こずさんの保管庫。内検索 / 「シャレルの「冬の月」」で検索した結果

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  • シャレルの「冬の月」
    <美術館職員、A氏の証言>  ──ええ。あの事ですね。あんな事、これまで見た事も聞いた事もなかったから……よく覚えていますよ。  思えば、あの方はずっとあの絵の前に立っていて、今となっては様子がおかしかったと思います。  ごく稀になんですが、絵に魅入られる方がいらっしゃいます。ずっとその絵を見ている。無表情なんです。近づいて声をかけても、反応はない。肩に手を置いて揺さぶって、はじめて気付くんです。  あの方も、最初はその類だとは思っていたんです。しかし、まさかあんな事になっているなんて── <心理学者、B氏の証言>  ──思い込み、所謂プラシーボ効果というやつですが、あれでなかなか馬鹿にはできない。  病は気から、なんて言葉もありますが、あれは本当ですな。思い込みで精神を病んでしまう方もおりますが、逆もまた然り。思い込みで健康を手に入れる人だっている。 ...
  • mixiコミュニティSS
    ...ス(テーマ/初雪) シャレルの「冬の月」(テーマ/冬の月) 玄関で待ってます(テーマ/バレンタインデー) 「母の日」を主体とする超短編集(テーマ/母の日) テーマで創作 硝子片(テーマ/小さな欠片) 復活(テーマ/牛乳) ベンチの二人(テーマ/怪談) 最期の団欒(テーマ/二十歳) 朝日を浴びながら(テーマ/午後の紅茶)
  • パラレルワールド姉妹逆転
     ……これはどうしたことでしょう。  細川可南子は目の前に広がる光景を、信じられずにいた。  どうしたらよいものか、と上を仰ぐようにして見たら、三つの単語が目に入った。 ――パラレルワールド、姉妹、逆転?――  やられた。ここは眼鏡をかけた、しょぼい文しか書けない、いつものヤツが作り上げた世界だ。  おかしいと思ったのだ。卒業したはずの前薔薇さま方がいたり、可南子自身も気がついたら薔薇の館にいたり……。  しかもこんなメタな展開で可南子にそれを気付かせる辺りが、春日とか名乗るヤツの手口なのだ。 (どうせなら、ほかの素晴らしいSS作者さんに、このキーワードをひいて欲しかったな……)  小さくため息をつき、可南子は改めて顔を前に向けた。  そこには、薔薇さま方が勢揃いしている。さっきも言った通り、前薔薇さまであるお三方まで。  そこに、何故か可南子も...
  • ある冬の朝
    「あら、雪ね」  エマお姉さまの声がした。  ルーが振り返ると、白いコートを着たお姉さまがいた。 「今年は暖冬だと聞いていたけれど……やっぱり地球はいいわね」 「そうですね。造られた環境より、季節は魅力がありすぎます」  ルーはそう言って、お姉さまを見た。するとお姉さまは、少し驚いたようだった。 「ルー、貴方ったら、そんな格好で寒くないの?」 「実は、結構寒いです……まさか雪が降るなんて思ってなかったから」 「もう、仕方がないわね……」  そう言うとお姉さまはルーの背中に自分の身体を密着させた。 「お、お姉さま!?」 「こうすれば、暖かいでしょう?」  耳元で声が聞こえる。 「暖かいですけど……ど、どうやって帰りましょうか……」 「……あら本当。どうしましょうか」  どこか楽しそうに囁かれて、ルーは何も言えなかったが、それ以上に嬉しいからいいか、と思った。 ...
  • 咲夜とレミリアとパラレルワールド
    「ねぇ、咲夜。もう一人の自分に会ってみたいとは思わない?」  お嬢様は、いつも突拍子も無い事を言う。  ある時は「月の影に入ってみたいと思わない?」と言って、八雲紫と組んで欠けていく月の中に入ろうとしていた。  またある時は、「時の流れを操れたら面白いと思わない?」と言って、私の能力でどうにかしようと考えていた。  そして今度は、「もう一人の自分」ときた。 「お嬢様。それは、『ドッペルゲンガー』の話でしょうか」  この方にお仕えして何年になるのか、考えるのは数千の夜を過ぎた頃に止めた。それでも、未だにわからない部分がある。 「違うわ。『パラレルワールド』の話よ」  カップを置いて、私の顔を見る。  紅茶を注ごうとしたが、それはお嬢様に止められた。 「一分一秒毎に無数の世界が生まれているのは分かる?」 「はい」 ...
