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八話 SIN [罪の意識]

 すべてを洗い流すかのように雨が降りしきる中、赤と金の影が交差して重い音が周囲に轟く。
 稲妻が走り、一瞬だけ二人の仮面ライダーの姿を照らした。
 赤いカブトムシの装甲を纏う仮面ライダーカブト。
 金のコーカサスオオカブトの装甲を纏う仮面ライダーコーカサス。
 二人は世界を超えての因縁を前に、互いの拳を交わせていた。
「くっ……はあ、はあ、はあ……」
「どうしましたか? 息があがっていますよ」
 コーカサスの言葉通り、カブトは肩と胸の装甲にヒビが入り膝をついていた。
 天才と名高いカブトですら、コーカサスの格闘術を捌ききれずにいたのだ。
 対し、コーカサスはほぼ無傷。呼吸もまだまだ余裕がある。
「……まだだ」
 カブトは一旦呼気を整え、地面を蹴ってコーカサスに接近を試みた。
 右拳を固めて、音速に迫る速度で一直線に突く。
 コーカサスは危なげもなく皮一枚で避けて拳をやり過ごす。
 カブトは予測していたためすぐに拳をひき、左足でがら空きの脇腹を狙った。
 肉と肉がぶつかる重い音が雨音でかき消される。カブトのミドルキックはコーカサスの膝に阻止された。
 カブトは仮面の下で眉を僅かにひそめるだけで耐え、当て身に切り替えて地面を踏み抜く。
 右肩に衝撃を感じ、コーカサスを吹き飛ばすが手応えが軽い。
 後方に跳んで衝撃を逃がしたのだと判断し、体勢を整えた。その間一秒にも満たない。
 なのに、コーカサスはカブトの懐に潜り込んでいた。
 くっ、と喉を鳴らしてカブトは襲いかかる拳を両腕で受け止めた。
 それでも拳を受け流すことも、防ぐことも許されず強引にコーカサスが振り抜く。
 ガードごと粉砕され、カブトは背中をしたたかに打ちつけた。
「ガハッ!」
 カブトは呻き、それでも痛みを無視して立ち上がる。
 コーカサスの力は異常だ。以前戦ったときと遜色ない力がカブトの前に立ちふさがる。
 圧倒的な実力の開き。それでもカブトは諦めず構えをとった。
「……決着が着いたようですね」
 コーカサスのつぶやきに、カブトは思わずエールが消えた方向へ視線を移す。
 雨音の中、僅かに聞こえたのはライダースラッシュの電子音だ。
 なぜここまで届いたのか、カブトは疑問に思ったが敵は眼前にいる。
 カブトが再びコーカサスへ視線を戻すと、コーカサスからは殺気が消えていた。
 コーカサスが大きく跳躍して、木の枝に跳び乗る。
「天道総司。いずれ決着を着けましょう。正直、このままでは面白くありませんからね」
「そのことをお前は一生後悔する」
「その身体でそこまで強がれるなら、期待してもいいでしょう。楽しみにしていますよ」
 コーカサスはそう告げて姿を消した。残されたカブトはもはやコーカサスを見ていない。
 弾かれるように走り、エールの向かった方向へ進む。
 カブトの青い瞳が前へ向けられていた。


 そして、カブトは自分が間に合わなかったのだと、エールの声にならない叫びを受けて思い知る。
 カブトの握る拳から血が滴り落ちて、コーカサスへ完敗したことを噛み締めた。


      八話 SIN [罪の意識]


「以上が今回起きた事件の結末だ」
 プレリーは提出されたミッションレポートに目を通しながら、天道の報告を受け止めた。
 事件が終り、天道がエールを連れてきたときはなにがあったか焦ったものだ。
 天道が抱えて連れてきたエールにいつもの活発さはなかった。あれから一日過ぎた今も、自分の部屋に閉じこもっている。
 エールを仲間に迎えてから、初めての出来事だ。
 プレリーは今、専用の研究室で天道の報告を受けていたのだ。
 ワームにはいろいろと厄介な能力が多い。隊員にいらぬ不安を与えないため、ワーム絡みの事件は限られた人物にしか伝えていない。
 それにしても、と自分用の椅子に背をあずけてプレリーはため息をついた。
「心のあるワーム……。ジルウェさんのときでもすぐに立ち直ったエールを追い詰めるか……」
「だからこそ奴らは生かしておけない。奴らの悲劇は誰かに成り代わることでしか心を持てないことだ」
 プレリーは天道の意見に賛成だ。頷いて、エールのことを思う。
 エールがジルウェのときに立ち直ったのは、自分たちやインナーのヒトビトがいたからだ。
 守るべきものがあるため、傷ついてもセルパンに言葉で追い詰められても、立ち直って戦ってきた。
 だが、今回エールが殺した相手は、同時に守るべき相手であったはずだ。
 ワームだから違う、などいっても無駄だろう。エールはジルとして生きるワームを守るべきヒトビトと認識してしまった。
 エールはセルパンたちの野望で他人に犠牲を強いる行為を否定し続けたからこそ、守ると決めた人を自分の手で殺したのが重圧となってのしかかったのだ。
 プレリーはとたんにエールに申し訳ない気持ちでいっぱいとなる。
 彼女に無理をしいていた、という思いがいまだプレリーにあったからだ。
「天道さん、今エールに私たちができることはありませんか?」
「正直言ってなにもない。こればかりはエールが乗り越えないとどうしようもないからな。だが……」
 天道の最後の言葉には、優しさが込められていた。
 穏やかな天道の声にプレリーは思わず目を見開く。
「セードルやトンもプレリーと同じことを言っていた。エールを大切に思う仲間がいる。それこそが、あいつの一番の救いだ」
 どこか感謝するかのような天道の物言いに、プレリーは思わずほほ笑む。
 彼もまた、自分たちと同じくエールを心配していたのだ。

