マルバタイジング(Malvertising)
マルバタイジング(Malvertising)とは、悪意のある広告(malicious advertising)のことを指します。
これは、正規の広告ネットワークを通じて配信される広告に悪意のあるコードやリンクを仕込み、ユーザーがそれをクリックしたり表示したりすることで、マルウェア(ウイルス、スパイウェア、ランサムウェアなど)を配布したり、不正なサイトに誘導したりする攻撃手法です。
マルバタイジングの仕組み
悪意のある広告の作成:
攻撃者がマルウェアを仕込んだ広告を作成します。この広告は、見た目は普通の広告と変わらないことが多いです。
広告ネットワークへの登録:
作成した広告を正規の広告ネットワークに登録し、合法的な広告として配信されるようにします。
ウェブサイトへの配信:
広告ネットワークが提携するウェブサイトに対して、この悪意のある広告を配信します。
これにより、多くのユーザーが広告にアクセスすることになります。
ユーザーへの影響:
ユーザーが広告をクリックしたり、広告が表示されるだけで、マルウェアがユーザーのデバイスにダウンロードされたり、不正なサイトにリダイレクトされたりします。
マルバタイジングの影響
マルウェア感染:
ユーザーのデバイスにマルウェアを感染させ、個人情報の盗難、データの破壊、デバイスの制御を奪うなどの被害をもたらします。
フィッシング攻撃:
ユーザーをフィッシングサイトに誘導し、ログイン情報やクレジットカード情報などの機密情報を盗みます。
ランサムウェア:
ユーザーのデータを暗号化し、復号のための身代金を要求するランサムウェアを配布することがあります。
マルバタイジングからの保護
広告ブロッカーの使用:
広告ブロッカーをインストールして、悪意のある広告が表示されないようにします。
アンチウイルスソフトの使用:
最新のアンチウイルスソフトをインストールし、リアルタイムでのマルウェア検出を行います。
ブラウザとプラグインのアップデート:
使用しているブラウザやプラグインを常に最新の状態に保ち、セキュリティホールを減らします。
怪しい広告の回避:
不審な広告をクリックしないように注意し、信頼できるサイトのみを利用するようにします。
セキュリティ意識の向上:
セキュリティに関する知識を高め、不審なリンクやダウンロードに注意する習慣を身につけます。
まとめ
マルバタイジングは、正規の広告ネットワークを悪用して、広範囲にわたってユーザーにマルウェアを配布する巧妙な手法です。
この攻撃を防ぐためには、広告ブロッカーやアンチウイルスソフトの使用、定期的なソフトウェアのアップデートなど、複数の対策を組み合わせることが重要です。
常に最新のセキュリティ情報を把握し、セキュリティ意識を高めることで、マルバタイジングからの被害を最小限に抑えることができます。
最終更新:2024年05月14日 10:17