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ジョジョ×だんじょん商会

この町には魔物や吸血鬼や勇者の卵が集う。
そして、そんな彼らが常連である小さな魔女のお店には、
時々奇妙なお客さまが訪れる。
そう、ちょうどこんな風な霧の深い夜には……

カランコロンとベルが鳴り扉が開いた。
桃色の髪をした小さな魔女が店内に入ってきた人物を笑顔で迎える。
笑顔が商売の基本、とは商店会の会長の言だ
「ここは……何処だ?」
彼女より赤に近い髪を斑模様に染めた男性が
辺りを不安そうに見渡す。
ああ、『迷い人』か、と彼女は思った。
飼い猫が不安そうに彼に近付けば、男はビクリと震える。
「俺の側に来るな、近寄るな!」
失礼な奴、と猫は鼻を鳴らした。
彼女は眉をしかめ困った顔をする。
さてどうしたものか……と思う内に。
ミシリ、と嫌な音がした。
あ、そういえばあそこの棚のネジ緩んでたっけ、と
魔女が思い出した時には遅かった。


棚は崩れ、その上に置いてあった商品が、彼の上に落下した。
魔女は慌てて、荷物の下敷になった男を引っ張り出した。
「は……死んでない!」
男は頭にコブをこさえたまま立ち上がると叫んだ。
手元の薬草をその口に突っ込んで黙らせながら、
さて今夜の客はいつもより奇妙だ、と魔女は心中で呟いた。

奇妙な『迷い人』は、それからもこの町にいる。
今ではすっかり魔女の店の常連の一人だ。
彼はいずれ、この町にあるダンジョンを制覇すると意気ごんでいる。
地下深くに住む魔王の持つ、あらゆる願いを叶える宝玉。
それを手にして絶頂を取り戻すのだ、と。
彼女もたまに彼の冒険を手伝うことにしている。
そろそろ新しい刺激が欲しかったからである。
既に、幾度となく魔王を屠っては
なかったことにしているのだから。
冒険LV99の魔女は、今日もギャングの元ボスを引きずりながら
ダンジョンの最奥を目指して進む。

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最終更新:2009年12月24日 19:36
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