重心

三角形の頂点をA,B,Cとした時に、その位置ベクトルをABCとする。
なお、辺BC,辺CA,辺ABの長さをa,b,cとする。

  • 幾何学的重心
(三角形の質量や密度を考えない場合)
 G=(ABC)/3

  • 物理学的重心
(物体の力学的モーメント(力と距離のベクトル積)の和が0になる点)
 面積重心,質点重心,フレーム重心

  • 面積重心
(三角形が、面密度が一定(質量は面積と厚みに比例)で厚みが一様な面のみで構成される場合)
 頂点Aと、辺BCの中点Mを結ぶ線AM(中線)により、三角形の面積が二等分されるため、面積重心はこの中線AM上にある。
 同様に、他の頂点から引いた中線上にもあるため、この3本の中線の交点である、三角形の幾何学的重心と一致する。
 G=(ABC)/3

  • 質点重心
(三角形が、質量が等しい頂点のみで構成される場合)
 頂点Bと頂点Cの質量は等しいため、辺BCの重心は中点である。
 頂点Aと、辺BCの中点Mを結ぶ中線AMの重心は、AG:GM=2:1になる位置にある。
 頂点と中点を結ぶ線(中線)を2:1に分ける点は、三角形の幾何学的重心と一致する。
 G=(ABC)/3

 つまり、質量中心において、α=β=γの場合である。

  • フレーム重心
(三角形が、線密度が一定(質量は長さと太さに比例)で太さが一様な辺のみで構成される場合)
 線密度や太さが一定のため、辺BCの重心は中点である。
 辺BCの中点Mを、質量ka(kは線密度と太さの積)の質点とみなせる。
 同様に、辺CA,辺ABの中点を、L,Nとすると、それぞれ質量kb,kcの質点とみなせる。
 フレーム三角形ABCのフレーム重心は、質点三角形LMNの質量中心に一致する。

 質点三角形LMNの質量中心は、
 G=(Mka+Lkb+Nkc)/(ka+kb+kc)
 G=(Ma+Lb+Nc)/(a+b+c)

 中点連結定理より、辺NL=a/2,辺MN=b/2,辺LM=c/2であり、
 G=(Ma/2+Lb/2+Nc/2)/(a/2+b/2+c/2)

 辺LNの重心をJとすると、LJ:JN=kc:kb=c:bとなり、LM:MN=c/2:b/2=c:bであることから、
 LJ:JN=LM:MN=c:b
 LJ・MN=JN・LM
 LJ:LM=JN:MNとなり、
 角の二等分線の定理より、MJは角Mの二等分線となる。
 角L,Nについても同様であり、質点三角形LMNの質量中心は、3本の角の二等分線をの交点であり、内心となる。
 フレーム三角形ABCのフレーム重心は、中点三角形LMNの内心に一致する。

 G=((BC)a/2+(CA)b/2+(AB)c/2)/(a+b+c)
 G=(A(b+c)/2+B(c+a)/2+C(a+b)/2)/(a+b+c)
 これは、三角形ABCのSpieker点(シュピーカー中心)に一致する。

  • 力学的モーメント=力ベクトル×位置ベクトル:大きさは力×距離
 複数の場合
 F1X1F2X2+・・・=0
 2つの場合
 F1X1=-F2X2
 Fが同じ向きであればXが逆向き、Xが同じ向きであればFが逆向き
 FとXの積が等しい、つまり、FとXは反比例する
 F1:F2=X2:X1

  • 質量中心
 複数の質点(A,B,C)からなる質量中心は、位置ベクトルをABC、質量をα,β,γとすると、
 力のモーメントのつり合いより、重力加速度をgとすると、
 Aαg+Bβg+Cγg=G(αg+βg+γg)
 G(α+β+γ)g=(Aα+Bβ+Cγ)g
 G=(Aα+Bβ+Cγ)/(α+β+γ)
 位置ベクトルの質量による加重平均に一致する

  • α=β=γ つまり α:β:γ=1:1:1
 質量中心=質点重心=面積重心=幾何学的重心=三角形の重心

  • α:β:γ=a:b:c
 質量中心=三角形の内心


最終更新:2013年11月27日 00:09
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