早くオトナになってみたい




「あー、もうこんな時間か」
CCMに表示されている時刻を見て、僕はそう呟いた。現在、午後11時を指している。
「ついつい白熱しちゃったよ・・・」
夕食の後にアスカさんとバトルをしていたら、中々勝てなくて何度も再戦をしているうちについ燃え上がってしまい、気がついたらこの時間だ。
ちなみに、さっきアスカさんが「ヒロ、俺もう眠い、それに飽きた!」と言ってバトルをやめるまで、ずっとバトルをしていたことになる。
「3時間近くバトルしてたら、そりゃあアスカさんも飽きるよな・・・あ、そういえばお風呂まだ入ってなかった」
ふと、そんな事に気づく。
バトルに熱中すると、つい色々な事を忘れがちだ。そして1つ思い出すと、連鎖的に色々思い出してくる。
「喉も乾いたし・・・」
そう呟いて、僕はキッチンシンクに向かった。

「・・・流石に、みんな寝てるか・・・」
軽く水を飲んでから部屋に着替えを取りに行くと、部屋は真っ暗で、みんな寝静まっていた。
電気を点けてバンさん逹を起こしてしまうのも迷惑だと思い、CCMの僅かな光を頼りに、音を立てないように慎重に、着替えを取りに行く。
なんとか着替えの入ったバッグまで辿りつくと、ふと隣のベッドが視界に入る。
(・・・そういえば、ここでアスカさんと寝たことあったっけ)
一応弁解しておくと、コミケで売ってる同人誌のような、性的な意味合いの方の「寝た」ではない。
ただ純粋に同じベッドで気がついたら雑魚寝していただけです、と僕は一体誰にしているのか分からない弁解をする。
(アスカさん、女子部屋で寝ればいいのに・・・)
寝る時はバトル疲れで眠くてよく覚えていなかったが、朝アスカさんに起こされて凄くびっくりした目覚めになったのはよく覚えている。
そしてそれから3日ほど、そのネタでほかの人にちょっとからかわれたのも覚えている。
(まったくもう)
本当に、はた迷惑なからかいだった。

「・・・ふああっ」
お風呂場の手前で、僕は1つあくびをする。
考えてみれば、普段なら深夜アニメでも見ていない限り、この時間はもう寝ている。
ダックシャトル暮らしの生活が始まってからは、尚更だ。
ユウヤさんは「夜通しのミッションになることもあると思うから、規則正しい生活をした方がいいよ」と言っていた事がある。そんな世話焼きだから、ランさんに「ユウヤはあたしのおかんかー!」なんて言われてしまうんだと思う。実際はみんなのおかんだと思う。
「あれ、電気点けっぱなしだ」
風呂場に入って、まず最初にそれに気づく。普段だったら、この時間は間違いなくお風呂場の電気は切ってあるはず。というか、もったいないのでこの時間帯は、ほとんどの電気が消えてるはずだ。現に、キッチンの電気も消えていた。
「・・・まあいっか、誰かが消し忘れたんだな・・・」
後で出る時に自分が消せばいいや、と思い、僕は風呂場に入る。
脱衣カゴに自分の衣服をちゃっちゃと入れていき、トランクスを下ろしかけたところで僕は呟く。
「はぁーあ」
つくづく自分のモノを見るたび思うけど、もう少し大きくならないものだろうか。
一緒に他の人と風呂に入るたびに、サイズの歴然とした差を見せ付けられる。皮が剥けてる人もいる。
別に自分のが小さいと思っているわけではない(と、思いたい)が、年齢の差というのはものすごく残酷だ。たった1歳年齢が違うと、ああもあそこのサイズは違うのか。
なので皆と風呂に入る度に、僕はえもしれぬ劣等感に包まれる。トイレも同様。
「僕もバンさんと同じ年になったら、あのくらいになるかなぁ・・・」
と、1年先に少しだけ期待してみた。しかし今に戻ってみると、やはり、劣等感。
「そういえばセンシマンの同人誌で・・・」
自分のが小さいんじゃないかと悩むセンシマンの心に気付いて、センシガールの仲間のセンシポップが性的なご奉仕で大きくしようと頑張るという同人誌があった気がする。何で僕がそんなものを読んだことがあるのかは置いといて。
「そういえばあの女の子、センシマンには珍しいロリ属性の女の子だったなぁ・・・」
シャワーのお湯を、頭から被る。全身がいい具合にびしょ濡れになった所で、シャワーのお湯を止め、手探りでシャンプーのボトルを探す。
「あ、そういえばアスカさんにちょっと似てたかも・・・」
と、思った所で、一瞬その同人誌の女の子の顔がアスカさんにすり替わった幻影を見る。
『センシマン、これで大きくなるといいね』
そう言いながら、センシポップはその薄い胸でセンシマンのを・・・もしそれがアスカさんで・・・
(で、僕がセンシマンだったら・・・)
「・・・って、僕は何を考えてるんだあぁぁ!」
勢いよく押したせいで飛び出すぎたシャンプーを尻目に、僕は思わず正面の鏡に頭を打ち付ける。
「痛たたたた・・・、とりあえず、これであの妄想はおさまった「おいヒロ、さっきから1人で何やってんだ?」」

