紅魔館寸劇☆書き起こし

【東方ボイスドラマ】紅魔館寸劇 試される妹さま
sm32319873(削除済)

咲夜「東方ボイスドラマ企画」

レミリア「レミリアスカーレット役、雪矢りゅう」

フランドール「フランドールスカーレット役、蠍媛」

パチュリー「パチュリー・ノーレッジ役、ひだね」

小悪魔「小悪魔役、宮瀬ケイ」

咲夜「十六夜咲夜役、五月雨楓」

美鈴「紅美鈴役、成咲実。」

フランドール「うーん、ご飯、ご飯!
今ご飯を求めて全力疾走している私は地下室に住むごく一般的な女の子。
強いて違うところを挙げると吸血鬼だってとこかな。名前はフランドールスカーレット。
そんなわけで、紅魔館の食堂にやってきたのだ」

咲夜「あれ、妹様、独り言をのたまいながら館内を歩いているなんて珍しいですわね」

フランドール「ああ、都合のいいメイド長。ういーっす、どうも、フランドールでーす。
ていうか、ちょっと口悪くない?」

咲夜「はい、メイド長の十六夜咲夜です。口臭はいつも気にしていますね。いかがされました?」

フランドール「いやあ、あなたの口臭は…どうでもよくはないけど。
こう、接待とかで不快感与えられたら困るし?
まあ、それは置いとくとして、あのね、お腹空いたの。ご飯を作って、はいどうぞ」

美鈴「ああ、何用で館内を徘徊しているのかと思ったらなるほど、空腹でしたか。
すいません、気が回りませんでしたね」

フランドール「美鈴、いたんだ」

美鈴「はい、いましたよ。
それでお食事なんですけれど、申し訳ありませんが、今手が離せなくて作れないのですよ。
食材も切れていて…」

フランドール「はあ!? 使えないわねえ」

美鈴「すいません妹様」

咲夜「反省しなさい!」

フランドール「いや、あなたも偉そうにできないわよ…
それで? この私をほったらかしておくぐらいなんだからさぞかし重大な用事なんでしょうねえ」

咲夜「はい、近々、レミリアお嬢様をねぎらうパーティーなんてものを開催しようと思っていまして、
その際にドッキリを仕掛けようと目論んでいるんです」

美鈴「その打ち合わせをしていたんですよ」

フランドール「ええー…あいつの?
いやーいやいや、カリスマ性のかけらもないあんなでくのぼうのなんてねえ。
宴会好きの鬼やパパラッチの天狗どもも興味持たないわよ、きっと。
ていうか、誰も参加しないわよ、多分。ゼロ人よゼロ人。
パーティー参加者ゼロ人よ。お金と時間と労力の無駄よ」

