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ディケイド×ローゼン 後編Aパート



これまでの仮面ライダーディケイドは・・・。

「以前は暖かくて、明るくて、親切な人がいっぱいいる世界だったの。
 それなのに、今は真っ暗で寒くて・・・何も感じられない世界なの・・・。」

「夏美、お前はつらいとか寂しいとか考えているが・・・そんなことなんて生きていくことに必要ない。
 必要なのは明るくいることだよ。」

「かつて、この世界は他の世界同様、全ての生き物が平和に住む世界でした。
 そして、我が娘たちもそれぞれのマスターとともに生活し、幸せな生活を続けていた・・・はずだった。」
「・・・だった?」
「だが、ある時、空から見たことも無い奴らが現れ、この世界の全ての生物に対し攻撃を開始したのです。」

「そいつの名前は?」
「銀河王・・・。」


ゴーストの襲撃を受け、暗闇と化していた光写真館に再び明かりが灯る。
だが、先ほどの攻撃で小野寺 ユウスケと海東 大樹は戦闘不能となり、
また不死身の力を与えるローザミスティカを宿した『生きた人形』、
ローゼンメイデンの一人である雛苺も戦闘のどさくさで誘拐されてしまった。

そんな状況で光 夏美が思うことは『悔しさ』であった。
「士くん・・・ごめんなさい!!」
「夏ミカン・・・?」
「私が・・・ちゃんと雛ちゃんを守っていれば・・・雛ちゃんを・・・。」
夏美は涙をボロボロ流しながら言う。
「別にお前の責任じゃないだろ。」
「でも・・・あの時・・・。」
「だから・・・。」
「『かくれんぼしよう』なんて・・・私が言いださなければ・・・。」
「しつこいなぁ!じゃあ、お前はその『責任』に対する『償い』が出来るのか?!」
「・・・!」
「夏ミカンは何が『悔しい』のか分からんが・・・『責任』を償えないお前が軽はずみに『責任』とか口に出すな!!」
「・・・。」
そう言って、士は居間から出て行った。

夏美は言い返せなかった。
確かに、夏美は悔しかった。
雛苺の姿をかつての自分と重ねていた夏美にとって、雛苺は妹のような存在・・・いや、自分の分身のように感じていた。
だからこそ、かつて自分が味わった『寂しさ』を雛苺に味わせないよう、彼女は雛苺と一生懸命に遊んだのであった。
だが、その『遊び』が結果的に彼女に『寂しさ』を再び与えることとなってしまった。

夏美は、『自分』の運命を変えることが出来なかった『自分』を悔やんでいた。

「私は・・・どうしたら・・・。」
「これを飲んで、落ち着いてから考えたらどうだい?」
そう言って、栄次郎は夏美のもとに赤いジュースの入ったコップを置いた。
「これは・・・。」
「雛ちゃんに作ってあげたびっくりイチゴ大福のイチゴが余ったんでね、ジュースにしてみたんだよ。」
「おじいちゃん・・・。」
ジュースを見つめる夏美。
だが、飲む気にはなれなかった。
「おじいちゃん・・・私・・・。」
「夏美、昔言ったことがあるだろう。『必要なことは明るくいること』だと。」
「でも・・・雛ちゃんを・・・あの子をあんな目に遭わせた私に『明るくいろ』なんて・・・。」
「じゃあ、夏美は一生そうやってジメジメとしているつもりかい?」
「・・・。」
「夏美は雛ちゃんの『明るさ』を守りたかったんだろう?『朱に交われば赤くなる』ってことわざじゃないが、
 夏美が暗いままでいれば雛ちゃんまで暗くなってしまう。
 ・・・もし、士くんの言っていた『償い』をするのだとしたら、
 それは雛ちゃんを明るくするほどの『明るさ』を夏美が持つことなんじゃないのかな?」
「『明るさ』・・・。」

『雛苺なの~!』

『あ~!デッカイうにゅーなの!!』

『大貧民やるの~!』

夏美の頭の中で、雛苺の笑顔はフラッシュバックする。

自分の『責任』に対する『償い』・・・。
それは、再び彼女を笑顔にすること!
そして、一緒に笑顔でいられるように自分も笑顔でいること!!

