まんがの補足だよ!
【8コマ漫画『口舌院(白金)言切 vs 一四一四』の詳細な解説】
この漫画は、いっぱい描いた言切VSシリーズの中でも最も気合いを入れた作品なので、作者自らが解説するよ!
なお、GKによる採点に不服があるわけではないです。語りたいだけです。
採点にあたっては様々な事情を考慮して悩んだ上で2点だと思います。
これだけ頑張って描いた8コマ漫画に2点はなかなか付けられないはずです。
難しい判断をよくぞ下した、と褒め称えたいぐらいの、妥当な判断であると捉えています。
それはそれとして、悔しいことは悔しいので解説するよ!
誰かさんの能力説明以上に長文になるから読まなくてもいいよ!
攻略対象の一四一四は「砂漠ダンゲロス」からの再登場キャラクターです。
砂漠には僕も、岸間直嶺というキャラクターで参加していました。
僕は自分が作ったキャラが大好きなので、これ幸いとその後の岸間くんについて描写することにしました。
砂漠に参加してなかった人も多いと思うので、まずは岸間くんとその彼女の大矢モニアさんについて簡単に紹介します。
リンク先は、暇な人は見てくれると嬉しいです。
(つづく)
(2)
ふたりは一四一四と同陣営だったので、当然能力も知っています。
そこで言切が情報収集に向かうところから、漫画は始まります。
VSシリーズはいっぱい描いてますが、できるだけワンパターンにならないように工夫してます。
漫画にしやすい直接対決場面が多くなりますが、今回は情報収集~攻略法検討シーンを題材とします。
あまり絵的に盛り上がらないので難しいですが、そこはナントカがんばります。
砂漠で描いた漫画の後日談でもあるから、漫画じゃなきゃ駄目なのです。
8コマ、白/淡い灰色/濃い灰色/主線の黒の四階調、フリーハンドでない枠線、手書きでない文字、という形式も砂漠の時に合わせました。
一応、今回は文字が多いので手書きでは読みにくいだろう、という配慮もあります。
雪の中、言切のインタビューが始まります。
あまりにもストレートな質問ですが、これは一枚に収める都合上しかたない。
「先輩」という呼び掛けで、言切とモニアの関係性を提示しています。
砂漠の時にモニアと直嶺は三年生だったので、砂漠事件で留年してたとしても既に希望崎は卒業してるはず。
優等生のモニアは間違いなく大学生です。直嶺も、まあ頑張って進学したことにしてあげましょう。
言切もやや優等生っぽいので、モニアと面識があるという設定にしてあります。
あと、雪について。
コケッコウの時は雨にしましたが、画面全体を暗めにすることで情報統制下の諜報戦の雰囲気を出すことを狙っています。
また、限られた背景スペースの中で、人気のない屋外での密会であることん簡潔に示しています。
また、灼熱の砂漠ダンゲロスとの対比で季節感による時間経過も表現したかった。
モニアの無言台詞「……」は、意味があまり無いように見えて重要です。
単に返しの台詞が無いと画面が締まらないという理由もありますが、これが無いと2コマ目の台詞が即答かもしれない感じになってしまう。
後輩の力になってあげたいが、戦友を裏切ることもできないモニアの葛藤をこの無言によって表現しています。
服装について!
普段は道着の言切も、寒いので上に羽織りを着てます。
月華の剣士に出てくる居合キャラ高嶺響の服装を青くした感じでイメージしてくだされば!
モニアさんはPコートのつもりです。砂漠の軽装との対比が重点。
(つづく)
(3)
さて、ようやく2コマ目!
このコマが一番気合い入れたコマですよ!
モニアは亡くした兄の替わりになろうとしてる男装キャラでした。
でも、直嶺との出会いによって、過去の呪縛をある程度乗り越えることに成功しました。
そんなわけで、数年後のモニアは前よりも女性らしく、大人っぽく描く必要があります。
少年っぽい描写だった砂漠の頃と比べて成長した感じが上手く表現できているでしょうか?
自分なりには良く頑張れたと思っています。
そして困り顔ヤッター!
色々な表情を描くことができるのが漫画のいい所ですね。
『魔人能力機密保護法』の設定通りの模範解答をするモニアさん。
ただしこれは順法精神というよりは、後輩と戦友のどちらを立てるべきか悩んで、なんとか言い訳を見つけ出した、という感じです。
3コマ目! 出たーッ! 蟹だーッ!
問答無用の極悪インタビューアイテムの登場です。
これは間違いなく落ちる。一撃必殺の論理能力ですね。
箱に「カニ」と書いてあるあたり、作者の画力についての自信のなさがうかがえます。
しかし、蟹を見てなお抗うモニアさん。なんという戦友への仁義か!
しかし……4コマ目!
そこには直嶺くんと仲良く蟹鍋を囲むモニアの姿が……! やはり陥落! 甲殻類強いヤッターッ!
えーと、こーゆーのを説明しちゃうのはアレなんですけど、3コマ目のモニアさんの台詞と4コマ目が明らかに繋がってない所がこの漫画の面白いところです。
4コマ目は「蟹には勝てなかったよ……」と言いながら申し訳無さそうにモニアさんが直嶺くんの所にやってくるシーンでも落ちとしては十分です。
でも、あえてそのシーンは省き、説明抜きで鍋の場面に飛ばすことで、読者に途中の展開を補完させる。
自分の頭で考えて展開を補完する作業によってより面白みを強く感じてもらおうという狙い……!
