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Chapter:1 使徒再生~What's Your Name~

 光届かぬ闇にて、君の亡骸を抱える。

 君の頬は土、気(土とはどんな感触だったか)色に変じ、こわばっても柔らかな曲線を描いていた。
 傷から流れていた赤(あ、か。Red? 朱、緋……赤色の)く、冷えるにつれ粘性を増した液体(血)。目覚めぬ君が生きていた証
(ヒトを生かす)。あれにまみれた左手は今も濡れ、失われゆく温もりを訴え続けている(血液だ)。
 頬の丸みをかたちづくった肉の上にある瞼は伏せられ、深い影を落とす睫毛は今までに見たことの無い色、をしていた。
 そして、あのとき確かに抱えていた身体の重みをなぞるほどに、致命的な寒気が背筋をかすめた。
 光届かぬ闇の中で抱えた、華奢な亡骸の重み。その記憶がふいに焦点を失う。
 暗がりに抱いた面影。死んだら代わりはいない君と、俺の、記憶の断片をなぞるほどに焦りが胸を衝いてくる。

 光届かぬ闇にて、俺が、亡骸を抱えていた君。
 きみはいったい、だれなんだ?


 息をつくと同時に、青年は瞼を開き覚醒した。
 うめきの交じった喉のふるえは、間を置かずくぐもった咳に変わる。
 空気の重さと冷たさに加えて、途切れることなく降り続く雨が、彼から体温を奪っていたのだ。
 胸に何かつかえている感触もあるのだが、雨垂れを直接身に受けなかったのが不幸中の幸いといえるだろうか。
 建築様式が古く、廃墟に近い町並みが眼下に望める場所では、荒野に張り出した建造物の一部が屋根のような役割を果たして
いたのだ。石造りの角ばった塔は、知識の無い者から見ても造りがしっかりしていると理解できる。
 ゆえに、青年は平然としたそぶりで周囲に目を向けた。
 この状況において警戒すべきは、遮蔽物が皆無である周辺の状況だと知っているからだ。
 自分がいずこかのエリアを監視する見張り塔のような建物の下層にいると分かったが、そこからどれほどの人員が顔を出すことか。

「トライブに所属し、他の者を倒してニルヴァーナを目指せ……」

 トライブ。ニルヴァーナを目指すために組織される集団の総称。
 ブルーティッシュ、ハウンズ、ソリッド、メリーベル、エンブリオン、アサインメンツの六強が現存。
 ニルヴァーナ。すべてのトライブの長を倒した者が向かうこととなる、カルマ教会より約束された楽園。
 カルマ教会。ジャンクヤードの中心、サハスララ・エリアに存在する建物。
 ジャンクヤード。サハスララを初めとした七つのエリアに大別。各トライブの者達が戦うためにある――
「この世界だ」
 鮮やかに記憶された情報が嵐のごとく浮かぶ。その波を切って捨てるべく、青年は言い切った。いまだどのトライブの色にも
染められていないスーツのジャケットを開き、湿気にもたついた裾をひとつ払って行動を開始する。
 輝かない灰色、水溜りに映る自らの瞳のように、まったき色の無い“Newbie”。ニュービー。
 ジャンクヤードの新参者である自分に与えられている時間はさして多くは無いと分かっていたが、腰の両側に取り付けてある
ウェストバッグを探る左手が、いやに熱かった。擦過傷すらないそこには異常など欠片もみられないが、シンプルな機構の
ハンドガンを携えた右手に添える動作に合わせて、表皮の下にある肉は焼け付くような疼きを訴える。
 疑問を覚えて手のひらを眺めるものの、やはり毛細血管にさえ断裂はなく、目に見える打撲等も皆無だ。
 仮に内出血を起こすのならこの次の段階であると理解していても、建造物の下層から移動を開始した青年はしきりに左手を
確認していた。屋根から抜け出した裸の手へ、ほのかに白い雨糸がつたう。その細い冷たさが、また熱を際立たせる。
 それでも、青年は移動を続けていた。必ずしも様式が歴史どおりであるわけでもない建物のジャンクを抜けるべく、高所に
続く道を探すと同時に身を隠す。非常に矛盾している行動であったが、地上層に出ねばカルマ教会の位置からこのエリアにある
トライブの位置を推測することもかなわない。雨雲を貫いて最上階が見えることのない教会ではなく、地上から別のエリアへ
繋がる橋や周辺の地形を見なければ、記憶を“掘り起こす”ことも不可能だ。
 色。少なくとも赤はメリーベルのトライブカラーであるはずだが、自分は一体、それをどこで見たのだろう。
 石か、あるいは鉄を軸にした様式か。はたまた土か木か。周囲にある建造物は精髄を失ったかのように、ことごとく色が無い。
 静謐な表情で座している男の像を横切った瞬間、青年の足が止まった。

