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長門の首がすっ飛んだ!

 涼宮ハルヒを中心としたSOS団は何故かとある田舎にやって来ていた。

「で、ハルヒよ。こんな何もない所で一体何をやるって言うんだ?」

 いつもの様にハルヒの奇行に文句を言うキョンであったが、ハルヒはそこである方向を指差した。

「あれを見なさい。」
「あれって…お地蔵様がどうしたんだよ?」

 ハルヒの指差した方向にあるのは一つのお地蔵様。そしてハルヒはそのお地蔵様へ歩み寄って頭に手を当てる。

「何でも話によると、このお地蔵様は悪い妖怪を封じ込めてるって噂。でもそれが本当なら面白いと思わない?」
「おい…お前がやろうとしてる事が分かったぞ。お前そのお地蔵様に何かしようってんだな!?」
「そう! その通りよ! キョン、今直ぐこの地蔵を倒してみなさい!」
「そんな罰当たりな事出来るか!」
「何言ってんのよバカキョン! 妖怪見たくないの!?」

 その地蔵が妖怪を封じ込めていると言う噂が本当か否かはともかくとして、地蔵を倒させようとするハルヒに対し、
キョンは恐れ多いと頑なに否定する為、ハルヒは腹を立ててしまった。

「キョンがやらないなら私がやるわよ! てやぁぁぁぁ!!」
「あっ! バカ! ハルヒやめろ!!」

 キョンの制止を振り切ったハルヒの飛び蹴りが地蔵の頭部に炸裂し、もろにぶっ倒れてしまった。
しかし、それだけ。それだけである。ただ地蔵が倒れただけで、特に何か起こる気配は無い。

「何だ。何も起こらないじゃない。馬鹿馬鹿しい。私帰る。」
「おいこらハルヒ! 帰るならせめて地蔵を元に戻してから帰れよ! 地元の人に怒られるぞー!」

 が、呼び止めるキョンを無視し、ハルヒはそのままそそくさと帰ってしまい、その場には
キョン・長門・みくる・古泉の四人だけが残されてしまった。

「キョンく~ん…このお地蔵様どうしましょう~?」
「と…とりあえず…元に戻しましょう…。」

 帰ってしまったハルヒに代わって仕方なく地蔵を元に戻そうとする四人だったが、
そこで突然地蔵の後の山から何かが現れた。


「な…何だ!?」

 山肌を吹飛ばして現れたそれは、まるで仏教世界において死者を裁くと言う
閻魔大王を思わせる形相の何者かだった。

「え…閻魔大王!? って事は…この地蔵は……本当に……。」

 状況から見るに、ハルヒが倒した地蔵は本当に何かを封じ込めていたのだろう。
それも、妖怪では無く閻魔大王を。しかもその閻魔大王は右手に持った巨大な刀を
振り回して見境の無い大暴れを始めたでは無いか。

「うああああ! 地獄から閻魔大王が蘇ったーって言うかどうするんだよこれー!」
「違う…これはえんま怪獣エンマーゴ…。」
「えんま怪獣…エンマーゴ?」

 長門が言うにはこれは正確には閻魔大王では無く、えんま怪獣エンマーゴと言う
似て非なる物らしい。長門が何故それを知っていたのかはキョンには分からなかったが、
長門はキョン達を守る為にエンマーゴの前に立ちはだかった。

「私が相手に立つ。」
「長門!」

 以前長門はキョンを守ると言ったし、実際朝倉に襲われたキョンを助けてくれた。
今回もまたキョンを守る為にエンマーゴに立ち向かって行ったが、情報統合思念体が
作ったインターフェースと言う地球外の存在が、妖怪変化の一種っぽいエンマーゴに
戦いを挑むと言うのは冷静に考えると凄いシチュエーションだよな。

 口から黒いガス状の霧を噴出し、刀を振り回して暴れるエンマーゴを取り押さえようとする長門だが
どうやら力に関してはエンマーゴの方に分がある様だった。

「長門ー! お前の情報操作とやらで何とかならないのかー!?」
「先程から試しているが…あれにはこちらの情報操作を無効化する何かを持っているらしい…。」
「何!?」

 大抵の相手なら、長門は戦うまでも無く情報結合の解除によって相手を消滅させる事が出来る。
しかし、エンマーゴにはそれが通じないと言うのである。何故長門の情報操作を受け付けないのかは
分からないが、やっかいな相手である事には変わりない。やはりエンマーゴは閻魔大王なのか?

282 名前:長門の首がすっ飛んだ![sage] 投稿日:2009/08/25(火) 13:01:50 ID:3mUxJOYm
 エンマーゴ自身に情報操作が通じないならば、外部の情報を操作する事による正攻法で攻撃し
倒す以外には無い。長門は自身の情報操作によって作り出したエネルギーをエンマーゴへぶつけようとするが
エンマーゴが左手に構える巨大な盾によって弾き返されてしまった。なんと言う頑丈な盾であろうか?

 長門の攻撃を防ぎつつ、刀を振り回して迫るエンマーゴ。長門は何とかエンマーゴの刀を回避しながら
下がる事しか出来ない。

「いかん長門がパワー負けしている! 一体どうすれば…はっ! そうだ! お地蔵様だ!」

 エンマーゴはお地蔵様によって封印されていた。それをハルヒが倒してしまったから蘇ったと言うのなら
お地蔵様を元に戻せば何とかなるかもしれない。

「古泉! 俺とお前でこの地蔵を元に戻すんだ!」
「わ…私も手伝います~。」

 キョン・古泉・みくるの三人で倒れた地蔵を何とか持ち上げて元に戻そうとするが、これが中々重く
持ち上がらない。しかし、このままでは長門はエンマーゴにやられてしまう。

「くんぬぅぅぅ!」
「お…重いです~…。」

 それでも何とかゆっくりではあるが地蔵を元の位置に戻す事に成功したが、一方長門は
エンマーゴの口から噴出された黒い霧によって視界を封じられ……

「なっ長門ー!」

 黒い霧で長門の視界が封じられた隙を突き、エンマーゴの刀が横一文字に長門の首をすっ飛ばしていた。

 しかしその時だ。元の位置に戻された地蔵の目が光を発し、何処からともなく響き渡る念仏を唱える謎の声。

 恐ろしいエンマーゴの刀攻撃に、長門は死んでしまったのかと思えた。が、地蔵から発せられた念力が
エンマーゴの動きを封じ、そしてエンマーゴに切り落された長門の首を元通りにしていたのである。

 地蔵の念力でエンマーゴの力が封じられた今ならば情報操作が通じる。蘇生した長門はとっさに
情報操作を行い逆にエンマーゴの首を切り飛ばし、首を失った胴体に情報操作によるエネルギーを
ぶつけ、木っ端微塵にしていたのだった。


「全く災難な事になっちまったな。やっぱりこういうのにイタズラをしてはいかんと言う事だな。
ハルヒに関しては俺の方からきつく言っておきますんで…。」

 エンマーゴが倒された後、キョン達は地蔵の前に手を合わせ拝んだ。

おわり


ハルヒとウルトラマンタロウ14話「タロウの首がすっ飛んだ」のクロス
閻魔大王と戦って長門の首がすっ飛ぶのをやりたかっただけと言うお話

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最終更新:2009年12月24日 19:54
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