補題(指定シミュレータ)の証明のアイデア
どのような環境Zもユニバーサルなチューリング機械Zuでシミュレートすることができる。
仮定より、Zuに対する指定シミュレータSuが存在するが、
環境Zuがユニバーサルであることより、シミュレータSuもユニバーサルとなる。
補題(指定シミュレータ)の証明
πは、指定シミュレータを用いてφをUC模倣できるとする。
ユニバーサル環境Zu: (<Z>, z, 1t) を入力として、
- zを入力としてZを起動する。ただし、Zのシミュレートは t ステップまで。
- Zと外部エンティティとのやり取りは、そのまま中継する。
仮定より、任意の攻撃者Aとユニバーサル環境Zuについて
- ∃Su, EXECφ,Su,Zu ≡c EXECπ,A,Zu.
主張 任意の環境Zについて、πはSuを通してφを模倣する。
証明 Zを任意の環境とする。ある定数 c があって、Zのステップ数 ≦ |z|c である。
ユニバーサル環境Zuの定義より、
∀k∈N, ∀z∈{0,1}* に対し, zu=(<Z>,z,1|z|c)ととれば、
- EXECφ,Su,Z(k,z) ≡ EXECφ,Su,Zu(k,zu)
- EXECπ,A,Z(k,z) ≡ EXECπ,A,Zu(k,zu)
である。よって、
- EXECφ,Su,Z(k,z) ≡ EXECφ,Su,Zu(k,zu) ≡c EXECπ,A,Zu(k,zu) ≡ EXECπ,A,Z(k,z).
よって、
q.e.d.
Q.E.D.
最終更新:2010年01月13日 17:25