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電王×ローゼン 後編Aパート



光も音も何も存在しない暗闇の世界、そんな世界に金糸雀はいた。

彼女は求めていた。
この世界からの脱出方法を、そして自分の体を利用してモモタロスと戦っている存在を止める方法を・・・。
「残念ながら、無駄かしら!」
振り向く金糸雀。
そこにはもうひとりの金糸雀がいた。
金糸雀は声をあげようとする。
だが、自分が何と言おうともその声は声にならず、ただ口をパクパクさせるだけであった。
「何を言ってるか分からないけれど・・・あなたはもうあなたじゃないかしら。」
そう言うと、もうひとりの金糸雀の体は砂のようになり、そして別の形を作り出そうとしていた。
「ふふふ・・・もうここは『あなたの世界』じゃないかしら!この世界は・・・俺の物だ!!」

仮面ライダー電王 ソードフォームは金糸雀が変身した仮面ライダーNEW電王と戦っていた。
幾度となく襲いかかるマーチェテディに対し、デンガッシャーで応戦する電王。
だが、電王自身はNEW電王への攻撃を仕掛けることは無かった・・・というより出来なかった。

モモタロスは考えていた。
本当に金糸雀が犯人なのか?
あの優しさも、本当は自分たちを利用するための演技でしかなったのか?

      • いや、そんなはずはない。
何故なら・・・。

葛藤するモモタロス。
そのため、戦いは防戦一方となっていた。
『しぶとい奴かしら!これならどうかしら?』
そう言って、腰のデンガッシャーをガンモードにして発砲するNEW電王。
突然の攻撃に、電王は全ての弾丸を胴に受ける。
「ぐあっ?!・・・くそっ・・・金糸雀・・・。」
フラフラになりながらも起き上がる電王。
だが、これまでの攻撃を全て防御しようとしたことによる疲れで、構える力はすでに残っていなかった。
『これで・・・最後かしら!!』
マーチェテディの大きな一振りが、無防備となった電王を襲いかかる。

その時・・・。
『・・・何者かしら?!』
電王へと振り下ろされたマーチェテディをふたつの刃が阻止する。
「おっと、お嬢ちゃん。こんな危ない武器を振り回すより、僕に釣られてみない?もっと面白いことが体験出来るかもよ?」
「ウラタロス!何、戦闘中にナンパしてるんだよっ!!」
NEW電王の攻撃を阻止する者、その正体はウラタロス、そして仮面ライダーゼロノス ゼロフォームであった。
ゼロガッシャーでNEW電王を押し返すゼロノス。
そして、今度はゼロノスとNEW電王との戦いが開始された。
「侑斗・・・カメ・・・。」
「先輩、ここは僕たちに任せてよ。良太郎!」
『うん・・・分かった。』
電王の中にある野上 良太郎の意思がデンオウベルトの青いボタンを押そうとする。
だが、ボタンを押すはずの右手は、己の左手によって阻止させられてしまった。
『モモタロス?!』
「ちょっと、先輩!何やってるの?!」
「良太郎・・・カメ・・・ここは俺にやらせてくれ・・・。」
「『自分に・・・』って、もうボロボロじゃない!」
「うるせぇ・・・カメ公・・・これは・・・俺の問題なんだ・・・。」
そう言って、再び立ち上がる電王。
だが、再び倒れてしまう。
倒れる電王に対し、両腕でキャッチするウラタロス。
「先輩!」
「カメ・・・頼む・・・行かせてくれ・・・。」
「先輩・・・休むことも必要だよっ!!」
そう言って、ウラタロスは電王の腹部を殴る。
「な・・・。」
気絶する電王。
「ごめんね、先輩。」
そう言うと、ウラタロスは電王と合体、ロッドフォームへとフォームチェンジした。




時の列車、デンライナー。
次の駅は過去か?未来か?



火花を散らす、ゼロガッシャーとマーチェテディ。
遅れて、電王のデンガッシャー ロッドモードも戦いに加わる。
これまで優位に戦いを進めていたNEW電王だったが、2対1の猛攻、
そして離れた間合いから攻撃を行なう電王に押され始めていた。
『ならば・・・これで・・・!』
再び、ガンモードのデンガッシャーでの攻撃を行なおうとするNEW電王だったが、
瞬時に気づいたゼロノスによってデンガッシャーを叩き落されてしまった。
「そろそろ3枚に・・・いや、今日は焼き魚で行きますか!」
そう言うと、電王は自身のデンガッシャーをガンモードに変え、NEW電王との間合いを取る。
そして、ゼロノスも同様にボウガンモードへと変えて、相手との間合いを取った。

FULL CHARGE!!
FULL CHARGE!!