「ニュービーに警告する。武装を解除せよ。解除せねば宣戦布告とみなす」


 見られていたのだ。
 こちらのバッグにも短眼式のスコープは内蔵されていたが、声の主が装備しているそれは両目を完璧に覆う、遮光器に近い
タイプであると視認できる。視界を阻害する機構からして、赤外線で看破されたという解釈で間違いない。
 姿を見せたのは、男女各一名ずつ。今までの移動から人通りが極端に少ないと分かった場所の哨戒としては十分だった。
 雨の中にはしる雷鳴のように、色の無いトライブスーツの各所には明るい……黄色がはしっている。
「質問する。そちらの所属について、解答を願いたい。回答がなければ宣戦布告とみなす」
 先ほどの記憶が正しければ、トライブの戦力差は名前を挙げた順だ。
 これがエンブリオンやアサインメンツならば弱小と言ってよいが、最大の勢力とされるブルーティッシュや、彼らに対抗する
ハウンズのように組織としての形が固まっていれば逃亡もかなうまい。逃亡したところで、後もないだろう。
 加えて、掟に従い、ニュービー同士で新たなトライブを築くことが現状で有効だとは、彼には考えられなかった。
 ニルヴァーナに向かうことの出来る条件はトライブを築くことでも滅することでもなく、“各トライブの長を倒すこと”。
 そうであるなら、アサインメンツのような勢力に限った話でなく、直接頭を取った方がどう考えても効率は良いのだ。

『ブルーティッシュに対抗するハウンズは互角。過日ムラダーラ・エリアを手にしたエンブリオンは、隣接するスワディスターナ
を牛耳るアサインメンツとの戦いに明け暮れている。むろん、我がソリッドも、メリーベルの尖兵を相手にしている』

