利己的遺伝子


生物学の一分野における進化学で用いられる、生物の判断や進化を遺伝子を中心として考えること。


概説


1976年にリチャード・ドーキンスが「利己的な遺伝子」で解説し広まったこの考え方は、進化学において用いられる比喩表現である。科学的分類でこのような遺伝子が実際に存在するということではない。

簡単に言ってしまうと「生物は遺伝子の乗り物である」という仮定のことである。
生物の進化の過程で遺伝子が変化するのではなく、遺伝子の進化の過程で生物の形質が変化してしまっただけ。種の存続というのも我々がそう考えて行動しているのではなく、遺伝子が繁栄するための結果に過ぎないというもの。遺伝子によって我々の行動が決定づけられているといった意味合いを持つ。

補足


では、この仮定が正しかったとき、我々にとって生きる意味とは何だろうか。リチャード・ドーキンスは「虹の解体」にてこう語っている。

確かにこの宇宙には究極的な意志や目的など何もないのだろう。然し、一方、個人の人生における希望を宇宙の究極的な運命に託している人間など私たちのうちに一人も存在していないこともまた事実である。それが普通の感じ方というものだ。我々の人生を左右するのは、もっと身近で、より具体的な思いや認識である。

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最終更新:2021年07月22日 09:38