師濤さん
中国のジャーナリストであり詩人でもある師濤さんから自由を奪ったもの、それは電子メールでした。
師濤さんは、米国系インターネット企業Yahoo!(ヤフー)のメールアカウントを使って、2004年4月に米国へ電子メールを送信しました。 Yahoo! は師濤さんの個人情報を中国当局に提供し、その結果、師濤さんのメールは当局の検閲を受け「海外に国家機密を不法に提供した」という理由で逮捕されたのです。師濤さんが送った電子メールは、
天安門事件記念日の期間中に報道が扇動して社会不安を引き起こさないよう警告する、中国共産党の内部指令書に関連した内容でした。
2004年11月に拘禁されて以来、裁判では当局の妨害により弁護士不在のまま師濤さん自らが弁護を行いました。また、家族は当局によって自宅や職場で嫌がらせを受け、師濤さんとの面会も容易ではありません。師濤さんは2005年に有罪判決を受け、10年の刑に服しています。
Yahoo! は、師濤さんの個人情報を中国当局に提供した時にはその調査内容を知らなかったという宣誓供述を議会に提出。2007年11月、下院外務委員会はこれを非難し、Yahoo!の最高経営責任者であるジェリー・ヤン氏が同委員会と傍聴席にいた師濤さんの母親の高琴声さんらに謝罪する一幕もありました。
中国当局によるインターネット検閲と個人情報収集に協力したYahoo!は、その企業倫理が問われています。
「表現の自由」への遠い道のり
(C)private
インターネットへの規制は、ますます強化されています。インターネットを通じて情報を送ったり、受け取ったりしたというだけで、少なくとも50人の人が投獄されました。
アムネスティは、中国政府が検閲によって人びとの表現の自由を弾圧している問題を訴えています。さらにアムネスティは、師濤さんは「良心の囚人」であると考え、師濤さんや同様の理由で投獄されている人びとが即時無条件に釈放されるよう、中国当局に要請しています。
参考URL
師濤さんに関するニュース一覧
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Shi Tao: China frees journalist jailed over Yahoo emails - The Guardian
最終更新:2008年09月10日 08:57