EternalBlue
Windows のファイル共有の仕組み SMB の古い版(SMBv1)の脆弱性を突く、攻撃用のコード(エクスプロイト)の呼び名です。2017年5月の
wannacryの拡散に使われたことで知られています。
どの脆弱性か
Microsoft は2017年3月14日、セキュリティ情報 MS17-010 を公開し、SMBv1 の6件の脆弱性(CVE-2017-0143〜0148)をまとめて修正しました。最も深刻なものは、攻撃者が特別に細工したメッセージを SMBv1 のサーバに送ると、遠隔からコードを実行できる場合がある(
リモートコード実行)というもので、Microsoft は当時サポートしていたすべての版の Windows で「緊急」(Critical)としました。
MITRE ATT&CK(攻撃者の手口を整理した公開の知識ベース)の記載では、EternalBlue が突く脆弱性は CVE-2017-0144 とされています(T1210)。米国の CISA(サイバーセキュリティ・インフラストラクチャセキュリティ庁)は、この脆弱性を、2022年2月10日に、実際に悪用された脆弱性の一覧(KEV)に加えています。
出どころ(Microsoft の見解)
Microsoft の社長兼最高法務責任者は、WannaCry の直後のブログ(2017年5月14日)で、攻撃に使われたエクスプロイトは、米国の国家安全保障局(NSA)から盗まれたエクスプロイトに由来すると書き、政府が脆弱性をため込むことの問題を指摘しています。
どう使われたか
- wannacry:ワームの機能を持ち、EternalBlue を使ってネットワークの中で自分を広げた(ATT&CK S0366)
- 侵入の後の横展開:ATT&CK は、組織に入り込んだ後、内部のほかのシステムへ広がるために EternalBlue を使った例を、複数のマルウェアや攻撃者について記載している(T1210)
守る手段
| 手段 |
内容 |
| 修正の適用 |
MS17-010 を適用する。サポートの終わっていた Windows XP などにも、Microsoft は2017年5月13日に修正を出した(日付は CISA の注意喚起 TA17-132A による) |
| SMBv1 をやめる |
Microsoft は2014年に SMBv1 を非推奨とした。CISA などの2023年のランサムウェア対策の指針は、依存するシステムへの影響を片づけたうえで SMBv1 を無効にし、SMBv3 へ移ることを挙げている |
| SMBv1 が残っていないか確かめる |
Microsoft によれば、Windows 10 と Windows Server の version 1709 以降は、新しくインストールした場合、既定で SMBv1 のサーバを含まない。ただし、Windows 10 Home と Pro の 1709 は SMBv1 のクライアントを含み、古い版から更新した端末では、すぐには消えない。Home と Pro では、使われない状態が合計15日続くと自動で外れるが、Enterprise などでは管理者が判断して外す。手元の端末で有効になっていないかを確かめる |
| 不要な SMB の通信を止める |
同じ指針は、インターネットとの境界のファイアウォールで、TCP 445 を内向き・外向きとも遮断し、ポート 137〜139 も遮断することを挙げている(2017年の CISA の注意喚起では UDP 137〜138 と TCP 139)。さらに、内部の SMB の通信も、必要な機器の間だけに限るとしている(例:多くの Windows の端末どうしは SMB で通信する必要がない)(ファイアウォール) |
| ネットワークを分ける |
内部に入られても、ほかのシステムへ広がりにくくする(ATT&CK T1210 の緩和策 M1030。ネットワークセグメンテーション) |
| 機能を減らす |
必要なサービスだけを動かす(M1042) |
M で始まる番号は、ATT&CK の対策の番号です。
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出典
確認日:2026年10月17日
ATT&CK:© 2026 The MITRE Corporation. This work is reproduced and distributed with the permission of The MITRE Corporation.(
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最終更新:2026年10月17日 09:11