□

 地層が連なり、歴史を感じさせる。掘り進むのをメカニロイドに任せ、黒い高級スーツに身を包んだ弟切ソウは黙々と進み続ける。
 隻眼であるのに足取りになんら迷いがない。黒い眼帯が右眼を隠すが、男の顔立ちにむしろ泊がついていた。
 弟切は地面より半分顔を出しているモデルVを無視して、責任者がいるエリアへと足を踏み入れる。
 さっそく壁に十トントラックがぶつかったような轟音が耳に入った。
 弟切の目の前には、透明な部屋で壁を破壊しようと飛び回るガタックゼクターを観察しているフォルスロイドがいた。
「おや。珍しいですね、弟切さん」
「ダブルホーン・ザ・スタッグビートロイド……ガタックゼクターを観察して楽しいか?」
「堅苦しい呼び方ですねぇ。ダブルホーンで構いませんよ」
 そう言って、ダブルホーンは赤い宝石のような瞳をガタックゼクターに向ける。
 なにやら観測された数値を手前のディスクのコンピューターに打ち込んでいるが、弟切は興味がない。
 目の前のダブルホーン……クワガタムシを模したフォルスロイドに弟切は不思議に思う。
 クワガタをモチーフにした割に、ダブルホーンは細身で鋭利なデザインで作られていた。
 ギリギリまで重量を削り、攻撃手段はナイフとなる頭部の二本の角しか持たない。
 しかし、ダブルホーンはモデルVの出力すべてを速度に費やし、その速度はクロックアップに迫る。
 その特異なフォルスロイドは戦闘力もピーキーながら一流であった。
 さらに彼は研究者としてゼクターの研究を行っている。数の少ないワームとしては貴重な協力者だ。
 元はモデルVを研究しており、“あの男”の補佐をしていたそうだが、今はゼクターの方に興味があるらしい。
「ところでなにか用ですか? ガタックゼクターを研究しても余裕があるくらい、私はノルマをこなしているはずですが」
「最近ここでのモデルVの発掘と、通るヒトビトの処理が派手すぎる。もう少し抑えろ、ということだ」
「ああ、それですか」
 ダブルホーンはなんでもないように弟切に返す。弟切の注意にまったく興味を持っていない。
 自分が興味あること以外はどうでもいい、という典型的な研究者気質であったなと弟切は思い出す。
「わざとですよ」
「そうか、わざとか。それなら仕方ないな。…………なに?」
 ことは弟切の予想を超えていたようだ。ダブルホーンが妙なことを告げる。
 不意をつかれた弟切は解せないと表情を変えるのだが、ダブルホーンは弟切を見ずに答えた。
「モデルVは八割方発掘を終えましたしね。ガタックゼクターも理解しつつある。ゆえにロックマンか仮面ライダーの戦闘データが欲しいのです。
ならば両方所持しているガーディアンを動かすにはわかりやすいエサが必要でしょう?」
「わからないな。モデルVはキサマらの……そして我らワームの目的のために必要だ。なのにわざわざ危険を冒すのか」
「ふふふ……弟切さん。ライブメタルも、ゼクターも神秘の塊です。その神秘の効果をこの目で確かめたいと思うのは自然ではありませんか。
フォルスロイドでは、ライブメタルの神秘を引き出したというには少々邪道ですし」
 クックック、とダブルホーンは笑って弟切に話した。弟切としては……いや、彼らワームとしてはモデルVの力を持って稼働しているハイパーゼクターを大人しくさせ、次元の狭間にあるワームの卵を宿した隕石をこの世界に召喚したいのだ。
 この世界へワームがたどり着く途中、ハイパーゼクターが隕石を食い止め続けている。
 動きを止めようにも、破壊しようにもハイパーゼクターに手を出せないでいるのだ。
 それはまるで、ハイパーゼクターがこの世界を守っているようにも錯覚させた。
 隕石がこの世界へ現れれば、元の世界の地球のように荒廃する可能性があったのだが、ワームとしては気にする要素などない。
 ゆえにモデルVが破壊される事態はなるべく避けたいのに、ダブルホーンは己の知的欲求のために余計な行為をしている。
 弟切は頭を抱えたくなった。
「おや、また侵入者が現れたようですね」
 ダブルホーンの言葉に弟切は振り返る。確かに彼が担当するエリアに、ヒトが入り込んだようだった。
 モニターに現れる赤い点が点滅している。
「さて、あなた方のお仲間が増えますよ。ふふふふ……」
 ダブルホーンが酔ったように告げる。どよめきが弟切とダブルホーンしかいないと思われていた室内であがった。
 弟切はダブルホーンが声をかけている対象が誰であるか知っている。視線の先には、大小様々な電子オリが“中身つき”で存在していた。
 電磁オリの内部にいるヒトビトがダブルホーンに対して恐怖の表情を浮かべる。
 彼らはダブルホーンによって人体実験用に連れてこられたのだ。
 ある種、ダブルホーンは彼らを愛していた。ダブルホーンが彼らにかける言葉は優しげですらあったのだから。
「それでは行かせてもらいますよ、弟切さん。これは私の趣味でしてね」
「わかった、どうせいっても止める気はないのだろう? だから一つ条件がある」
 弟切の提案に、ダブルホーンは「ほう」とだけつぶやいた。
 弟切はモデルVを発掘するエリアに視線を向けながら告げる。
「俺もモデルVの護衛につかせろ。それでいいなら、お前の行為に目をつむる」
「ふふふ……あなたのそういうところ、私は大好きです」
 そう言ってダブルホーンは弟切の右頬を撫でて、姿を消す。
 弟切は自分の負担が増えたことを憂おい、思わずため息をついた。

