ウォーターポンプ不良によるオーバーヒート
症状
水温計が目盛り上側に触れ、オーバーヒート症状を呈する。
アッパーホースは熱くなり、ラジエターファンは回る。
しかし、暖房が効かない(ヒーターコアへクーラントが流れない)。
原因
ウォーターポンプの羽根(インペラー)が樹脂製であり、加熱~冷却を繰り返す事で脆くなり、破損する。
これによって、強制的な冷却水循環ができなくなる為オーバーヒートする。
診断方法
まず、上記症状が出ていることを確認する。
アッパーホースが高温であればウォーターポンプの不具合、
触れる程度の高温であればサーモスタットの不具合と切り分けできる。
尚、強制的な水流がない為、正常時に比べるとロアホース側も熱いままである。
修理方法
ウォーターポンプAssy交換。
タイミングベルトによる駆動であるので、同時にタイミングベルト、オイルシール類の交換も推奨される。
また、一度高温に晒されたサーモスタットは開きっぱなし、閉じっぱなしになる確率が高くなる為、同時交換を推奨する整備工場もある。
この場合、エンジンオイルは距離に関わらず絶対交換である(高温に晒されて粘度が低下している為)。
注意事項
自然対流による冷却のみではあるが、水温計が正常の範囲にある間に走行して整備工場へ駆け込むなどできる為、
サーモスタット固着(閉じっぱなし)によるオーバーヒートよりは対処が楽である。
万一途中で振り切れそうになっても、ラジエターに水を掛けるなどして冷却し、水温が下がれば、整備工場まで辿り着けない事はない。
暖房を掛けてエアコンを動かした状態であれば、コールドスタート~警告表示まで(外気温28度で)15分程度。
純正部品は対策済み品となっているが、一部純正互換社外部品は未対策品であることもある。
最終更新:2011年08月30日 19:07