武器にエネルギーを溜めるダブルライダー。
そして、デンガッシャーからはオーシャンストライクが、ゼロガッシャーからはグランドストライクが同時発射され、
一直線にNEW電王へと向かっていく。

だが、2つの光弾がNEW電王に向かう途中、何者かがこの直線上に乱入してきた。
「あれは・・・先輩?!」
それは満身創痍のモモタロスであった。
「おい、モモタロス!何やってるんだ!!」
ゼロノスが叫ぶ。
だが、モモタロスはNEW電王を守るかのように2つの光弾の前に立ち塞がった。
『モモタロス、危ない!』
良太郎も叫ぶ。
だが、モモタロスは動くこと無く、そのまま体に光弾の直撃を喰らうのであった。

倒れこむモモタロス。
そして、それをあざ笑うかのように変身を解除した金糸雀が現われる。
『ふふっ、本当にあなたは馬鹿かしら。自分が利用されてたことをまだ受け入れられないなんて究極の馬鹿かしら!』
「・・・言ったはずだ・・・俺は・・・金糸雀を・・・守ると・・・。」
『守ろうとした結果が『死』なんて、ちゃんちゃらおかしいかしら!』
「・・・言いたきゃ・・・勝手に言ってろ・・・偽者め・・・。」
『何を言ってるかしら!カナはカナ・・・。』
「・・・よく言うぜ・・・そんな悪役な台詞・・・涙流しながら言う奴なんて・・・いねぇんだよ・・・。」
『・・・涙?』
金糸雀は自分の頬を触る。
そこには一滴の涙が流れていた。

『どうして・・・涙が・・・。』
「・・・聞こえるか・・・金糸雀・・・俺の役目は・・・ここまでだ・・・後は・・・お前の力で・・・頑張れ・・・。」
『この死にぞ「・・・ロス」こないめ!』
金糸雀がマーチェテディを振りかざす。
『この一撃で「・・・モ・・・タロス」お前を「・・・モモ・・・タロス」黙らせ「・・・モモタロス!!」・・・な・・・何だ?!』
突然、体が発光しだす金糸雀の体。
      • と同時に金糸雀は苦しみだした。
『な・・・何故だ・・・どうして・・・。』
「・・・カナは・・・カナは・・・カナかしらぁあああああ!!」
復活する金糸雀の意識。
そして、金糸雀の体からは1つの砂の塊が飛び出してきた。
「あれは・・・イマジン?!」
電王が言う。
「くそぅ・・・我が名はタピルス・・・夢を喰らいしイマジン・・・。」
「夢?」
「そう、あのイマジンは夢・・・今回の場合は金糸雀くんの夢を使って我々を倒す作戦を実行していたのです。」
突然の声に後ろを振り向くダブルライダー。
そこには、見たことの無い<黒と緑のツートンカラーの時の列車>から降りてくるオーナーの姿があった。
「オーナー!」
「ようやく分かりましたよ、金糸雀くんのページの一部を『封印していた存在』があのイマジンだったとはね・・・。」
『ページ・・・?』
「そや、あのページには金糸雀が行なった一連の行動が事細かに書かれておる。桜田っちゅう家に侵入し、その家のPCで遊び、
 ティータイムに参加しようかと悩み、最終的には昼寝したっちゅうまでの行動がな。」
時の列車から今度はフィリップが降りて来て言う。
「しかし、このすぐ後のページには金糸雀くんと幸太郎くんの出会い、
 そしてあのイマジンと幸太郎くんとの交戦に関することなどが記載されていました。
 おかしいと思いませんか?」
「・・・確かに。昼寝の直後に幸太郎との出会いなんて唐突過ぎるし、
 その間に何かあったとしても、そこだけ抜け落ちているのは不自然だ。」
ゼロノスが言う。
「簡単なことですよ。どんな生物でも夢の中では何にでもなれる・・・つまり『無限の存在』なのです。」
「だが、それは逆に言えば『何にでも変更出来る』とも言い換えられるわな。
 あのチビちゃんみたく今までの過去をリセットされて、嘘の過去を上書きさせられる・・・てな。」
『嘘の過去って・・・まさか幸太郎は!!』
「おそらく、『幸太郎くんが倒された』という過去が上書きさせられた影響で存在を消されたのでしょう。
 嘘の時の流れに整合性を持たせるためにね・・・。」