□

 ジルを殺して一週間が経った。エールは仲間の前に出てきている。
 そしてなんでもないように振舞っていたが、周りにはエールが普通でないことが丸わかりであった。
「エールさん、なにかあったのですか?」
『……プレリーや天道からなにも聞かされていないのか?』
 この日もまた、整備されている途中フルーブが聞いてくる。
 中にはローズやセードルもおリ、彼女たちも興味津々にモデルZの言葉を待っていた。
 モデルZはため息をついて、頷き返すフルーブを見つめる。
 視線を移動すると、看護士の格好をしたナナと、ガーディアンの制服に武器を肩に担いだセードルが近寄ってきた。
「天道もプレリーも、エールになにがあったのか黙っているんだよ」
「…………いつもお世話になっているエールさんが元気ないと、私は心配で……」
 セードルがどこか調子の狂ったような感じで、ローズは心底心配そうにモデルZへと尋ねてくる。
 気質は正反対の二人だが、エールとも親しかったゆえ心配なのだろう。
 さて、どうしたものかとモデルZは思考する。
 なにがあったか答えるのは簡単だが、プレリーと天道が黙っているということは言いふらすなということか。
 それに、こういっては悪いのだがフルーブや彼女たちに今のエールにできることはない。
 エールがたどり着いた壁はモデルZにも覚えがある。正確には彼の相棒であったモデルXがたどり着いた壁なのだが。
 だからこそ余計に、エールが一人で乗り越えるほかはないと考えていた。
『すまないが、しばらくエールを見守っていてくれ。俺から言えることはそれだけだ』
「……そうですか」
 フルーブが小さい身体をしょんぼりとさせた。白い髭を揺らし、ため息をついている。
 しかし、セードルは納得が行かないようにモデルZへ身体を乗り出した。
「そうかい、なにもいうつもりはないってことかい」
『そう喧嘩腰になるな。こればかりはエールが一人で乗り越えるべきことだ』
「確かに、天道さんもモデルZさんと同じことを言っていましたけど……」
 セードルもローズも不満げにモデルZへ詰め寄る。
 モデルZは彼女たちの様子から、エールは確かに重症だと思い返した。


