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第4話 仮面ライダーVSネセサリウス(必要悪の教会)

カリールは翔太郎と共に当麻のアパートに戻り、フィリップとインデックスを含む三人に全てを語った。

今から四年前、イタリアのミラノのアラブ人街で過激な十字教信徒による移民に対する暴動があったのだ。
移民側の犠牲者は数百名とも言われる程のものであったと言われている。そしてその暴動を扇動した男の手により
ナワルは妻と息子を殺されたのだ。排斥事件にしては余りにも凄惨であったため、大々的にニュースで報じられていた。
カリールもそのアラブ人街に住んでいたのだが、たまたまその時は故郷のサウジアラビアに里帰りしていたので
難を逃れた。しかしカリールも義理の姉と甥を失ったのだ。

「奴らは俺達を異教徒だからといてゴミのように殺した……! 俺は奴らを決して許さない!!」

過去を語り終えたカリールの体中からは突き刺さるほどの殺意と憎しみを放っていた。それは翔太郎とフィリップが冷や汗を
流す程のものでった。

「あのナワルにそんな過去が……」
「俺も覚えてるぜ。四年前のその事件なら日本の新聞でも大きく取り上げていたからな。まさかナワルがあの事件の犠牲者だったなんて……
あの記事を読んでいただけで胸糞が悪くなったのを覚えてる。女子供でさえ殺し、尚且つ警察はろくに捜査もしなかったそうだからな」

翔太郎はナワルの過去を知り、十字教信徒のその残虐さに怒りを覚えた。


「確かにナワルだけに一方的に非があるようには見えないが……」

フィリップは十字教を憎むナワルの心情がどれほどのものか分かった気がした。

「翔太郎、これでわかったろう? あいつらは綺麗な顔をしながら内心俺達を下等な宗教の信徒と見下し、俺達が十字教が中心の国に
住めば大勢で俺達を殺しにかかる。何もしないでいてはこっちがやられるだけだ。俺はナワルに殺しはしてほしくないと願ったが、
もうそんなことはどうでもよくなってきた気がする。さっきのシスター共の綺麗な面で腐った教えを広める姿を見たらそう思ったよ。
思えば復讐を止めたいという俺の考え方が間違っていたのかもしれん。できれば俺も復讐に参加させてもらえればありがたい……」
「けどなカリール、いくらそんな過去だからって無関係な十字教の信徒を殺したりしていいはずがねぇ。それじゃ四年前の事件の十字教の
暴徒と同じじゃねえか!」

翔太郎はナワルとカリールの過去に心を痛めながらもナワルの復讐というやりかたは間違っているとカリールに説く。

「じゃあ復讐以外に何をすればいい? 家族の写真を見ながら感傷に浸る惨めな生活を送れとでも言うつもりか?」

カリールの言動は二日前にナワルを止めて欲しいと懇願した時とはまるで別人になっていた。やはりカリールも十字教への復讐をしたい
のだろうか?翔太郎は思った。

「そんなこと間違ってるんだよ!!」

翔太郎とカリールの会話にインデックスが割り込む。

「翔太郎の言うとおりそんなやり方で何が変わるの? もっと何か別の方法が……!」
「まさか十字教徒共の復讐を望む者がナワルだけだと思ったのか? ナワルだけじゃない。四年前の暴動事件の生き残りの殆どは十字教徒への
復讐を望んでいるそうだ。まさか泣き寝入りしろなんて言うんじゃないよな?"彼等にも親しい友人や家族がいるから復讐などやめろ"なんて
家族を殺された者達に躊躇わず言えるか?これはナワル個人の問題じゃない。俺達ムスリム全体の問題だ」

カリールは割って入ったインデックスを睨みながら十字教への復讐を望む者はナワル個人だけではないと言う。

「復讐する者を止める者というのは気楽な者だ。復讐に走る者だけを見て、復讐の原因となった者達には目を向けないとはな。
"過去に囚われるな"という言葉も奴らの得意な言葉だよな。過去を切り離して物事を考える奴は最悪の愚か者だ。過去があるからこそ
現在の自分があるということに気がつかないのか?人間が簡単に過去を切り離して物事を考えられればこんな苦労はしない」

