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仮面ライダー電王×ディズニー

「ウエスタンリバー鉄道の、コロラド号?そんなの聞いたことねェぞ」
「こっちだって聞いたことないよ、デンライナーなんてさ」
憮然とコーヒーを飲むドナルドをよそに、列車の外で何かの咆哮が響いた。
リュウタロスがはしゃいだ様子で窓に走り、ご機嫌で窓の外を眺めだした。

 不幸にも重なった事故のため、キャストはメンテナンスに東奔西走。クローズさせたウエスタンリバー鉄道を
ひとまずゲストなしで走らせてみるかとの相談をグリーティング帰りのドナルドとグーフィーが聞きつけた。
『せっかくだから乗せてよ、久し振りだし』
『誰かは乗ってないと、わかんないでしょ?』
そんな感じで口説き落とし、いそいそとコロラド号の真っ赤な客車に乗り込んだ。機関長にも挨拶をして、
(渋い顔をされたけどそれぞれおやつも持ち込んで)後はのんびりと汽車に揺られていればいい……はずだった。
 いつものようにウエスタンランドを通り抜け、インディアンの少女に手を振り返し、マークトゥエイン号に乗っていた
一部のゲストの度肝を抜いて太古の時代を覗いて帰る。それがいつものウエスタンリバー鉄道だ。
 だが、タイムスリップの直後、ごりごりとリンゴをかじりながらのんびりと風景を眺めていたグーフィーが歓声を上げた。
「わぁお、ドナルド!あんな恐竜初めて見るね」
何のことだと近づいて、グーフィーの指差す先を見てドナルドはスクウィーザーのオレンジジュースを古代の大地に吹き出しそうになった。

 明らかに近未来的なシルエットを持った赤い電車が、高いフォーンの音と共に恐竜達の横を走り抜けていた。


 渋る機関長を拝み倒して停止させるまでもなかった。向こうの方がこちらに興味を示したからだ。
 赤い列車の前に次々と生成される線路が、明らかに進路をこちらに切り替えた。見知らぬ列車に併走されれば
さしもの機関長もブレーキをかける以外なく、コロラド号はゆっくりと停車し、白い蒸気を吐き上げた。
 ドナルドは慎重に、グーフィーはのんびりと客車を降りた。問題の列車は、優美とも言える姿で二人の目の前に止まっていた。
 で、どこから入るんだろう。そんな疑問が口から出てくる前に、列車の側面がぷしゅりとスライドした。
そこがドアかと思う間も無く、少女と女性の中間のような年頃の、可愛らしい女性が顔を覗かせた。
「わぁ、可愛い!アヒルさんと、犬さん!?パスは……えーと、持ってない、ですよね……?」
聞かれれば頷くしかない。乗務員らしき彼女は一旦奥に引っ込んだ。オーナー、どうしましょう?そんな問いかけが聞こえてきた。
オーナーの声らしきものは良く聞こえなかったが、すぐに同じ笑顔が現れる。
「電車、ありますもんね!ちょっと乗るだけならいいみたいですよ~」
何やら乗る流れになってしまっている。
もちろんあわよくば乗り込むつもりで降りたのだ。ドナルドは帽子を直してきりりと頷いた。かたやグーフィーは、
機関長の傍へと駆けていって待っていてくれるように頼んでいた。そうでなくても待っているのに、と
ドナルドはイライラしながらグーフィーを待ち、揃ってステップを踏んで乗り込んだ。


列車の中に一歩足を踏み入れると、物凄い出迎えが待っていた。
「うわあああああああ!面白いトリ!イヌ!!かわいー服着てる!何これ何これ!何で?恐竜?」
「ぐわわわわわっ!?何だ、何だよっ!?」
「あっひょ、元気いいねえ~」
紫色の……何だろう。とにかく人っぽい、しかし確実に人ではなさそうな何かに盛大に抱きしめられる。
ドナルドは暴れて逃れたが、グーフィーはされるがまま……どころか、ものの数秒でこの謎の生き物
――言動がどうにも幼いので子どもだろうか?――に馴染み、逆に高い高いをしてやっている始末だ。
「うおおっ何だこりゃ!?新手のイマジンか?」
「それにしちゃ随分可愛らしいねえ、きっと契約者はセンスのいい女の子だよ」
「こんなとこにイマジンがうろついてるわけあらへんがな、アレや、古代の生き物っちゅーヤツや」
「どれも違う!そっちこそ何なんだよっ!」
わいわいと好き勝手に言い出したのは赤、青、黄色の……これまた何だ。紫色のと似たようなものだろうか。
 とにかく自分で乗り込んでおいて逆に聞き返すのがドナルドなのだ。腕組みをした偉そうな態度にカチンと来たのか、
赤いのが荒々しく立ち上がった。
「勝手に来といてそっちが何だこの手羽先野郎!」
「センパイ、王子様とかぶってるよ」
「うるせぇ!てめぇにゃ聞きてぇことが山ほどあるんだ!大体何だあの列車!何でこんなところうろうろしてんだ!」
赤鬼のような生き物にもドナルドは怯みもしない。というか、怯むタイミングを飛び越えて持ち前の短気が顔を出しているだけだ。
 顔を突きつける赤鬼に負けじと、ドナルドもぐんと一歩を踏み出して額を突き出す。
ぎりぎりと顔と顔のつばぜり合いらしきものが始まる。
「テバサキって何だよっ!ボクらはたまたま来ただけ!そっちこそ恐竜の時代に何やってんだよ!」
「たまたまって何だたまたまって!ちゃんと説明しねぇと丸焼きにしちまうぞ!」
「ぐわわわわわ!言ったなー!!!!」
ついにドナルドが距離をとってセーラー服の袖を捲り上げる。両手を前に出してファイティングポーズを取る
ドナルドの背を摘んだのは、グーフィーだった。
「まあまあ、ドナルド。落ち着きなよ。ナオミちゃんがコーヒー入れてくれたよ」

凄まじいスピードでこの空気に慣れたグーフィーは、右手に極彩色のコーヒー、左手にドナルドを持って
適当な椅子にのんびりと腰掛けたのだった。

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最終更新:2009年12月24日 20:22
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