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涼宮ハルヒの原人

 ハルヒが放課後何時もの様にSOS団部室にいると、そこへ突然入口の戸が半分開き、キョンが顔を出した。

「ハルヒ大変だ! 凄いのが出たぞ!」
「凄いのが出たぁ? 宇宙人でも出たの?」
「違う! でもとにかく凄いのが出たんだ!」

 通常、キョンはこの世の不思議を求めるハルヒに振り回される一般人の立場なのであるが、
この日だけは少し様子が違っていた。

「宇宙人じゃないの? じゃあ未来人? 異世界人?」
「そのどれでも無い! とにかく出たんだよ!」
「はぁ!?」

 ハルヒは半分呆れながら首を傾げてしまった。宇宙人でも未来人でも異世界人でも無いが、とにかく凄い物とは
一体何であろうかと? かと言ってキョンの必死の形相ぶりから見て嘘を付いているとは思えない。

「じゃあキョン、一体何が出たって言うのよ? 言っとくけど大した事無い物だったら承知しないからね。」

 ハルヒが面倒臭そうな顔をしながら立ち上がり、キョンの方へ歩み寄っていたのだが、その時突然
入口の戸が大きく開かれた。

「うわぁ!! 何よこれぇぇぇ!!」

 次の瞬間、ハルヒの叫び声が校舎中に響き渡っていた。SOS団部室の入口の戸を開けてキョンと共に
現れたそれは…全身が鋼の様な筋肉で覆われた全裸の大男だった。

「ななななななな……何なのよこれぇぇぇぇ!!」
「な! な! 凄いだろ! 凄いだろハルヒ!」
「凄いのは分かったから! これは一体何なのよぉぉぉ!!」

 これは流石のハルヒも動揺を隠す事が出来ず、思わずキョンに組み付いて事情を問い詰めてしまう始末。
確かにハルヒはただの人間に興味は無いが、これはもう見るからにハルヒの求める普通では無い人間だ。

「良いかハルヒ…コイツはな…原人だ。」
「原人!?」
「何でも中生代の岩塩層の中からティラノサウルスと格闘中に塩漬けになったとしか思えない
状態で発見されたらしくてな、それでピクルと名付けられた原人だ。」
「中生代って………まだ人類誕生してないじゃない!」
「そうだよ。いや…そうだと今まで考えられていたんだ。しかしコイツの存在がその常識を打ち砕いたんだ!」

 ハルヒは宇宙人・未来人・異世界人等を求めていたが、まさか中生代の原始人が現れるとは
彼女にとっても斜め上の展開であったに違いない。そしてハルヒは興味深そうに原人=ピクルの全身を
嘗め回すように見つめ始めた。

「た…確かにこれは…普通の現代人じゃないわ…。全身の猛獣みたいな筋肉…こんなの近代ウェイトトレーニングでは
絶対作れないし…眼光も普通じゃない鋭さだし…両手両脚の爪なんてまるで猛禽類じゃない! よし気に行ったわ!
あんた今日から早速SOS団の団員になりなさい!」
「いかんハルヒ! それ以上近付いたらダメだ!」

 ハルヒは笑いながらピクルに近寄り、キョンが止めるのも聞かずその肩を掴もうとしたが…その時だった。
ハルヒの手がピクルの肩に触れるよりも先にピクルが突然猛獣の様にハルヒに襲いかかってきたのだ。

「えぇ!? ○×△□~~~~~~~~!!」

 ピクルに押し倒され、ハルヒは声にもならない叫び声を挙げてしまった。

「ほら言わんこっちゃない! ピクルは自分を襲う相手を逆に捕食して来たから、ピクルに手を出すと
その時点で逆に捕食されちまうんだぞ!! だからピクルが来日したばかりの時にもインタビューしに来た
女性キャスターを逆に襲ったなんて話もあるんだ!」
「○×△□~~~~~~~~!!」

 ピクルに襲われ、もはや全年齢対象では表現出来ない事態に陥ってしまったハルヒであったが、
(範馬刃牙本編ではやっちまってたけど)この状況はもはやキョンでもどうする事も出来ない。
ピクルは中生代においてティラノサウルス等の大型肉食恐竜を逆に捕食していたと推測される程の原人なのだ。
こんな相手をどうにか出来る人間等いるはずがない。

「ええいこうなったら長門! この状況を何とか出来るのはお前しかいない! 丁度良い具合に
ハルヒも気を失ったし! 頼んだぞ!」
「了解…。」

 実はさり気無く部室にいた長門有希出陣。ここに塩漬け原人ピクルVS対有機生命体コンタクト用インターフェース長門有希の
夢の対決が現実の物となった。

 ただいま激闘中 ただいま激闘中 ただいま激闘中 ただいま激闘中 ただいま激闘中 ただいま激闘中
 ただいま激闘中 ただいま激闘中 ただいま激闘中 ただいま激闘中 ただいま激闘中 ただいま激闘中

 こうして長い激闘の末にピクルには逃げられてしまったが、長門は何とかハルヒを救い出す事に成功。
しかし、長門も決して無傷では無かった。

「原人に片腕持っていかれてしまった…。」
「だっ大丈夫なのか長門! うわっ痛そう!」

 ピクルは長門の片腕を食い千切りそのまま骨ごと噛み砕いて喰ってしまうと言う凄まじい事をしてしまっており、
当然長門の片腕は無くなっていた。もっとも、そんな状況においても長門は表情一つ変えていなかったし、
無くした腕も再び再構成して事無きを得ていたのだが…

「腕は情報再結合すれば大丈夫。しかし…原人は強かった。私でも涼宮ハルヒを助け出すのが精一杯だった。」
「ああ…相手は恐竜を捕食していたらしい原人だ。それも仕方の無い所だろう。」

 ピクルの行方は不明だが、何とかハルヒが捕食されずに済んだ事は良かった良かったとすべきだろう。
まあもっとも………

「原人怖い…原人怖い…原人怖い…原人怖い…原人怖い…原人怖い…原人怖い…原人怖い…原人怖い…原人怖い…。」

 ハルヒにとって原人に襲われたのは相当なトラウマだった様で、しばらくの間この様に
彼女らしからぬ程にまで怯え震えていた事は言うまでも無い。

 おわり

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最終更新:2010年03月19日 22:54
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