美鈴「そんなめちゃくちゃな…ちょっと言い過ぎじゃないですかねえ。
流石に、っていうとアレですけど、そんなことはないですよ」

咲夜「ああ…うん…そうだ、妹様に協力してもらいましょう。
ちょうど、誰にやってもらうか考えていたのよね。いいでしょう」

美鈴「はい、そうですね。うーん、いいとは思いますけども、大丈夫ですかね」

咲夜「大丈夫よ多分。こあ、小悪魔、ちょっと来なさい、早急に」

小悪魔「はい、来ました。妹様、こちらをお受け取り下さい」

フランドール「なにこれ、なんなのこの紙切れ」

小悪魔「台本です、チラシの裏とかではないです」

フランドール「ふーん、まあいいわ。ん、っていうか、あなたもいたの? さっきから?」

小悪魔「いえ、いませんでしたよ、さっきまで」

フランドール「いなかったの!? どゆこと、魔法? 魔法なの? すごいね魔法悪魔的ね」

美鈴「まあいいじゃないですか、細かいことは。
ごちゃごちゃしていると尺が足りなくなるし、さっさと読み合わしましょう」

フランドール「尺って何の!?」

咲夜「えー…こほん、はい、お粗末ながら、私がレミリアお嬢様を演じさせていただきますわ」

美鈴「じゃあ、私は状況説明をしますね、いわゆる地の文です」

フランドール「ええ…わたしはツッパってる不良!? なにそれいるの!? 紅魔館に不良いるの?」

美鈴「あ、えーっと、一応人里で行うことを想定していまして」

フランドール「あ、なるほどね、めちゃくちゃ驚いたわよ、んもー」

美鈴「はい、じゃあレミリアお嬢様が人里を優雅に練り歩き、
その可憐なる純潔の美貌をもって愚かなる人民どもを魅了しているところで」

フランドール「ちょっと、ちょっとまちなさい」

美鈴「はい」

フランドール「何その無駄に詳細な説明…気持ち悪いわねえ」

美鈴「いえ、なんとなく。気持ち悪くないですよ、むしろ…気持ちいい? 気持ちがええんじゃあって感じ?」

フランドール「気持ちいいの!?意味が分からないわよ…」

美鈴「ええ、よくわからないですけど、多分」

咲夜「素晴らしい称賛の数々だと思うのだけれど、今はマジメにやりなさい。妹様も戸惑っているわよ」

美鈴「はい、そうですね、切り替えていきましょう。
そこで…えー…不良演じるフラン様が当たりに行ってください。肩からですね。
こう…ドカンと! もしくはバシイッ! とかオラオラッ! って感じで」

フランドール「いや、後半の効果音はおかしいでしょ…」

咲夜「それじゃあ、当たったっていう体で進めましょうか。
いちいちやっていくと、中だるみしてしまいそうじゃない?」

フランドール「そうね、えー、コホン、おーいゴルルァ、嬢ちゃんどこに目ぇつけてんだぁ、オン?」

咲夜「ふっ、私としたことがハードラックとダンスっちまったようですわね。
流石生まれながらに罪を背負って生きている吸血鬼だわ。
運命にとらわれすぎて困っちゃう。ねえ、あなたもそう思わない?」

フランドール「え、なに、それは…セリフ?」

咲夜「いえ、レミリアお嬢様の言いそうなことって何かなーって考えたらこう、
端的に言えば仮定した場合のセリフですよね」

フランドール「あー…うーん、まあ言うかな…言うかぁ普通?
こいつ頭おかしいんじゃねえのって感じになりそう…ならない? どう? なりそう?」

咲夜「言いますよお、シャレオツじゃないですか、めちゃくちゃオシャンティですよ、流行の最先端になれますよ。
頭おかしいっていうのは、こう逆に? みたいな。凄すぎてこいつ頭おかしいぜガッハッハって感じですわよ」

フランドール「そうか? 言うほどか? ちょっとおかしくないか?」

咲夜「そうですよ、そうに決まってますよ。かけらもおかしくないですよ」

美鈴「お二方、無駄話していないでとりあえず進めないと。はい、セリフお願いします」

フランドール「わかったわよ…おーい、早くしろよぉ、四つん這いになるんだよぉ」

咲夜「そ、それはなにゆえ? 論理的にかつ理論的に、そして無駄なく端的に説明してくれないかしら
貴族たるもの的に、屈辱を感じるような恰好は、あまりしたくないのだけれども」

フランドール「誠意見せるんだよ、俺はロリコンなんだよ、アァン? オォン? わかってんのか?
悪い子はスパンキングって故事成語あんだろ。いやねえよ頭湧いてるのかこの不良は」

