URL偽装(URL Spoofing)
URL偽装(URL Spoofing)は、攻撃者が本物のウェブサイトに見えるように偽のURLを作成し、ユーザーを騙して偽のサイトにアクセスさせる手法です。この手法は、フィッシング攻撃の一部として広く使用されており、ユーザーの個人情報や認証情報を盗むことを目的としています。
URL偽装の手法
- ホモグリフ攻撃(Homograph Attack)
ホモグリフ攻撃は、見た目が似ている異なる文字を使用してURLを偽装する手法です。例えば、"example.com"を"examp1e.com"(数字の1を使ったもの)や"еxample.com"(キリル文字のеを使ったもの)といった偽URLを作成します。
サブドメインの悪用は、正規のドメイン名を含むサブドメインを使用して偽装する手法です。例えば、"login.example.com.evilsite.com"のように、ユーザーにとって見慣れたドメイン名をサブドメインに含めることで、本物のサイトにアクセスしていると錯覚させます。
URL短縮サービスの悪用は、短縮URLを使用して偽のサイトに誘導する手法です。短縮URLは、元のURLを隠すため、ユーザーが本来のリンク先を確認することが難しくなります。
誤字や類似ドメインは、正規のドメイン名に似たドメインを登録する手法です。例えば、"goolge.com"(Googleの誤字)や"paypal-secure.com"(PayPalの類似ドメイン)などを使用します。
被害例
フィッシングメールでは、偽のURLが含まれたメールが送信され、ユーザーは偽のログインページに誘導されます。そこで、ユーザーがログイン情報を入力すると、攻撃者に情報が盗まれます。
偽のウェブサイトにアクセスさせることで、ユーザーの個人情報や支払い情報を盗むことができます。また、マルウェアをダウンロードさせる場合もあります。
対策
ユーザーには、リンクをクリックする前にURLを確認するように促します。特に、メールやメッセージ内のリンクを注意深くチェックします。
HTTPS接続を確認することは重要です。正規のサイトであれば、URLが「https://」で始まり、ブラウザのアドレスバーに鍵のアイコンが表示されます。ただし、HTTPSでも偽装が可能な場合があるため、完全な安全策ではありません。
二要素認証を有効にすることで、仮に認証情報が盗まれても、追加の認証要素が必要となり、攻撃の成功率を下げることができます。
使用しているブラウザやセキュリティソフトを常に最新の状態に保ち、既知の脆弱性を修正します。
まとめ
URL偽装は、フィッシング攻撃の中でも特に巧妙な手法の一つです。ユーザーが偽のURLに騙されないようにするためには、教育と注意喚起が重要です。定期的な訓練とセキュリティ対策の強化を行うことで、URL偽装による被害を防ぐことができます。
最終更新:2024年05月15日 09:09