ミソラシティは今日も平和だ。
ただし、数点変わったのが、バンたちがいなくなってしまったことと、LBXが暴走を続けていることだ。
おかげでLBXは全く売れなくなり、タイニーオービットや他の大手メーカーなども苦境に立たされていると聞く。
特に、この町で一番被害を受けているのがキタジマ模型店だろう。
街からはストリートで戦う少年少女の姿が消え、またそれに伴い模型店への客足も急速になくなってしまった。これでは商売もクソもない。
北島店長はほとほと困り果てていた。捨て値で売ってやろうか、と思ったこともあるが、どっちにしろ売上にプラスは出ないし、まず価格より安全性の問題なので、安くしたところで品質は変わらないのである。
「はあ・・・うちも終わりかもしれんなあ・・・」
この頃はため息ばっかりである。
「ため息ばっかり着いてたら幸運逃げるよ!ほら元気出して!」
こう毎回叱咤をかけてくれる妻の北島沙紀に対しても、ここ最近はイライラしか募らなくなってしまった。
「うるさいな、お前にはどうせわからんのだろ!今ここは超不況なんだ!元気なんか出せるか、ちくしょう!」
思わず声を荒げてしまうのもここ最近珍しくなくなってしまった。
「ねえ、大変なのはわかるけど、あたしに当たるのやめてくんない!?こっちまで腹立つ!」
「うるさい!お前は店ん中でじっとしてるだけだからそういうことが言えるんだろ!」
言いながら自分でも後悔する。こんなことをしてる場合じゃないのに。
「ひどい!あたしだってレジに立ってるのに!子供たちが来なくなって苦しいのはあなただけじゃないのよ!」
顔をやや赤くして、沙紀が言う。
どうにもならない気持ちに、店長は戸惑い、苦しんだ。誰かに当たってもどうにもならないし、
かと言って放って置いて気分が自然に戻るわけもない。
「すまん・・・。ついこうなっちまう」
本心をさらけ出すのは久しぶり・・・いや、一度もなかったかもしれない、と店長は思った。
「いいのよ。ただでさえ大変なんだから。でもそろそろお客さん集める方法考えないとねえ」
すっかりさっきの喧嘩もうそのように消え、店長はひとまず安心した。
「そうだな・・・でも、ただでさえお客が来ないんだからどうやって・・・」
「そこが問題よね~・・・」
そうやって店の未来を考えていると、近くから足音が聞こえてきた。
「ねえ、誰かしら・・・」
沙紀がやや不安そうに店長に寄る。
「さあ・・・沙紀、一応LBX出しておけ。この頃はどんな奴が出てきても不思議じゃないからな・・・」
そうして店長はグラディエーターを取り出した。使う機会は減っているものの、メンテナンスは欠かしていない。その為、新品同様機体が光沢を帯びている。
「ねえ・・・怖いよ・・・」
そう言って沙紀は更に体を店長に寄せる。久し振りに妻の体を生で感じ、やや興奮した店長だが、
すぐに戦闘のための意思を取り戻した。
「おいおい・・・いつもの強がりはどうした?あれは嘘だったのか?」
などと茶化していってみせるのだが、翌々考えてみれば今はとても笑える状況ではなかった。
徐々に足音が近づく。心臓がやや早めに鼓動する。
(さあ来い・・・返り討ちに合わせてやる・・・ついでに鬱憤も晴らしてやろうか・・・)
こう考えて敵を待った。そして自動ドアが開いた。
「誰だ!」
しかし、それは敵ではなかった。
バンが戻って来たのだ。山野バンがミソラタウンに戻って来た。
しかし、店長は会えて嬉しいという気持ちより、敵じゃなくてよかったと考える自分を嫌悪するのだった。
「びっくりした~・・・。どうしたんだよ、店長?」
大声で怒鳴られたバンは、まだ少し驚きを顔に残しながら話した。
「スマンな、近ごろは物騒だから。店に爆弾を持って来る奴がいても何ら不思議はないだろう」
バンもこれで少し気持ちが和らいだようだった。
「へー・・・。やっぱ全然変わらないな、ここは。」
「お客さんが来なくなったのは変わった点だけどね。」
そうして沙紀が出てくる。さっきまで怖がってたくせに、と店長は思った。
「あ、沙紀さん!お久しぶりです!」
「久しぶり、バン!今まで何してたの、こっちは寂しかったんだよー?」