そして、夏美は一気にイチゴジュースを飲み干した。
「うん、それでこそ夏美だ!」
「ごちそうさま!・・・おじいちゃん、私行ってきます。」




世界の破壊者と呼ばれた男、ディケイド。
いくつもの世界をめぐった今、彼の瞳には更なる世界が映ろうとしていた・・・。



「ちょっとちょっと、あてもなく行こうってつもり?」
夏美が出かけようとしたその時、彼女のもとへ一匹のコウモリがやって来た。
「キバーラ!」
「夏美ちゃん、銀河王って奴のところへ行くつもりなんでしょ?だったらお姉さんが教えてあ・げ・る!」
「知ってるの?」
「ええ、あなたたちとは別にこの世界の調査をしていたからね。
 とりあえず、場所については先に出て行ったディケイドにも伝えておいたわ。
 ・・・あと、もうひとつ。」
「もうひとつ?」
「外に出れば分かるわよ。」

「これって・・・士くんのバイク!」
「そう、マシンディケイダー。どうやら、ディケイドは分かってたみたいね。あなたが戦いに行くことを。」
「士くん・・・。」
「さて・・・雛苺って子を助けに行くんでしょ?キバって行くわよ!!」
「ハイ!!」
そう言って、夏美はキバーラを掴み、空に掲げた。
「変身!!」

夏美を包むピンクの光。
それは形を作り、白銀の鎧へと化した。

「待っててください、士くん!雛ちゃん!!」
仮面ライダーキバーラはマシンディケイダーとともに銀河王のもとへと走って行った。

一方、仮面ライダーディケイドは苦戦を強いられていた。
実体の無い、幽霊のような存在のゴーストたちにはBLUSTのカードもSLASHのカードも通用しない。
唯一の攻撃手段は<ATTACK RIDE:SIGNAL SHOOT>・・・つまり、信号弾による発光とバイクのライトによるけん制のみであったが、
無尽蔵に現れるゴーストを一掃するには程遠かった。
そして、苦戦を強いられる理由はバイクにもあった。
「くそっ・・・カッコつけてユウスケのバイクなんか使うんじゃなかった!」
オンロード・タイプで重量系マシンあるマシンディケイダーを使うディケイドにとって、
オフロード・タイプで超軽量系マシンのトライチェイサー2000はとても相性が悪く、
慣れないバイクの操作に手こずっていた。
そんなディケイドの隙をついてか、何体かのゴーストがディケイドをトライチェイサー2000から引き摺り下ろす。
すかさず受身を取り、信号弾での反撃を試みようとしたが、別方向から現れたゴーストの攻撃に反応出来ず、
ライドブッカーを手放してしまった。
「しまった!」
すぐさま取り返そうとするが、ディケイドの周囲を多量のゴーストが囲む。
襲い掛かる全方向からの連続攻撃に、ディケイドはサンドバックと化していた。

その時・・・。

ATTACK RIDE・・・AUTO BAJIN!!

突然聞こえてきた音声とともに、上空から現れたオートバジンがディケイドを救出した。
「士くん!」
オートバジンの肩に担がれたディケイドのもとへキバーラが駆けつける。
「夏みかんか・・・待ってたぜ!」
立ち上がるディケイド。
そして、オートバジンもマシンディケイダーへと戻る。

再び、ゴーストたちの攻撃が始まる。
「夏みかん!跳べ!!」
ディケイドの言葉に反応し、空高く跳ぶキバーラ。
一方、ディケイドは『愛馬』であるマシンディケイダーに乗り、ゴーストたちとの距離を空ける。
「相手が夏の風物詩の幽霊なら、こっちも夏の風物詩だ!」
そう言って、ディケイドはマシンディケイダーにある予備ホルダーから一枚のカードを取り出し,マシンディケイダーに挿入した。

ATTACK RIDE・・・SIDE BASHER!!

変形するマシンディケイダー。
そして、ディケイドはサイドバッシャーのモニターに何かを打ち込む。
「そぉ~れ、花火大会の始まりだ!」
そう言って、モニターのENTERを押す。
そして、サイドバッシャーからは無数の閃光弾がゴーストたちに向けて発射された。
強力な光によって消滅するゴーストたち。
その数は確実に減っていた。

      • と同時に、閃光弾の光によって、それまで暗闇に姿を隠していた銀河王の巨大円盤が姿を現した。
「あれが・・・雛ちゃん、待ってて!」
そう言って、キバーラは乗り捨てられていたトライチェイサー2000にまたがり、
巨大円盤の入り口へ一直線に走っていった。