  • ガンダム系SS
    ガンダム系SS もう妄想炸裂の作品群ですw イリア様がみてる プロローグ ある冬の朝
  • 黄薔薇革命の影響で固まってしまった見たこともない景色
     ある日起こった、一組の姉妹の悲劇。  妹を愛していた姉と、姉を愛していた妹。  妹はロザリオを返したが、時が経ち、再び姉妹に戻った。  しかし、それが切欠で、一時的にではあるが、多数の姉妹が破局を迎えたという、リリアン史上に初の大事件となったのだ。  黄薔薇革命と名づけられたその事件の次の日。  纐纈みどりは、体育館の裏手に呼び出されていた。呼び出したのは、妹の水無瀬葉月である。 「お待たせしました、お姉さま」  葉月の声。みどりは思わず、顔だけで振り返ってしまった。 「葉月」 「お姉さま」 「一体、どういうこと? 私をここに呼び出して……まさか、黄薔薇革命の真似事でもしようと言うんじゃないでしょうね」  みどりは内心、気が気ではなかった。先週末の、些細な理由から起こってしまった口喧嘩を思い出してしまう。  葉月は何も言わず、笑顔のままみどりの手を取っ...
  • マリみて系SS
    『マリア様がみてる』系SSのページ 大半は「がちゃがちゃSS掲示板」さまに投下した作品に、若干手を加えております。 カップリング別にわけています。 タイトルの後ろのナンバーは「がちゃS」さまでの掲載番号です。 紅薔薇一家(蓉子、祥子、祐巳、瞳子) 柿食えば愛する祐巳へ大変身(No.1820) 財布の中が小銭ばかり滅殺バブル崩壊(No.2370) 黄薔薇一家(江利子、令、由乃) 敏感令ちゃんハイキック一閃(No.1835) コインからゾクゾクすること(No.2375) テレビ命嫌わないで(No.2524) 白薔薇一家(聖、志摩子、乃梨子) バイバイ。志摩子覚醒ジャスティス(No.1736) 3行ネタ二条乃梨子は笑わないコワレタ世界(No.1840) 1年生トリオ(乃梨子&瞳子&可南子) 細川可南子はかく語る錆付いてしまった黄昏の館(No.1714) 可南子の叫びうさうさうさ...
  • 第一話/新年早々事件遭遇
     1月1日。新しい年が始まった日。帝都・東京のとある場所で、事件が起きていた。 (……いたいた。おぉっと、これは……)  人の出入りが少ない雑居ビルの最上階。そのフロアには一軒のバーが入っていた。その店の奥にいるのは、サングラスで顔を隠した二人の男、そして人質としてここに連れてこられた女性である。 (あ、あの人、私と同じブーツはいてる)  黒のエナメルのブーツ。女性に人気のブランド「DiAMOND ANGEL」の今冬一押しの商品である。人質の彼女はブーツを美しくはきこなしていた。すらりと伸びた長めの脚は膝の辺りを、後ろに組んだ両手は手首の辺りを、それぞれ粘着テープでぐるぐる巻きにされていた。  無意識に唾を飲み込む。黒の粘着テープの光沢。エナメルのブーツ。それを身に付けている囚われの美女。全てが、この状況をフロアの入口から覗いている彼女──三枝依菜が一番夢に見た世...
  • 東方系SS
    上海アリス幻樂団さんのゲーム『東方Project』ネタのSS集です。 おいでませ紅魔館。 咲夜とレミリアとパラレルワールド 紅魔館超生活 [[]] 妬み姫とニート姫 Destiny Lovers(咲夜&魔理沙) 01...霧雨と十六夜 あたい最強伝説 ちるのんくえすと 翔べない天使 幻想郷の法則が乱れる クロスオーバー マリア様がみてる スキマ様がみてる [[]] [[]] [[]] [[]] プリンセス天狐の贈り物(前編)
  • 第一話/出動!みら~じゅ☆れじでんす
     東京都夢在区の東側に位置する新興住宅地、希望が丘タウン。  そこにある、赤い屋根の一軒家のベランダで、洗濯物を干している一人の主婦がいた。  鼻歌交じりで娘のシャツや夫の靴下を物干し竿にかけていく彼女の名前は、雲雀丘千歳。年齢は34歳。夫の竜弥とは大恋愛の末に結ばれ、今は娘の雛乃と共に、三人で仲睦まじく暮らしていた。 「ん~、今日もいい天気ね。そうだ、久しぶりに……」  千歳はストレッチ運動を始める。学生時代には新体操をやっていた彼女は、身体が柔らかいのが自慢のひとつだった。  少し汗をかいてきた。暖かな日差しを浴びつつ、手足や身体を大きく動かす。そのままの勢いで前屈を……。 「んしょ。……あら?」  指の付け根までが足元に着く。本来なら、手のひらがペタンと床に着いても、なお余裕があったはずなのだが。 「……まさか……、嘘、でしょう……?」  千歳は、...
  • 終わらない時希望あふれる
     ──あの日、私の学園生活は変わった。  私の名前は纐纈みどり。リリアン女学園の高等部2年生。  剣道部に所属していて、毎日が充実していた。  そう、あの日までは。  あの日、私は妹である水無瀬葉月に呼び出され、昼休みに体育館の裏へ向かった。  そして、姉妹の証であるロザリオを返されたのだ。 『黄薔薇革命』と呼ばれる事件がその前日に起こった。  山百合会の幹部であり、私と同じ部活の支倉令と、その妹の島津由乃さんの間で起こったそれは、マリア様の前で由乃さんが令にロザリオをつき返すという、前代未聞の事件だった。  その日を境に、校内では似たような事件が沢山起こった。悲劇の幕開けである。  そしてその悲劇は、私にも降りかかったのだ。  結局、令と由乃さんは元の鞘におさまった。  他の姉妹も、ほとんどが元の関係に戻った。  だけど、一部の姉妹は分かれ...
