動けなかったの…必死で走ったんだけど私、体力ないから足が縺れて何度も転んで…」
通りで白衣が泥だらけになっているはずだ。しかも膝は擦りむいて血が滲んでいる。
それでも歩みを止めることは出来なかった。今日は一年に一回、夏美の…

必死で遅れた理由を言う聡美の声は徐々に涙声になっていた。
「携帯の電池も切れ…ちゃって…連絡とれな…くて…ごめんね、ごめんね夏美ぃ…大事な日なのに…」
ボロボロの体で泣き出す聡美をそっと抱きしめる夏美。
「ありがとハカセ」
「…あとケーキ。時間がないからショートケーキ二つしかもって来れなくて…」
聡美が持っていた箱の中には小さなショートケーキが二つ。
「ありがと、本当にありがと」
「夏美……あ…」
夏美の温かみを受けてか、聡美の膝が折れ夏美にもたれかかる。

「ハカセ!?」
「ごめん…もう、歩けないや…」
体力があまりない体で必死で走って疲労困憊の聡美の体を抱きしめる夏美。
同じように聡美も夏美の体を抱きしめた。
そして誰も居ない公園の入り口でそっとキスを交わす。
聡美は声を出して言った、やっと伝えられる言葉。そして夏美は待ってましたとばかりに笑う。

「お誕生日おめでとう。夏美」

 

542 :マロン名無しさん  2006/10/21(土) 18:11:23 ID:???  
「呼び方を考えようと思うのよ」
「は?」
昼休み。
麻帆良の生徒が弁当や食堂やらを有効活用するこの時間、夏美は唐突にそう言われた。
「ハルナ、呼び方って何?」
夏美が弁当を片手に持った状態で訊く。
訊かれた方、ハルナは答える。
「アダ名よ、アダ名。いいんちょとか超りんとか色々あるでしょ?」
「あるけどさ。誰のアダ名考えるの?」
「あんたに決まってるじゃない!」
キミに決めた!といった感じで指を突きつけてくるハルナ。
対する夏美は困ってしまった。
アダ名なんて、地味な私には必要ない物だ。
実際原作でもアダ名は無いし。
「呼び方なんて、普通に夏美、とか村上、でいいよ」
「それじゃつまんないの!」
「つまんないって……、そういう問題?」
「それ以外ある?」
逆に訊き返された。
少し困惑気味に反論してみる。
「で、でも、普通は仲良くなりたいとか、そういう理由じゃあ……」
「実は私、とっても仲良くなりたいんだ」
「いや凄い付け足し臭いよ」
「まぁいいじゃない。これは決定なの!反論は一年後に聞くわ!」
「それ卒業しちゃってるじゃん!」
「気にしないの!それにもうアダ名は考えてきたんだから」
ハルナは自分の鞄を漁り、一枚の紙を取り出した。
そしてビシッと夏美の眼前に突きつける。
「今日から夏美のアダ名は、『むらむら』よ!」
紙には筆で堂々と『命名、むらむら』と書いてあった。
543 :マロン名無しさん  2006/10/21(土) 18:12:25 ID:???  
その隣ではデフォルメされたハルナがズッバーン!と効果音付きで、丁度今のハルナと同じポーズをしている。
……むらむら。むらむら、か。
夏美は一度ハルナから視線を外し、窓の外を見た。
木に小鳥が止まって鳴いている。
あの鳥もいつかは大きくなり、そして老いて死んでいくのだろう。
そう、この地球では常に何かが生まれ、何かが消えていく。
私もその大きな循環の一部なのだ。
大宇宙の法則に触れ、広く、そして客観的な視点を持った夏美は、再び紙を見つめた。
それにしても、むらむら。むらむら、か。
「……ヤダ」
「えぇー!?な、なんでよ!」
大袈裟に仰け反りショックを表現するハルナ。
夏美は苦笑しつつ、
「なんと言うか、そのアダ名は流石に無理があるって。普通に呼んでよ」
「いやちょっと待ってよ!むらむらだ無理ないって!むしろ本名がこれでも良いくらいだって!」
「いや良いわけないでしょ!とにかく、むらむらはダメ!」
「待ってよ!ほらこれ、カタカナにすると『ムラムラ』になって性欲を持て余してるみたいで素敵じゃない?」
「どこが!?むしろそれマイナスポイントだよ!」
「えっと、じゃあ漢字にしてみよう!村々ってほら、その、村が二つもあるのよ!?」
「それ全然魅力を感じないよ!」
「何言ってるの!村ってのは人が集まり、生活する大切な場所……。そしてその村が二つ!二つよ!?倍率ドン、さらに倍!はらたいらさんに3点よ!」
「点少なっ!はらたいらさんが怒るって!」
「それに、むらむらは言い換えると『むら×2』。これをひらがなに直して並び替えると『からにむける』、漢字に変換して『空に向ける』になる……。
空は別の読み方で『そら』。そう、つまりこのアダ名は高い空へ向かって行く向上心の表れを示しているのよ!」
「……へぇー」
ちょっと感心してみた。
するとハルナはさらにショックを受けたように仰け反る。
「な、なによその反応は!そこは『なんだってー!』って返すのが普通でしょ!?」
「……いや普通とか言われても。それ意味あるの?」
「MMRを知らないの!?むらむらにはガッカリだよ!」
544 :マロン名無しさん  2006/10/21(土) 18:13:02 ID:???  
「むらむらは決定済みなの!?むしろそこにガッカリだよ!」
「あーもう、文句ばっかり!何が不満だってのさ!」
「全部だよ!そもそも何で急にそんなアダ名なのさ!」
根本的な疑問をぶつけると、ハルナは明後日の方向を見て、
「それはね、海より高く山より深い理由があるのよ」
「普通逆だよね?……と言うか、つまり無いって事?」
「いやあるにはあるのよ?ほら、ウチのクラスって名前の繰り返しみたいなアダ名の人いないじゃん?一人くらい居てもいいかなーって」
「そ、そんな単純な理由なの……?」
「おめでとー、アナタは31人の中から選ばれました!」
手をパチパチと叩きつつ、ハルナは怪しい勧誘のような口調で言った。
これほど外れて欲しい抽選もない。
夏美はそっと嘆息して、ふと思いついた。
「ねぇハルナ、このアダ名って私じゃなくてもいいんでしょ?その、名前の繰り返しがあれば」
「ん、まぁそうだけどさ」
「……じゃあさ、ハルナがそのアダ名になればいいじゃん。ハルハルとか」
「あっはっはー」
ハルナは笑って言った。
「ヤダ」

