"みっちゃん"


放課後、何時も通り生徒会室に集まっていた生徒会の面々であったが…
「そういえばよぉ、俺らの中に"みっちゃん"って何人いるんだっけ?」
物理系のエリート、摂津雅仲…彼が何気無く投げ掛けた疑問。
「まずわしじゃな」
一人目、菅原道子。
「私もみっちゃんでしたね」
二人目、三 四。
「フフ、ならば僕もみっちゃんだ」
三人目、御剣充。
「おっと、俺を忘れてもらっちゃ困るな!俺もみっちゃんだぜ!」
己を指差しアピールするは四人目、紅石密義。
「がんぜねぇ!お前らマジがんぜねぇぜ!紛らわしいから愛称くらい分けてくれよ!」
どうやら本日の議題は"みっちゃん"になりそうだ。
「…三(にのつぎ)は確か、"みっちゃん"を道子に譲っていたはず」
口舌院言切。
耳聡い彼女は初顔合わせ以降道子と四が"みっちゃん"について取引をしていた事を記憶していた。
「はい。みっちゃんとはお昼ご飯を奢って頂く事を条件に"みっちゃん"の称号をお譲りしています」
「んむ、ニノちゃんはそういうことで―」
「みっちゃん、私のことはツギで構いませんよ」
「お、おおう?」
一瞬、四の発言の意図が分からず道子はぽかんとする。
「ああ…なるほどのう。ではよろしくなんじゃよ、ツギ」
が、彼女の期待するような視線に気付き、合点がいったようで微笑みながら愛称を改めた。
「そういうことです、ふふ。よろしくお願いしますねみっちゃん」
「(いつの間にかいい雰囲気になってやがる…がんぜねえ)」
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「それでよぉ、三がツギなのはいいけど、他の二人はどうなんだよ?」
まだまだ"みっちゃん"にはケリがついていない。
話の流れを戻すため摂津は御剣と紅石の二人に問いかけた。
「自己紹介の時言ったように僕はミツルギでもミツルでもミッチーでも…まあ好きなように呼んでくれ」
言いつつ、御剣は髪を*ファサァ*した。
「俺は…どうすっかなぁ。あ、そうだ。頼むぜみっちゃん」
「わし?うーん、少々まっとれよ…」
紅石の頼みを承諾すると道子は首を傾げながらウンウン唸り出した。
ここで唐突にバブルアキカンが口(飲み口ではない)を開く。
「御剣のニックネーム、メカ的にはミッチーをオススメするメカ」
「だよなぁ?御剣の見てくれだと俺もミッチーって感じがするぜ」
同意を求める摂津。異論を唱えるものはいない…皆同じ意見だったのだろう。
「よしじゃあミッチーで決定!よろしくなミッチー!」
「ああ。よろしく頼むよ皆」
*ぱちぱちぱち*まばらに拍手が上がる。
「残るは紅石か…」
その時道子に電流走る―!"えれきてるぱわー"の導きが道子に電撃的なあいであを与えたのだ!
「!…御剣殿がミッチーならば、密義殿は"ヨッシー"というのはどうじゃっ!」
「でっていうwwwwwwwwwwwwwww」
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最終更新:2014年07月02日 06:06