成功しているかどうかは不明ですが、そーゆーことを考えて描いてます。
また、この4コマ目だけは背景が白いですが、これはここだけスパイダンゲロスの外にある平和な世界であることを示してます。
その意味でも3コマ目との断絶は大きなものである必要があったのです。
(つづく)
(4)
4コマ目の解説はまだ続くよ! マイキャラの直嶺くんが唯一登場するコマだからね!
僕はキャラが食事する場面を描くのがわりと好きです。
食事風景は平和の象徴だと思ってます。
あと、どこかのハニーハンターの太巻きを例に出すまでもなく、食事は性行為のメタファーですね。
直接的な性描写をするのは苦手なので僕はたぶん今後もやらないと思うけど、遠回しな感じの奴は必要に応じてかいていきたいですね。
さて、小さな炬燵の上でカセットコンロで、二人だけで蟹鍋してます。
大学生の直嶺くんが一人暮らしをしてる部屋をイメージして描いてますが、そんな感じが伝わったらいいな。
ほんとなら室内の背景をばっちり描き込めば間違いなく伝えられるのですが、そこは作画スキルの都合でできません……。
直嶺くんは(僕の作るキャラではありがちなことですが)蟹モチーフのキャラで、巨大な手持ち鋏を武器にしてます。
ここでは蟹解体用の鋏を持ってますね。
モニアさんが、戦友を裏切ってしまうぐらい蟹が好きなのは、直嶺くんとの関係が良好であることも暗示しています。
モニアさんが軽々しく四一四さんを裏切ったわけではないことは十分に理解して頂きたいところです。
たぶん現金とか宝石で買収しようとしてもモニアさんは落とせません。資産家の娘ですし。
蟹を用意した言切の奸計……なんたる卑劣……!
モニアさんはビールを手酌してますね。
二人とも顔が少し赤いから既にアルコール入ってる状態のようです。
ここでは成人済みの設定なので法律上問題ありません。
モニアさんはコートを脱いでます。
砂漠では男物のワイシャツを着てましたが、ここでは女物のブラウスのつもりで描いてますが作画スキルの都合(以下略)
モニアさんの服装は、最初コートで4コマ目ブラウスなので、着衣枚数と時間経過の相関グラフを作成すると鍋を食べ終わった後の展開についてヒントが得られるかもしれません。
ところで、直嶺くんは長髪を女物のリボンで括ってますが、これは津波で亡くなった元カノの遺品です。
モニアさんと付き合うようになったらリボンどうするべきかなー、と悩んだのですが、そのままです。
お互い、過去をひっくるめて受け入れ合った関係であるとか、そんな感じで考えてます。
(つづく)
(5)
やっと左半分に来た! ここからは簡潔に行きます。
左1コマ目、四一四の能力(砂漠当時)の説明。
左半分は言切さんがずっと考えてるだけなので、画面に変化を出すためには図をつかうのが有効だと考えました。
イメージ図は、しろはさんのピクトグラムをまねっこした感じです。
しろはさんのピクトグラムは面白いので今後も期待しています。
左2コマ目、四一四ちゃんのイラスト!
VSシリーズでは結局は言切さんが勝つ展開になるのですが、できるだけ対戦相手を魅力的に描きたいとは思ってます。
(上手く魅力を描けないことも多いけど……! ごめんね剛力羅さんとか弾指さんとか……!)
四一四さんの過去絵は何枚かありましたが、一番描きやすそうなデザインだったminionさんの絵を真似ました。
それでもけっこう髪型が難しかった……!
背景は爆発型に切り抜いて、ちょっと明るめのコマにしました。四一四さんを華やかに見せるための工夫です。
手に持つは「?」マークの謎爆弾。
「クレイモア版」と銘打ってるのだから、砂漠の時と全く同じ能力ではないはず……!
左3、4コマ目は口舌院言切さんのコマ。
特に構図の工夫はなく、直球勝負でかっこいい言切さんの表情を描きたかったのです。
対戦相手を可愛く描くことに力を入れてたので、言切さんの描写が雑なことが多かった。
なので最後はカッコ良く描いてあげたかったのです。(VS蛇倉とVS埴井は描く予定なかった)
ただし美人を描くのは苦手なので、出来映えは、まあ、この程度……!
詭弁については「口舌院」「白金」の二つの苗字を使い分ける言切にしかできない攻略法なので、悪いアイデアじゃないとは思ってます。
以上、言わぬが花の長文失礼しました!
(おわり)
大事なことだからもう一度かくけど、採点に不満があるわけじゃないんだよ。ほんとだよ。
GKさんは体調不良の中、とても頑張ってると思うし、そもそも採点なんて精神のすり減ることをやってて凄いと思うのです。尊敬します。
でも、あの漫画はすごく気持ちを込めて描いたから、それだけは解って貰いたいんだ。欲しいのはポイントじゃないんだ。
あと、漫画を描くときに何を考えて描いてたのかをたまには説明するのも面白いかなー、と思いましてね……。
最終更新:2014年07月02日 06:39