色立体

RGB/CMYをもとにした色立体


(色立体の頂点)
  • 長さが1(単位長)の立方体を用意する。
  • 1頂点をBk(黒)とし、それに隣接する3頂点を、それぞれR(赤),G(緑),B(青)とする。
  • Bk(黒)の対角をW(白)とし、それに隣接する3頂点を、R(赤),G(緑),B(青)の対角頂点に対応させて、それぞれC(シアン),M(マゼンタ),Y(黄)とする。
  • Bk(黒)とW(白)を結ぶ対角線の中点、すなわち立方体の中点を、Gy(灰)とする。


(色ベクトルとRGB成分)
①R,G,B成分:0≦ r,g,b ≦1
  • ある色Pを考えた場合に、Bk(黒)を原点として、この原点からある色Pまでの位置ベクトルを、色Pベクトルとする。
  • Bk(黒)を原点として、原点から3頂点R(赤),G(緑),B(青)までの位置ベクトルを、色R,G,Bベクトル(基本ベクトル)とする。
  • 色Pベクトルを、色R,G,Bベクトル(基本ベクトル)に正射影したものを、色PベクトルのR成分(r),G成分(g),B成分(b)とする。
  • 色Pベクトルは、P=rR+gG+bBで表される。
  • Bk(黒)はP=0,W(白)はP=R+G+B,Gy(灰)はP=1/2R+1/2G+1/2B,R(赤)はP=R,G(緑)はP=G,B(青)はP=B,C(シアン)はP=G+B,M(マゼンタ)はP=R+B,Y(黄)はP=R+Gとなる。

②C,M,Y成分:0≦ c,m,y ≦1
  • ある色Pを考えた場合に、W(白)を原点として、この原点からある色Pまでの位置ベクトルを、色P'ベクトルとする。
  • ベクトルP'はW(白)を原点としており、ベクトルPはP=W+P'となる。
  • W(白)を原点として、原点から3頂点C(シアン),M(マゼンタ),Y(黄)までの位置ベクトルを、色C',M',Y'ベクトル(基本ベクトル)とする。
  • ベクトルC',M',Y'は、ベクトルR,G,Bの逆ベクトルであり、C'=-R,M'=-G,Y'=-Bとなる。
  • 色P'ベクトルを、色C',M',Y'ベクトル(基本ベクトル)に正射影したものを、色P'ベクトルのC'成分(c),M'成分(m),Y'成分(y)とする。
  • C'成分(c),M'成分(m),Y'成分(y)は、R成分(r),G成分(g),B成分(b)を用いて、c=1-r,m=1-g,y=1-bとなる。
  • 色P'ベクトルは、P'=cC'+mM'+yY'=(1-r)C'+(1-g)M'+(1-b)Y'=-{(1-r)R+(1-g)G+(1-b)B}=-(W-P)=P-Wで表される。
  • W(白)はP'=0,Bk(黒)はP'=C'+M'+Y',Gy(灰)はP'=1/2C'+1/2M'+1/2Y',C(シアン)はP'=C',M(マゼンタ)はP'=M',Y(黄)はP=Y',R(赤)はP'=M'+Y',G(緑)はP'=Y'+C',B(青)はP'=C'+M'となる。


(色ベクトルとHLS成分)
①L成分:0≦ l ≦1
  • Bk(黒)とW(白)を結ぶ対角線は長さ√3(=√(1^2+1^2+1^2))となり、色Pベクトルを対角線Lに正射影したベクトルLの長さを√3で除して、色PベクトルのL成分(l)とする。
  • ベクトルLは、Bk(黒)とW(白)を結ぶ対角線のスカラー倍である。
  • L成分は、色の明度(Luminance)を表し、l=(r+g+b)/3で表される。
  • r=g=bで色PベクトルがL軸上にある時は、l=r=g=bとなる。
  • Bk(黒)はl=0,W(白)はl=1,Gy(灰)はl=1/2,R(赤)・G(緑)・B(青)はl=1/3,C(シアン)・M(マゼンタ)・Y(黄)はl=2/3となる。