 シュミレーション室に、金髪に鋭い瞳のアランが入ってくる。
 先客がいることを確認すると、エールだったため珍しいと彼は感想を抱いた。
 モニターで訓練内容を見てみることにした。
 物陰より現れたメカニロイドに、エールは照準を合わせた。
 青いロックマン、モデルXへと変身した彼女はバスターを放ってメカニロイドを消す。
 立体映像であったメカニロイドは消えて、新しい敵が次々と現れていった。
 エールは一心不乱に次々敵を撃ち抜いていく。鬼気迫る雰囲気にアランは思わず見入っていた。
「はあ――はあ――次……」
 エールはつぶやいて次の敵を召喚する。アランが移動して難易度を確認してギョッとした。
 難易度と危険度がMAXの状態でエールは訓練をしている。
 いや、それは自分の身体をいじめ抜いているだけ、といった方が正しい。
『エール、少しは休まないと……』
「いいの! モデルX、今は動いていないと……」
 アランは痛々しいエールに見ていられず、スイッチをオフにした。
 エールが不思議そうな表情を浮かべる中、アランは訓練室へと入っていく。
「エール、そこまでにしておけ」
「アラン。大丈夫、まだこんなに元気だよ!」
「フラフラでいう台詞か?」
 アランの指摘に、エールはハッとなって鏡を見つめる。全身汗まみれになり、疲労しきった身体が細かく震えていた。
 エールはアランに笑顔を向ける。まるで無理やり作ったかのような笑顔にアランは眉をしかめた。
「ごめんごめん。つい熱中したみたい。そうだね、アランも使いたいだろうし、アタシは休むよ。
ごめんね、モデルX。アタシに無理やり付き合わせちゃって」
 そう笑ってエールは変身を解いた。シャワー室にいってくるとエールは告げて、訓練室から離れていった。
 アランはエールが部屋を出るまで背中を見届ける。
「わざと明るく振舞やがって……なにから元気をだしているんだよ。らしくない……」
 普段クールに振舞っているアランだが、エールの尋常でない様子に思わず心配そうにつぶやいた。


 熱い湯が頭上から降り注ぎ、エールにまとわりついていた汗を流し落とす。
 日にさらされながらも白いままの肌に水が跳ねて排水口へと流れていった。
 鍛えられながらも、女性特有の柔らかさを保った肢体が、一糸まとわず存在している。
 エールはシャワー室の壁を殴りつけた。濡れた黒髪が目を隠すが、悔しげに食いしばった口だけは見えている。
 ギリッ、と歯を鳴らしながらエールが思うのは、ジルを斬ったあの瞬間だ。
 いまだあの感触が残っている。ジルの身体を刃がめり込み、振り切った肉と骨の感触がエールを責めたてる。
(アタシは……アタシが――)
 とてもじゃないが、動いていないとどうかしそうだった。
 怖くて天道にあの後エリファスがどうしたのか聞けないでいる。
 その自分がとても許せなく、動いて自分の感情を誤魔化そうとしているのだ。
 今までエールが倒してきた連中は、他者を殺すことや奪うことを当然だと考えている連中ばかりだった。
 ジルウェも操られていたため戦ったとはいえ、トドメはパンドラが刺している。
 だから、どうしても『守るために戦ったジル』を殺してしまったことが、エールの心を苛んでいた。
 ジルを殺し、エリファスから大事なヒトを奪ったのは自分だ。
 もっとやり方があったのではないか?
 ジルを殺したのはエールの弱さではないか?
 正しくない思考がエールの脳裏をぐるぐると回る。
 極度のストレスに吐き気を催すが、エールは耐えてシャワー室の壁をもう一度叩いた。
 皮を破り拳から血が流れる。シャワーのお湯がそれを流しながらも、エールは痛みに耐えるように身体を丸めていた。


「ヒトビトが行方不明になる事件か……」
 プレリーは蒼い瞳をモニターに向けて、艦長席に深々と座る。
 それだけではなく、五日ほど前からモデルVの反応が堂々と出てきたのだ。
 もちろん、プレリーは警戒をした。今まで巧妙に隠されていたモデルVが、この期に及んで反応を示している。
 なんらかの罠ではないか警戒するのも当然である。
「放っておくわけにはいかないな」
「天道さん……ですが……」
「これがモデルVの反応だけなら放っておくのも一つの手だが、ヒトが消えているとなると話は別だ。
ワームが消したヒトと入れ替わる可能性がある。それを放置してはおけない」
「…………危険ですよ」
 その言葉にはエールがいないことも含まれていた。
 たとえそうでも、止まる人間ではないとわかっているのだが。
「承知のうえだ。ただし、エールには言うな」
「わかっています」
 エールに言えば、無理して出撃するだろう。今の彼女は戦える状態ではない。
 本来ガーディアンのメンバーではない天道を頼りにするのは心苦しいが、それしか手段はなかった。
「天道さん、申し訳ないのですがこのミッション、引き受けてくれませんか?」
「安心しろ、プレリー。俺は天の道を往き、総てを司る。今回も俺が解決する」
 天道は自信満々に宣言し、踵を返す。
 プレリーはただ天道の背を見送り、後を託すしかなった。


 エールは影で天道が一人向かうことを聞いていた。
 エールは悔しさで唇を噛み締める。天道やプレリーに心配をかけ、負担を増やしたため自分に腹を立てた。
(天道を一人に負担をかけさせられない。プレリー、ごめん)
 エールは一瞬だけ艦長室に目線を送り、今回の事件を思い返す。
 ヒトビトがモデルVの発掘現場の近くで行方不明になっている。
 エールの頭が怒りで煮えたぎり、拳を強く握りしめた。
 エールはフルーブにモデルZを返してもらうため、プレリーと天道に見つからないようにその場を離れた。