 ソリッド。ソリッドの誰から聞いたか分からない知識が、彼にこのような思考を呼んでいた。
 どのエリアも膠着状態にあるという現状においてなお掟に固執することへの疑問が、糸のような雨に交じってふと胸に響く。
「我らの所属はソリッドだ。理解したか、ニュービー」
 そして思索に沈みかけた青年にとり、女の回答は半端なものであった。
 ソリッド。三番目に規模の大きなトライブの詳細は記憶にないが、この地形を見る限り、相手には地の利がある。
 ならば打って出るよりも、襲撃に来た相手を迎撃するために守備を固める戦略をとっているとみて間違いない。
 篭城のために仕掛けられた罠は敵も味方も区別しないとなれば、その中枢にいるだろうボスの首を単身狙うのは至難であろう。
 理解したかとの問いには是を返さざるを得ないが、次につながる選択肢は多くない。
 つまり、このままソリッドに従うか。決裂を察知した相手と戦って、死ぬか。
 やりづらい状況に陥っていることを自覚した青年は、どうも及び腰になっている男女の姿を改めて見据えた。
 女がライフルを構えているなら、男の方は連射も掃射も利くサブマシンガンを所持している。運良く狙撃を避けたとしても
逃げ場は無い。男の方を初手で無力化すれば切り抜けられる目も出るだろうが、ハンドガンのみで戦うには分が悪すぎた。
『だが、ここで戦って何の利がある』
 左手の感覚に対する生理的な嫌悪から、青年は眉根を寄せつつ銃を手放した。タグリング。カルマ教会に個人の戦績とコードを
証明する指輪を首に下げていたことを思い出したが、対策を立てようにも今となっては遅すぎる。
 遅、すぎる。遅すぎる、遅すぎる、遅すぎる。何が遅いのだ。何をするには遅いというのだ。理解できない。
 何に対してか判別出来ない心拍数の上昇が、その手のひらで感じられた。
「……了解した」
 判別不能と分かりきった事象を隅に追いやり、青年は口を開く。額を出してかきあげ、側頭部に流していた髪が雨に濡れて
べっとりと張り付く、その感触が、やはり“記憶”には無い何かとよく似ていた。
 脳裏でざわつくノイズに相対した喉もとがむかついてならない。
「ソリッドに告げる。俺は」
 ただ、生きねばならないことは明白だった。
 自身の現時点における生存がかなわなければ、トライブを制覇するなど夢のまた夢だ。
 ニルヴァーナにせよ左手の違和感にせよ自分は何も知らないが、知らないまま死ぬよりは知ってから死ぬ方がよほど良い。
 雨に濡れた左手を強く握ると、妙にぬるついていた。一条の光すら届かぬ場所、行った事も見た事も……ある記憶が胸を衝く。
闇の中で彼女が、かけがえのない者がすでに死んでしまったというのなら。
 そうだ。あの赤い色。メリーベルの色だという生命の海のなかで、自分はすでに――

「俺は……俺達に、帰る場所は無い……」

 だからこそ、平板な声を綾なしていた青年は思い出していた。

 左手の平を“指向性のある緩やかな光の糸”から胴をかばおうと突き出し、もろともに貫かれてしまった瞬間を。
 X。円形のうちに複雑な意匠が各所に現れている建築からはかけ離れた文化に存在したと覚えている、22番目の文字。
 カイと読むそれが円を貫き、底部に大口を開けている。それが左手にあった事実が、初めて青年の意識に浮かび上がった。
 一体それは、いつからか。灰が凝り固まったようなトライブスーツよりも明度・彩度がともに低く、今までに見たことの無い
色が青年の鼓動を激しいものとしていく。ソリッドの構成員どもがなにごとか口にする様子さえ、ひどく遠い。

 ――Om Mani Padome Hm――

 ああ、蓮華の中なる宝珠よ、永遠なれ。
 覚えのある文字列が明確なヴィジョンをなし、青年の脳へと強制的に挿入される。
 その痛みが少し前と同じように、胸に飢えて渇いた衝動を呼び起こし、彼から恐怖心を奪った。
 かたちをなさないうめき声を噛み締める青年の足が一歩、ふたりへ近づく。近づけば、ふたりは明らかに退く。
 押せば退く。押すから退く。押さずとも退く。それを確認するまでに、幾度続けたことか。
 稚拙もきわまった追撃でさえない移動の中で、血色を取り戻した青年の口角が引き締まった。
 歯がゆさに奥歯を噛み締めたのだと、今なら理解できる。
 こちらより人数の面でも武装の面でも有利を保っていながら、たったひとりのニュービーへ立ち向かおうとしない相手に。
 戦う手段を。力を持っていながら、ただ逃げ惑うだけの者達に。
 自分は、苛立っているのだと。

