火のはぜる音が聞こえる。
それに混じり、傍らで時折、シャムラセインが本のページをくる軽やかな音が、耳に届く。

のびのびと。楽しげに歌うカジュに合わせ
自国の楽器を爪弾き、伴奏と合唱をつけるマコト。
空になった水袋と桶を太鼓にして、キオが拍子をつけはじめ。

ジンが、指笛で彩を添えたところに
コーサカがきらびやかな裾をなびかせ、異国の舞を踊りだし
コータは手持ちの薬品に火をつけて、その光景に
色とりどりの光を添えてみせる。

くすくす笑いながら、シュウが火にくべた鍋のふたをあける。

風が、優しく草原を揺らす。

草木をなぜるやわらかな音、にぎやかな音楽に混じって
甘い草花の香りとシチューの煮えるいいにおいが鼻先をかすめ、肺の奥まで届く。

思わず、ぐう、と腹が鳴る。

「なあなあ、一緒に歌おうぜっ」

笑いながら手招きをするカジュの笑顔につられ、うなずいてしまう。
立ち上がれば、空は見事な夕焼けのグラデーション。

ある日の夕餉の前の、平和な風景。


以上、主人公視点での描写でした。
どんなお話でも、日常風景の描写がとても好きだったりします。
RPGや戦記ものだとなおさら。

思いついたら筆が止まらなかった。
……反省はしていませんw

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最終更新:2010年08月21日 10:13