□

 岩肌が露出する採掘エリアへとたどり着いた天道は周囲を見渡す。
 天道の右手方向の岩に三機、左上の崖に一機ガレオン・ハンターが隠れているのを確認した。
 隠れているつもりだろうが、見え見えだ。天道はカブトゼクターを呼び出し、右手に握る。
 腰に巻かれた銀色のベルトへと、カブトムシ型デバイス・カブトゼクターを装着させた。
「変身」
 次々生み出される六角形の金属片をまとい、天道は屈伸して宙を跳んだ。
 変身完了をまたずしての行動はガレオンを戸惑わせる。
 宙に舞ったまま、仮面ライダーカブト・マスクドフォームへと変身を終えた天道がカブトクナイガンの引き金を引いた。
 右の一機と、左上のガレオンの頭部が砕けた。そのまま二機だけ残ったガレオンの中心へと着地する。
 マスクドフォーム特有の青い単眼が輝き、カブトはクナイガンをアックスモードへと変形させて横一文字に振るった。
 ザン、という鈍い音を引き連れてガレオンの首が舞う。
 この間一秒。相手にもならない。
(――む?)
 カブトの強化された聴覚にカメラの起動音が聞こえた。
 首だけ動かして視線を向けると、撮影用のメカニロイドが存在している。
(クナイガンでは届かないか)
 カブトは冷静に見切りをつけて、目的のモデルVの反応があった場所へと向かった。
 自分の情報を得たいなら得ればいい。いまさら痛くも痒くもない。
 カブトはただ、目の前に映る悪魔を倒すだけだ。


『エール、今は天道たちの判断が正しい。戻れ』
「モデルZ、そうはいかない。モデルVが関わっているなら、アタシが動かないと」
 エールは半ば意固地になって、フルーブに返してもらったモデルZへ告げる。
 赤のロックマンZXへと変身をしたエールが周囲を警戒しながら進んでいた。
 少なくとも、こうして身体を動かしている間はジルを殺したことを置いておける。
 それが弱さだと自覚しても、始めての経験にエールはこうするしかなかったのだ。
『エールの今の体調は悪いんだ。モデルZの言うとおり、戻った方がいい』
「そんなことはない! アタシだって充分休みをもらった。だからもう大丈夫!」
 エールは半ば自分に言い聞かせるように叫んで、モデルXを沈黙させた。
 痛いほど視線がエールを心配しているのがわかる。
 それを無視するのは心苦しいが、エールは必死に足を動かした。
 今頃はプレリーが転送装置のログを追って、大目玉を食らっているかもしれない。
 自分を強制的に戻すよう天道に頼まれる前に、目的をすませる。
 エールが決意したと同時に、閉じられたはずの扉が開いた。
 荒野の中でただ一つ存在する大きな建物の扉だ。エールたちが警戒するのも無理はない。
「誘っている?」
『罠だな』
 モデルZの言うとおり、罠なのだろう。それでもエールは止まる気にはなれず、そのまま進む。
 もはやモデルZもモデルXもなにも言わない。
 警戒しながらも、エールはいつもと違って気持ちが逸っていた。
 そのことに気づかないほど、エールは追い詰められていた。
 モデルZとモデルXが、自分たちがフォローせねばと決意する横でエールが最後の一歩を踏み入る。
 薄暗い実験室のような室内が、外の採掘場と百八十度違う印象をあたえる。
 ガン! と大きな衝突音にエールは身構えるが、視界に入ったのは敵ではない。
「ゼクター……?」
 エールの目の前には、透明の箱につめられていたガタックゼクターがある。
 酷いものだ、と解放に向かうと照明が点いた。
「どこ!?」
「フフフ。逃げも隠れもしませんよ」
 エールの勇ましい声に答え、青いクワガタムシを模した鋭利なデザインのフォルスロイドが現れた。
 フォルスロイドは丁寧にお辞儀をして、エールの正面に立つ。
「始めまして。私はダブルホーン」
「あなたもモデルVを搭載したフォルスロイド……?」
「ええ。残念ですが、ここにはモデルVはもうありませんよ。一足早く基地へ運んだのでね」
 慇懃無礼ながらも、ダブルホーンの声は弾んでいた。
 周囲に撮影用のカメラを呼び出し、ダブルホーンがゆっくりとエールに近づく。
「ゼクターは使わないのですか?」
「……必要なら使うわよ。けどその前にそこのゼクターや行方不明になった人も返してもらうから!」
「いいですね、その気合。データを豊富に取れそうだ」
 ダブルホーンの機嫌のいい態度に、エールは嫌悪感が湧き上がる。
 静かにZXセイバーを構えるが、相手は余裕だ。
(馬鹿にして!)
 エールは怒りに任せてZXセイバーを振るった。