そして、結局どうなったかと言うと。
「むらむらー、英語の宿題写させてー」
「んー?ハルハルの国語プリント見せてくれるならいいけど」
「むらむらー」
「ハルハルー」
こんな感じで、二人が飽きるまで教室に変なアダ名が飛び交うことになったのだった。




むらむらという素敵なアダ名を考えたとある人に感謝を込めて。

 

547 :千鶴のささやかなる不在(1/6)  2006/10/21(土) 23:57:05 ID:???  

――その日、演劇部の部活から少し遅めに帰ってきた夏美は、寮の部屋に入ると、軽く首を傾げた。
3人部屋の共有スペースで、雪広あやかが1人で雑誌をパラパラとめくっている。

「あれ? いいんちょ、ちづ姉やコタロー君は?」
「ちづるさんなら、ハルナさんの所に行かれるそうですわ。
 遅くなるかもしれないから、夕食は先に食べていていいとのことでした。
 コタローさんも何やらお仕事だとか。外で食べてくると言ってましたわ」
「そっか。じゃ、今夜は私といいんちょだけか」

夏美は軽く頷きながら共有スペースを通り抜け、奥にある自室に入る。
手早く制服から着替えて、動きやすい私服に。そのまま台所に向かう。

「昨日、ちづ姉が作ったおかずの残りがあるから……それ温めればいーよね?
 あとはサラダと、冷奴でもつけて」
「どうやら夏美さんも帰りが遅いだろうと思って、お米はわたくしが砥いでセットしておきましたわ。
 もうすぐ炊き上がるはずです」
「あ、サンキュー、いいんちょ」

見れば確かに電気炊飯器は湯気を立てている。液晶表示によればあと4分で炊き上がり。
ちょうどいいタイミングだ。
夏美は手早く2人分の皿と食器を用意し、昨日のオカズを電子レンジにかけ、生野菜を洗い、豆腐を切り。
鍋ごと冷蔵庫に入れていた昨日のスープの残りを温めて。
手際よく「微妙に手抜きな」夕食の準備をする。
……まあいいだろう、どうせ2人しか居ないわけだし。
あるいは、既に千鶴は昨日のうちからの事態を見越して余分に料理を作っていたのか。十分にありうる。
だとしたらなかなか計画的だ。遠慮なく甘えさせてもらおう。
レンジがチン! と鳴って加熱完了を告げると同時に、炊飯器の方もお米が炊き上がる。
本当は多少蒸らした方がいいのだろうが、まあいいや、とお茶碗によそう。
共有スペースに作られた、掘りごたつ風のテーブルに、お盆を運ぶ。
548 :千鶴のささやかなる不在(2/6)  2006/10/21(土) 23:57:57 ID:???  