「帰る場所を探したければ、戦う以外に道は無い!」

 それに気付き、目を見開いて叫んだのか。
 あるいは叫んだ瞬間にこそ、気付きがあったのか。
 ただ、色の無い瞳に灰色がかった紫がともった瞬間に、青年はおのが叫びへ明らかな抑揚を加えていた。
 よくとおるにも関わらず、どこか陰に篭った響きには迷いなど欠片も無い反面、すさまじいほどの怒りがある。
『戦え……そして勝ち続ければ、きっとその答えが分かる』
 主の分からない呼びかけに応えるように、彼の体に紫の線条がはしった。幾筋にも重なり合ったそれは体の各所で節をつくり、
六角形の面と変わって、彼の体を彼でありながら彼ではないものに置き換えていく。
 凝り固まった面によって胸に肉付けがなされ、両肩が張って騎士のような胸当てが構成される。体にぴったりと張り付いた
スーツの腹には、ウェストバッグの代わりにベルトが巻かれた。バッグのあった部分には十字をなした銃と、方形のナックルが
それぞれ提げられている。頭部に構成されたヘルメットの視線は紫色をした円形のバイザーで隠され、相手にそれを見抜かせない。
 最後に。バイザーはソリッドのトライブカラーと同系の黄色で縁取られ、同じ色をしたXの紋章に大きく断ち切られた。
「やはり、この男」
 女が不自然に声を途切れさせたのは、耳をつんざくような雄叫びが相手から発されたためである。
 少し前に彼女たちの仲間が四散するさまを作り出した青年の、仮面の下で放たれた咆哮はあまりに歪んで、彼からかけ離れている
のか彼そのものを顕しているのか判然としない。判然とさせる意識すら、その瞬間の彼は持ち得なかった。
 むろん、先刻の彼と同じ灰色の瞳をしているソリッドの面々に、ノイズを類推できる能力などない。

 ――em all eat them all eat them all eat them all eat them all eat them all eat them all eat them all eat th――

 喰らい尽くせ、Kaixa。
 直接脳に響いてくる声だけが、彼の耳朶を打つ。
 繰り返される情報を肯定した青年――カイザは右腰に携える銃を抜き放った。自らの手と一体化したかのような得物を握る手を
無造作に伸ばし、その射線上にある女へ引き金を引く。一発、二発、三発目を数えるまでもなく、彼女はくずおれた。
 流れ出る血は赤い。カイザの記憶どおりに、赤かった。
「これ、は……やめろ、やめてくれ、ディアナぁああああア!!」
 女の名前か、なにかか。あっけらかんとさえしていた呟きから一転した絶叫と同時に、マシンガンを構えていた男の瞳にも髪の
色と同じ赤がともった。カイザのそれと質を同じくした紫の線条が彼の体を包み込み、局所的なセルの表出が全身に及ぶ。
 男に起こった変化を、カイザはベルトの後部に現出した双眼鏡、最後に構成された道具でもって確認していた。
 倍率を変更するとともに、変化しつつある対象の詳細な情報が青年に伝達される。


 ヨモツイクサ。妻を黄泉路より連れ出さんとした男に従った参謀であるところの、槍持てる屍。ヒトとしての姿を無くした相手の
有する強みと弱点が無機質な情報としてカイザの脳裡に並び、その情報どおりに、彼は槍をひとつ回して横に構えた。
 なんらかの意志が相手のもとに収束したのと時を同じくして、双眼鏡をしまった青年の立つ地面が変質する。足許からこぶし大
ほどもある石のつぶてが持ち上がり、膝丈のブーツに覆われた彼の脛を、腿を腹を打ち据えるべく飛びかかってきたのだ。
 その原理に思いを馳せている暇を捨てても避けきることがかなわず、攻撃に移さんとしていた青年の体勢が崩れるが――
 軸足でその場に踏みとどまりつつ、ベルトの要にある通信機器から抜き取ったカードを銃の底部に差し込む。