  • 柿食えば愛する祐巳へ大変身
     これはあえて、三人称で書かせてもらう。綿密な取材に基づいた創作であると考えてもらってもよい。  大変申し訳ないが、面倒な説明は省かせて頂く。  とにかく、小笠原祥子と細川可南子、そして松平瞳子は、凄まじい能力を身に着けてしまったのだ。  一番最初にこれに気付いたのは、細川可南子だった。  学校からの帰り道。近所の八百屋の店先で、とても美味しそうな柿を発見した。そして、それを購入したのだ。  その時の相手をした、八百屋「八百重」の大将・重野太市さん(62歳)はこう証言する。 「いやぁ、おっきい姉ちゃんが柿くれって言ったから売っただけだよ。ま、結構可愛かったから二つおまけしたがね、がはははは! あ、ちょっと母ちゃん、耳引っ張るなって、お客さんの前なんだから、すまんすまん謝るから」  とにかく、柿を3つとおまけ2つの計5つを手に、可南子は自分の部屋に戻ったのである。 ...
  • とびきりどっちみち突っ走ってしまう
     ごきげん(略)である。  発端はついこの間。リリアンと姉妹学園交流のある麻帆良学園のとある生徒から懐中時計型のタイムマシンを貰ったところから話は始まるのだが、そこは思い切ってバッサリカットしてみる斬新スタイル。 「とにかく、このティースクエアだかなんだかを試してみる価値があるってことね!」 「カシオペアね」  由乃の暴走と共に入る令のツッコミ。Tスクエアとカシオペアなんてこの世代のお嬢様はまず知らないだろうネタを完璧に投げて拾った黄薔薇姉妹に年齢査証疑惑が持ち上がるのはまさにこの夜のことである。 「さて、じゃあ!」  令を流して、由乃はいつの間にか持ってきたホワイトボードにペンを突き立てて、呟いた。 「どこに行く?」 「はいはい、私は過去がいいです!」といつになく元気な声を上げたのは乃梨子だった。 「過去? そりゃまたどうして」 「受験に失敗せず、第一志望の学校...
  • Mission.01-C
       6  屋敷の一室に、眼鏡をかけた赤いスーツの女性がいる。彼女の目の前にいるのは、質素なワンピースを着た女性だ。 「新聞の広告を見て、応募してきたという訳ですね」 「はい。まだ学校を卒業したばかりなので、こういうお仕事の経験はありませんが……」  ワンピースの女性はそばかすが残る顔を少し赤らめている。本当に仕事の経験が無いのだろう。 「構いません。経験は積んでいけば済むことです。こちらとしてはすぐにでもお仕事をして欲しいのですが、よろしいですか?」 「ほ、本当ですか?」 「嘘を言っても仕方ないでしょう。明後日のパーティの為に、本当に猫の手でも借りたいくらいなのよ。貴女がいいなら、すぐにでも」 「わかりました! よろしくお願いします!」 「よろしくね、えっと、アエルさん」 「はい! よろしくお願いします!」  アエルは頭を下げた。  ...
  • It's A Wonderful World
    <ちょいあー(すでに元が何だったのか)> 千春「くっ、このっ、てやっ」<熱中 千秋「あれ、姉貴がゲームなんて珍しい」 千春「おー千秋ぃ。すばせか買っちゃったよ」 千秋「なんだそれ」 千春「これこれ」 千秋「あー、『すばらしきこのせかい』か」 千春「結構面白いなこれ。さっきから蛙を倒しまくってるぜ」 千秋「規模がでけぇのかちいせぇのかわかんねぇなぁ」 千春「馬鹿、命かかってんのに規模の大きさなんか関係ねぇんだよ」 千秋「ゲームだっつってんだろ」 千春「とにかくおもしれぇんだよ!」 <近くのゲームショップ> 遥「あ、あう、売り切れてる……」 店員「申し訳ございませんー。『すばらしきこのせかい』はつい先程売り切れてしまったんですよー。よかったらご予約致しますかー?」 遥「あ、い、いいです……。ありがとうございました…...
  • 街灯の下の少女
    「わぁっ、雪だよ、岩下さん!」  倉田恵美は、窓越しにちらつく白い物を見て、歓声をあげた。  ここは岩下明美の部屋。親が法事で家を空けたというのを聞き付けた恵美が、無理矢理押し掛けたのだ。  明美は相変わらずの笑顔を浮かべたまま、料理を恵美の為に作った。シチューは美味しかったのだが、最後まで何の肉だったのか教えてくれなかった。  同じベッドで眠り、ゆるゆると目覚めた恵美が雪に気付いたのである。  明美もベッドから出ると、背後から恵美を抱くようにして身体を密着させる。胸の感触が恵美に伝わる。  恵美が恥ずかしがって何かを言おうとした時、先に明美が口を開いた。 「――ねぇ倉田さん。こんな話を知っているかしら。雪の日に起こった話を――」  まるで、いつぞやの会合の時のように、明美は語りだしたのだ。    *  私たちの通う学校の裏門に...