「さ、食べよ、いいんちょ」
「すいませんわね。疲れて帰ってきたのに、夏美さんだけに仕事させてしまって」
「いいのいいの。好きでやってるんだから」

ねぎらうあやか。実際、夏美「だけ」に仕事をさせていたわけではない。
見れば夏美の準備の間に、テーブルを片付けてランチョンマットを敷いて、ちゃんと準備をしている。
そもそも米を研いだのだってあやかだ。
2人はそして、手を合わせて声を揃えて唱和する。

「いただきます」
「いただきますわ」
「……ふふッ、それにしてもいいんちょ、だいぶ『できる』ようになってきたね」

ご飯を一口口元に運んで、小さく微笑む夏美。首を傾げるあやか。

「何のことですの?」
「いや、だって最初の頃、いいんちょってお米研ぐこともしなかったでしょ?
 ご飯運ばれてくるまで、何もせずに待ってたりしたし」
「あれは……申し訳ありませんわ。慣れていなかったもので」
「いや、責めてるわけじゃないんだけどさ。ただ、かなり変わったな~、って思って」

そう。寮の自室で同居を始めた当初は……あやかは、まるでそういう仕事が、できなかった。
否、料理なら十分な技量があった。家庭科の成績も良かったし、料理の技術は一流シェフ直伝のものだ。

ただ、そういう家事を、自然にするという「習慣」が無かった。
メイドやらシェフやらが、全部やってくれる環境に、慣れすぎていた。

悪気があったわけではない。むしろあやかは、自分のそういう部分を大いに恥じ、注意していた。
それでもこういう仕事が自然にできるようになるまで、相当な時間を要したのだ。
夏美は食事を頬張りながら、クスリと微笑む。

549 :千鶴のささやかなる不在(3/6)  2006/10/21(土) 23:59:10 ID:???  
「いいんちょも、ちづ姉に散々仕込まれたもんね。
 残り物のおかずだって、昔はいいんちょ、平気で捨てようとしてたし」
「…………」
「……あ、ゴメンね。嫌味とかそーゆーつもりじゃ、なかったんだけど……」

何気なしに言った言葉に対し、沈黙したあやか。
夏美は反射的に謝ったが、しかしあやかの表情は少し真剣だ。
しばし「昨日の残り」のがんもどきの煮付けに目を留めて、言葉を探す。

「確かに、ちづるさんには色々教えて頂きましたが……それだけじゃ、ないですわ」
「へ?」
「むしろ、ちづるさんは寛容過ぎる部分がありますし。
 わたくしがここまで変わることができたのは……むしろ、夏美さんのお陰です」
「わ、私!? そんな……私、何もしてないよ?」

真剣な表情で言い切られ、夏美は目を白黒させる。
一体、自分が何をしたというのか? いや、何が出来たというのか?
地味で、フツーで、特に取り柄らしい取り柄のない自分。
こんな自分が、いいんちょを「変える」ことなんて……。

「いいえ。夏美さんは、わたくしに多くのことを教えて下さいましたわ。
 確かに大声を上げたりはなさいませんでしたけど……無言の抗議や、非難するような目で」
「……ごめん、いいんちょ」
「いえ、責めているわけでなく……夏美さんは、わたくしに『常識』を教えて下さったのです。
 狭い世界しか知らなかったわたくしに、一般社会の常識というものを。
 こういうことって、なかなか聞いても分かることではありませんしね」

あやかは微笑みながら答える。心からの感謝を込めて、素直に語る。

「一緒に暮らす以上、当然やらねばならないこと。
 食べ物を大事にすること。決して『ケチ』ではない、健全な節約の精神。
 ……みんな、夏美さんから学ばせて頂いたことですわ」
550 :千鶴のささやかなる不在(4/6)  2006/10/22(日) 00:00:27 ID:???  
しみじみと言うあやか。
彼女は、こういうことで嘘をつく人間ではない。誇張するような人間でもない。
裏表のない、心からの言葉なのだと夏美にも分かる。
分かるけれども……夏美には、にわかに受け入れがたい。
しばし箸を止めて、うつむいてしまう。

「……私、そんな凄い人じゃない……」
「自分を卑下するのは、夏美さんの悪い癖ですわ。夏美さんは、十分に素晴らしい方です」
「私……いいんちょは、私にないもの全部持ってるんだと思ってた。
 全部持ってて、私がいいんちょに何か出来ることって、何もないんだと思ってた」

訥々と、夏美は言葉を吐く。
胸の奥に溜まっていたものを、決して上手でない言葉で、淡々と語る。

「いいんちょって、何でもできると思ってた。
 勉強も出来るし、スポーツも得意だし、リーダーシップあるし。
 綺麗で、肌もスベスベで、カッコよくて、ちづ姉ほどじゃないけど、おっぱいもおっきくて。
 自信たっぷりで、お金持ちで、わざわざ自分で色んなことする必要なくって……
 すごい人だな、って思ってた。憧れてた。
 だから、中学で寮の部屋が一緒に決まって、ちょっと嬉しかった」
「嬉しいですわ、そういう風に思って頂けていたなら」
「でも……でも! 私は、いいんちょみたいに綺麗じゃないし! 『フツー』だし!
 自分のこと、好きになれないし!
 いいんちょに褒めてもらうようなこと、何もない……!」

