桜場コハル作品エロパロスレ・新保管庫

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DVDケースのパッケージのあまりの過激さに、固まってしまう二人。
そしてマコちゃんがそれを傍らに置くと、何かを決心したように語りだした。

「決めたぞトウマ、オレはこれを見る!」
「な…何言ってんだよ! ここに18歳未満禁止って書いてるだろ!」
「ならトウマのおにいちゃんは18歳を越えているのか?」
「それは……まだ中一だけど。」

トウマのこの一言がマコちゃんの背中を更に後押しする。
「ならオレも見る! たとえトウマがなんと言おうと! 意志は曲げない! なぜならオレは男だから!」
「おい! ちょっとまて! 今お前は女だろ? そんなくだらない意志は曲げろ!!」
「いいや、オレは男です!! トウマ、オレはこんな格好をしていても、所詮は男なんだ! オオカミなんだ!」
「お前、それじゃあさっきまでと言ってる事が違うじゃないか!」

一向に進まない話しの展開。そしてしばらくの沈黙。
するとマコちゃんはDVDを持ったまま、黙ってソロリソロリとDVDレコーダーへと近づいて行く。
もちろんトウマはそれを止める。

「は、離せトウマ! オレはなんとしても見たいんだ! …いくらトウマが女の子だからって、容赦はしな…」
「ダーメーだッ! ……いい加減にしろー!」
「うわぁっ………イテテッ…。」
トウマに力で負け、横に投げられたマコちゃんは、机にぶつけた頭を押さえながらトウマの前へ正座した。

「力で解決は良くないよ。話し合いで解決しよう。…どうしてトウマはオレにこのDVDを見せたくないの?」
「それは……と、…とにかくダメなものはダメなんだ!」

とにかく『ダメ』しか言わないトウマ。しかし、トウマと言えどまったくそう言う事に理解が無いわけではない。
今日アキラがエッチなDVDを持っている事を知った。だからと言って軽蔑はしないし、
「まぁ男だから仕方ないか…」くらいにしか思っていない。
仮にこれがクラスの男子だったとしても同じだろう。しかしマコちゃんだけは他の男子と違う。
何故か分からないがトウマには、マコちゃんがエッチなDVDを見るのが許せない。

「どうしたトウマ、さっきエッチな本を見た時はそんなに拒否しなかったじゃないか。」
「それは…あの時は別に何も思わなかったから……。」

確かにマコちゃんの言う通り、トウマもあの時はその辺の男子と変わらない気持だったので、そこまで拒否はしていない。
でもあの後…何かがトウマの中で変わり、とにかくマコトがそんなのを見るのは嫌で仕方無かった。



トウマは考えていた。何故マコちゃんに対し、こんな風に思うようになってしまったのか。
エッチな本を見る前は確かに普通だった。…じゃあ見ている時? ……いや、それも違う。
それじゃあ指を咥えられた時? …あの時は気持ち良くて何も考えている余裕なんてなかった。
それじゃあ指を口から離された後? ……その時既には嫌だった。
つまり指を咥えられて、離されるまでの間にトウマの中でマコちゃんの見方が変わった事になる。

「とにかく、…マコトがそう言うのエッチなの見てる所を…オレは見たくないんだよ!」
「何言ってるんだ! 男は皆エッチなんだ! そしてトウマはそれを受け入れる事が出来る女を目指すんだ!
 …って、あれ? …オレがこれを見てる所をトウマは見たくないんだよな?」
「そ、そうだよ。」
「じゃあ見なければいいんじゃない?」

そう言うとマコちゃんは、トウマに少しの間部屋を出てもらうように頼み始めた。
もちろんトウマはこれを拒否する。しかしマコちゃんも諦めない。必死の説得が続く。

「いいかトウマ、男と女がこんな物を一緒に見たら、いくらオレとトウマが子供とは言えおかしな事になっちゃうだろ。」
「お…おかしな事ってなんだよ!?」
「それは……それはそれはおかしな事…なんだよ…。」

ふと傍らに置いてあるDVDのケースに目をやるマコちゃん。
そこには男性器を咥える女性……さらにはソレで体を突き上げられる本篇の一部が記載されていた。
視線の先にある物に気づき、マコちゃんが何を言おうとしたのか何となく察したトウマは、みるみる顔を赤くして、慌てて目をそらした。

「ダ…、ダメだぞ! そんなの絶対に!!」
「だろ? …だから少しだけ外で待ってて…!」

そう言ってマコちゃんは、トウマの背中を押して部屋の外に押し出し、そのまま扉を閉めてしまった。
中から聞こえてくるテレビの音…トウマはすぐにでも止めに乗り込みたいが、マコちゃんの言った「おかしな事になっちゃう」の一言がどうしてもトウマの足を引っ張る。
トウマはやりきれない気持ちを抱いたまま、文字通り指を咥えて外で待つしかなかった。
そしてその時、トウマはある事に気づく。

「ん…? そういえばこの指……さっきマコトが…。」
トウマはその事に気づくと、慌てて咥えていた指を口から離した。



「こ、これって間接キス……になるのかな。」
そう考えるとトウマはどんどん恥ずかしくなり顔を赤くする。
ゴクリと唾を飲み込むトウマ。そして今度は、その指に何度もキスをする様に唇を這わせてゆく。

