タクシー問題の答え
ここで求めるのは、目撃者が「青のタクシーが轢いた」と証言した条件があるときの青のタクシーが真犯人である確率です。
P(青のタクシーが真犯人|「青のタクシー」と証言)=P(青のタクシーが真犯人でかつ、「青のタクシー」と証言)/P(「青のタクシー」と証言)
を求めることになります。
タクシーによるひき逃げ事件なので、目撃証言の得られる前の緑のタクシーが真犯人である確率は0.85、青のタクシーが真犯人である確率は0.15です。一方目撃者は、青のタクシーが真犯人の時に「青のタクシー」と証言する確率は0.8、緑のタクシーが真犯人の時に「青のタクシー」と証言する確率は0.2です。
よって、P(青のタクシーが真犯人でかつ、「青のタクシー」と証言)=0.15×0.8 となります。
一方、「青のタクシー」と証言するのは、証言が正しい場合もありますが、緑のタクシーが真犯人なのに誤って「青のタクシー」と証言する場合もあります。したがって、P(「青のタクシー」と証言)=0.15×0.8+0.85×0.2 となります。
という訳で答えは、P(青のタクシーが真犯人|「青のタクシー」と証言)=0.15×0.8/(0.15×0.8+0.85×0.2)=0.41…
目撃者の証言の信頼度は十分に高いとの予想を裏切って、思いのほか低い確率になると感じませんか?
警察や検察、弁護士、裁判官など、司法にたずさわる人はすべて、こういった条件付確率の勉強を学生時代にしておいて欲しいと、真剣に願わずにはおれません。
最終更新:2006年05月07日 13:20