そう言うとカリールは当麻のアパートを出て行った。

「復讐か……」
「翔太郎、これは照井竜の時よりも事情が複雑のようだね」

照井竜……。仮面ライダーアクセルに変身する彼もまた復讐に燃える男だった。自分の家族を殺した男、Wのメモリの持ち主を追って……。
以前にも翔太郎、フィリップと復讐絡みで敵対した照井だったが、翔太郎やフィリップとの対立をえて、風都にいる間は風都のルールに
従うということで決着したが、今回ばかりはそう簡単な話ではない。翔太郎とフィリップは答えを出しあぐねていた。





◇






「おいおい……、道を歩いていたら急に夜になった……!これも魔術師の仕業ですかー?」

ナワルの捜索をしていた当麻は、第7学区内を歩いていると急に辺りが暗くなったことに驚いた。さっきまでは午後2時
だったのだ。いきなりこんな夜中になるなど魔術師の仕業に決まっている。当麻はまたかという感じで辺りを見回す。
相変わらず魔術師の類に好かれる体質のようだ。

「……ん?ひ!人が空中を歩いてる!?」

当麻は空を見上げると、白服の青年が空からこちらに近づいてくるではないか。

「お!お前も魔術師か!?」

当麻は身構える。

「いいえ、上条当麻、あなたに忠告をしに来た者です」
「うぉ!?いきなり目の前に!?」

宙を歩いていた白服の青年はいきなり当麻の目の前にワープして語りだす。白服の青年は空を指差しながら当麻の住む世界に危機が訪れている
ことを話す。

「貴方達の住んでいるこの世界は既に他の世界に侵食され始めています。それを止められるのは貴方しかいません」
「俺達の世界……?俺達が住んでいるこの世界以外にも世界が存在するのか?」
「ええ、既に貴方達の世界に侵入している者達がいます。それを止められなければ貴方の住む世界は崩壊するでしょう」
「いきなり世界崩壊って言われてもなぁ……」

当麻はいきなり現れた男に自分の世界が崩壊すると告げられてもイマイチ信じきれていないようだ。

「信じられないのも無理はありません。それを証明してくれる人を連れてきました」

白服の男が空を指差すと、道路に巨大な雷が落ちる。

「うお!?」

突然降ってきた雷に驚く当麻。雷が落ちた場所を見ると、人影が見える。煙が晴れると、頭に傘のような帽子をつけ、白い服に
白い両目の男が立っていた。

「お前達の世界の崩壊に関しては私から説明しておこう」
「あ、あんたは……?」
「我が名はライデン。お前達の住む世界とは違う世界で神をしている者だ」
「か、神……?」

当麻はいきなり空から雷と共に現れた男の言葉に呆然としていた。





◇





「とりあえず俺はナワルを捜し行く。お前はその娘の傍にいてやれ」
「わかったよ翔太郎」

翔太郎は意を決してナワルの捜索に行くことにした。このまま悩んでいても仕方がない。ナワルを止めなければ犠牲者が
出るばかりだ。

その時翔太郎の携帯が鳴り、翔太郎は携帯に出る。

「はい、左です…………。あ、照井、お前もこの学園都市に?ん?無実を証明したい学生二人だって?わかった直ぐに行く」
「どうしたんだい翔太郎?」
「照井の奴がここの街に来てる。照井を襲った女学生が二人がいるらしくてな、その二人は自分達は照井を襲ったことは記憶にないと
言ってるんだ。俺は直ぐにジャッジメント(風紀委員)第177支部に行ってくる」





◇




美琴と黒子はジャッジメント(風紀委員)第177支部にあるパソコンで自分達がタハール導師からジャスミンを預かり、自分達がジャスミンを
つれて歩いている所を映した監視カメラの映像を食い入るように見つめていた。自分達の潔白を何としても証明する為に固法にすがりついて、
パソコンを見させてもらっている。照井も必死に無実を主張する二人についに根負けしてパソコンで調べることを許可したのだ。