思わず叫びながら目の端に涙を滲ませる夏美に対し。
あやかはスープを一口すすると、ゆっくりと呟いた。

「……何度でも言いますわ。
 夏美さんは、素敵な方です。
 自分のことを必要以上に卑下するその癖だけは、ちょっと問題ですけどね」
551 :千鶴のささやかなる不在(5/6)  2006/10/22(日) 00:01:05 ID:???  
あやかは夏美の目を見つめる。
優しい微笑みを浮かべて、諭すように言い聞かせる。

「あなたは、『フツー』という言葉を、さも悪いことのように言いますが……
 わたくしから見れば、それこそが夏美さんの魅力ですわ」
「……そうなのかな」
「ウチのクラスは、良くも悪くも個性的でしょう?
 その中で『普通』を保てるというのは、一種の『強さ』だと思いますわ。
 わたくしがクラスの運営などで困った時、いつも頼りにするのは、夏美さんの表情ですのよ?」
「え、私!?」
「夏美さんが賛成なされば、まあそうヒドい失敗はしないだろうと。
 逆に、不安そうな表情、嫌そうな表情の時は、何か問題があるんじゃないかと再チェックせねばなりません。
 わたくしは貴女の『強さ』を信頼し、また羨ましくも思っているのですわ」

そんなこと――考えもしなかった。
『フツー』であることが、『強さ』だなんて。あのいいんちょが、頼りにしていたなんて。
しばし絶句した夏美は、相当悩んだ末、ぽつりと言葉を漏らした。

「……そう、なのかな」
「そうなのですわ」
「私、本当は、変わりたいんだけど」
「それが夏美さんの本当の願いなら、成るようになりますわ。
 ただ、焦って自分を変えようとしても、良くありませんわ」
「そう……なんだろうね。うん」
「そうなのだと思いますわ」

微笑みあう2人。
すっかり緊張は解け、自然と笑みがこぼれる。
552 :千鶴のささやかなる不在(6/6)  2006/10/22(日) 00:01:39 ID:???  
「……そういえばこんな話、したこともなかったね」
「普段はちづるさんがいらっしゃいますからね。あとはあのお猿さんとかも」
「私、いいんちょと同じ部屋で、良かったな」
「わたくしもですわ。夏美さんと同じ部屋で、本当に良かった」

ガチャリ。
微笑みあう2人耳に、ドアが開く音が響く。
顔を出したのは、もう1人の住人。那波千鶴。


「すっかり遅くなっちゃったわ。ご飯、残ってるかしら?」
「あ、ちづ姉、お帰り~。うん、残ってるよ~。今準備する」
「おかえりなさい、ちづるさん。泊まってらっしゃっても良かったのに」

2人はニコニコしながら席を立ち、仲良く千鶴の分の膳を準備する。
その様子に、千鶴は首を捻って。

「あらあら、2人ともご機嫌ねぇ。何があったの?」
「何があったって……ねぇ?」
「何も無かったと言えば何もありませんでしたし……」
「あら、隠し事かしら?」

千鶴のとぼけた声に、夏美とあやかは顔を見合わせて、
声を揃えて、微笑んだ。

「「うふふ……内緒☆」」

                (終わり)

 

555 :マロン名無しさん  2006/10/22(日) 01:04:01 ID:???  
「ザジー」
「……?」
「みそ汁ができたんだけど、味見してくんね?」
「…ん。」
「熱いから気をつ」
「…ずずー……っ! あうっ」
「って、言ったそばからヤケドすんなよ。ちゃんと冷ましてから飲めよな」
「……うん。……ジャー(水道水混入)」
「…………」
「…ん、だしがきいてておいしいけど、……ちょっとうすいかな」
「お前バカだろ」

 

