### 脆弱性スキャン技術
脆弱性スキャンは、システムやネットワーク内の脆弱性を特定し、セキュリティの改善策を講じるための重要な手法です。ここでは、代表的な脆弱性スキャンツールとその技術について説明します。
#### Tenable Nessus
Tenable Nessusは、広く使用されている商用脆弱性スキャナーであり、多くの企業やセキュリティ専門家によって利用されています。以下はNessusの主な特徴です:
- **包括的なスキャン**: 数千種類の脆弱性を検出可能で、OS、ネットワークデバイス、データベースなど幅広い対象に対応。
- **プラグインアーキテクチャ**: 定期的に更新されるプラグインにより、新たな脆弱性や攻撃手法にも迅速に対応。
- **詳細なレポート**: 発見された脆弱性についての詳細な情報と修正方法を提供。
#### Greenbone OpenVAS
Greenbone OpenVAS(Open Vulnerability Assessment System)は、オープンソースの脆弱性スキャンツールであり、Nessusのオープンソース版として知られています。以下はOpenVASの主な特徴です:
- **オープンソース**: 無料で使用可能で、コミュニティによって支えられている。
- **拡張性**: 新しい脆弱性チェックを追加するためのスクリプトやプラグインが作成可能。
- **スケーラブル**: 大規模なネットワーク環境でも効果的にスキャンを実施できる。
#### ネットワークホストのテスト
脆弱性スキャン技術は、ネットワークホストのテストを行うために利用されます。これには以下のステップが含まれます:
1. **ネットワークディスカバリ**: ネットワーク上のホストを特定し、アクティブなデバイスをリストアップする。
2. **ポートスキャン**: 開いているポートをスキャンして、ホスト上で動作しているサービスを特定する。
3. **脆弱性スキャン**: 特定されたサービスに対して既知の脆弱性を検出するための詳細なスキャンを実施する。
#### 設定テンプレート・ベースライン構成テンプレート
脆弱性スキャンの一環として、設定テンプレートやベースライン構成テンプレートを使用して、システムが標準的なセキュリティ設定に従っているかを確認します。これには以下のような要素が含まれます:
- **セキュリティポリシー**: 組織のセキュリティポリシーに基づいた設定項目。
- **ベストプラクティス**: 業界標準やベストプラクティスに基づいた設定テンプレート。
- **コンプライアンス**: 規制や法令に準拠するための設定チェック。
#### スキャンの第1フェーズ
脆弱性スキャンは一般的に複数のフェーズに分かれていますが、第1フェーズは以下のような内容を含みます:
1. **準備と計画**:
- **スキャン対象の決定**: スキャンするネットワークやシステムの範囲を決定。
- **スキャンツールの設定**: 使用するスキャンツールの設定とカスタマイズ。
2. **ネットワークディスカバリ**:
- **ホストディスカバリ**: ネットワーク上のアクティブなホストを特定するためにpingやARPスキャンを実施。
- **サービスディスカバリ**: 開いているポートと動作中のサービスを特定するためにポートスキャンを実施。
3. **初期スキャン**:
- **脆弱性データベースの更新**: 最新の脆弱性情報を取得するためにスキャンツールのデータベースを更新。
- **基本的な脆弱性チェック**: 初期スキャンを実施して基本的な脆弱性を検出。
このようにして、脆弱性スキャンの第1フェーズでは、スキャンの準備を整え、ネットワークやシステムの概要を把握するための初期調査を行います。
最終更新:2024年06月17日 09:28