「もう遅い・・・。」
タピルスイマジンが言う。
「いくら俺の作戦が分かったところでNEW電王も・・・そしてモモタロスも帰っては来ないのだ!
 貴様らを全滅させるには程遠いが、貴様らに十分なダメージを与えられただけでも俺は満足なんでな!!」
「・・・残念ながら、ダメージは0ですよ。」
オーナーが言う。
「何だと?!」
「そうですねぇ・・・説明するより聞いて見てもらったほうが分かるかもしれませんねぇ。金糸雀くん!」
「・・・ハイかしら!」
「君の曲を聞かせてくれないでしょうか?」
「ちょ・・・オーナー!こんな非常事態に・・・。」
「・・・君の持ち歌の1つ、『カタストロフ』を。」
「!!」
「・・・?」
「駄目ですか、金糸雀くん?」
「・・・オーナーさんを信じるかしら。」
そう言って、金糸雀はバイオリンを取り出した。

演奏を始める金糸雀。
そのバイオリンからは『恐怖』や『悲しみ』といったものを連想させる重低音が放たれるのであった。
「な・・・なんだ・・・こ・・・この曲は?!」
その音に呼応するように苦しみだすタピルスイマジン。
そして、金糸雀も引きながら苦悶の表情を浮かべていた。

だが、オーナーや電王たちには何も異常が起きていなかった。
「オーナー、これはいったい・・・?」
ゼロノスが聞く。
「カタストロフ・・・つまり『世界の崩壊』ですよ。『金糸雀くんの夢の世界』のね・・・。」
『そうか!あの子やあのイマジンは本来この世界の住人じゃない。あの子の夢の力で出現した存在なんだ!!』
「そう。そして、金糸雀くんの引いているあの曲は『自分の世界を破壊する』という究極の自爆技のようなもの。
 だから、金糸雀くんの夢の世界の住人であるあの2人のみが曲の効果を受けているのです。」

「や・・・やめろ・・・。」
耳を押さえながら苦しむタピルスイマジン。
だが、金糸雀の曲はさらに強さを増していく。
しかし、一方の金糸雀も『カタストロフ』の効果に蝕まれ、演奏する力を失いつつあった。
「・・・くっ・・・もう・・・ダメかしら・・・。」

『後は・・・お前の力で・・・頑張れ・・・。』
突然、フラッシュバックするモモタロスの声。

そうだ、今このイマジンに立ち向かえるのは自分しかいない。
今は・・・ただただ頑張るしかない!!

そんな気持ちが金糸雀を奮い立たせる。
金糸雀は曲を弾き続けた。

テンポの上がるバイオリンの音。
強さを増す重低音。
そして、さらに苦しむタピルスイマジン。
「う・・・わ・・・俺の・・・体が・・・。」

ついに金糸雀の曲が最高潮に達した時、金糸雀は指でバイオリンの弦を弾いた。
弾かれたことで千切れる弦。
そして、金糸雀とタピルスイマジンの体も千切れた弦のように崩壊した。

これが『カタストロフ』完成の合図であった。

「消えた・・・。」
変身を解いた良太郎が言う。
「これで・・・終わりなのか?」
「い~え、これからが本番ですよ。」
変身を解除した桜井 侑斗の言葉をオーナーが否定する。
「これから・・・?」
「さて・・・フィリップくん、ついでで悪いですが、我々を送っていただけないでしょうか?」
「乗りかかった船やし、拒否るワケにはいかんやろ!」
そう言って、フィリップは時の列車の中に戻ってしまった。
「良太郎くん、桜井くん、君たちも来てください。あと・・・『彼ら』を置いていかないように気をつけてくださいね。」
そう言って、オーナーは後ろを指差した。
「「彼ら・・・?」」
振り向く良太郎と侑斗。

そこには3つの影があった。


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最終更新:2010年03月19日 00:30
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