  • 常盤六実
    常盤 六実 読み/ときわ むつみ 年齢/36歳 職業/バー経営者 初登場/美少女探偵エナ&メル「第一話/新年早々事件遭遇」 雑居ビルの最上階にバー「むつみ」を構えるママさん。外見、仕草、声が無駄にエロティック。 誘拐強盗事件で依菜たちと知り合ったが、真実は犯罪組織「ウロボロス」の一員である。胸元に「蛇環」の刺青が彫られている。 協力者として依菜たちと親交を深め、やがて竜樹を葬ろうと画策しているが……。
  • 09:00am-ハムサンド-
     不貞寝してもいられない。  真里は思い切って起き上がった。その勢いで机が揺れ、床にガシャッと音を立てて落ちた物があった。  それは分解された携帯電話であり、そして既に爆発の機能が失われた爆弾であった。  それを見下ろして、真里はふふん、と得意げに笑った。 「よし、まずお腹が空いたぞ」  冷蔵庫に向かい、中身を物色していると、見覚えのない食べ物があるのに気づいた。 「……こんなの買ったっけ? ハムサンド……」  透明なプラスチックの容器に、ハムサンドがひとつ。容器の表面に貼られたシールには「ベーカリー清水」とある。 「……聞いたことないなぁ……ベーカリーしみず……」  よく見るとその下に「京都府○○町」とある。 「……『しみず』じゃなく『きよみず』か!」  脳内のイメージは、清水の舞台から思いっきり遠くにこのハムサンドを投げている画である。  頭の中で何かがひらめい...
  • 注意書き
    注意書き ここにはオリジナル、2次創作のSSがそれなりに掲載されています。 2次創作の作品に関しては、本来の著作権は作者さまと出版社さまにあります。 あと、「便宜上」18禁の作品もあります。 セックス描写や性描写はありませんが、DID(Damsels In Distress)というジャンルの作品を扱うにあたり、青少年への悪影響を考慮して、一応18歳未満の方の閲覧を禁じたいと思います。 悪影響は絶対に無いとは言い切れませんので。まぁ無いとは思うけど。 他の理由としては「誘拐」「監禁」「窃盗」などの犯罪描写はてんこもりです。だって俺ミステリ好きだから。 そういった意味でも、「18禁」ということで。
  • プリンセス天狐の贈り物(前編)
     島津由乃は力説していた訳でもないのだが、何故か目の前に座っている猫の少女は、真面目な表情でしきりに「ふん、ふん」と言いながら顔を縦に動かしていた。 「料理も得意で、かっこよくて……令さまって、藍さまみたいです」  由乃の話を聞いて、橙はそう言った。  そして、由乃はこう返す。 「誰かが絡むと情けなくなるところまで、そっくり」    ***  [ スキマ様がみてる ~プリンセス天狐の贈り物~ 前編 ]    *** 「……っくしょん!」  クシャミは一度で終わると思ったのだが、その後たて続けに二度、合計三回でやっと終わった。いや、正確には、それをほぼ同時に二人が行ったので、合計にして六回のクシャミが家庭科室に響いたことになる。 「……うぅ、風邪はひいてないはずなのになぁ。クシャミ三回だから、物凄い悪い噂を言われてるってこ...
  • ダンデライオン
    ダンデライオン 読み/同じ 年齢/不明 職業/犯罪者 初登場/F.L.O.W.E.R.S.「序章~花畑の四人」 愛称リオ。FLOWERSの縁の下の力持ち。車の運転、変装潜入、何でもござれ。でも一番の任務は女性を縛ること。 縄の扱いはメンバー1。普段から練習に余念が無い。 背は高く、身体もしっかりしている。胸が無ければ美青年で通用するほど。 無口でシャイなのだが、時折ツバキやリリィを縛る妄想をしては赤面する。本当は全員を縛ってみたい。
  • 天使がいる二度目の1年生
     ──長い、とても長い一年が終わった。  祐巳さまと出会い、瞳子さんや乃梨子さんとも出会い、夕子さんやお父さんとの問題もある程度解決して──。  私は、二度目の一年生を繰り返す。 「ごきげんよう」  二度目の出会いは完璧だった。何故なら、私はこれから起こる全ての事を知っている。  目の前には、天使がいる。私の天使さまを、二度も失いたくはない。  このままいい関係を築いていき、そして──。  ──私は神に感謝した。いや、この場合はマリア様か。  とにかく、何者かの悪戯によって巻き戻った時間は、私を『紅薔薇のつぼみの妹』と呼ばれる存在に変えてくれた。  最高の親友となった瞳子さんは笑って送ってくれた。  共に薔薇の館の住人となった乃梨子さんも嬉しそうに笑う。  志摩子さまや由乃さま、令さまそして祥子さま……。二度目ともなると癖もわかるし好みだってバッチリ...
