非否認
ある情報を作った・送った・受け取ったことを、後から否定できないようにすることです(英語では non-repudiation。「否認の防止」とも呼びます)。
定義
NIST の用語集には、主に2つの系統の定義があります。なお、米国の法律の定義では、否認の防止は
完全性の一部に含まれます。
| 定義 |
出典 |
| 送信者には配達の証拠が、受信者には送信者の身元の証拠が与えられ、どちらも後から情報を扱ったことを否定できないことの保証 |
CNSSI 4009 ほか |
| データの完全性と発信元を、第三者が、特定の秘密鍵の持ち主(署名者)から来たものと確かめられるようにする仕組み |
FIPS 186-5(デジタル署名の標準) |
1つ目の定義のとおり、非否認には送った側と受け取った側の2つの向きがあります。
2つの向きと手段
| 向き |
否定させないこと |
手段の例 |
| 発信の否認の防止 |
送った(作った)ことを、送った人が否定できない |
送信者の秘密鍵によるデジタル署名 |
| 受信の否認の防止 |
受け取ったことを、受け取った人が否定できない |
受信者が署名した受領の通知、信頼できる第三者を介した配達の証明 |
送信者のデジタル署名だけでは、受信したことは証明できません。受信の否認を防ぐには、受信者の側の証拠が要ります。
時刻の証明
いつ作られたかを後から争われないように、信頼できる第三者が時刻を付ける仕組み(タイムスタンプ)を組み合わせます。署名に使った鍵の証明書が後で失効したときに、その署名が有効かを判断する手がかりになります。ただし鍵の漏えいによる失効では、失効の手続きの時点ではなく、鍵が漏れた(と考えられる)時点より前の署名かが問われます。
成り立つ条件
- 秘密鍵が本人だけに管理されていること:秘密鍵を共有したり漏らしたりすれば、誰が署名したかを言えなくなる(鍵管理、HSM)
- 鍵の持ち主が確かなこと:公開鍵が本当にその人のものかを、証明書で確かめる(X.509証明書)
- ハッシュ値だけでは非否認にならない。ハッシュ値はデータさえあれば誰もが計算できるので、誰が作ったかを示せない
- 共通鍵を使うメッセージ認証コード(HMAC など)も非否認にならない。鍵を持つ相手も同じ値を作れるので、どちらが作ったかを第三者に示せない
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出典
確認日:2026年10月16日
最終更新:2026年10月16日 17:53