そういえばそうだな、と店長は思った。バンは何故ここにそんな長い間来なかったのか、と今頃になって思った。思い切ってここで聞いてみるのもありだな、と店長は思ったから、
「そうだぞ、今まで何してたんだよ、バン」
と思い切って聞いてみた。
「あ、そうだ。店長、実は、俺たちLBXを暴走させてるディテクターたちを倒すための旅に出てるんだよ」
とバンは少し真剣な顔をしていった。
その後、店長と沙紀はいろいろな話をバンから聞いた。アキレス・ディードの暴走、そのアキレス・ディードを操るディテクターと仮面の男、誘拐されたアミとカズ・・・
アミとカズが拐われた、というニュースを聞いた時に、沙紀は小さく「あっ」と叫び声を上げた。店長もにわかには信じ難かった。あのアミとカズが拐われるなんて・・・。
「でも、仲間が新しくできたんだ。紹介するよ。」
バンがそう言うと、黒髪のイケメンな男の子と、髪をポニーテール(?)にまとめた女の子が前に進み出た。
「こっちが大空ヒロ」
バンが紹介すると、その黒髪の男の子が進み出た。
「初めまして。大空ヒロといいます。よろしくお願いします!」
と丁寧に挨拶した。
「こちらこそ、よろしく」
そう言って握手をする。この大空ヒロという男の子、瞳がすごくキラキラと輝いてるな、と店長は気づいた。
「それで、こっちが花咲ラン」
そして、その女の子が前に進み出た。
「花咲ランです。おっす!」
このおっすに少し北島夫妻は怯んだ。二人の表情を見て、バンが
「空手をやってるんだ。花咲道場の娘さんなんだって」
と苦笑いしながら説明した。
なんだか活気のある女の子だなあ、と店長は思った。いずれにしても、一癖も二癖もある仲間を引き連れてきたなあ、と店長は思った。
「で、うちに来た理由をまだ聞いてなかったけど?」
「あ、そうだ、やっぱりメンテはキタジマでやっていこうと思って」
「ああ、うれしいなあ。でも、メンテなら天下のタイニーオービットでやればよかったのに」
「あれ、店長知らない?タイニーオービットは・・・」
ここまで言ってバンは続けるのに戸惑ったようだった。
店長は最悪の事態を考えたが、そんな訳がない。あのタイニーオービットに限って、そんな事があるはずがない。しかし、店長の予想は大きく覆されてしまう。
「クリスターイングラム社に吸収されたんだ」
ああ、最悪だ。ついにはあのタイニーオービットまで。少しずつ目の前の足場が消えていく思いだった。
「そうか・・・それで、他には?」
平静を装おうとしすぎて声がやや上ずってしまったが、バンは気に留めることがなかったようだ。
「今日は、少し故郷で休もうかなーって思って。ついでにヒロとランに町紹介するから。」
「おお、そうか。ところで、泊まる所は決まってるのか」
「ああ、二人とも俺の家に来るから大丈夫。」
ヒロ君はともかく、ランちゃんが男の家に泊まりに行くのか。すごい話だな、と思ったと同時に、胸がチクリとする。
あれ、なんだこれ。嫉妬してるのか、俺。いや、ありえない。俺には沙紀がいる。そう思いながら、いろんな妄想が頭の中に飛び込んでくる。
ランちゃんの笑顔。ランちゃんの空手の練習現場。ランちゃんのスク水姿。ランちゃんの裸、俺がランちゃんを犯す所―。
はっ、と気づいた。駄目だ、そんな事。絶対にいけない。
「じゃあ、店長、頼むよ。」
バンがそう言って自分のLBXを出す。また名前も知らないような機体だ。
「僕も、お願いします。」「あ、あたしもー。」
二人が出したのも知らない機体だった。店長はなんとしてでもランの機体の名前が知りたいと思った。そこで、怪しまれないように、
「これらもまた見たことないな。名前は?」
と全て聞くような形で聞いた。バンの機体がエルシオン、ヒロ君のがペルセウス、ランちゃんのがミネルバ。たしかギリシャ神話での女神だったはずだっけ。
「さて、じゃあ、行くよ。明日の昼ぐらいにまた来るから。」
バンがそう言って立ち上がる。
「ああ。じゃあ、頑張れよ。たまには遊びに来いよ。」
「うん。店長も、元気でね。」
そう言い残して三人は店を出ていった。
