涼宮ハルヒ率いるSOS団は学校の屋上で空飛ぶ円盤が飛んでいないか星空を眺めていたのだが…
そんな時にハルヒが突然こんな事を言い出した。
「円盤ってさ、宇宙人の乗り物ってイメージあるけど…私は必ずしもそうじゃないと思うのよね。」
「は? いきなり何を言うんだ? お前らしくない。」
ハルヒの言葉に眉を細めるキョンだが、彼女は構わず続ける。
「例えば、宇宙空間に生物が生存出来ないってのは常識だけど、もしかしたら宇宙空間で生存可能で
かつ自力で宇宙を移動する事の出来る生物がいるかもしれないじゃない。そう、円盤の様な生物…
円盤生物よ! そんな物がいたら素敵だと思わない?」
「思わん! って言うか不気味なだけだ…。」
「まったく…キョンって本当夢が無いんだから…。」
などと…ハルヒとキョンの何時の様なやりとりが行われていたのだが……まさか…あんな事になろうとは………
それから数日後、その日は何故かみくるの誕生日だったと言うので、SOS団の部室で
みくるの誕生パーティーが行われていた。
「みくるちゃんの誕生日おめでとうー!」
「皆さんありがとうございます。」
と、皆でジュースを飲み、お菓子を食べながらみくるの誕生日を祝っていたのだが、
そこでジュースを切らしていた事に気付いた。
「もうジュース無くなったの? ちょっとキョン、今直ぐ買って来なさい!」
「仕方ないな…。今日は朝比奈さんの誕生日だ。それじゃ行って来るか…。」
ハルヒに言われて立ち上がろうとするキョンだったが、それより先に長門が立ち上がっていた。
「私が行く…。」
「長門? 俺が行くから別にお前が行く必要は無いぞ。」
「そうそう有希は別に行かなくて良いよ。こういうのはキョンに行かせれば良いのよ!」
どういう風の吹き回しなのか、ジュースを買いに行く役目を志願する長門に
キョンとハルヒはそれぞれ不思議に思っていたが、彼女の目は本気であり、何時もの様な
無表情ながらも強い目でキョンとハルヒをそれぞれキッと見つめていた。
271 名前:SOS団全滅! 円盤は生物だった 2[sage] 投稿日:2009/07/02(木) 00:23:13 ID:mk865MTr
「私が飲料水を買いに行く…。」
「わ…分かった…分かったから…。」
「そ…そうね…有希が行きたいって言うんなら仕方ないわね。キョン、ちゃんと有希に礼を言っときなさい!」
「ああ、ありがとうな長門。」
そうして長門はSOS団の部室から出て、ジュースのペットボトルを買いに出かけていたのだが…
そんな時にそれは起こった。
「…?」
ジュースの自販機目指して歩いていた長門がふと上空に嫌な気配を感じた。
するとどうだろう。突如として上空からクラゲ状の形状をした半透明の物体が飛来していたのである。
「あ…あれはまさか…円盤生物シルバーブルーメ…。でも何故あれが…。」
まだ長門が地球に派遣される以前、情報統合思念体の所にいた時に聞いた事があった。
宇宙の彼方に存在するブラックスターと呼ばれる星で誕生した円盤状の生命体…円盤生物。
その中でも奇襲を得意とし、対象全てを飲み込んでしまうと言う恐るべき円盤生物シルバーブルーメ。
そしてそのシルバーブルーメが向かう先には学校が…SOS団の部室があった。SOS団の皆が危ない!
ジュース購入を中断し、長門は円盤生物シルバーブルーメの侵攻を阻止するべく走った。
だが…シルバーブルーメのスピードは長門を持ってしても容易に追い付ける物では無く、
しかも学校のSOS団の部室の部分のみを器用に飲み込むなり…迅速に何処へと飛び去っていた。
「あ…………………。」
こうして…突如襲来した円盤生物シルバーブルーメによって、SOS団は全滅した。長門一人を除いて…
その日の夜、長門は一人自室の床の上に座っていた。その表情は何時もと何ら変わらぬ
感情の感じられない無表情であったが…その目からは一筋の涙が流れ出ていた。
「観測対象の死亡………私の……責任………。」
円盤生物シルバーブルーメに飲み込まれた時点で、もう皆は助からないだろう。長門はあの時
自分でジュースを買いに行くと言う選択を取った事を心から後悔していた。もしあそこで自分が
部室に残っていれば、シルバーブルーメの襲来によってSOS団の皆が部室ごと飲み込まれる事を
阻止する事が出来たかもしれないし、最悪ジュースを買いに行ったキョンだけでも救う事は出来た。
しかし結果はこの通り。ジュースを買いに行った隙にSOS団がシルバーブルーメの襲来を受け、
部室ごと飲み込まれ…長門は何もする事が出来なかった…。
「全ては…私の責任…涼宮ハルヒを……そして彼を……皆を…守る事が出来なかった…。」
長門の表情は変わらない…が…その目からは涙が延々と流れ出ていた。その時である。
「そう。全ては長門さん貴女の責任。キョン君だけならいざ知らず、涼宮ハルヒまで
円盤生物に飲み込まれるなんて…情報統合思念体はお怒りですよ。」
「……………。」
長門の前に現れたのは消滅したはずの朝倉涼子だった。恐らく今回の事に関する
情報統合思念体本隊の意思を伝えるメッセンジャーとして再び物質化して現れたのであろう。
「今度は私が消える番………。」
「いえ、情報統合思念体も流石にそこまでは言っていませんでしたよ。」
「何故…。」
普通ならこれ程の失態を犯してしまった長門は情報統合思念体から罰として粛清されて
当然のはず。だが朝倉いわく、そんな事は言わなかったと言う。ならば何故…
「涼宮ハルヒとキョン君とその他2名ならまだ生きていますよ。」
「それは何故? 普通ならばあの円盤生物に飲み込まれて直ぐに消化されて無くなるはず…。」
「部室ごと飲み込まれた事が幸いしたのでしょうね。しかもあの部室そのものが異空間化している事も
幸いしてまだ完全に消化されずに残っていますよ。ですが…それも何時まで持つんでしょうかね。」
「……………………。」
SOS団の皆はまだ生きている。だがそれも何時まで持つか分からない。ならば助けに行く。
こうしてはいられないとばかりに立ち上がり、玄関へ駆けて行く長門に向かって朝倉はさらにこう呼びかけた。
「言っておきますが、今は猶予期間も同然と思っていて下さい。もし本当に涼宮ハルヒを死なせる事が
あった場合…情報統合思念体は本気で貴女を消すと仰っていましたよ!」
「分かった……………。」
そして長門はマンションから飛び立った。目標は無論、SOS団の皆を飲み込んだ円盤生物シルバーブルーメ!
