四川大地震、学校の手抜き工事批判の元大学教員逮捕
【香港=吉田健一】香港の人権団体・中国人権民主化運動ニュースセンターは18日、中国・四川大地震で倒壊した学校の手抜き工事を批判する文章を国外のサイト上で発表した元大学教員の女性(56)が、国家政権転覆扇動容疑で公安当局に逮捕されたと伝えた。
手抜き工事をめぐっては、学校倒壊で子どもが死亡した遺族の抗議活動を支援していた人権活動家が逮捕されるなど、政府は批判封じ込めに躍起になっている。
【北京18日時事】香港の人権団体、中国人権民主化運動情報センターは18日、四川大地震で倒壊した学校の手抜き工事などを告発する文章をインターネットで発表したとして、
四川省綿陽市公安局が同市に住む西南科学技術大学の元教師、曽宏玲さん(56)を、国家転覆を扇動した疑いで拘束したと伝えた。
同センターによると、曽さんは5月12日、23日、25日に大地震をめぐり、党や政府を批判する3つの文章をネット上に発表。今月9日、成都市内で身柄を拘束され、
17日に曽さんの夫に綿陽市公安局の刑事拘置通知書が届いたという。
同センターは「手抜き工事の暴露や批判に対する当局の規制が強まっている」と指摘。「北京五輪を目前に控え、人権状況の改善は見られない」として、
曽さんやその他の人権活動家の釈放を求めている。
最終更新:2008年08月07日 01:34