さて、どうしようかな、と店長は考えた。別に考える必要はない。客なんて来ないんだから、LBX三機ぐらいメンテするのは簡単だ。
問題は、ミネルバをどうしようか、ということだった。
さて、夜になって、沙紀が寝た頃、店長は持ち帰った三機をおもむろに取り出した。
2時間掛けてエルシオンとペルセウスをメンテナンスした。今まで見たことがない機体だったから、やはり少し苦労したが、いつもと比べて20分違うか違わないかと言う時間だ。
さて、残るはミネルバ一機だ。店長はまるで悪戯をする子供のような気分になった。
まず、通常通り機体のいろんなところをチェックする。特に新しい期待やどう見たって改造品のものは、少し念入りにチェックする。
頭をチェックし、胸パーツから両腕。残すは下半身のパーツだ。急に店長はドキドキしてきた。
スカートの部分に黄色のブースターが付いている。今までにないような構造だな、と思いながら見ていた。
やがて、視線は人間でいう太ももの部分に移っていった。誘惑に耐え切れず、太もも部分をこすってみる。
すると、声のようなものが聞こえた。
<・・・あ>
何だ、と店長は思った。空耳か、はてさて沙紀が自分の性欲を処理しているのか。
しかし、次の瞬間、ミネルバの首筋あたりで何かが光った。何だ、と店長が思い、見ると、何やら配線らしきものが見つかった。
まさか、と店長は思った。よっぽどのLBX通じゃないとわからないものだ。
LBX用の音声認識ワイヤーと改造された自動会話ツールだ。通常の自動会話ツールはCCMに入力された言葉のみをLBXがしゃべるのだが、
この改造版はどうやら人間の言葉をインプットしているらしく、状況にあった言葉を話すシステムらしい。
このようなLBX拡張用のツールを改造するにはかなりのハッキング能力と時間が必要だ。
そして、昼間はミネルバは人間の会話を聞いていたはずだが、それには反応しなかった。まさか―。
もう一回太ももをこする。今度は声がよりはっきりした。
すごい。LBXに性的な情報をインプットしてある。誰がこんなことを・・・。
そういえば、バンが話していた。オーディーンは、バンのお父さんが作っていたって。つまり、やはりそういうことだ。
店長は思わずニヤッとした。やっぱりそうだ。男は性欲の塊だな。
店長はすべてを察し、自分のズボンを脱いだ。パンツの上からでも分かるほど股間は隆起していた。
パンツも脱ぎ、店長はミネルバに自分のものを近づけた。すると、ミネルバはなんと店長のものに吸い付くようにして顔を近づけた。
やがて、店長のものの頭に快感が走る。顔が小さいからか、範囲は小さいが、気持ちよさは素人の仕方より上だった。
<じゅる・・・ん・・・ん・・・>
自動会話ツールの声はもっとサイバーチックなのだが、さすがはバンのお父さん、実際の女の肉声を使用していた。
「んっ!・・・あっ!」
その内、店長も快楽をかなり感じ取る様になって来た。やがて、絶頂が近くなってきた時に、
<出して!顔いっぱいに出して!ああっ!>
とミネルバが、いや、正しくはツールが喋った。女の声に喜んだ俺の耳を通じて、俺のものは熱い液をたっぷり出した。
ミネルバがどろどろになった。しかし、顔いっぱいに出したはずが、口の周りだけ綺麗だった。
そう、ミネルバには、舌があるのだ。それを使って俺の先っぽをなめていたらしい。
なら、当然あれもあるはずだ。店長はミネルバの股間を大きく開いた。
<そんな・・・あんまり見ないでください・・・>
ツールが喋るが、俺は自分のものをミネルバの股間の裂け目に近づけた。いとも簡単に、ミネルバは俺のものを受け入れた。
<はあん・・・おっきい・・・きもちいよ・・・>
まさかツールは俺の性格まで認識してるんじゃないよな。たまたま話し方や感じ方が店長のドストライクだったのか、それとも。
やがて俺は腰を振り始めた。小さいからすぐ外れると思ったら、不思議な感覚がするのと同時に穴がきつくなって俺のものを出さない。それが余計に俺を興奮させた。
<いや、あん、ああ、はあ・・・ん、ああん、きもちいよ、もっと、あはん、きもちよく、ああ、なりたいよ・・・あぁ>