雨雲が太陽を遮り、雨が降り始めた頃、シルバーブルーメは再び雨雲を突き抜けて姿を現した。
その半透明状の身体の奥にはうっすらと先に飲み込んだSOS団部室の姿が見える。
シルバーブルーメがまた何かを飲み込もうと地上へ降下しようとした時、地上の方から何かが
高速で上昇している事に気付いた。長門である。
「見付けた…今度は逃がさない…。」
情報操作によって高速飛行を行う今の長門ならばシルバーブルーメにも対抗出来る。
「涼宮ハルヒを……そして彼を………返してもらう。」
長門はシルバーブルーメ目掛け上昇しながら情報操作によって生み出したエネルギー光球を
投げ付け、シルバーブルーメの周囲で小規模な爆発が次々に発生する。
シルバーブルーメは触手を伸ばし、長門の身体へ巻き付け雁字搦めにしようとするが
長門はそれを引き千切り、シルバーブルーメの口目掛け突っ込んだ! 一見するとただの自殺行為に
過ぎないが…長門とて何も考えずにシルバーブルーメの口の中へ突っ込んだわけでは無かった。
「これが…円盤生物の体内…。」
長門は自身の身体の周囲に情報操作を利用したバリアーを張り巡らし、消化を防ぎながらシルバーブルーメの
体内を突き進む。その内部は、外見から見える体積からは想像も出来ない程にまで広々としていた。
恐らくこれもまた異空間化しているのだろう。そして長門はそこで消化されずに残っていたSOS団部室を
発見するのである。
「良かった…部室は…無事…。」
「おーい長門ー! これは一体どうなってるんだー!?」
シルバーブルーメ体内に漂っていた部室の窓の向こうにキョンの姿があり、必死に長門へコンタクトを
取ろうとしていた様だ。なお、部室の奥を見てみるとハルヒが倒れているのが見える。
恐らく余りにもあり得なさ過ぎる事態に気絶してしまったのだろう。だがこれは長門ととしても好都合。
「大丈夫…今助ける…。」
長門は部室の周囲にも情報操作を利用したバリアーを張り巡らせると共に、シルバーブルーメのコアと思しき
器官目掛け、同じく情報操作によって作り出したエネルギーの塊を発射した!
さしものシルバーブルーメも内側からの攻撃には一溜まりも無く、全身から眩い光と火花を散らしながら
大爆発を起こし、その爆発の中から長門とSOS団の部室が現れていた。
その後、長門の情報操作によってSOS団部室は元通りの位置に収まり、さらに一般の人々の記憶に
関してもシルバーブルーメの部分を消した。つまりこの事件は一般的には無かった事になったのである。
「まったく…酷い夢を見たわ。突然クラゲみたいな変なのに飲み込まれて…。」
なお、この件に関してハルヒ本人はシルバーブルーメに飲み込まれた事を『悪夢』と認識していた。
余りにもあり得なさ過ぎる事態にハルヒが現実と認識する事を拒んだのである。
流石は超常現象を求めていながらも、その根底には常識的な物が存在しているだけはある。
「全く酷い目に遭っちまったな。まさかあんなのが出て来るなんてな。また起こったりしないだろうな?」
「それは分からない。円盤生物はシルバーブルーメ以外にもノーバやブラックエンド…ロベルガー等
様々な種類が存在する。それらのいずれかが襲来する可能性も捨て切れない。」
「そんなにいるのか? 勘弁して欲しいもんだな。」
「でも今度は…私がさせない。絶対に涼宮ハルヒと貴方を…守ってみせる…。」
キョンと共に帰宅する長門の表情こそ今まで通りの無表情であったが、その瞳の奥底には
強い決意の様な物が感じられた…。
END
涼宮ハルヒの憂鬱とウルトラマンレオの恐怖の円盤生物シリーズ第一弾の
MAC全滅! 円盤は生物だったのクロス
ただ、ガチで全滅したMACと違い、こっちは全滅とか言っておきながら結局全滅しなかったけど。
最終更新:2009年12月24日 20:01