□

 カブトが赤い稲妻となって三体のガレオンの首を飛ばす。
 それでエリア一つの敵を全員倒したと認識したとき、『Clock over』の電子音が高らかに鳴り響いた。
 計算通りだがどこか解せない。敵の抵抗が妙なのだ。
 まるでカブトの力を試すような動きであった。
 そのままの勢いで地下へ続く通路を駆けていく。照明がポツポツと点いている薄暗い通路を抜けると、広い空洞へとたどり着いた。
「ひと足遅かったな」
 地下で響く男の声にカブトは視線を動かす。ゴゴゴ、と低い地鳴りと共に、掘り出されたモデルVが上昇していった。
 十五メートルほどの大きさのライブメタルが回収されるさまを見つめ、カブトは地面を蹴る。
 そこへ声の主が邪魔し、カブトは足を止めた。
「どけ」
「そうはいかない。天道総司、キサマに対する借りもあるしな」
 眼帯の男が憎しみを込めてカブトへ言い渡す。カブトが記憶を探るあいだ、男が一瞬だけワームへ変化した。
 その姿を見てカブトは「ああ」とだけつぶやく。
「右眼を潰すだけでは足りなかったか?」
「――ッ! キサマ……」
 弟切はカブトの挑発に乗り、ゼクターを呼び出した。
 以前カブトが相手したときは、資格者へ擬態していなかったのだが、まあいい。
 弟切の右手にハチ型デバイス、ザビーゼクターをつかんで左腕の金のブレスレットへとはめ込む。
『Hen-shin』
 弟切の身体を六角形の金属片が包みこむ。銀に黄色のラインの重装甲が上半身に覆いかぶさっていく。
 蜂の巣のような目を輝かせ、仮面ライダーザビー・マスクドフォームが顕在した。
「今度はお前の右眼を俺がえぐってやる」
「無駄だな。俺の動きを追いたければ、天の道を知るがいい」
 もっともキサマでは無理だろうが、と言外に告げてカブトは地面を蹴る。
 ザビーとカブトがぶつかる重音が洞窟で響いた。


「はあ、はあ……」
 エールはうつむきながら、ZXセイバーの柄をギュッと握りしめた。
 白い柄に僅かに血がついており、エールの右手から細い血液の道が出来ている。
 周囲には空気を切り裂く音しかせず、エールは強化された聴覚を活用しなければならなかった。
 もっとも、一番の問題はそれではない。
「音がやんだ……そこ!」
 エールが敵の位置を予測して、地面を力いっぱい蹴った。一度の跳躍で五メートルの距離を0にして、ダブルホーンの青い鋭角な姿へと跳ぶ。
 エールはそのままZXセイバーの刃をダブルホーンの首に向けて、斬り裂く前に制止した。
「ぐっ……」
『エール、早く振りぬけ!』
 モデルZが急かすが、エールの腕が動かない。こいつは敵だ。
 倒し、モデルVの発掘をやめさせなければ多くの悲劇が生まれる。
 そうわかっているのに、エールの脳裏にジルの顔と、彼を抱きしめるエリファスの姿が浮かんで腕を動かせずにいた。
「ふむ、妙ですねぇ」
 ダブルホーンはただそれだけつぶやいて、両手に握ったナイフを左右に振った。
 刃がエールの肌を斬り裂き、二の腕から血が吹き出る。大した威力じゃないが、今のエールには脅威だ。
 エールは呻きつつ後退し、ダブルホーンを睨みつけた。だが、睨みつけるだけ。
 震えるZXセイバーをエールは認識して、奥歯を噛み締める。震えよ止まれと何度も念じるが、身体が言うことをきかない。
「瞬発力、聴力、判断力とロックマンにふさわしい能力でしたが……なぜ攻撃のときだけ失敗するのか」
「う、うるさい!」
 エールは叫び、ZXセイバーを銃へと変形してダブルホーンへ向ける。
 避ける様子すら見せない。今ならダブルホーンを撃つ最大の機会だ。
 なのにエールの人差し指が震え、極度のストレスで吐き気を催す。
『エール、ここは退け。今のお前では無理だ』
「う……うわあああああ!!」
 エールがようやく引き金を引き、人の大きさほどの青い光弾がダブルホーンへ向かった。
 ダブルホーンは無抵抗に攻撃を受け入れ、吹き飛ばされる。
 ようやく一撃与えられた。なのに、エールは膝を屈し脂汗を全身に浮かばせる。
「あ――ぐ……うぷっ」
 胃液混じりの胃の中身が食道を逆流し、エールの口にたまる。
 全身が縮小したような錯覚を受け、湧き上がる嫌悪感にたまらずエールは吐瀉物を地面にぶつけた。
 ビチャビチャと胃液混じりの内包物が飛び散り、エールの瞳に涙がたまる。
 頭は熱に浮かされたようにボーっとし、フラフラながらもどうにか立ち上がった。
「ずいぶんいい攻撃を持っているのに、もったいない。他者を傷つけることに多大なストレスを感じるようですねぇ」
『エール、もういいから。今は……』
「おっと、撤退されても困ります。しかし、今のまま攻撃ができないのなら、データを取りにくい。ですので、こういうのはどうでしょう」
 パチン、とダブルホーンの指が鳴ると同時に、コロシアム状の室内でモニターがおりてくる。
 電源が入ったと同時に、エールの視界には信じられない物があった。
「行方不明になっていた……ヒトたち……?」
「ええ。彼らはいい実験材料となりますので、手元に置いていたのですよ。“あのお方”に渡すと雑な扱われ方しますしねぇ。
それはさておき、提案があるのですよ。あなたに本気を出してもらう……ね」
 もう一度ダブルホーンの指が鳴る。それと同時にモニターの一つに映るオリに電撃が走って絶叫がエールの鼓膜を震わせた。
 呆然と見入っていたエールはカッとなり、地面を蹴る。
「この――!」
 エールは間合いに入り、ZXセイバーを横にふる。込みあげる吐き気を飲み干しながら、ダブルホーンを見据えた。
 甲高い金属音が鳴り響き、ダブルホーンのナイフとZXセイバーの刃が交差する。
 と、同時に電撃を走らせたモニターのヒトが黒焦げになって崩れ落ちた。
「あ……あ……」
「さて、ロックマンの力を存分に見せてください。フフフ、でないとあそこのヒトビトは私が殺しますよ」
 エールは目を見開いてダブルホーンを見る。身体中に熱がこもったように熱い。
 ダブルホーンの姿が幾重にも重なり、エールは呼気を荒くしていった。
「はあぁぁぁぁぁっ!」
 だからこそ、気合を込めて叫ぶ。襲いかかる自分へのストレスを無視して、エールはZXセイバーを振るった。
 身体が震える事実がエールを苛もうとも。