美鈴「妹様、アドリブはちょっと、控えていただきたいですね。やる気があるのは分かりますけども」

咲夜「ノリノリですわね…
コホン、いやよ、そんなの嫌。私の弱点はお尻なのよ。お尻が壊れちゃうじゃないの、優雅に壊れちゃう」

フランドール「ノリノリじゃないわよ!
お、おらあ! こっち向けー早くしろー優雅にケツ向けるんだよおい! 優雅に壊させろー! …優雅って何?」

咲夜「へへへへへ、あーれー、やめて、おくんなましーこんなの嫌よー」

レミリア「ちょ、ちょっと、なにしてるのよあなたたち、卑猥よ卑猥。女同士でとか考えられないわ」

フランドール「あ」

咲夜「お、お嬢様!? こ、これは違うんです、勘違いでございます」

美鈴「わ、わわ忘れてください! 三分歩いたらアルツハイマー発症してください!
ハリーアップ! それ、いちにのさんではい!ポーン」

レミリア「鳥頭か私は! コウモリだよ私は! 忘れられるわけないでしょ!
フランの怒鳴り声が聞こえたから何かと思ったら、なんてことしてるのよ、っていうかなにしてるの?」

咲夜「お嬢様、落ち着いて聞いてください。
私の言葉に耳を傾け、腹式呼吸で血の巡りを良くし、頭の回転を安定させて、適切な対処を導き出すのです。
これには海よりも高く山よりも深く、
それでいてしっとりとしていてべたつかない洋菓子のような事情があるのですよ。
本当です、嘘じゃないです、メイド、嘘つかないアル」

レミリア「あんたが落ち着いて腹式呼吸しなさい。っていうか逆でしょ普通。それで? フラン、弁明は?」

フランドール「えー…あー…その…事情を言っても大丈夫かな、間抜けお二人さん」

美鈴「いや良くないですよね、あと私は間抜けじゃないですよ、そこのメイドが悪い」

咲夜「聞くまでもなく、わかりきっていると思うのですけど、ていうか、人に責任を押し付けるな、門番!」

フランドール「な、なるほど…」

レミリア「えーっと、何が?」

咲夜「はい。ここは適切な対処を心がけ、油断せずに行きましょう」

美鈴「そうですね。
武術の心がけとは、いかなる時も平常心でいることですから、常駐戦陣の心掛けが自身を勝利に導くのです」

レミリア「でもあなた、結構な頻度で居眠りしたりサボタージュ起こすわよね」

美鈴「そそそそそそそそそげなことはなかろ?」

レミリア「口調が変よ」

フランドール「で、どうするの? おしとやかに解決できる? 大丈夫? どう、なにか案出そう?」

美鈴「いやあ…駄目みたいですねえ」

レミリア「冷静か!? おかしいだろ!」

フランドール「そ、それもそうだ…。ていうか、どうしよう…
こ、ここは、お、オイーゴルルァ! 嬢ちゃんどこに目ぇつけてんだあ、オォン?」

咲夜「そうよ、そのための台本」

美鈴「ナイスです、妹様! オラア! お嬢様、こっちにケツ向けろ!」

レミリア「ふざけるな! いい加減にしろ!」



小悪魔「っていうことが昼にあったんですよね、パチュリー様」

パチュリー「そう?」

小悪魔「なんか不機嫌ですね。お茶飲みます? お湯持ってきますよ」

パチュリー「いやー、なんかこう、ハブられてるのかなって…
お湯はいらないわ。お湯だけ出してどうするのよ。何の味わいもないじゃない」

小悪魔「それもそうですね。不思議ですねえ、何で言ったんだろう、女心よりも複雑な話です」

パチュリー「ていうかそうよ、
みんなだけ盛り上がって、私だけ本読んで一人っきりって、まるでぼっちじゃない。
館内ぼっちよ、ロンリーウルフよ!」

小悪魔「少し考えすぎじゃないですか、統合失調症になっちゃいますよ」

パチュリー「そんなことないわ。
こんなこと聞かれたら、アホの魔理沙や自称都会派魔法使いに笑われちゃう!
大事よ大事。本臭い女だって言われちゃうに決まりきっているわ。言うまでもなく受けあいよ!
あなたはいい加減ひきこもるのをやめなさいって言われてるわよ」

小悪魔「あはは…アッハッハハハハハ…。あ、そ、そうですか」

パチュリー「笑えないわ!」

脚本 ゲスキノコ
編集 まる

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最終更新:2018年08月26日 00:44