(―――これは、…マコトと間接キスがしたいとかそう言うんじゃなくて、
ただマコトが分からなかった「女の気持ち」ってのがどんな感じなのか確かめる為に、その、……仕方なく…)

都合のいいように解釈するトウマだったが、だんだんその指へのキスは激しくなり、ついにはそれを咥えてしまう。
マコちゃんがしていたように、クチュクチュとエッチな音を立てて自分の指をしゃぶるトウマ。
もちろん頭の中ではマコちゃんのソレを考えながら咥えている。

「んっ、んっ…ちゅぷっ……くちゅっ……はぁ…ッ、…んッ……ぷはぁっ、……はぁっ、ハァ…ッ…。
 な、…何考えてんだオレ! ……別にこんなのマコトの事想像しなくても誰だって…。」

そう思ったトウマは、適当にクラスの男子を思い浮かべ、再び指をしゃぶりだす。
…ところが、先程の興奮を得るどころか、気持ち悪くて嫌な気分になる。
トウマはもう一度マコちゃんの事を考え咥えてみる。……不思議と嫌な気がしない。
やはりマコトの事を考えてする時だけ、胸がドキドキして興奮する…。
そしてトウマは自分の気持ちに気づく。

「オレ…もしかしてマコトの事…好きになっちゃったのかな……。」

そう考えると、ますますマコちゃんがエッチなDVDを見ることが許せなくなってくる。
しかし入れない。今入るとマコちゃんとおかしな事になってしまうから…
再び複雑な気持ちで、先程までしゃぶっていた自分の指を見つめるトウマ。…そして決心する。

「マコトとなら…好きな人となら……嫌じゃないかも。」
まるでフィールドに入るサッカー選手の如く、目をつむって祈るようなポーズを取るトウマ。
そしてついにその扉を開き部屋へと入って行く。

「マ、マコト!」
「ん? …トウマも見たくなったのか?」
部屋に入ると、そこには何も起こらないDVDの序盤を暇そうに見ているマコちゃんがいた。
「か、勘違いするなよ!! …その、…お前に一人で見させてたらさ、他のDVDとかも探しそうだから…仕方なく…。」
「?? …なんか良く分かんないけど、とりあえずこっち来れば?」
「お……おぉ。」

こうしてトウマは、マコちゃんの隣に座り一緒にエッチなDVDを見ることとなった。



相変わらずな展開に、いよいよ飽きてきた様子のマコちゃんの隣でモジモジするトウマ。
どうやら頭の中は『おかしな事』でいっぱいらしい。

「…? トウマ、どうかしたのか? まだ何も始まってないのに何か変だぞ?」
「あ、…あのさっ、……えっと、やっぱりオレ達…その、『おかしな事』……するのか?」
「?! それは分からないけど……って、急に何言い出すんだよ! …もぉ…びっくりするなぁ……」
「いや、オレだって一応女なんだから、その…いきなりじゃなくて順序がある…って言うか……」

マコちゃんが何の事だか分かっていない様子でいると、その時、丁度いいタイミングでテレビで男女がキスを始めた。
それを見てハッとするマコちゃん。そしてトウマの方へ目をやると、トウマも恥ずかしそうにそれを見ている。
トウマはテレビから視線を外すと、今度はマコちゃんへその熱い視線を送った。

「マコト、さっきも言ったけどオレは女だ。……今の見て、順序…お前にも分かるだろ?」
「えっと……ホントにするの…?」

土壇場にきて慌てだすマコちゃんをよそに、トウマはすでに目をつむってマコちゃんのキスを待っている。
(―――こ、ここで引いたら男がすたる! …行け、行くんだマコト!!)
自らを鼓舞し、勢いよくトウマの唇に自分の唇を押しつけるマコちゃん。時間にしてほんの3秒。
しかし二人にしてみれば、気が遠くなるような、とんでもなく長い時間のキス。
キスが終わると、トウマは顔を真っ赤にして、何かを確かめる様に自分の唇を触っている。

「……今、キスしたんだよな。…オレ達。」
トウマのこの言葉で、マコちゃんまで真っ赤になってしまう。
「?!! …そんな事改めて言うなよ! …は、恥ずかしいだろ!!」
「…あっ、わるい。……その、ちょっとドキドキしたからつい…。」
少しシュンとするトウマ。その姿は普段のトウマと違い、凄く女らしい。
そんなトウマをみて、マコちゃんは慌ててフォローしようとする。

「いや、…オレもドキドキしたしさ! …えっと、…トウマの唇すっごく柔らかくて気持ち良かったぞ!」
マコちゃんにそう言われ、トウマは恥ずかしそうに黙り込む…
静まり返った部屋には、依然激しいキスを続けるテレビの映像と音だけが聞こえていた。
テレビの様子をじっと見ているトウマ。そして再びマコちゃんの唇を物欲しそうな顔で見だした。

「あ…あのさっ、マコト。……テレビの方はまだキスしてるけど…オレ達もした方がいいかな……?」
「えぇ?! …でも、一度したし……」
「した方がいいよな!」
そう言って今度は、トウマが勢いよくマコちゃんの唇を奪う。しかしガチッっという音と共に歯を押さえる二人。
何故上手く出来なかったのか…トウマはテレビでキスをする様子をじっくり観察しはじめ、気づく。

「マコト、お前…ちょっと口開けてみろ。」


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