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長門有希の激闘

この銀河を統括する情報統合思念体が地球に送り込んだヒューマノイドインターフェース、長門有希。
彼女は平時こそごく平凡な女子高生を装い、また涼宮ハルヒを中心としたSOS団の団員として
活動しているが…人々は知らない。彼女が人知れず様々な怪事件に立ち向かっていた事を…。
今回はその長門が人知れず解決したとある怪事件のエピソード………。

あくる日、街では暴力事件が多発していた。まあこの様なご時世だから、暴力事件が
起こっても不思議な事では無いのだが…少し解せ無い部分もあった。
何故ならば、どの事件に関しても暴力を起こすのは何の前触れも無い突然の事で、動機が分からないのだ。
そして容疑者は口々に言う。

「突然暴力衝動に駆られた。」

と…。

これに関して、SOS団の超団長涼宮ハルヒは不思議な事件の匂いを感じ、
独自に捜査に踏み込もうとしたが、速攻で同じくSOS団団員のキョンに止められた。

「こういうのは警察に任せた方が良い。」

と…。

結局、この事件に関してSOS団は特に何もする事は無かったが……その後でそれは起こった。

SOS団の活動を終え、長門有希は一人帰宅していた。そして長門が道を歩いていると
一人の男が自動販売機でタバコを買い、それを吸おうとしているのが見えた。
普通ならばただ男がタバコを吸っているだけの事だったのだが…

「うっうおおおおおおおおお!!」
「?」

男は突然豹変を始め、長門へ襲い掛かって来たでは無いか。だがあいにく長門はただの
女子高生では無い。逆に男が死なない程度に蹴り返し気絶させてしまった。しかし…解せない。
つい先程まで男は長門へ襲いかかる素振り所か殺気の類さえ発してはいなかった。
一つ分かるのは豹変する直前にタバコを吸っていた事。

「まさか…このタバコは…。」

男の吸っていたタバコを不審に思った長門はタバコを拾い上げ、真ん中部分を折って中身を
調べた。すると、タバコの材料とは思えない以前に…地球上に存在し得ない物質を確認したのだ。

「この赤い結晶…宇宙ケシの一種…。地球上には存在しないはずなのに…何故?」

タバコに含まれていた赤い結晶体。それは宇宙ケシの一種で、人がそれを摂取すると
他人が敵に見えて来ると言う効果があった。一連の不可解な暴力事件はこれが関係していると
悟った長門は独自にこの赤い結晶体の出所に付いて調べてみる事にした。


長門同様に人間に成りすまして地球上に駐屯している他のヒューマノイドインターフェースとの
ネットワーク等も使ったりして赤い結晶体の出所を調査した結果、それは街外れにある
小さな古ぼけたアパートにある事が分かった。

「ここだけ何故か昭和の匂い…何故…。」

現在は既に21世紀。周囲も新しい住宅等が立ち並んでいるのにも関わらず、指定されたポイントたる
アパートは何故か昭和の匂いを感じさせる古ぼけた代物だった。だが、今はとやかく考えている暇は無い。
長門はとりあえずアパートの中へ乗り込んだ。

窓から差し込む僅かな夕日が唯一の光源と言って良い程薄暗い廊下を進む長門。
木製かつ古い床は長門が一歩踏みしめただけでミシミシと音を立てる。

「この部屋から地球外反応を探知…。」

長門はアパート内の一室の前に立っていた。そこから地球外反応を探知していたからだ。
しかし、情報統合思念体関係とは違う。長門達とはまた別の地球外生命体が来ていると見て間違い無い。
そしてドアに手をかけようとした直後、突如としてドアが勝手に開いた。

「ようこそ長門有希。我々は君が来るのを待っていたのだ。歓迎するぞ。何ならSOS団の
皆も呼んだらどうだ。」

ドアの向こう側、畳みの敷かれた和室に現れたのは、明らかに人間では無かった。顔から腹に
かけてが赤く、手足の先は青、背中は黄色で背筋に沿って白い円形の器官が並んでいる宇宙人。
「幻覚宇宙人メトロン星人」だ。

メトロン星人は和室の真ん中に置かれたちゃぶ台を前にして胡坐をかいて座っており、
長門もそれに合わせ、同じくちゃぶ台を前にして正座した。

「貴方達の計画は全て暴露された。大人しく降伏した方が良い。」
「ハッハッハッハッ! 我々の実験は十分成功したのさ。赤い結晶体が人類の頭脳を狂わせるのに
十分効力がある事が分かった。教えてやろう。我々は人類が互いにルールを守り、信頼し合って
生きている事に目を付けたのだ。地球を壊滅させるのに暴力を振るう必要は無い。人間同士の
信頼感を無くせば良いのだ。人間達は互いに敵視し、傷付け合い、やがて自滅して行く。
どうだ? 良い考えだろう。」
「しかし…この星にもある程度の防衛力と言う物がある…。」
「この星の防衛力? 怖いのは長門有希、君だけだ。だから君には宇宙に帰ってもらう、邪魔だからな。」

メトロン星人は立ち上がり、右掌を長門へ向けた。メトロン星人は掌からエネルギー弾の類を発射する事が出来る。
長門はとっさにそれを回避しつつ情報操作によって周囲を異空間化させ、バトルフィールドを作り上げた。


「なるほど。先手を取って周囲を異空間化させたか。それはそれでこちらとしても好都合なのだがね。
まだ地球人に私の存在を知られては不味いからね。それは君としても同義だろう?」
「………………。」

長門有希対メトロン星人。こうして地球の存亡を懸けた戦いが人知れず幕を開いた。

夕日を浴びながら睨み合う長門とメトロン星人。そして双方が同時に駆け寄り急接近し、
すれ違い様の殺陣を演じると共に互いに距離を取る。

今度はメトロン星人が両掌からエネルギー弾を連続で発射し、それに対し長門は
両腕を消えたかのごとく錯覚させる程のスピードで振り回し、弾き返す。

先に長門を怖いと明言していた事もあるとは言え、これはやや相手が悪い。
そう悟ったのか、メトロン星人は逃走を開始した。メトロン星人は自身の超能力で
空間に裂け目を作り、通常空間に出ようとするが…

「逃がさない…。」

長門は刃物の様に鋭く集中させたエネルギーを発射。次の瞬間メトロン星人は見事真っ二つになった。

「メトロン星人…貴方は間違っている。この星の人間は…貴方が考えている程…互いを信頼し合ってはいない…。」

この日を境にして、不可解な暴力事件は起こらなくなった。だが、この一連の事件を
解決させたのは長門有希と言う一人の少女だと言う事を知る者は…いない。

「終」


何か長門はハルヒ本編で描かれてはいない所で色々やってるらしいって設定があるっぽいので
ウルトラセブン第8話の「狙われた街」とクロスさせつつ…
勝手に「不可解な事件を人知れず解決して回ってる」ってのをやって見ました。

メトロン星人がなんかあっさりやられてしまうけど、セブン本編のメトロン星人自体
かなりあっさりと負けてるんで…

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最終更新:2009年12月24日 20:26
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