「あたしと黒子はジャスミンちゃんをここに連れて行ったのは覚えてるのよ。でもその後確か路地裏に行きたいってジャスミンちゃんが言って……」
「あ!お姉さま!見てください!ジャスミン嬢が懐から何か物を出しましたわ!それを自分の腕に…………へ?変身しましたわよ!?」

美琴と黒子は黒いマントで身を包んだ怪人に変身したジャスミンから何か言われ、頷くと、そのまま路地裏を立ち去っていく姿が映されているではないか。

「あ、あたし達はこの怪人に操られて……」
「……どうやら本当のことだったようだな」

照井はジャスミンが変身したのを見てドーパントだと確信した。

「っていうことはタハール導師もグルって可能性があるんじゃない?ホラ、ジャスミンちゃんの案内を頼んだのも導師だし……」
「これで決まりだな。固法といったな。直ぐにこの映像に映っている少女とタハール導師の捜索をアンチスキル(警備員)に頼んでくれ」
「ええ、わかりました照井刑事」

固法は照井の頼みを聞いてすぐさまアンチスキル(警備員)に捜索の依頼を出す。後輩二人が操られていたのだと知り胸を撫で下ろしたようだ。
その時ドアを開けて翔太郎が入ってくる。

「照井、お前、超能力を持った女学生二人に襲われたってな。その二人はどこだ?」
「左か。その学生二人ならこちらだ」
「俺は左。左翔太郎だ。風都で探偵業をしてる」
「あたしは常盤台中学の御坂美琴。こっちは後輩の白井黒子よ」
「お見知りおきを」

翔太郎は美琴と黒子に自己紹介を済ませた後、二人を操ったドーパントは何の力を持つドーパントなのかフィリップに連絡を取り、
フィリップは"地球の本棚"にアクセスする。

「人を操る力だからやっぱ"コントロール"か?」
「よし、"ドーパント"と"コントロール"で検索してみよう」

フィリップは"ドーパント"と"コントロール"で検索をかけるが、本が殆ど減らない。

「情報が不足しているね……。以前戦ったライアー・ドーパントのような能力だとは思うんだが……」

フィリップが困惑する。

「なあ、君達を操ったドーパントの映像を見せてくれるか?」
「え?いいけど……」

翔太郎はパソコンに映された監視カメラの映像のドーパントに変身したジャスミンが美琴と黒子に何か話しかけている所を注意深く見た。
よく見ると、指先から紫色の光線を出して、それを美琴と黒子に当てているではないか。

「まてよ?何かを"暗示"させているかもしれないな フィリップ、"暗示"で検索してくれ」
「わかったよ翔太郎。"暗示"を英語に直すと……suggest(サジェスト)か。」

フィリップは暗示の英語のsuggest(サジェスト)で検索をする。するとみるみる本が減り、一つ残った本をフィリップが読み始める。

「翔太郎、タハール導師と養女のジャスミンはナワルとグルだ!!」
「何!?こうしちゃいられねぇ!直ぐにナワルを捜索するぞ!」

翔太郎は世界有数の大富豪がナワルと共犯だとは予想がつかず、何としてもナワルを見つけるべく支部を出ようとする。

「待って!あたし達も一緒にその人と導師を探させて!」
「わたくし達ジャッジメント(風紀委員)の力が必要になりますわ」
「仕方ねえな……」
「わかった……」

翔太郎、照井は美琴と黒子がナワルの捜査に加わることに同意した。






◇





翔太郎、照井、美琴、黒子はそれぞれ二人一組でナワルの捜索を開始した。しかし一向にそれらしい人間を見たという情報はない。

「写真の男の人は知らない。と、ミサカはミサカは言ってみる!!」
「……だめだなこりゃ」
「次に行くぞ左」

翔太郎と照井は血眼で捜すがやはりナワルを見たという情報はない。二人が苛立ちを隠せずにいた時、男女の二人組が翔太郎と
照井の前に立ちはだかった。

「左翔太郎と照井竜ですね?我々ネセサリウス(必要悪の教会)から捕縛命令が出ています。場合によっては殺しても構わないという指令
ですので、言うとおりにした方が懸命です」

