冠詞

可算名詞


  • 不定冠詞(a,an)
    • カテゴリーの代表例を念頭に置いて語るとき


  • 冠詞なし(複数形)
    • カテゴリーそのものを取り上げ、抽象的な話をするとき

(冠詞が無くて複数系でも無い可算名詞→不可算名詞のように扱う)

  • 定冠詞(the)
    • 特定のもので、相手もそうとわかっているモノ・コトを指すとき


(特定のもの:会話をしている双方が認識できるもの)
(the は that で置き換えられなければ間違い)


不可算名詞

いくら分解しても変わらないもの、概念


  • 冠詞なし
    • カテゴリーとして扱うとき

  • 定冠詞(the)
    • 特定のものを指しており、相手もそうとわかっているものを取り上げて言うとき


[コラム]不可算名詞と可算名詞の違いについて:不可算で使われる名詞の特徴は、「部分と全体」という関係がなく、従って、形を変えても同一性が失われないことです。例えば食材としての鶏の場合、モモを外したり、ササミにしても chicken であることに変わりはありません。同様にワインも、二杯のワインをひとつのグラスにまとめても、逆に一杯のワインを二杯に分けても、同じ wine です。床に落としても、グラスに残っているワインと床の上のワインも同一です。

ところが、一羽の鶏のように、可算で使われる chickenは、モモ (thigh) を外し、手羽 (wing)、ササミ (breast) などと分けると chicken としての同一性が失われます。「部分と全体」という関係があるからです。食材として扱っているときと違い、手羽は手羽であって、それはもはや chicken とは呼べません。これは椅子のような他の可算名詞に共通する特徴で、椅子は座面と脚を外したら、それぞれの部品は椅子そのものではありませんから、脚を指して「椅子」だとは言えません。

あるいは、不可算名詞には輪郭 (boundaries) がないので、形式上分割しても実質上、同一性が保たれるけれど、可算名詞はあの椅子とこの椅子とは違うわけで、輪郭があり、したがって、それをばらしてしまうと輪郭が崩れてしまい、同一性が失われると見ることができます。

なお、operationのように、可算用法と不可算用法のあるものについては、「あの地域での業務、この地域での業務」という具合に具体的に把握して、数えることのできるものなら前者で、「工場が in operation である」のような抽象的な話のときは、後者になります。


[コラム]例外的に不可算名詞に不定冠詞 a が付く場合があります:不可算名詞であり、従って普通なら可算名詞用の道具である不定冠詞 a が付くはずがないのに、不定冠詞を付けることがあります。一つは、We had a huge lunch.(ものすごい量の昼食を取った)というふうに、不可算名詞の頭に形容詞が付く場合です。もうひとつは、We offer an education that fits your career goals.(ご自分が目指すキャリアに即した教育内容を提供しております)のように、不可算名詞のうしろに修飾句が付く場合です。いずれも形容詞や修飾句が付くことで、「huge lunchとそうでないもの」「各自の目標に即した教育とそうでないもの」という具合に、他との識別性が生まれ、輪郭が生ずるので可算名詞のように扱われるのだと解されます)


まとめ

(1)定冠詞が必要かを考える。必要ならそこで終わり。

(2)定冠詞を付ける理由なしと決まったら、今度は、可算か、不可算かで場合分けして考える。

(3)名詞が表すものをXとした場合、不可算名詞でAll Xの話をするなら、冠詞ナシで、Some X の話のときもやはり冠詞ナシです(チャートの左下の部分を見てください)。

但し、some を入れることができる点で、All X のときとの違いがあります。実際、日常生活上で、つまり、具体的なワインを取り上げつつ、それを勧めるような場合は、

Would you like wine?

と言うよりは、

Would you like some wine?

と言う方が普通です。

一方、可算名詞で All X の話をするなら冠詞ナシの複数形で、Some X の話なら、さらに単数か複数かで場合分けし、前者なら不定冠詞 a をつけ、後者なら(不定冠詞 a の複数形に当たる)someを付けます。


冠詞編"The"なのか"a"なのか?

ここでの冠詞はAなのかTheなのかと言ったことがよくわからないという人がいますが、高校では「始めて出てきたものには"a",2回目以降は"the"」なんてアバウトに習いますね。
しかし文章中に急に「open the door!」
なんて出てきてこのtheは何やねんってことになりがちです。
Theは共通認識。
つまり話し手と聞き手それぞれが何を指しているかわかっていれば"the"なのです。
このようにとらえてやることによって先ほどの「open the door」で"the"が使われているわけがわかりますね。
命令しているわけですから二人ともどのドアなのかわかっているはずです。
また太陽にはtheがついて星にはtheがついたりつかなかったりする理由もこれで説明がつきます。
〜関 先生の授業より〜
最終更新:2011年08月20日 05:22
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