  • コインからゾクゾクすること
    「本当、あの一言で私の未来は決まったようなもの」 by 令  ──夢を、見ていた。  夢の中の私は時間旅行をしている透明人間で、時間旅行先は数年前。場所はとても馴染みのある病院の一室。中学生の時の私がいて、ベッドの上には笑顔の由乃がいて。  私は、過去の私達の会話に耳を傾ける。 「わぁっ、令ちゃん凄い凄い!」  パチパチ、と由乃の拍手の音が部屋に響いた。  令の手にはトランプのデッキが握られ、布団の上には4枚のエースが並べられている。 「練習したからね。気分転換にもなるし、やってて面白い」  令は4枚のカードを集め、デッキに乗せてシャッフルする。その手つきはまだぎこちないが、練習の成果もあってか素人よりは滑らかだ。  入院生活が長いと、持ってきた本も読みきってしまう。退屈そうな由乃に喜んでもらおうと、令はマジックを練習していた。  最初は本当に簡単なマジック...
  • 第二話/明日葉姉妹の登校
     姉が妹にちょっかいを出している。と、そこに黒塗りの車が停まった。 「よっ、明日葉姉妹。相変わらずエロいな」  窓を開けてそう言ったのは、二人の知り合いの海野流鏑馬である。にやにやしている流鏑馬に、ミドリは言った。 「エロくないです!」 「妹はそうでも、姉がエロい」  ぼん、きゅっ、ぼんの身体に不釣合いなセーラー服。何度も言うが、そちらのお店の方ではない。 「ぅあ、確かに」  姉に対して軽い敗北感を抱く妹。気持ち的にはorzな感じだ。 「ええ、私エロいの?」  しかし妹の気持ちを知ってか知らずか、ユカリは驚きの声を出す。 「自覚ないの!?」 「あったらセーラー服着ねぇよ。ほら、後ろに乗りな。送ってやるから」  呆れた風に流鏑馬が言った。 「でも」 「そのペースだと遅刻だろ。ほら乗った乗った」 「えへへー、一緒に助手席乗ろうよ」 ...
  • 全然わかってないすっぽんぽんの江利子いよいよ本格的
    「……江利子。ちょっとそこに座りなさい」 「なに? どうしたのよ、そんなに眉間にしわ寄せちゃって」  こめかみの辺りに人差し指を押し当て、苦虫を噛み潰したような顔をしている蓉子と、逆に普段以上の笑顔を浮かべる江利子。聖は頬を赤らめてそっぽを向いているし、他の面々、例えば祐巳ちゃんなんかは顔も上げれずに深くうつむいたままだ。 「いいかしら、江利子」 「だからなに?」 「……服を着なさい」  きょとんとした顔の江利子。  顔を真っ赤にしている江利子以外の面々。 「……えー?」 「えーじゃないの! なんだって今日に限っては、は、は、裸なのよっ!!」  蓉子は両手で顔を隠して叫ぶ。  そう。今日の江利子は全裸なのだ。 「だって、朝の占いで、今日のラッキーファッションは『産まれたままの姿』だったのよ?」 「だからって実行する人がいるもんですか!!」 「そ...
  • テレビ命嫌わないで
     その日、由乃はテレビに釘づけだった。 「あははっ!」  大好きなお笑いタレントが出ている番組が多くて、テレビの前から離れられずにいたのだ。  そこにやってきたのは、最愛の相手、令。片手にクッキーを持っている。 「由乃、クッキー焼いたよ」  令の頭の中では、素敵な光景が展開されていた。 「わぁっ、ありがとう令ちゃん!」 「こらこら、そんなにがっつかなくても、まだあるってば」 「だって美味しいんだもん」 「あ、由乃。口の周りに、クッキーが付いちゃってるよ」 「えー、本当?」 「私が取ってあげるよ。……唇で……ね」 「うん……。お願い、令ちゃん……」  以上、令ちゃん脳内スプリングフェスティバルの模様でした。  しかし、現実は厳しくて。 「ん。そこ置いといて」  由乃は一瞥をくれることもなく、テレビを見たまま。令は小さくため息をつきつつ、テーブルにク...
  • 真田ミユキの憂鬱
    <女子プロレス団体『Love holic』の選手寮にて> 「あ~、ヒマっスね~」  真田美幸は、スポーツドリンクを一息で飲み干してからつぶやいた。  今日は休日。自主トレに励む選手もいるのだが、まったりと過ごす者もいる。美幸はどうやら後者のようだ。  美幸の隣では、大きな狐のしっぽが丸まっている。フォクシー真帆である。  その真帆に膝を貸すのはフレイア鏡。すっかり真帆のことを気に入ってしまったらしく、膝枕をして、真帆の髪を優しくなでていた。 「あら、貴女がそんなことを言うなんて珍しいわね」 「そうっスか?」 「そうよ。いつも元気な貴女がトレーニングもしないのも珍しいしね」 「ん~、たまにはこんな日もあるっス」  二本目のスポーツドリンクを口に含む美幸。  それも一息で飲み干してしまうところで、鏡が笑顔で言う。 ...