翔太郎と照井の前に立ちはだかった二人はネセサリウス(必要悪の教会)所属の魔術師、神裂火織とステイル・マグヌスだ。

「ネセサリウス(必要悪の教会)……、噂だけなら聞いたことがある。イギリス清教を実質上取り仕切るといわれる部署……。そんな
者達が俺達に何の用だ?」

照井は神裂とステイルを睨みながら質問する。一日に二度も喧嘩を売られて流石に頭に来ているようだ。

「僕達としても上からの命令は絶対なんでね……。抵抗するなら力づくで連れて行くよ?」

ステイルは目の前にいる二人が井坂以上に危険な存在には見えなかったが、任務を優先させることにした。

「君達がドーパントよりも危険な存在であるかどうか証明できるのかい?」
「俺に……、質問を……、するな!!」

ついに堪忍袋の尾が切れた照井はアクセルドライバーを装着し、アクセルメモリを取り出す。

「変ッ……身!」

『アクセル!』

アクセルメモリを差込み、アクセルドライバーのスロットを捻り、アクセルに変身する

「ちっ、面倒なことになってきやがったぜ。フィリップ、変身だ!」
「OK、翔太郎」

翔太郎とフィリップも照井に続きWドライバーにメモリを差込み、変身する。

『サイクロン!』
『ジョーカー!』
『サイクロン・ジョーカー!』

「貴方の相手は私がします」
「上等だ!魔術師だかなんだか知らねーが、売られた喧嘩は買ってやる!」

「僕の相手は君かい」
「さぁ、振り切るぜ!」

神裂が自身の得物、刀身が2メートルもある長刀、「七天七刀」を抜き、Wに斬りかかる。
「七天七刀」の斬撃がWのボディに傷をつける。

「がぁ!」

翔太郎はこの長大な刀をいとも容易く操る神裂に驚愕した。魔術師というのは生身でもこのような強さなのだろうか、と。

「翔太郎!ここはサイクロン・メタルでいこう!」

武器がないことを不利と見たフィリップはメタルシャフトを持つサイクロン・メタルに変身するよう進言する

「よし!」

『メタル!』
『サイクロン・メタル!』

メタルシャフトが「七天七刀」の斬撃を止める。恐ろしい程の強度を誇るメタルシャフトであれば「七天七刀」の斬撃といえど
破壊できるはずがない。Wはメタルシャフトを棒術の要領で操り、神裂が繰り出す斬撃を次々と捌いていく。
達人級の剣術の使い手である神裂は無駄のない動きで斬撃を繰り出す。しかしWも負けじと棒術で応戦する。神裂よりも
恐ろしい剣術を使うドーパント。霧彦を相手にしてきた翔太郎にとって神裂の剣術はさして脅威ではない。

「やりますね……。ならばこれならどうです?」

神裂はそう言うと「七天七刀」を鞘に収める。

「七閃」

その瞬間七本のワイヤーが地面を切り裂きながらWに襲いかかった。
瞬速の速さで「七天七刀」を抜刀し、七筋に切り裂き、鞘に納める神裂の得意技の一つ、「七閃」である。

「ちぃ!」

Wは七本のワイヤー攻撃をかろうじて避ける。細いワイヤーといえど地面を切りながら来るので避けること自体は難しい
ことではないが、七本全てを避けるには困難を窮める。

「何度避けてもこの七閃からは逃げられません」

神裂はそう言うと七閃を連続で繰り出してくる。Wはワイヤーの攻撃を避けるだけで精一杯だ。
そしてついにワイヤーがWを捉えるが、メタルで強化されたWのボディはワイヤーの攻撃にかろうじて耐えた。

