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脆弱性


脅威に悪用されうる、システムや手順の弱点です(英語では vulnerability)。下の定義のとおり、脆弱性は「悪用されうる」弱点であり、それを突く脅威と組み合わさって、被害の可能性が生まれます。

定義

NIST の用語集は、FIPS 200(CNSSI 4009 を改変)などの定義として、脆弱性を「脅威源に悪用されうる、または誘発されうる、情報システム、セキュリティの手順、内部統制、実装の弱点」としています。

定義のとおり、脆弱性はソフトウェアの欠陥だけではありません。
どこにあるか 例
ソフトウェアの実装 プログラムの誤り(バッファオーバーフローなど)。悪用されると、外部から任意のコードを実行される(リモートコード実行)ことがある
設定 インターネットに出ている機器の設定の誤り。米国の CISA(サイバーセキュリティ・インフラストラクチャセキュリティ庁)などのランサムウェア対策の指針は、脆弱性と並べて、侵入の入口の一つに挙げている
手順・内部統制 本人確認の手順が弱い、重要な操作を1人で完結できる、など(ソーシャルエンジニアリング、職務の分離)

脆弱性の情報の見方

仕組み 内容
CVE の番号 公開された脆弱性に付く、共通の識別番号(例:CVE-2017-0144)。米国の NVD(National Vulnerability Database)などで、番号から説明や評価を引ける。付いている評価の版は脆弱性によって異なり、古い脆弱性には CVSS v4.0 の評価が無いこともある
JVN 日本の脆弱性対策情報のポータルサイト。JPCERT コーディネーションセンター(JPCERT/CC)と情報処理推進機構(IPA)が、2004年7月から共同で運営している。対策として、修正だけでなく回避策(ワークアラウンド)が載ることもある
CVSS 脆弱性の特徴と深刻度を、0〜10 の点数などで伝えるための共通の枠組み。最新版の v4.0 は、基本(Base)・脅威(Threat)・環境(Environmental)・補足(Supplemental)の4つの評価の群からなる
KEV 米国の CISA が管理する、実際に悪用された脆弱性の一覧(Known Exploited Vulnerabilities)。載るのは、CVE の番号があり、実際に悪用された(試みを含む)確かな証拠があり、修正などの明確な対処の方法があるものに限られる。このため、悪用されていても一覧に無い脆弱性がありうる。CISA は、すべての組織に、一覧を確認して修正の優先度を上げることを強く勧めている

深刻度と優先度は別のもの

CVSS の仕様書(v4.0)は、利用する側が、基本の評価に、脅威と自組織の環境の評価を加えて、自組織に合ったリスク評価の材料にするよう求めています。また、規制上の要求、影響を受ける顧客の数、漏えいによる金銭的な損失、生命や財産への脅威、評判への影響などは CVSS の範囲外で、組織の脆弱性管理の中で別に考えるものとしています。

このことから、基本の点数が高い順に直すだけでは、実際に悪用されている脆弱性が後回しになりえます。KEV のような悪用の情報と、自組織で影響を受ける資産の重要度を合わせて、直す順番を決めます(脆弱性管理)。

守る手段

手段 内容
修正の適用 製品の提供者の修正(パッチ)を、優先度に従って適用する(脆弱性管理)
見つける 資産の一覧と照合し、脆弱性を探す(脆弱性スキャン)
修正が出るまで 製品の提供者の回避策を使う。CISA は、修正が出たら回避策から移るのが望ましいとしつつ、脆弱なまま放置するより回避策を使うことを勧めている
修正できないとき 使っていない機能やサービスを止める(M1042)、ネットワークを分けて到達できる範囲を絞る(M1030)、サービスのアカウント(人ではなくプログラムが動くための専用のアカウント)の権限を絞る(M1026)。MITRE ATT&CK(攻撃者の手口を整理した公開の知識ベース)は、内部のサービスの脆弱性を突く手口(T1210)への緩和策として、これらを挙げている。M で始まる番号は ATT&CK の対策の番号(ネットワークセグメンテーション、最小権限の原則)
悪用に備える まだ知られていない脆弱性もある(ゼロデイ攻撃)。悪用されたときの検知と対応を用意する(検知、対応)

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出典

確認日:2026年10月17日
ATT&CK:© 2026 The MITRE Corporation. This work is reproduced and distributed with the permission of The MITRE Corporation.(Terms of Use)
CVSS:CVSS is owned by FIRST and used by permission.
最終更新:2026年10月17日 09:10