  • 姉貴、あたし賢者だぜ
    <ある女子プロレス団体の寮にて> 千秋「姉貴、姉貴! やったぜ!」 千春「うるせぇ! 今どうぶつ奇想天外見てるんだから静かにしろ!」 千秋「お、おう」<座 千春「で、何よ」 千秋「アジアカで、やっとあたしのシャロンが賢者になったんだよ!」 千春「お、千秋ずっとゲーセン通ってたもんな。やったじゃんか」 千秋「へへ、この辺りにはもうあたしの敵はいねぇぜ!」 レイ「ふぅん、おめでとう、千秋ぃ」 千秋「!!!!! お、驚かさないでくださいよ、先輩」 レイ「んふふ、私の天青賢者なルキアと戦ってみる?」 千秋「よして下さいよ、負け決定じゃないですか」 レイ「意外とウチにはマジアカプレイヤー多いから、油断してられないわよ?」 千春「へ? そうなんすか?」 レイ「まずは南さん。あの人は手堅くプレイしているし、わからければ時間いっぱい...
  • ベンチの二人
    「なぁ」  澤村は隣に座る吉田に声をかけた。 「うん?」 「ちょっと気になったんだけどな。『怪談』と『都市伝説』ってどう違うんだ?」  吉田は目の端に映る澤村に、呆気にとられたようだった。    *  夏の暑い日。都内の公園のベンチに朝から晩まで座って、他愛のない話に明け暮れる男が二人。  公園の利用者は、二人の存在に気付いていないらしく、しかしそのベンチには異様な雰囲気でも漂っているのか、子供や老人はおろか野良猫すらも近づかない。  熱気にやられたのか、あるいは病気なのか。ワイシャツにネクタイという服装の顔色の悪い男は澤村という。その隣で涼しい顔をして座っているのは、薄手のパーカーにジーンズの青年。こちらは吉田という名だった。  元々は澤村の特等席だったこのベンチだが、数ヶ月前から吉田がやって来た。それからは二人がこの場所を占領している形に...
  • 雨の日の暇つぶし
    <とあー(もはや略になってない) 千春「……誰もいねぇな?」<挙動不審 千春「──よし!」 山本「あら、千春ちゃん」 千春「んぶっ」<前のめり 山本「大丈夫ですか? あらあら、千春ちゃんの本が床に」 千春「さ、触らないで、グリさん……」 山本「でも、私が驚かせてしまったようなものですし」 千春「いいから、いいですから!」 山本「はい……」 千春「じゃ、じゃあ!」<脱兎 山本「……?」<きょとん 千春「まさか、グリさんに会うとは……。でももう、部屋はすぐそこだ!」<走 静香「くぉら」 千春「!!!!!!!」<ストップ 静香「てめぇ、いくら廊下とはいえ、寮内を全力疾走とはいい度胸じゃねぇか」 千春「あああああああ姉御ごごごごごごごご」 静香「何か急ぎの用事でもあんのか?」 千春「あ、あります! あるんです...
  • 姉貴って、音感ないのか?
    <ある(略 千春「なぁ、その歌なんだ?」 千秋「ぁん?」 千春「いや、さっきからお前が歌ってる奴だよ」 千秋「あー、ポップンの曲」 千春「ポップンって何だ? 新しい歌手?」 千秋「違う違う。ゲームだよ。音楽ゲーム」 千春「あ、あの踊ったりするやつか」 千秋「それはDDR」 千春「同じじゃないのか?」 千秋「メーカーは同じ」 千春「しかしその歌詞何よ」 千秋「いいじゃん、面白くて。♪彼女いない暦22年なの~」 マリア「ほう。チアキは彼女がいないのか」<眼鏡光 千秋「うわっ、驚かすなよマリア」 マリア「すまないな。だが、あえて茨の道を進もうとするチアキを応援しようと思ってな」 千秋「違う違う、歌詞だ歌詞」 マリア「そういう歌が好きなのか」 千秋「違うから……。なんなら今から聞きに行くか?」 マリア「どこへ連...
  • 祐巳の決断眠れぬ夜の演奏会
    第一夜へ ♪デン デデデ デンデンデンデン デン デデデ デンデンデンデン <リリアンどうでしょう サイコロの旅 第2夜>    車内 「由乃さま、そろそろですね」  小笠原邸に一番近いバス停が近づいてきた。由乃は降車ボタンを押し、運転手や他の乗客に次で降りるという主張をする。 「さぁ、降りるわよ」 「由乃、いきなり行って迷惑にならないかなぁ」  ミスターこと令ちゃんが相変わらず情けない声を上げる。親友が突然家を訪ねてきて、迷惑に思う訳がない、と由乃は踏んでいた。いざとなったら祐巳さんを生贄にしてしまおう、とも考えている。 「な、なんか嫌な予感がした」  祐巳さんは少し涙目でそう呟いた。大丈夫。祥子さまがキレたりしなかったら大丈夫。由乃は心の中でそう語りかけながら、小さく合掌するのだった。  バスが停車する。ノリノリの三つ編みとおかっぱ、なんだかんだで愛...