円盤内を駆け抜けるトライチェイサー2000。
キバーラはある場所を目指していた。
それは単なる勘でしかない。
しかし、「もうひとりの『自分』を笑顔にしたい」という強い思いが、彼女に神がかり的な勘を与えていたのかもしれない。
「・・・ここだ!」
バイクのまま、キバーラは扉に突っ込む。

そこは、銀河王の玉座であった。

「ヨク来タ、仮面らいだーヨ。」
「あなたが・・・銀河王!雛ちゃんを返しなさい!!」
「雛チャン・・・?アア、アノろーぜんめいでんノコトカ。
 計算上、モウ返シテモ問題ハ無イ。素直二返シテヤロウ。」
そう言って、銀河王は何かを取り出した。
「・・・!!」
「オ前ノ言ッテイタ『雛チャン』トハ、コレノ事ダロウ?」
キバーラは絶句した。
銀河王の手に握られた物、それは見るも無残なほどに崩壊した雛苺の頭部であった。
そして、銀河王は雛苺の頭部をキバーラのもとへと投げる。
「ホレ、返シテヤッタゾ。・・・アト、胴体ヤラ足ヤラハソコノごみ箱二入ッテイル。必要ナラバ持ッテイケ。」
思わず、雛苺の頭部を拾い上げるキバーラ。
その顔は死ぬ間際の恐怖と絶望感を物語っていた。
「オ前ノ用件ハ済ンダカ?私ハコレカラ別ノ仕事ガアル。
 邪魔二ナルカラスグニ失セロ。ソレガ嫌ナラ強制的二排除スル。」
「・・・排除されるのは・・・お前だぁっ!!」
銀河王の言葉に怒りが爆発したキバーラはキバーラサーベルを手に取り、銀河王へと襲い掛かる。
「計算結果・・・避ケル必要ハ無イ。」
「うわぁあああああっ!!」
キバーラのサーベルが銀河王の体を貫く。
だが・・・。
「ソレガオ前ノ実力カ?」
「そんな・・・効いてない?!」
「次ハ私ノ番ダ。」
突然発光する銀河王の頭部。
その光とともに発せられる衝撃波でキバーラは吹き飛ばされ、体を壁に叩きつけられた。
そして、銀河王は自分の胴体に刺さったサーベルを、
まるで何事も無かったかのように引き抜くと、キバーラのほうへと歩き出した。

一方、キバーラもなんとか立ち上がる。
      • だが、立ち上がるのが限界であった。
しかし、キバーラは気力で銀河王に立ち向かう。
『笑顔』のために・・・。

「計算結果・・・アト2回ノ攻撃デ、コノ仕事ハ完了スル。
 ナラバ、死ヌ前ニ良イコトヲ教エテヤロウ。ソレガ私ノ不完全生物ヘノ『情ケ』ダ。」
そう言うと、銀河王は自身の体を包むマントに手をかけた。
「コレヲ見ロ。」
露わになる銀河王の胴体。
そこには銀、金、緑、青、赤、黄、白、紫のローザミスティカが輝いていた。
「カツテ、私ハ居大ナル創造主ニヨッテ『機械ノ体』トイウ不死ノ体ヲ頂イタ。
 ダガ、機械ト言エド、イツカハ部品ガ壊レテ死ンデシマウ。
 コノ偉大ナル宇宙ノ支配者ヲ失ッテシマウ事ハ全宇宙ニトッテ大損害ダ。
 ソコデ私ハコノ星ニアッタろーざみすてぃかニ目ヲツケタ。
 ろーざみすてぃかヲ持ツベキ資格ガアルノハ、アンナ人形ナドデハナイ。
 私ダケダ。・・・ダガ、コノ星ノ住人ハ偉大ナル支配者ニ恐レ多クモ抵抗シタ。」
「だから・・・攻撃したって言うの?!」
「『攻撃』ダト?ソンナ生ヌルイ事ナド銀河王ハシナイ。抵抗スルナラバ星ゴト殺スマデダ。」
「許さない・・・。」
「話ハ終ワリダ。マズハ1回。」
そう言って、銀河王によるサーベルの一撃がキバーラを襲う。
火花をあげるキバーラの体。
そして、再び壁に叩きつけられる。
その勢いはすさまじく、叩きつけられた壁は崩壊し、隣の部屋の窓が露わになった。