558名前:マロン名無しさん[sage]投稿日:2006/10/22(日) 07:16:52 ID:???
三分後に投下します
遅刻だけど夏美誕生日編です。二本あるので一つはこっちで・・・

http://arakawa.tn.st/uploaders/zazie_chiu/src/up0045.txt

559 :されど二人は蕾のままで・3  2006/10/22(日) 07:20:00 ID:???  
されど二人は蕾のままで・3

1/5

 早朝。人影の無い女子寮の廊下を夏美は歩く。一足先に目覚めたのだから、と今から朝の散歩を楽しむつもりだ。
まだ空は薄暗く、風はやや冷たい。もうしばらくすると、冬がやってくる。
 と、そこで―――
「きゃああっ!?」
 突然、夏美は背後から何者かに抱きつかれた。驚いた夏美は悲鳴を上げつつ、しゃがみ込んでしまう。すると、
 べちゃっ。
 相手は思いのほか軽かったせいか、そのまま夏美に投げ飛ばされるような形で背中から床に落ちた。
いきなり抱き付いてきた相手の正体が判明し、夏美は慌てて声を掛ける。
「きゅうぅぅ……」
「ご、ごめんまきちゃん! 大丈夫!?」
「あはは……。ハッピーバースディ夏美ちゃん……」
 こうして、夏美の誕生日は始まった―――

 小鳥の囀りが響く散歩道。二人の少女が並んで歩く。時折、ジョギング中の人とすれ違い、その度にまき絵は
元気一杯の挨拶を交わす。
「まきちゃんていつもこんなに早く起きてるの?」
「んー、今日はたまたま。この前まで朝練やってたからね~」
 先程の自爆もなんのその、まき絵はご機嫌な様子で答える。
「ふーん。さっきの人も顔見知りなの?」
「そだね。たまーにバイト中のアスナとも会うよ。楓ちゃんもよくおさんぽしてるし。あとは……」
 ちょうど公園にさし掛かった所で、まき絵はきょろきょろとお目当ての人物を探す。
「きまぐれで朝練やってるバスケ部員がいるんだよね~♪」
「ふふっ、そうなんだ」
 二人の視線はバスケのコートに注がれる。そこには、一心不乱にシュート練習をしている裕奈の姿があった。
「ちょっと覗いてく?」
 まき絵がにっこりと尋ねると、夏美もこくりと頷いた。
560 :されど二人は蕾のままで・3  2006/10/22(日) 07:20:37 ID:???  
2/5

「うわあ……、やっぱりゆーなって上手……」
 鮮やかにスリーポイントを決める裕奈に、夏美は感嘆する。
「こーゆー人の居ない時間にこっそり練習してる辺りがゆーならしいでしょ?」
「だね。いつもはパルや桜子とわいわい騒いでて、ちょっぴりいい加減なイメージあるけど、
部活でもゆーなって居残り練習とかしっかりこなしてるもんね……」
 夏美はしばし裕奈の練習風景に目を奪われる。いつもと同じ、笑顔で練習に打ち込む裕奈。だが、その姿は
どことなく普段より大人びて見える。シュートを打つ瞬間に垣間見る表情など、真剣そのものだ。
「ふふっ、亜子の気持ちも分かるなあ……。こんなにカッコイイとこ見せられたら……」
 まき絵が呟くと、夏美も神妙な面持ちで頷く。そして、ぽつりと口を開いた。
「何かに打ち込んでる人って、やっぱりカッコイイよね……」
「ふふん。それは村上もおんなじだって!」
 ようやく見学者に気付いたのか、裕奈は二人の元へぱたぱたと駆け寄り、すぐさまツッコミを入れた。
「おっはよー、ゆーな!」
「おはよ。にしても村上が一緒なんて珍しいね」
「えっへへー。今デート中なの♪」
 まき絵は冗談交じりに答える。けれど、夏美の方はやや気恥ずかしい様子で少し俯き加減であった。
「ゆーな。私もおんなじ、って……?」
 そして、夏美はおそるおそる先程の裕奈の発言を問い質す。すると裕奈は一瞬だけきょとんとしたものの、
すぐさま笑顔で答えた。
「なーに謙遜してんの! 演技してる時の村上ってさ、すっげカッコイイじゃん!!」
「そ、そうなの……?」
「うんうんっ!」
 まき絵も同調して元気に頷いている。夏美は苦笑交じりに口元に指を当て、うーんと唸った。
「ま、そーゆーのは自分じゃ分かんないしね。あたしだってカッコイイなんて言われてもピンと来ないもん。
まき絵がまだまだお子ちゃまなのは事実だけどね~?」
「うるさいよ、そこ!」
 ぷくーっ、と頬を膨らませるまき絵に、ようやく夏美もくすくすと笑顔を除かせるのであった。
561 :されど二人は蕾のままで・3  2006/10/22(日) 07:21:15 ID:???  
3/5