 赤い影と黄の影が交差して、それぞれ地面に着地する。
 ハチを模した仮面に、黄色の装甲の仮面ライダーザビー・ライダーフォームを前にカブトはクナイガンを構え直す。
 予想外に強い。最初にカブトがワームの状態の相手と戦闘をしたときはさほど強くなかったのだが。
 修練を積んだか。
「カブトォ!」
 ハチの姿を模すザビーのつり目が、憎しみを持ってカブトを貫く。
 しかしカブトは冷静にザビーの拳を手のひらで逸らした。ザビーの右足が鞭のようにしなり、カブトを襲う。
 肉のぶつかり合う音が大きく響き、“ザビーが”呻く。コーカサスを真似し、カブトは膝で蹴りを迎撃したのだ。
 片足にダメージを負ったザビーの体勢が崩れたのを見逃さず、カブトは懐に入って鳩尾を蹴る。
 ザビーが壁に叩きつけられたと同時に、カブトクナイガンを銃に変形させて弾丸を放った。
 ザビーの体表を二発の銃弾が跳ねるが、三発は躱される。
 すれ違いざまにニードルガンをザビーが発射し、カブトはクナイガンの刃で弾く。
 一旦距離をとった瞬間、カブトへ通信が入った。
「プレリーか。どうした?」
『天道さん、エールがそちらに向かったみないなの! あの身体で……』
「なに……?」
 カブトの動きが一瞬止まり、ザビーが接近して胸を強打する。
 カブトはうめきながら後退しつつ、それでもプレリーの連絡の続きを促した。
「エールは……どこにいった?」
『天道さん! 今……』
「問題ない。それよりエールだ」
『……エールはおそらく、そこの隣のエリアに向かったのだと思います』
「わかった。後は俺に任せろ」
 カブトはそう言ってベルトの横に設置されているスイッチを叩く。
 『Clock up』の電子音と共にカブトが加速する。ザビーもクロックアップの世界へ入ってくるが、カブトは眼中に無い。
 ザビーが右拳を振るうが、カブトはその拳に飛び移る。
「なにっ!?」
「悪いがキサマの相手は後回しだ」
 体重をまったく感じさせないカブトの動きに戸惑うザビーの顔を踏んで跳躍した。
 地面に倒れたザビーが苛立たしげにカブトの名を呼ぶが、振り向かず進む。
 もはやザビーのことはカブトの脳裏にない。カブトはエリアを抜けて、エールがいるはずの場所へと突入した。


