クトゥルフ神話への招待 遊星からの物体X

作品情報

作品形式 小説
出版社 扶桑社ミステリー
初版発行日 2012/8/10
クトゥルフ神話の多様性をテーマに海外作品を集めたアンソロジー。

収録作

  • 遊星からの物体X
原題:Who Goes There?
著者:J・W・キャンベルJr.
翻訳:増田まもる
第二次南極調査隊が宇宙船と思われる物体を発見。船は炎上し失われたが氷漬けになっていた動物は南極基地に持ち帰られた。
解凍された怪物は生きており犬を襲うが、切断した電力ケーブルで焼かれ犬に噛み殺された。しかし、他の生物と同化し細胞の原形質までそっくりに擬態できることが判明。基地内の人間が怪物に成り代わられている可能性が浮上する。

尾之上浩司氏によるあとがきでは本作がラヴクラフトの影響下で書かれたものかは議論があるが、クトゥルフ神話としての目線で訳して貰った旨が語られている。

  • ヴェールを破るもの
原題:The Render of the Veils
著者:ラムジー・キャンベル
翻訳:尾之上浩司
ケヴィン・ギルソンはタクシーで相乗りになったヘンリー・フィッシャーと黒魔術信仰の裏側に隠された実在する神々について話し合い「目にしている光景が現実そのままなのか」という共通の悩みから彼が行おうとしている実験に参加することを決める。
フィッシャーの住むアパートに同行したギルソンは、ヴェールを破るもの-ダオロスのイメージを披露される。

大英博物館に収蔵されている『死霊秘法(ネクロノミコン)』、それに記された夢の結晶体が話題に挙がる。
フィッシャーは『グラーキの啓示』を所持しており、実験の手順はそこに書かれていた。

  • 魔女の帰還
原題:The Return of the Witch
著者:ラムジー・キャンベル
翻訳:尾之上浩司

  • 呪われた石碑
原題:The Stone on the Island
著者:ラムジー・キャンベル
翻訳:尾之上浩司
主人公は自殺した父親の遺した手紙から、彼が超自然的な者に追われ死を選んだことを知る。
父の遺した書類からセヴァンフォードのはずれにある小島に祭られた石碑が原因と考えた主人公は星型の石を手に自分の目で確認に向かう。

  • スタンリー・ブルックの遺志
原題:The Will of Stanley Brooke
著者:ラムジー・キャンベル
翻訳:尾之上浩司
スタンリー・ブルックが亡くなり親族が集まるが遺言書は書き換えられており、親族には一銭も残されておらずブルックと瓜二つの姿をしたウィリアム・コリアが全財産を相続することになっていた。

  • 恐怖の橋
原題:The Horror from the Bridge
著者:ラムジー・キャンベル
翻訳:尾之上浩司

  • クトゥルフの呼び声
原題:The Call of Cthulhu
著者:H・P・ラヴクラフト
翻訳:尾之上浩司
最終更新:2024年01月16日 04:20