 ――Ready――

 原理が分からないままに手を伸ばしたが、手にする前から結果は体が覚えていた。
 銃底から伸びた光輝の刃が、雨を弾いて大気を乾いたものに変えていく。これはブレイガン。カイザの、灼熱を生み出す銃。
無意識下に存在する情報に従って、青年は手首を返す。切り込む勢いを利用してヨモツイクサの槍を下から上へ薙ぎ、間合いを
離すが早いか銃の機構を操作し、闇を掃い対象を拘束する光の銃弾を、正確に相手の懐へと打ち込んだ。
 あの光の糸よりも手荒に動作を奪われたヨモツイクサは、男であった頃には欠片も無かった獣性をあらわに叫ぶ。

 ――EXCEED CHARGE――

 トライブを構成する人員である彼に、突如として生まれた生への撞着。
 それを無慈悲に切って捨てたのは、カイザのベルトが発する電子音だった。
「お前達の仲間は、言ったはずだ。ボスの代わりはいないが、兵隊だったら捨てるほどいるんだろ?
 良くないなあ……前言を、撤回するのは」
 叫びによって激情を振り払ったのか、マスクに隠されてなお鮮明な青年の声は、そんな男の意志をあざける。怯えて首を振ろう
にも、それすら出来ない相手を前に、カイザブレイガンを構えた彼はその身を光の矢と変え、ヨモツイクサの懐深くへ切り込んだ。
 そして、接敵の瞬間。男たちの輪郭に、明らかな乱れが生じた。
 ヨモツイクサを構成する微細な六角形が霧消したかと思えば、その背後にカイザの姿が現れる。ひとつ呼吸をする間、静けさが
場を支配し――円錐状の帽子に隠れた男の口から苦鳴が漏れるが早いか、彼の体は根本から消えうせた。斬撃によって空間へと
刻まれたカイの文字も、男の体が崩壊するとともに輝きを失って、世界の輪郭をぼかすかのような雨に解けていく。
 収束した戦いをよそに、きびすを返した青年は灰色の地面を踏みしめ、女の死体へ足を伸ばした。
 相対的な気温の低さに湯気を立てるモノにある、赤い、生命の流体にも似た力が、しっかりと開いた左手から吸い取られる。
 飢えが充たされる感覚に虚無と紙一重の昂揚を覚えながら、カイザは覚えたことに違和感を感じる。違和感を感じたこと自体に
違和感を覚え、雪だるま状にふくらむ思いに覚えたズレは、その思考をひとつひとつ鮮明なものと組み変えていく。
 そして、彼は左手を眺め、ヒトとしての姿に戻るべく意識を集中した。
 白く小さなセルの嵐がその身を包み込み、左手のひらに刻まれた真に色の無いあざが、確かに視界へと入る。
 その左手が誰を抱えていたのかも、ニルヴァーナが何なのかも分からないままだが、はっきりした理由と、事実は見つけた。
「俺は、戦う。生きて……戦う」
 理性の光さえ宿って涼しげであった双眸に、明らかな闘志が宿る。
 この自分には、知らなければならないことがある。自分には相手を倒す、力がある。
 だからこそ上を。地上を目指して、青年は移動を再開した。戦った先に真実があるというのなら、すでに失われたぬくもりの
ルーツが理解できるのなら、時間を無駄に使ってなどいられない。痛む下肢の治療はソリッドの縄張りを抜けてからだ。
 目指すは、ブルーティッシュ。あるいはハウンズ。組織として強大かつ安定しているからこそ、奴等には新入りを受け入れる
だけの余裕もあるだろう。いずれかに味方するような立ち位置が築ければ、第一印象はけして悪いものになどならない。
 こちらに悪い印象を抱いた相手は邪魔なだけだ。そのときはこの女と同じに喰らい、自らの糧にしてやればいい。
 口許をほころばせることもなく、ただ喉をふるわせるだけの笑みが、青年の顔に刻まれた。
 しかし、それは控えめな微笑で留まることなく、深く眉間に刻まれた皺は彼の顔をヒトでない何者かのように歪めていく。
 頭部を除けば、唯一スーツに包まれていない彼の手。あざのない右手には、男の所持していたサブマシンガンが握られていた。

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最終更新:2009年12月24日 20:34
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