【ヴァンパイア】
大きくわけて3種系統。
【エルダー】
太陽光と銀に弱く、魔を排除する至高神を強く信仰されている聖物などに拒絶反応を起こすタイプ。
こちらは血を糧とするが、血のみではなく精気も吸収する。殺意や支配下に置く意図が無い限り、相手の血を飲み干して殺すことはない。
ケガなどによる回復はその時に摂取できる血液量に比例するが、人間よりも数倍早く、頑丈。
病気、老衰等での死亡はないが、事故、自殺は多種族に比べて多い。
心臓を貫かれる、首を切り落とされる、頭を潰される、などで致死。
太陽光は皮膚に損傷を与え、長時間の場合は脳に損傷が起こり、精神を崩壊させる。
銀は若いヴァンパイアならば長期にわたって癒えない傷跡を残すことになるが、500年以上を生きた者にとっては、多少のアレルギーを起こす程度のダメージにしかならず、むしろ己の力の強さを誇示するために、銀製の装飾品を身につける連中もいるほど。
血を吸う事で相手を支配下に置き、有る程度不老不死に近い状態にできるが、それも200-300年程度で尽きる(支配を解けばすぐに消滅する)。
この状態を自ら望んで得ようとする人間も多く、シルヴェスを訪れる者が後を絶たない。
出生率は非常に低いが、子供は生まれる。異種族間でも可能だが、血をある程度必要とする肉体は必ず遺伝する。
長く生きていればいるほど持つ力は強大になり、血と共に与えられる力も増すため、ヴァンパイア社会での地位も高い。古くから受け継がれている家系は特に敬われ、彼らの中の貴族社会の高位を占める。
人口の大半が、シルヴェスにおいて一番美しいといわれる都、「ナハトメレク(Nachtmelek)」に住むが、人間に混じって住むものは同じ場所に定住せず、住居を点々とするのが常。
種族特徴的に芸術的感覚に優れているものが多く、特に音楽や工芸で大陸に名を知られているものも多い。
非常にプライドが高く、彼らが膝を折るのは始祖ヴァンパイアと月の女神だけとも言われている。
人間のみが食糧ではないが、保護する形で飼っている状態(彼らは否定するが)。
シルヴェスに住む人間はヴァンパイアの庇護なしでは他の魔族の餌食となるため、死や転化を伴わない吸血に関しては必要な代償だと考えられている。
シルヴェスの人間は保護してくれる「マスター」に仕える形ではあるが、居住、移動の自由やそのほかの権利も認められており、決して奴隷ではない。
【ファウンダー】(始祖の意味)
もう一種は旧き神に呪われて、血を啜る生きものとなった一人の青年を祖とする系統で、ナハトメレクに住むヴァンパイアたちにとっては「始祖」と崇められる種。
一般的に信じられている上記のヴァンパイアたちが苦手とするものはない(太陽光、銀、至高神に関するもの等)。普通の食事を取ることも可能だが、楽しむだけで滋養にはならない。
吸血と取り込んだ血を返還することで眷属を増やすことが可能だが、先述のような劣化亜種ではなく同等のヴァンパイアとなる。そして血を介して距離を関係なくその存在を感じることが可能。
しかしながら、吸血する側のヴァンパイアとしての力もさることながら、転化させられる側の強い意思(それは反発でも同意でもかまわないが、強靭な精神力)、そして体力が必要なのであまり成功することはない。
「始祖」である青年以外については、心臓を貫かれる、首を切り落とされる、頭を潰される、などで死亡するのは上記の種と同じ。
秩序だった社会を構成して住まず、シルヴェスではなく世界各地に散っているため正確な数を把握しているのは始祖である青年だけらしい。
【ダーティー】(汚れ)
最後にあげられるのは知性や運動能力は人並みだが、吸血行為によって疫病のように数を増やすタイプ。上記の2種からも嫌悪・蔑視されており、このダーティーを発見すると殺す行動に走る。
原種魔族が媒介した血の疫病ではないかと言われている。
太陽光に弱く、宗教的に聖別されたものを恐れるが、運よく長い年月を生きるとそれなりの力をつけ、脅威にもなる。また見境いなく人を襲う。
このタイプは身を守って長く生きる知恵に乏しいので、爆発的に数を増やすが一年を越えて生き延びるのは僅か。そのため洞窟などで集団生活を営むが社会秩序らしいものはない。
長く生きた者が、コミュニティを率いている場合も稀にあるが、上記2種のように地上や家屋には棲まず、地下墓所、洞窟、地下遺跡など人が近寄らない場所を選ぶ。また、エルダーのコミュニティから脱落したものが率いていると言う噂もある。
(以下、設定・執筆中)