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金のキョン、銀のキョン

 キョンが長門と一緒に道を歩いていた時、ふと足を滑らせ池に落ちてしまった。

「うわー助けてくれー!」
「今引き上げる…。」

 池で溺れそうになるキョンを長門は表情一つ変えず冷静に引き上げようと手を伸ばすが、
それも空しくキョンは池の底へと沈んで行った。

「ブクブクブクブク…。」
「……………………!」

 これはもはや引き上げる所では無い。長門は表情一つ変えないながらも、大事を悟って
池の中へ飛び込もうとしていたのだが、そんな時に突如として池の中から女神様が現れたでは無いかw

「貴女が落としたのはこの金のキョン君ですか? それとも銀のキョン君ですか?」

 と、池の中から現れた女神はぞれぞれ金と銀で出来たキョンを長門へ見せる。
しかし、長門はやはり表情一つ変えずに答えた。

「私が落としたのでは無い。彼が勝手に足を滑らせて落ちただけの事。それに彼は金でも銀でも無い。
あくまでも蛋白質の塊…生身の有機生命体………。」

 すると、女神はニッコリと長門へ微笑んだ。

「おお何と正直な方でしょう。さあこの金と銀のキョン君の両方を差し上げましょう。」

 と、女神は金と銀のキョン君の両方を差し出し、池の中へ帰って行こうとしていたのだが…
次の瞬間、長門の右手が女神の頭を掴み止めていた。

「何をするのですか!?」
「待って。本物の彼をどこへやった?」
「さっきも言った通り、金と銀のキョン君を差し上げると言ったじゃありませんか。」

 やはりそう言って女神は再び池の中へ帰っていこうとしていたのだが…その態度に長門は
表情一つ変えずに切れた。今度は女神の顔面目掛け…アイアンクローをし掛けた!


「なっ…何を…………!?」
「……………返して……………………。」

 まるで女神の顔面よ砕けろと言わんばかりに物凄い力のアイアンクローで締め上げる長門。
それはその昔、鉄の爪、アイアンクローの代名詞と恐れられたフリッツ・フォン・エリックも
多分驚くかもしれない程のレベルであった!

「あ…あ…あ…あああああ…………。」
「…………………返して…………………本物の彼を………………返して……………。」

 女神の顔面をアイアンクローで締め上げながら池から強引に引き上げる長門の姿。
その表情は何時もと変わらない抑揚の無い物であったが…その目は真剣そのもの。
だからこそ、恐ろしい………………

「貴女は一体何をするんですか!? 私は女神ですよ!? 何たる無礼な!」
「そんな事は関係無い。貴女は彼を奪った。金と銀の彼なんか要らない。必要なのは本物の彼。
だから返して………本物の彼を………。」

 陸へ引き上げられた直後、長門の直突きが女神の顔面に撃ち込まれた。
血反吐を吐いて倒れる女神の上にさらにマウントポジションを取り、長門はさらにマウントパンチを放つ。

「ぐへっ! あべっ! げふっ! くぁ!」
「返して……返して……返して………返して………返して……返して………返して……返して…。」



 こうして…女神が本物のキョンを返してくれるまで長門は延々女神を殴り続け、
本物のキョンを返してくれた頃にはもはや原型を留めてはいなかった。

 それから、池の中から助け出されて全身ずぶ濡れのキョンを長門が情報操作で乾かしていた。

「は~…何か良くわからんが散々な目にあった。けど長門ありがとうな。」
「貴方がいなくなったら涼宮ハルヒが困る。だから当然の事。礼を言う必要は無い。」

           ちょっぴり素直じゃない長門有希ちゃんでした。

 おしまい


涼宮ハルヒの憂鬱シリーズと、金の斧銀の斧とのクロス。
童話ネタをクロスと言って良いのか分からんけど。

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最終更新:2009年12月24日 20:07
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