②H成分:0≦ H <2π
  • 3頂点R(赤),G(緑),B(青)でできる三角形を△RGBは、対角3頂点C(シアン),M(マゼンタ),Y(黄)でできる三角形の△CMYと平行であり、色Pベクトルを△RGBおよび△CMYに平行な面に正射影してベクトルSとする。
  • ベクトルSは、ベクトルLと直交する。
  • ベクトルSが、色Rベクトルを△RGBおよび△CMYに平行な面に正射影したベクトルR'となす角Hを、色PベクトルのH成分(h)とする。
  • H成分は、色の色相(Hue)を表し、cosH=(2r-g-b)/√2{(r-g)^2+(g-b)^2+(b-r)^2}で表される。
  • 色Gベクトルを△RGBおよび△CMYに平行な面に正射影したベクトルG'へ向かう角度を正,色Bベクトルを△RGBおよび△CMYに平行な面に正射影したベクトルB'へ向かう角度を負とする。
  • r=g=bで色PベクトルがL軸上にある時は、hは定義されない。
  • Bk(黒)・W(白)・Gy(灰)では定義されず、R(赤)はh=0π/3=0(=6π/3=2π),G(緑)はh=2π/3,B(青)はh=4π/3,C(シアン)はh=3π/3=π,M(マゼンタ)はh=5π/3,Y(黄)はh=1π/3=π/3となる。

③S成分:0≦ s ≦1
  • ベクトルSの長さを、ベクトルSを延長して色立体のいずれかの面に接するベクトルS'の長さで除して、色PベクトルのS成分(s)とする。
  • ベクトルS'は、ベクトルSのスカラー倍である。
  • S成分は、色の彩度(Saturation)を表し、ベクトルS'が接する面によって場合分けされ、以下で表される。
  • RG平面,GB平面,BR平面でr=g=b=0の場合、つまりBk(黒)では、sは定義されない。
  • RG平面では、S=1-3b/(r+g+b)=(r+g-2b)/(r+g+b)で、0≦b≦(r+g)/2が条件となる。
  • GB平面では、S=1-3r/(r+g+b)=(g+b-2r)/(r+g+b)で、0≦r≦(g+b)/2が条件となる。
  • BR平面では、S=1-3g/(r+g+b)=(b+r-2g)/(r+g+b)で、0≦g≦(b+r)/2が条件となる。
  • MC平面,YM平面,CY平面でr=g=b=1の場合、つまりW(白)では、sは定義されない。
  • MC平面では、S=(2b-r-g)/{3-(r+g+b)}=(r+g-2b)/{(r+g+b)-3}で、(r+g)/2≦b≦1が条件となる。
  • YM平面では、S=(2r-g-b)/{3-(r+g+b)}=(g+b-2r)/{(r+g+b)-3}で、(g+b)/2≦r≦1が条件となる。
  • CY平面では、S=(2g-b-r)/{3-(r+g+b)}=(b+r-2g)/{(r+g+b)-3}で、(b+r)/2≦g≦1が条件となる。
  • どの平面上でも、r=g=bで色PベクトルがL軸上にある時は、S=0となる。
  • ここで、m=min(r,g,b),M=max(r,g,b)とおくと、s=max[1-3m/(r+g+b),1-3(1-M)/{3-(r+g+b)}]となる。
  • Bk(黒)・W(白)では定義されず、Gy(灰)はs=0,R(赤)・G(緑)・B(青)はs=1,C(シアン)・M(マゼンタ)・Y(黄)はs=1となる。

  • 面による場合分けは、四面体Bk-RGBにおいてはBk-W軸と各頂点R,G,Bを結んだ平面で3つに分割され、四面体W-CMYにおいてもBk-W軸と各頂点C,M,Yを結んだ平面で3つに分割される。
  • 四面体Bk-RGBと四面体W-CMYを除いた立体(△RGB-▽CMY)においては、Bk-W軸と各頂点R,G,Bを結んだ線は2つに分岐して60度ずつ左右に捩れた状態で各頂点C,M,Yに繋がるため、場合分けの面は平面ではなく曲面となる。


最終更新:2010年10月30日 23:14
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