「―――しっかし、村上に会うんだったらプレゼント用意しとけばよかったにゃー」
 裕奈はこりこりと頬を掻く。さすがにそれは都合が良すぎるというものだ。けれど……、
「へへー、私はちゃーんと用意してたよー」
「お、準備いいじゃん」
「まーねー。小物だったから、いつでも渡せるように持ち歩いてたんだ♪」
 ごそごそとまき絵はポケットの中を探る。そして、可愛らしく包装された小さな箱を取り出した。
まき絵の手際の良さに、夏美は妙に感心してしまう。
「はい夏美ちゃん。一足先にお誕生日プレゼントだよ!」
「ありがと、まきちゃん。―――ねえ、開けてもいいかな?」
「うんっ!」
 まき絵のお許しが出たので、夏美はそっと中身を確認する。裕奈も興味津々で様子を窺う。そして、
「うお、まき絵にしては意外なトコで来たね!」
 予想外のプレゼントに思わず声を上げてしまった。まき絵のプレゼント。それはピンクのルージュであった。
「わわっ。私にルージュなんて似合うかなあ……」
 夏美もこれは想定外だったらしく、しきりにルージュとにらめっこしている。
「だいじょーぶっ! とびっきりカワイイ色を選んだからねっ!」
 何故か自信たっぷりなまき絵に、夏美はちょっぴり苦笑してしまう。
「オトナの女性になる為には、お化粧も上手くならないとねっ!」
「亜子に聞いた話だと、まき絵のお化粧は凄まじい出来映えらしいけどね♪」
「むーっ、まだ練習中なのっ!!」
 再び頬を膨らませるまき絵をスルーしつつ、裕奈はそっと夏美に囁いた。
「今日ぐらいは背伸びしてもいいじゃん。口紅引いてオトナっぽくキメた姿をハカセに見せちゃえ!」
「ゆ、ゆーな!」
 途端に顔を赤くする夏美。けれど、すぐさまその表情は笑顔に変わる。
「―――うん。でもまあ、たまにはいいかな?」
「決まりだね♪ じゃあ放課後に亜子と一緒に行くから、楽しみにしてるよっ!」
 まんまと裕奈の口車に乗ってしまった気もするが、夏美は穏やかな表情で小さく頷いた。
562 :されど二人は蕾のままで・3  2006/10/22(日) 07:21:58 ID:???  
4/5

「ありがとね、まきちゃん。大人の女性、かあ……」
 夏美はしみじみと呟く。と、そこで思わぬ行動に出た。
「でもさ、まきちゃんにはそのままでいて欲しい気もするなあ……」
「へっ?」
 夏美はそっとまき絵の肩に手を掛ける。素っ頓狂な声を上げるまき絵に対し、夏美はそっと顔を近付けた。
「まきちゃんはさ、明るくてカワイイからね。いいんちょの気持ちも分かるもの……」
「えっ? えっ?」
 そのまま夏美はまき絵の頬に手を掛け、流し目を送る。それは、普段の夏美からは考えられないような、
艶やかな視線であった。これにはまき絵もすっかり動揺している。そして裕奈も。
「あ、あの村上?」
「な、夏美ちゃんどうしたの……?」
 妖しいムードを漂わせながら、夏美は囁く。
「まきちゃん、私のこと好き……?」
「そ、そんなの当たり前……」
「いいんちょよりも?」
「ええっ!? す、好きってそういうイミの……!」
「そうだよ……!」
 まき絵の胸は早鐘のように高鳴る一方だ。そして、夏美はゆっくりと唇を近付けた。
「ちょっ、夏美ちゃんやめっ……!」
「わーっ! 村上ストップ! ストーップ!」
 まき絵は小さく悲鳴を上げ、裕奈も慌てて止めに入る。そして―――

「―――とまあ、こんなカンジかな?」

 次の瞬間、夏美はすっ、と顔を引き、悪戯っぽく笑ったのだ。思わずまき絵も裕奈もぽかーんとしてしまう。
「ねえねえ、大人の女性って雰囲気出てた?」
 何の事はない。全ては演技だったのだ。まき絵はへなへなとその場に崩れ落ち、裕奈はやれやれとばかりに
大きく息をついた。
563 :されど二人は蕾のままで・3  2006/10/22(日) 07:23:33 ID:???  
5/5

「ちぇー。さっすが村上ってトコか。まんまと一杯食わさせたにゃー」
「ふふっ、たまにはこういうのも面白いでしょ?」
 夏美と裕奈が和やかにおしゃべりしている間、まき絵はしゃがみ込んだまま心の中で弁明していた。
(ううっ、ごめんねあやか。ちょっとだけぐらっときちゃったよ……)
 まだどきどきが収まらない。まき絵は改めて夏美の演技力を見せ付けられたのであった。ゆっくりと深呼吸し、
まき絵はようやく立ち上がる。
「もう、夏美ちゃんのいぢわる~」
「ごめんごめん。でもね―――」
 夏美はぺろりと小さく舌を出す。そして、まき絵の耳元でそっと囁いた。
「まきちゃんがカワイイって言ったのは、演技なんかじゃないよ―――!」
「―――!!!」
 ぼんっ! とまき絵の顔が真っ赤になる。これは完全にとどめの一撃であった。まき絵は両手で
顔を覆い隠しながら、再びしゃがみ込んでしまう。
「ふふっ、やっぱりカワイイ♪ ゆーなもそう思うよね?」
 にっこりと尋ねる夏美に、さすがの裕奈も呆然とするのであった。
「いいんちょ一筋のまき絵をここまで動揺させるなんて……。村上、なんて恐ろしい子……!」