「・・・ん?」

今、明らかに僕のではない声がした。それも、湯船の方から。
この声には聞き覚えがある。この声で他人を挑発したりはしゃいでいるのを何回も聞いた事がある。
僕が恐る恐る、湯船の方に視線を向けると・・・
アスカさんが、いた。
「う、うわあああぁ!な、なんでアスカさんがここにいるんですか!?ここ男湯ですよ!?」
思わず後ずさりをするが、さっき頭を打ち付けた鏡に後頭部をぶつけて終わった。
「え?ん、あ、ここ男湯?・・・わりーわりー、間違えた!」
「間違えたじゃすみませんよ!それに・・・!」
今湯船に浸かってて見えませんけど、間違いなくアスカさん全裸ですよね!?
そう言う前に、僕はまずアスカさんから視線を逸らす。これ以上直視するのは、男としてまず無理だ。
「なんだよー、こっち見て話せよ」
ざばり、と湯船の方から音がする。間違いない、アスカさんが立ち上がった時の水の音だ。
じゃぶ、じゃぶ、湯船の中を、こっちに向かって歩いてくる音だ。こっちに近づいてきてる。
僕はその状況に、思わずパニックに近い状態を起こしてしまった。
「あ、アスカさん、出ないで、出ないで下さい!湯船から!
い、いや、やっぱ男湯からは出てって下さい!」
「どっちだよ!つーかまあ、寒いからもー少しここいていいか?」
じゃばん。多分、アスカさんがまた湯船に浸かった音だ。手で両目を覆いつつ、指の隙間から覗くと、確かに座っていた。
      • というか。
「寒いからもう少しって・・・よくないですよ!もう1回言いますけど、ここ男湯ですよ!?
このまま、僕と一緒に風呂入る気ですか!?」
「いいじゃん別に。俺よく、タケルと一緒に風呂入ってるぞ?」
アスカさんの中では、タケルさんと僕は同じ扱いなんだろうか。
「じ・・・じゃあ、僕が女湯に・・・」
「行くまでに体冷えるぞー。風邪でも引いたらどーすんだよ」
「で、ですが・・・」
このままアスカさんと一緒に風呂に入るなんて主に下半身がいろんな意味で拒否反応を起こしているし、僕も前を直視できない。
「何でそんな嫌がるんだよ。別にいーだろ?風呂くらい」
ざばぁっ。じゃぶ。じゃぶ。ぺた。ぺた。
ぺたぺた、の部分で僕は確信する。アスカさん、湯船から出たな、って。
「う、うわっ!ちょ、こ、こっち来ないで下さい!
は、入ります、一緒にお風呂、入りますから・・・!」
この場の状況をどうにかしようとして、つい口からますます状況を悪くする言葉を言ってしまったのは、軽く後悔している。