  • 過去現在、そして未来日常生活狂い咲き
    「こんな世界も、あるという事で」 by 桂 「ごきげんよう」 「ごきげんよう」  さわやかな朝の挨拶が、澄みきった青空にこだまする。  マリア様のお庭に集う乙女たちが、今日も天使のような無垢な笑顔で、背の高い門をくぐり抜けていく。  けがれをしらない心身を包むのは深い色の制服。  スカートのプリーツは乱さないように、白いセーラーカラーは翻さないように、ゆっくりと歩くのがここでのたしなみ。もちろん、遅刻ギリギリで走り去るなどといった、はしたない生徒など存在していようはずもない。  私立リリアン女学園。  明治三十四年創立のこの学園は、もとは華族の令嬢のためにつくられたという、伝統あるカトリック系お嬢さま学校である。  東京都下。武蔵野の面影を未だに残している緑の多いこの地区で、神に見守られ、幼稚舎から大学までの一貫教育が受けられる乙女の園。  時代...
  • 過去から未来へと繋ぐ異伝永遠に交わる事の無い
    「お弓、お弓はおらぬか」  倖姫が障子を少し開けて、廊下に顔を出して声を上げる。すると音も無く、黒一色の装束の女性が現れた。 「お呼びで」 「おお、お弓!」  倖姫は嬉しそうにお弓を見て、障子をピシャリと閉めた。 「姫さま。某は影の者。呼び付ければ直ちに参りますが、こうも大声で呼ばれると」 「お弓は、わらわに呼ばれるのが嫌か?」 「……いえ」 「ならばよいであろ? さ、お弓。今日はどんな面白い話をしてくれるのじゃ?」  お弓は、苦笑いを浮かべてため息をつき、無邪気に微笑む倖姫を見て、言った。 「ならば、不思議な話をしましょう。ずっと、ずっと先の世の話を──」 「へぇ、随分と不思議な夢を見たものね」 「それが、夢じゃない気がするのよ」  祥子は箸を置いた。食欲がないようである。 「その玉子焼き貰っていい?」 「いいわよ。好きなだけ食べてちょうだい」  令...
  • さよならは言わない狂った朝の光にも似たそのすべてが
    <1日目/二条乃梨子/クルーザー上> 「わぁっ、あれがお姉さまの別荘ですか?」  祐巳さまの嬉しそうな声が聞こえる。クルーザーのデッキにいた私たちは、祐巳さまが見つけたモノがある方向を見る。  美しい島がある。森の中に見えるのが、祥子さまの──正確には小笠原家の──所有する別荘だ。小さな城、あるいは砦といった雰囲気で、私は祥子さまにぴったりだと思った。祥子さまは志摩子さんと違って、日本建築よりも洋風な建物の方が似合うと思う。 「乃梨子ちゃんは驚かないんだね」  由乃さまが声をかけてきた。薄い黄色のワンピースがよく似合っている。 「驚きはしましたが、なんとなく想像通りだったというか」 「大きいお屋敷かお城ってイメージだもんね、祥子さまの別荘は」 「由乃さまは驚かないんですか?」 「驚いてるわよ。心臓、すっごく早く動いてるわよ? ほら」  由乃さまは私の右手を取り、胸...
  • ゲームって何やりますか?
    <ある女子プロレス団体の寮のリビングルームにて> 千秋「姉貴ってさぁ、あんまゲームやんねーよな」 千春「しねーなぁ。やっても格闘ゲームとかだな」 千秋「あと、どうぶつの森やってるだろ」 千春「やってるやってる。マジ和むぜ」 千秋「あたしはそっち系はやんねぇからなぁ」 レイ「なになに、何の話?」 千秋「ちーっす」 千春「よくやるゲームの話してたんす」 レイ「ゲームったら私の出番でしょ」 千春「ですよね」 千秋「そういえば、今のリンコスも何かのコスプレなんすよね」 千春「ていうか日ノ本のだろ、あれ」 千秋「日ノ本って、ランブルローズの?」 レイ「ふふん、千春詳しいわね。でも、秘密秘密♪」 千秋「ランブルローズってゲームになってたんすか?」 レイ「もうエロエロよ」 千春「まぁ、実際ああいう売りだからな」 ミ...
  • 幻想郷の法則が乱れる
    「ねぇー、パチュリー」  ……珍しいこともあるものだ。  私のこもっているこの図書館には、レミィか魔理沙くらいしか来ないものだとばかり思っていたのに。 「どうしたの、チルノが来るなんて珍しいじゃない」 「パチュリーに、お願いがあって来たのよ」  私に紅茶を、チルノにジュースを運んできた小悪魔も、テーブルの横で立ち止まった。話を聞きたいらしい。 「何かしら」 「あたいに、勉強教えて!」  ……なん……ですって……? 「チルノ? 今なんて、いや、どうして?」  外に出なくても、チルノがおバカさんだという話は噂に聞く。天狗の新聞の記事のように、ガマに食われることだってあるらしい。そんな子が、どうして?  私は少し動揺していた。 「あのね……」  チルノは、ゆっくり話しだした。    *  あのね。  あたいって、バカなの...