 どうやら村上夏美という人物は、周囲が思ってた以上に大人の女性として成長していたようで、
夏美はちょっぴり自分に自信を持つことになったそうな。
 そして、まき絵はというと……、

「ま、まき絵? 今日は一段と積極的ですわね……」
「うんっ! 今日はね、ずっとあやかの手を離さないんだからっ!」
 ぐらついてしまった自分の気持ちを戒める為に、この日は終始あやかにべったりであったそうで―――

(おしまい)

 

570 :マロン名無しさん  2006/10/22(日) 21:41:50 ID:???  
は か な つ

それは愛しい人がくしゃみをしたことから始まった。
夏美「…っしゅん」
葉加瀬「あれ。夏美、風邪?」
夏美「うーん、でも大丈夫だよ。ここ最近忙しかったしね」
葉加瀬「…」
夏美「ど、どうしたのハカセ」
こつんとおでこ同士を合わせる。
夏美「あ、ハカセ…」
葉加瀬「やっぱり」

付き合って分かったけど、夏美が無理をしている時の笑顔が分かる気がした。
葉加瀬「もー、やっぱり8度もあるじゃない」
夏美「でも、ダルかったけどそんなにあると思わなかったもん」
葉加瀬「もぅ…そんなに無理をしたらだめじゃない」
夏美「いいの、私は少し無理をする方がちょうどいいの」
葉加瀬「…ばーか」
夏美「え゛っ」ガーン

葉加瀬「だからって心配かけていい事はないでしょ。夏美に何かあったら私が困るの!」
夏美「ハカセ…」
葉加瀬「シート張るからおでこ出して」
夏美「うん」
葉加瀬「その前に」
夏美のおでこにでこぴんをする葉加瀬。
夏美「痛っ…えへへ」
葉加瀬「あはは。こんな時くらい私を頼ってね」
夏美「うん」

 

571 :刀子 危機一髪  2006/10/22(日) 22:24:10 ID:???  
刀子 危機一髪


刹那と仕事する機会も増え、連携も少しばかり慣れてきたときのことでした

刀子 「いけない!!!刹那!!!」
相手はただの妖魔でした。しかし、一瞬の隙を突かれたのです
刹那 「刀子さん!!!ああっ!!!」
そして我々は捕らえられました


妖魔1 「グゲゲ・・・ナカナカ手コズラセテクレタナ」
妖魔2 「コノ御礼ハタップリトサセテモラウゼ?」
妖魔たちの下卑た笑いがあたりに響きます
捕らえられた私たちは、後ろ手に縛られて座らされました

刀子 「わ、私はどうなっても良いから・・・刹那には手を出さないで」
そう言ったのに・・・あいつらときたら

妖魔1 「ヤッパリ”若い”ホウガ良イヨナ・・・」
妖魔2 「コッチノホウガ”ぴちぴち”ダヨナ・・・」

刀子 「な、なんですってぇ!!!」

その後はよく覚えてはいません。私はタカミチさんに取り押さえられるまで暴れていたそうです

刹那 「と、刀子さん・・・古いからって良くないことは無いと思います。だから・・・頑張ってください!!!」

泣くもんか!!!泣いてないんだもん!!!
でもね、涙は止まってくれないの

 

575 :超悪友  2006/10/23(月) 01:05:12 ID:???  
超悪友

屋上
千雨「あー…何か面白れぇことねぇかなぁ~。あ、朝倉。火貸せ」
朝倉「ちうちゃん、そんなに煙草吸ってたらキスがまずくなっちゃうぞ」
千雨「それ人のこと言えるのか?」
朝倉「あはは、そうなんだけどね」

ボーーーーーー

千雨「あちちっ。何だぁ!?煙草がいきなり燃え出したぞ!」
朝倉「うーん。こんなことがあるからしばらく煙草を吸うの控えたほうがいいよ…」
千雨「理解できねぇ…超常現象か今の?」
朝倉「さよちゃん。今のは露骨過ぎるって」
さよ「だめです。中学生なのに煙草はいけません!」
朝倉「はー。仕方ないか…」
千雨「面白くねぇ」ポイッ

風香「あー。煙草吸ってるー」
史伽「いけないんですよー」
千雨「…丁度いいや。お前ら少し付き合え」
風香「何!?カツアゲはお断りだぞー」
朝倉「あー大丈夫だって。こういう場合の付き合うって…」