「はー、あったけー!」
横でアスカさんがそう言うが、僕はそっちを向けない。
さっき「一緒に入ります」と言った時、「最初っからそう言えばいいのに」とアスカさんが言い、足音が遠ざかったのを感じて安心して両目を覆っていた手をどけたら、見てしまった。
見てしまったと言っても後ろ姿だが、それでも僕には十分刺激が強かった。
(そういえばアスカさん、風呂ではさすがに帽子取ってますね)
いつでもどこでも取らなかった帽子の中を見たのは、これが初めてだと思う。
帽子の下にしまいこんでいたらしい長い金髪が、姿を現していた。
髪の毛は水に濡れて地面の方を向いており、そして髪の毛で隠れ切れてない小ぶりなお尻を、僕の目はばっちり見てしまった。
小さくて、微かに桃色を帯びた子供のようなお尻。それは僕の股間を煽るには、十分すぎる材料だった。
(ま、まだ勃ってる・・・)
必死に抑えようとしても、横にアスカさんがいるせいで全然抑えられない。
横にいるなら離れればいいだろ、と思う人もいるかもしれない。
が、離れようとすると「なんでそんな隅の方行くんだよ。こんな広い風呂なのに」と言い、僕の腕を掴んで無理やり真ん中の方へ引っ張って来ようとする。
下手に距離を近づけられるくらいなら、こうしている方がまだマシだ。
そしてアスカさんの体を時々チラ見してしまうのが、自分ながら情けないな、と思う。
見たら股間がもっと大変な事になる、と分かっていても、ついつい見てしまうのが男の本能。なんとか理性で抑えようとするが、ついつい見てしまう。
そしてアスカさんの長い髪が視界の端に映る度に、僕は我に返って目を逸らす。
同人誌なら見てはいけない所にはちゃんと線が入っているが、生憎ここは同人誌の中ではない。
そしてまた欲望と理性と葛藤して、結局欲望に負けてまたアスカさんの方を見ると――――、目が合った。
「!?」
思わず、視線だけでなく体全体を反らす。
「なあ、何さっきからチラチラ見てんだよ。俺に何かついてんのか?」
「い、いえ、別に・・・」
胸と股間に僕にはないものがついています、と言いたかったが、言ったら間違いなくセクハラだ。
僕には、アスカさん相手にそんなセクハラ発言をする程の度胸はない。
「・・・変な奴」
そう言って、アスカさんは黙った。
(バレてたんだ、見てるって・・・)
これはもう二度とアスカさんの方は見られないな、と思った。
そしてそれを最後に、会話が途絶えてしまった。
(く、空気が、重い・・・)
重いと思ってるのは僕だけだと思うが、現に沈黙がキツい。
下手に会話をしても股間が大変な事になるが、黙りっぱなしも嫌だ。
耐えきれない、そう僕は思った。
「あの、アスカさん、そろそろ僕お風呂出ますね・・・」
そう言い、なるべくアスカさんの方を直視しないように言い、前屈みのままこの場から脱出しようとすると、
「なあ」
と、アスカさんが呟いた。
「な、何ですか・・・?」
そう僕が、聞き返すと。
「俺って胸ないかな?」
予想もつかない言葉が、返ってきた。
「・・・はへ?」
僕はつい、間抜けな声で返事をしてしまった。
なんでこんな事を聞かれたのか、まったく分からない。
「え、えっと・・・なにを、おっしゃって?」
「だーかーらー、俺って胸ないかなって聞いてんの。
アミとかジェシカって、すっげー胸でかいじゃん」
確かに。
「だけどさ、なんか俺ちっちゃくね?年下のランよりもちっちゃいし・・・」
「は、はあ・・・」
アスカさんは僕に向けて、何を話しているんだろうか。どう考えても、これは異性の僕にする話ではない。
「なあ、ヒロはどう思う?」
そう言って、アスカさんに腕を捕まれる。細くて小さい手と指の感触が、腕を通して伝わった。
「いや、どうと聞かれましても・・・!」
まず僕から離れて下さい、と言いそうになったが、言わない。言ったところで離れるわけがない。
そしてこういう時、何て言ったらいいかが分からない。
ゲームだったら直前でセーブして全ての選択肢を何度もリセットして見るが、セーブもできないし、そもそも選択肢がない。
「こっち、見ろよ!見なきゃ大きいか小さいか分かんねぇだろ!」
僕の腕を掴んでいない方の手で、首をぐきりとこちらに向かされる。
「ぐおっ」
無理矢理首をひねられたせいで、喉から変な声が漏れる。下手にひねったらどうするつもりだったんだろうか。
しかしそんな愚痴も、首の痛みも、視界に映ったもののせいで全て吹っ飛んだ。
まず目の前にむすっとしたアスカさんの表情があり、そしてその下に・・・二つの小さな、薄桃色の、丸。
(う、うわあぁぁぁ!)
今ばっちり、僕の視界にアスカさんの胸が映った。
湯に濡れて上気して、微かに赤くなった肌。じっと目を凝らさないと分からない程度の、胸の膨らみ(凝らしてはいけないが)。
「あ、あの・・・「こっち見ろっ!」」
さりげなく視線を反らそうとするも、アスカさんに怒鳴られる。
何か、言わなければ。このままでいるわけにはいかない。
「あ、あの・・・