一方、外ではライドブッカーを回収したディケイドと、自動操縦のサイドバッシャーがゴーストを相手に戦っていた。
閃光弾で数を減らしたものの、未だに増殖し続ける敵に対し、ディケイドは疲れだしていた。
「キリが無い・・・他にも相手を一掃する手は無いのか?」
「士!」
聞こえてくる声に後ろを振り向く。
そこには、クウガ・ゴウラムとそれにつかまる仮面ライダーディエンドの姿があった。
ディエンドは飛び降り、そして仮面ライダークウガも元の姿に戻ってのもとへ駆けつける。
「海東、ユウスケ、重役出勤のつもりか?」
「ちょっ・・・せっかく助けにきたのにその言い草は無いだろうよ。」
「相変わらず素直じゃないね、士は。
 もうちょっと素直になってくれたら『とっておきの作戦』を教えてあげたのに。」
「何だと・・・?」
ディエンドの言葉にディケイドの動きが止まる。
「どうする、士?」
ディエンドが言う。
「・・・。」
「どうするどうする?」
クウガがさらに言う。
「・・・。」
「「5・・・4・・・3・・・。」」
「・・・分かったよ、素直になってやるよ!だから、早く力を貸してくれ!!」
二人のしつこい勧誘にディケイドはついに降参した。
「士はツンデレだねぇ~。」
「うるさいっ!・・・で、どうするんだ?」
クウガを一喝し、ディケイドがディエンドに聞く。
「か・み・だ・の・み!」
「・・・ハァ?!海東!お前、こんな危機的状況で俺をおちょくってるのか?!」
「いいや、僕はいたって真面目だけどね。」
そう言って、ディエンドは一枚のカードをディエンドライバーに挿入した。

KAMEN RIDE・・・FAIZ!!

召喚される仮面ライダー555。
そして、ディエンドはもう一枚のカードを挿入する。
「痛みは一瞬だ。」

FINAL FORM RIDE・・・F・F・F・FAIZ!!

555が変形し、ファイズ・ブラスターとなってクウガの手元に渡る。
「士、何ボーッとしてるんだ。早く君も555を呼び出すんだ!」
「あ・・・ああ!」
ディエンドの言葉に戸惑いつつも、ディケイドはケータッチを取り出す。

KUUGA,AGITΩ,RYUKI,FAIZ,BLADE,HIBIKI,KABUTO,DEN-O,KIVA!
FINAL KAMEN RIDE・・・DECADE!!

コンプリートフォームへと変身するディケイド。
そして、ディエンドに言われたとおり、555を召喚した。

FAIZ!KAMEN RIDE・・・BLUSTER!!

登場する仮面ライダー555 ブラスターフォーム。
「・・・で、どうするんだ?」
今回ばかりはディケイドも『だいたい分かった』と言えないため、ディエンドに再度聞く。
「神頼み・・・って言ったろう?これから神を呼び出すのさ、天からね。」
「・・・そういうことか。だいたい分かった!」

FINAL ATTACK RIDE・・・F・F・F・FAIZ!!
FINAL ATTACK RIDE・・・D・D・D・DIEND!!

ディエンドが挿入した2枚のFINAL ATTACK RIDEのカードによって、ファイズ・ブラスターとディエンドライバーにエネルギーが集約される。

FINAL ATTACK RIDE・・・F・F・F・FAIZ!!

ディケイドも同様にFINAL ATTACK RIDEのカードを挿入した。


「外ニモ仮面らいだーガイタノカ・・・。ダガ、今ハこいつノ処刑ガ先ダ。」
気絶するキバーラの首もとに、銀河王が持つキバーラサーベルが近づく。
「コノ一撃ダ。」
そう言って、銀河王はサーベルを振り下ろした。

「士、行くぞ!」
ディエンドの号令をきっかけに、上空に向けて一斉発射されるディケイドフォトン、ディメンションシュート、フォトンバスター。
4つの光線は大きな光の束となり、周囲を包む厚い黒雲を部分的に消し去った。
そして、そこから現れたのは・・・。
「どうだい?まるで神が光臨したかのようだろう?」

黒雲の穴から放たれる太陽の光。
その光は円盤の周囲を包み込んだ。
消滅する全てのゴースト、そして・・・。

「グアッ?!コ・・・コノ光ハ?!」
計算外の事態にキバーラへの攻撃を止める銀河王。
そして、銀河王の周りを窓からの太陽光線が包み込んだ。

『暖かい・・・。』

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最終更新:2010年03月09日 19:18
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