「くっ!」
「翔太郎。ここはマキシマムドライブで一気にケリをつけるしかない」
「仕方ねぇ……、じゃあこっちも本気で行くぜ!」

Wはメタルシャフトにマキシマムメモリを差し込む

『メタル!』
『メタル・マキシマムドライブ!』

「メタル・ツイスター!!」

サイクロン・メタルのマキシマムドライブ『メタル・ツイスター』を繰り出し、自分の周りのワイヤーを吹き飛ばす。

「ちぃ!!」

神裂はワイヤーが全て弾かれると、「七天七刀」を素早く抜き、Wに向かって斬りかかってくる。

「翔太郎!魔術師とはいえ相手は生身だ!」
「わかってる!」

翔太郎は神裂の身体にメタル・ツイスターを当てずに、「七天七刀」に当てて神裂の得物を弾き飛ばす。

「あ!?」
「今だ!」

Wは手刀を神裂の首筋に軽く入れると、神裂は力なく地面に倒れた。

「ふー、魔術師ってのはこうも厄介なもんかよ」

翔太郎は魔術師の想像以上の力に脅威を感じていた








◇




「顔の傷なら心配要りません。直によくなりますよ」

学園都市一の名医である冥土帰し(ヘブン・キャンセラー)の治療を受け、リリーナは即日に退院した。
カリールの蹴りと右ストレートを食らって、顔を数針縫う怪我を負ったリリーナは、オルソラ=アクィナスの元へと帰宅していた。

「あー痛い……」

まだ痛む顔の傷を摩りながらリリーナはそう呟く。十字教の教えを広めるというのも大変だ。しかし信仰を広めるということは
困難なもの。シスターオルソラのしてきた苦労はこんな比ではないはず。自分も一人前のシスターになるべく頑張ろうと自分に
言い聞かせるリリーナであった。

「お嬢さん、君の信仰する教えについて是非聞きたいことがあるんだけど?」

リリーナの前に立った長身のアラブ人男性、ナワル・ラディは嫌な笑みを浮かべながら言った。

「あ!十字教の教えについてお知りになりたいのですね!」

リリーナの表情が一気に明るくなる。自分に布教の仕事を神が与えてくれたのだと感激していた。

「ここじゃ何だから別の場所に移動しようか?」

そうナワル言い終わる瞬間、リリーナの意識は遠のいた。ナワルの目にも留まらぬボディーブローにより意識を失ったのだ。






「お……ね………………が……い……、た、助け………………て…………」

ナワルに第十学区の廃ビルに連れ込まれたリリーナは両手首両足首を折られ、腕に鎖を巻かれて吊るされた状態でナワルのサンドバックと化していた。
もちろん、ナワルは長時間痛ぶれるようにわざと手加減してリリーナの鳩尾、太股、肩、腰、膝、喉、胸、などに打撃をかれこれ1時間以上打ち込んでいる。

リリーナは既に虫の息だった。顔面にも容赦なくナワルの拳や蹴りを打ち込まれ、顔はお多福のようにはれ上がり、歯という歯は全て折られていた。

「断る。もう少し楽しませろ」

消え入るような声で懇願するリリーナの要求を無視し、ナワルは再びリリーナの全身に打撃を打ち込み始める。

顔面に右ストレート、右肩に手刀、左肘に蹴り、右膝に左フック、顔面にハイキック、鳩尾にボディブロー、喉に手刀、顔面に左ストレート、左肩に踵落とし………………。


「……ちっ、もうくたばったか」

休む間もないナワルの打撃の嵐によりついにリリーナは息絶えた。お多福のように晴れ上がったその顔は恐怖と苦痛に歪んだ表情をしていた。

「まぁ、それなりに楽しめたからよしとするか」

ナワルは恐怖に歪んだリリーナの右頬を舌で舐める。

「いいねぇ……絶望と恐怖の味だ……」

ナワルは薄気味の悪い笑みを浮かべながらまた一人十字教徒を絶望という名の死を迎えさせたことに満足していた。

「次からはもう少し活きのいい信徒を殺すか……。クククク……ハハハハハハハハ!!!!!!!」


ナワルは大音声の高笑いを数分間し続けた。ナワルの不気味な笑い声だけが廃ビルに響いていた。



次回 第5話 兄弟の絆

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最終更新:2010年04月05日 23:41
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