ほら、世の中には個性や属性がありますから、そんなに気にする必要ないと思いますよ・・・」

「・・・やっぱちっちゃいって思ってんじゃねえか!」
ぐい、と腕を引っ張られ、風呂から出ようとする体勢で固まっていた僕は後ろ向きに倒れ、そのまま風呂にダイブする。
思いっきり顔まで湯船に入った後にどうにか起き上がるが、鼻から口からと水が入ってしまった。
「ごほっ、げへっ・・・アスカさん、何するんですか!」
アスカさんに、急にこんな事をされた文句を言う。勿論視線は反らしながら。
「・・・・・・」
しかしアスカさんからは、何も返事が返ってこなかった。
さっきの半ギレに近い態度と言葉は、一体どこに行ったんだろうか。
「あ、あの・・・」
「・・・気にしてんだよ。ちっちゃいこと」
拗ねたような声で、アスカさんはぽつりと呟いた。
「アルテミスの表彰式でさ、俺、「姉ちゃん勝ったぞー!」って言ったじゃん。
そしたら、聞こえたんだよ。『えっ、あいつ女だったの?』って声がちらほら・・・
つーか、バンもそう言ってなかった?」
確かに、表彰式の時のあの発言は衝撃的だった。
僕とバンさん、2人揃って「女だったんだ・・・」って呟いてたのを覚えている。
「まあ、俺も確かに女っぽくないとは思ってたよ?だけどさ、実際あそこまで男に思われてた、って知るとショックっつーか・・・」
「そんなこと、思ってたんですね・・・」
これは初めて、僕がアスカさんの話にまともな返事をした瞬間だった。
さっきまでは軽くパニックになっていて、まともな返事ができなかった。
「せめて胸がもう少しあれば、女の子っぽく見えるかな、って思うんだけどよ・・・」
「きっと成長しますよ」
アスカさんの悩みには、どこか自分と当てはまる節があった。
まだ成長中だと分かっていても、どこか心の中で焦ってしまう。
僕は年上のバンさん達を見て劣等感を感じるだけだが、アスカさんは年下のランさんにも負けてるから、尚更つらいんだろう。
「そんなもんかなあ」
ばしゃり、と音がして、僕の左肩にアスカさんが寄りかかった。
もう、慣れてきたんだと思う。さっきに比べると、一々過剰反応をしなくなってきた。
アスカさんのちっちゃいのは、胸だけではない。体そのものが、年下の僕よりも1回り近く小さい。
最初見た時は、今となっては絶対に言えないが、正直小学生かと思った。
「大人になったら、少しはマシになるかなー?あーあ、早く大人になりたいぜ」
「ですよねー」
アスカさんは今の状態でもロリ的な意味では可愛いと思うが、今その発言は間違いなくしてはいけない。
それに、早く大人になりたいというのは同意できる。
「・・・でも、大人になるってどういう事なんでしょう?」
「うーん・・・・・・こういう事じゃね?」
ざばり。一瞬にしてアスカさんが正面にまわり、そしてそのままのしかかられる。
つまり、半分押し倒されてる。
「大人って、みんなこーゆー事してんだろ?」
そのまま、アスカさんは僕に顔を近づけていく。
「い、いや、え、ちょ、何し・・・」
「分かってんだよ、ヒロのここがさっきからずーっと上向きかけてんの」
「あっ・・・!」
アスカさんが、僕のそれに指を絡める。細い指が、僕のそれに触れる。
(アスカさん、気づいて・・・というか、この距離で気付かない方がおかしいか・・・)
風呂のせいかは分からないけど、アスカさんの頬が赤い。
そして至近距離で見ると、アスカさんの顔は綺麗だ。
大きな瞳に綺麗なまつ毛、そして湯に濡れた絹糸のような金髪。
薄い唇が、思わず貪りたくなるような気持ちをかき立たせる。
「やっぱタケルのよりはでけーよな・・・うわっ、また大きくなってきた」
アスカさんは、興味深々、と言った様子で僕のそれを触り続ける。
自分以外の手に触られるという初めての感じに、僕の体は敏感に反応していた。
「アスカ、さん、だめ、ですってば・・・!」
必死に抵抗しようとするも、快感を与えられ続ける体では満足に力が出ない。
「やばっ、これ楽しいかも・・・」
アスカさんはおもちゃを弄るように、僕のそれに触れ続ける。
興味本位なのかは知らないが、先端を指でぐいぐいと押さえつけられたり、きゅっと握ったり、
「―――んあっ!?」
いきなり、さっきよりも強い快感が訪れた。見ると、アスカさんの指が、僕のそれの裏筋を撫で上げている。
「お、ヒロってここ弱い?」
「駄目ですってば、アスカさん、そこばっかり・・・あっ!」
そこが弱いと分かった瞬間、アスカさんはそこばかりを弄る。
指でそっとなぞったり、片手で握ったり。
(す、すごく気持ちいい・・・)
アスカさんの手が触れる度に、僕は未知の快感に喘ぐ。
こんな感じに、今までなった事がない。
(・・・そして)
考えてみたら、これは凄くレアなシチュエーションなんじゃないんだろうか。
これからもこのダックシャトルの中で一緒に過ごしていくアスカさんと、こんな状況になれるなんて。
ゲームで言うなら、これはレア中のレアルートだろう。これを逃したら、次いつこんな状況になるだろうか。
多分もう、二度とない。だったら、この状況を満喫しておくべきだろうか。
(・・・だとしたら)
少し、欲が出てきた。
1つ、アスカさんに頼んでみたいことがある。しかしこれは、頼んだら下手したらどんな顔をされるか分からない。
でもやはり、頼んでみたい。これは、アスカさんが同人誌のセンシポップに似ているせいもあるだろうか。
まあつまり、同人誌内で出てきたプレイがやりたいと、そういうことで。
「あの、アスカさん・・・」
「ん?なんだ?」
アスカさんが、こっちを見る。手は動かしたままで。
しゅっ、しゅっと、それ全体をしごき上げるように、手を上下に動かしている。
「その・・・
パイズリ、してくれませんか?」

