ドライブバイダウンロード(Drive-by Download)とは、ユーザーがウェブサイトを訪問するだけで、自動的にマルウェアがダウンロードまたはインストールされる攻撃手法を指します。ユーザーの介入なしに実行されるため、非常に危険であり、特に注意が必要です。
### ドライブバイダウンロードの仕組み
1. **悪意のあるウェブサイトまたは広告**:
- 攻撃者は悪意のあるコードを含むウェブサイトを作成したり、既存の正当なウェブサイトにマルウェアを仕込むことがあります。また、広告ネットワークを通じて悪意のある広告(マルバタイジング)を配信することもあります。
2. **脆弱性の利用**:
- ドライブバイダウンロード攻撃は、主にブラウザやプラグイン(Java、Flash、Silverlightなど)の脆弱性を利用します。これらの脆弱性を悪用することで、ユーザーがサイトを訪れるだけでマルウェアがダウンロードされます。
3. **自動ダウンロードおよびインストール**:
- 悪意のあるコードが実行されると、マルウェアが自動的にダウンロードされ、ユーザーのデバイスにインストールされます。ユーザーはこのプロセスに気付かないことが多いです。
4. **マルウェアの活動**:
- 一度インストールされたマルウェアは、システム内のデータを盗む、キーロガーとして動作する、追加のマルウェアをダウンロードする、あるいはボットネットの一部として利用されるなど、様々な悪意のある活動を行います。
### ドライブバイダウンロードの防御対策
1. **ソフトウェアの最新状態の維持**:
- ブラウザやプラグイン、オペレーティングシステムを常に最新の状態に保つことが重要です。セキュリティパッチやアップデートは、既知の脆弱性を修正するためのものです。
2. **セキュリティソフトの使用**:
- 信頼できるセキュリティソフトウェアをインストールし、定期的にスキャンを実行することで、マルウェアの検出と駆除が可能です。
3. **ブラウザ設定の見直し**:
- スクリプトの自動実行を制限するため、ブラウザのセキュリティ設定を強化することが有効です。NoScriptなどのブラウザ拡張機能を利用して、JavaScriptの実行を制限することも考えられます。
4. **注意深いインターネット利用**:
- 不審なウェブサイトへのアクセスを避ける、信頼できないリンクや広告をクリックしない、メールの添付ファイルを不用意に開かないなど、基本的なセキュリティ意識を持つことが重要です。
5. **ネットワーク防御の強化**:
- 企業や組織では、ウェブフィルタリング、侵入防止システム(IPS)、侵入検知システム(IDS)などのネットワークセキュリティ対策を導入し、ドライブバイダウンロード攻撃を防ぐことが推奨されます。
### 結論
ドライブバイダウンロード攻撃は、ユーザーがウェブサイトを訪れるだけでマルウェアが自動的にダウンロードされるため、非常に効果的かつ危険です。適切な防御対策を講じることで、このような攻撃から身を守ることが可能です。定期的なソフトウェアの更新、セキュリティソフトの使用、注意深いインターネット利用が鍵となります。
最終更新:2024年06月24日 15:53