素晴らしく当たり前のような言葉を繰り返しているが、店長の気持ちもツールの言葉とともにアップダウンする。
もともとAV好きな店長にとっては、素晴らしすぎるご褒美だった。
しかし、と店長は思った。
あんな小さい機体からどうやってここまで深く入れられるんだろう、と思うぐらいにまでミネルバのアレは俺のものを取り込んでいる。
更に気づいたことだが、中が濡れている。まるで本物の人間のようだ。いや、下手したらそこら辺の女なんかよりはるかにイイかもしれない。
ハアッ、ハアッ、と俺も苦しそうにあえぐ。実はさっきから出そうで出そうでしかたがない。
しかし、店長が昔沙紀とヤッた時に気づいたことなのだが、我慢すればするほど失神しそうなほど快感を得ることができるのだ。
苦しくなっても、イケば全てチャラだ。一回我慢させすぎて沙紀を本当に失神させてしまったことがある。
<あん、あん、いやっ、イッちゃう、イッちゃう!もうイかせて、はあっ、いやっ、ああっ!>
「まだイカせられないよ、もっと気持ちよくさせてやるよ」
いつの間にか店長は会話までしていた。
本格的にやばい。すでに我慢しきれなかった液がすこしずつ漏れている。
<いやっ、ああ、はあん、あっ、きゃ、いやっ、早く、イッて!イカないと、あっ、あたし、っいやぁ、おかしく、はあん、なっちゃう!>
まだだ、まだだ。まだイク訳にはいかない。いつの間にか、言葉となって出てきていた。
「まだだ、まだだ、まだだ、まだイケない、まだだ・・・」
呪文のように繰り返す。腰の方も俺のものももう限界だ。
女の声は更に上ずり、気持ちよさそうにする。
<いやあ、イッちゃう、イッちゃう、はあん、イクッ、イックウウウウウウウ!>
それが聞きたかったのだ。
それとともに、俺もイッてしまった。ミネルバの中の方(中がどうなっているかはわからないが)と、入りきらなかった液が
ミネルバの股から太ももにかけてを伝って落ちていく。
俺は失神しないように必死に目を開けて、ミネルバから自分のものを引きぬいた。
長いネバネバの糸がものとミネルバをつなげている。会話ツールはイッた後に電源が落ちるらしい、もうそれっきり喋らなくなった。
しばらくは余韻に浸っていた。しかし、沙紀の部屋と別け隔てがひとつしかないのに気付き、早めに自分のものをしまい、
ミネルバを丁寧に拭いた。もしかしたらランちゃんは気付いてしまうかもしれない、と俺は思った。年頃の女の子だ、多分気づくだろう。
まあ、いいか。俺はそう思った。
俺は、もう二度と再生されないと思われる自動音声の喘ぎ声をもう一回思い出しながら、力ついた。
「ありがとう、店長!わざわざ忙しいのに・・・」
「いや、別にそんなに忙しくなかったんだ、訛ってた腕が少しは復活したよ。」
これは本心だった。わずかこれだけの時間に自分の本心を二度もさらけ出してしまうだなんて、昨日のあの時間は思ってもいなかった。
昨日のあの事も、だ。
「じゃあ、そろそろ行くよ。ありがとうございました、店長、沙紀さん」
バンもこの一年で大人っぽくなったもんだ。いや、心なしか、昨日とは顔つきが違うような感じがする。
気のせいか、と俺は思った。でも、後ろの二人もそんな気がする。
「じゃ、行こうか!ヒロ、ラン!」
三人とも笑って出ていった。
「行っちゃったね・・・。三人とも」
「ああ」
たった一晩だったが、それなりに楽しかったよ、ランちゃん。
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「さて、と。ミネルバ見てみよーっと」
そう言ってランはミネルバを取り出した。
ミネルバは、店長のお陰で新品同様となっていた。普段から接近戦を好むミネルバの体は、いつも傷ついていたから、なおさらだ。
すごいなあ。心のなかでつぶやいてみる。
だが、それと同時に鼻に少し異臭が漂ってくる。どこからだろう、と思って嗅いでみた。すると、ニオイのもとがミネルバからしてくることに気づいた。
主に頭部と下半身のあたりがくさい。しかも、生臭い感じだ。
そして、ランは気づいた。そして、ゆっくりと笑いを浮かべた。
最終更新:2013年03月21日 01:11