  • 序章~花畑の四人
     ここは、少し現代で、それでいて少しファンタジックな世界。  その中のとある国の、とある街。そこで起こった、風変わりな怪盗団と、それを追う警察と、そしてそれらに係わる人々の、ちょっとおバカでちょっとマジメな物語。    F.L.O.W.E.R.S. -Mission.00/Prelude-  街中を猛スピードで走る車が二台。明らかにスピード違反だが、確実に後方の車は罪には問われない。なぜならそれは警察車両、すなわちパトカーであり、前方を走る車を追っていたのだから。 「いい加減に観念しなさいよーっ!!」  パトカーの窓から身を乗り出して叫ぶ女がいる。名前はアリシア。王国立警察の警部である。拡声器を使わずに張り上げた声は、しっかりと前方の車に乗る連中の耳に届いたようで、お返しとばかりに身を乗り出した女がいた。 「そっちこそ、いい加減に諦めたらどうなのーっ?」...
  • いつも、こんな感じで
     平和台商店街の一角にある、とある店内。  店の中心にあるカウンターを挟んで、二人の女性が睨み合っていた。  カウンターの中にいるのは、少し吊り気味の目をした女性。口元の黒子が、色気を醸し出している。  カウンターの外にいるのは、髪の長いスレンダーな女性。もう一人の女性よりは身長が高い為、少し高い位置から、カウンターの中を見下ろしている。  二人はいつになく真剣な表情で、互いの顔をじっと見ていた。 「……覚悟はいい?」  髪の長い女性が訊く。左手の指で、自分の髪の毛の先を弄びながら、余裕のある表情をしている。  一方、吊り目の女性はこちらも不適に笑い、椅子から立ち上がった。 「そっちこそ。後悔はしないでよね」 「しないよ。これは戦いなんだから」  二人はそれぞれ右手を握りこぶしにして、身を屈めた。今にも一勝負を始めようとしていた。 「行くよ」 「オーケー」  一瞬...
  • ベランダに死骸とか災いあり
    <3日目/???/広間>  ──自分以外の人間は生きてはいない。  嵐の孤島、凄惨な事件、物言わぬ屍となった哀れな子羊たち。  自分以外の人間は殺されている。それは即ち生き残っている者が他の者を殺害したということだ。  私は両手を見る。汚れている。自分の血なのか、それとも──。 <1日目/細川可南子/広間> 「あ、降ってきましたね」  窓を開けて空気を入れ替えていると、風に乗って水滴が私の頬に当たった。少しずつ暗くなってくる空に、祥子さまは壁にあるスイッチを入れた。大きなシャンデリアの形をした電灯が、闇に飲み込まれていく部屋を明るく照らした。 「本降りになると大変ですから、窓を閉めますね」 「うん。お願いね、可南子ちゃん」  祐巳さまがやわらかい笑みを浮かべて言った。私はゆっくりと窓を閉める。隣の窓は志摩子さまが閉めてくれた。窓を閉じても、空気の入れ替...
  • 朝日を浴びながら
    「マイク。ボクはいつか、ロボットを作り上げてみせるよ」  それが博士の口癖でした。  博士が幼い頃に抱いた夢は、その時はまさしく夢物語だった、と僕に話してくれました。  沢山勉強をして、人の役に立つロボットを作る。それが博士の夢でした。  事実、博士は貧しい家庭環境をも跳ね除け、奨学金で国立の大学へ進み、更に勉強を重ねて、ついにロボットを作り上げたのです。  ある日、ボクに電話を掛けてきた博士は興奮気味に言いました。 「マイク、ボクはついにやったよ」 「一体どうしたというんです。こんな明け方まで研究を?」 「ああ。睡眠時間を削ってまで取り組んだ成果がついに実ったんだ」 「すると、まさか」 「そのまさかさ、マイク。ボクはついにロボットを作ったんだ」  僕はパジャマから着替えることもせず、ただ上着だけを引っ掛けて朝日が昇りかけている街を走りまし...
  • プラグイン/ニュース
    ニュース @wikiのwikiモードでは #news(興味のある単語) と入力することで、あるキーワードに関連するニュース一覧を表示することができます 詳しくはこちらをご覧ください。 =>http //atwiki.jp/guide/17_174_ja.html たとえば、#news(wiki)と入力すると以下のように表示されます。 ドラゴンクエストけしケシ攻略Wiki - Gamerch(ゲーマチ) 白夜極光攻略wiki - AppMedia(アップメディア) 【グランサガ】リセマラ当たりランキング - グランサガ攻略wiki - Gamerch(ゲーマチ) SlackからWikiへ!シームレスな文章作成・共有が可能な「GROWIBot」リリース - アットプレス(プレスリリース) 【ウマ娘】フジキセキの育成論|URAシナリオ - Gamerch...
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