教室
千雨「はい。ロン」
風香「なにそれー」
史伽「全然勝てないですー」
朝倉「あはは…千雨って本当に初心者でも容赦ないね」
576 :超悪友  2006/10/23(月) 01:05:45 ID:???  
千雨「オラ双子。出せ」
風香「もう何もないよー」
史伽「ない物出されても無理ですー」
朝倉「分かってないなー。相手をハコにした場合は、服を脱ぐんだよ」
風香「何ーっ!この不良めー。僕たちを裸にする気だなー」
史伽「エッチなのはいけないことですー」
千雨「ったりめぇだろ。こちとらテメェら双子を裸にひん剥いて泣かしてぇんだよ」
風香・史伽「…」
朝倉「本当に容赦ないね千雨…」

さよ「おいはぎも身包み剥がすのもだめですよー!」

 

582 :真名ちゃんもっこり日記122  2006/10/23(月) 06:06:10 ID:???  
真名ちゃんもっこり日記122

朝早く起きるというのは本当に気持ちがいいものだ。
昨日、アキラと濃厚な世界にダイビングしたから腰の動きとかがクイックだ。
逆にアキラはものすごく鈍くなったのだがな…

「にゃお~ん」
おぉ明石か。お前も朝日を眺めに来たか、ほらかつおぶしだぞ。
「うにゃ~ん」
コリコリと音を立てて食べる姿は本当に可愛い、襲いたいくらいだ。
「明石さん、どうぞ。温かいミルクです」
「にゃ」
くぅぅぅぅぅっぅぅぅ~~~~。おのれおのれおのれ!あのロボ!
「あの危険人物に触れるとあっという間にヤられてしまうから、気をつけてください」
ちょっと待て。それは誰のことを言っているのかな?茶々丸さんよ。

ん?こんな所に誰かが寝ているぞ?
…刹那?何でこんな所で寝ている。
「おい、起きろ。何でこんな所で何をしている」
「…………コケコッコー!!!!」

!?!?!?!?!?!?!?!?
「はっ!私としたことが、ついうっかり…」
私の刹那に対する疑惑はさらに強まった。

 

586 :さよ 小さな知識  2006/10/23(月) 17:51:16 ID:???  
さよ 小さな知識


さよ 「最近お輪を鳴らして遊んでいるさよです」
刀子 「妙な気配がします・・・あなたですね!!!妖魔の類ですか!!!」
さよ 「しくしくしく・・・それはあんまりです。これでも刹那さんのクラスメートなのに・・・」
刀子 「そ、それは失礼しました。しかし何ですね、3-Aって人外が多いですね」
さよ 「・・・今日は反撃です~!!」


さよ 「今日は母子手帳についてです」
刀子 「ぼ、母子手帳!?それがどうかしたんですか?」
さよ 「それが何なのかはご存じですよね?」
刀子 「こ、子供を産んだときに貰える手帳よ」
さよ 「実はですね・・・地区によっては違う所もあるんですけれど・・・」
刀子 「ゴクリ・・・」
さよ 「35歳以上での出産は高齢出産として○高(○の中に高)マークがついてしまうんです!!!」
刀子 「ヒィッ!!!」
さよ 「うふふ・・・高齢出産マークですよ?私はもういいですけれども・・・あなたは・・・どうですか?」

刀子 「ち、ちがうもん!!!私まだ・・・間に合うもん!!!」
さよ 「うふふ・・・どうでしょうか、ねぇ・・・」
刀子 「うわぁぁぁん!!!」

さよ 「今日は・・・私の場所を守りました!!!頑張りましたです」

 

597 :マロン名無しさん  2006/10/23(月) 22:39:32 ID:???  
好きな人

「その人が好きだ」
そう意識することでいっそう好意がつのっていくことを
心理学で『ラベリング効果』というそうです。

まき絵「はぁ~、練習疲れたー」
練習を終えて帰るまき絵だが、そこであやかを発見する。
まき絵「あやかー。何してるのー?」
あやか「あらまき絵、ここで四葉のクローバーが見つかったと聞きまして」
まき絵「へー。探してるんだ」
何気に隣に座って一緒に探すまき絵。
あやか「…」
まき絵「うーん、ないな~」
あやか「ふふふ、そこまで私のためにしてくださるなんて」
まき絵「そりゃ大好きなあやかのためだもん」
あやか「まき絵…」

そして、ようやく四葉のクローバーを見つける。
あやか「ありましたわ…でも」
まき絵「ん?」
あやか「やっぱりいいですわ。そんなものに頼らなくても、幸せですもの」
まき絵「うん」
この恋心はきっと、決して剥がれることはないだろう。

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最終更新:2007年09月07日 02:50