 カブトを取り逃がし、ザビーは追いかけるかどうか迷ったが変身を解く。
 顔には憤怒の表情が浮かんでいたが、弟切は大きく深呼吸して自分を鎮めた。
「今はモデルVの回収が最優先だ……」
 自分に言い聞かせるように弟切はつぶやき、踵を返す。
 すでに空高くモデルVは上がっている。自分に与えられたマシンゼクトロンに乗り込んでエンジンをかけた。
 一度だけ弟切はカブトのいるほうを向いて、アクセルを回す。
 排気音が轟き、加速させていった。

□

 閉じられた壁をクナイガンで切り開き、身体をねじ込ませる。
 カブトは焦るように地面を転がり、正面を睨んだ。
「おや、遅かったですね」
 そう言って迎えた存在の様子にカブトは愕然とする。
 クワガタムシを模したフォルスロイド、ダブルホーンはメットが脱げたエールの黒髪をつかんでカブトへ視線を向けていた。
 右手に掴まれたエールは全身を斬られて血を流しており、焦点が合っていない。
 赤い装甲に血が流れ、黒い下地が破けて白い肌が覗いている。
 全身が細かく震えており、いつもの勝気な様子は感じられなかった。
「ようやく代わりになる実験体が現れましたか。それではこの娘はいりませ……ッ!」
 ダブルホーンのエールを掴む手を、クナイガンで正確に撃ち抜く。
 エールを離した瞬間、クロックアップを使わずエールを抱き上げながらカブトはナイフへと変形させたクナイガンを振り上げた。
 ダブルホーンの右肩が大きく縦に斬り裂かれる。
 カブトは手元のエールを楽な姿勢にした。
「天…………道……?」
「喋るな、エール」
「ごめ……ん……。アタシ……」
 エールが顔を伏せて頬を涙が伝う。ヒトに弱い部分を見せるのを嫌う彼女が、天道の前で泣いていた。
「それにしても、まったく私を攻撃できないとは予想外でしたねぇ。実験用のヒトビトが全員死んでしまいましたよ」
「ごめん……なさい……みんな……。アタシの……せいで……。倒さないと……ダメなのに……」
 カブトが首だけを回し、モニターを見つける。黒焦げのヒトビトの姿があった。
 今のエールは剣が振れない。そのエールを身体も心も嬲るような真似をダブルホーンはしたのだ。
「大丈夫だ、エール。後は俺がなんとかする」
「ごめん……なさい……。ごめ……」
 カブトは優しくエールを降ろし、ダブルホーンへと振り向いた。
 カブトの殺気をダブルホーンは受け止めて楽しそうに顔を歪める。
「いいですねぇ。素晴らしいデータの予感だ。行きますよ!」
 ダブルホーンの姿が消える。クロックアップとは違って、単純に速度が速いのだろう。
 カブトの周囲を空気がこすれあい音が鳴る。
 クロックアップのできないカブトはゆっくりとクナイガンを持ち上げて、一直線に刺突した。
「ぐふっ!」
 加速途中のダブルホーンの腹部にクナイガンの刃が埋まり、カブトは縦に大きく斬り裂いた。
 ダブルホーンはうめきながらも、両手にナイフを握ってカブトを斬りに迫る。
 カブトは紙一重でナイフをやり過ごし、振り下ろした手を踏み砕いた。
「――ッ! ワームのライダーより速い……いや、違う。速いと錯覚するほど鋭い!?」
「ライダー……キック」
 死のカウントダウンを終えたカブトゼクターが『Rider kick』と鳴った。
 踏みつぶした勢いのままダブルホーンの顔を叩き潰す。
 大きく吹き飛んだダブルホーンを前に、カブトは殺気に満ちた言葉を送った。
「お前には……おばあちゃんの言葉を送る資格すらない」
 カブトがいい終え、ダブルホーンが爆発する。表面をなでる爆風すら構わず、カブトはエールの涙をぬぐった。


「くく……素晴らしい……素晴らしいデータ……だ……」
 半壊状態のダブルホーンが立ち上がり、カブトを賞賛する。
 カブトはまだ息のあるダブルホーンにウンザリするが、ダブルホーンは虫の息だ。
 放っておいても死ぬ。なのに、ダブルホーンは構わずカブトの方へ進んだ。
「ガタックゼクターは返しましょう……もともとワームには使いこなせる奴がいなかった。
くく……最後の最後に……私はいいデータを……とれた…………」
 ダブルホーンは顔をゆがめ続け、身体じゅうを走る火花が大きくなる。
 バチッ、と音が鳴って瞳の光が消え失せる。カブトは実験室から飛んでいくガタックゼクターを見届け、ベルトだけを回収した。
 エールの謝罪するつぶやきがカブトの耳に入る。
 カブトやロックマンのデータが誰かに送られていくなど、もはやカブトに関係ない。
 徹底的に打ちのめされた少女を前に、カブトは己の不甲斐なさをただ悔やむことしか出来なかった。


To be continued……

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最終更新:2009年12月24日 19:10
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