「『ぱいずり』って何かと思えば・・・ヒロの変態・・・」
「変態って言わないで下さい、今ちょっとあんなこと言ったの後悔してるんですよ」
「後悔するくらいなら言うなよ・・・まあやるけどさ」
僕が頼むとアスカさんはまず僕が何を言ったのか理解できなかったようだった。
それで僕が説明したらきょとんとした目をされ、その後一瞬変なものを見るような目で見られた。
そして湯船の中ではパイズリはできないということで一旦湯船から出、やりやすいように僕は小さな風呂椅子に座った。
一応、「同人誌で見たのと同じプレイ」だということは黙ってある。
そして僕のそれは、湯船から移動するまでに少し間が開いたにもかかわらず、まったく固さを失っていなかった。
「それじゃあ・・・やるぞ?」
「・・・はい」
そう言うとアスカさんは下を向き僕のそれただ1つを見つめ、両手で胸の肉を寄せた。
「んっ、ん・・・中々肉が寄らないな・・・」
アスカさんは頑張って、そのほとんど肉のない胸で、必死に僕のそれを挟もうとする。
同人誌内のセンシポップも、こんな感じだった。必死にセンシマンのを挟もうと頑張るが、結局挟めずに拗ねてべそをかいていた。
アスカさんならべそをかくことはまずないと思うが、もしかしたら拗ねるくらいはあるかもしれない。
そして自分が同じプレイをやってもらうとあらためて思うが、気持ちいい云々よりも、
(すっごく、眺めがいい・・・!)
上から眺めるアスカさんの必死な様子は、すごくそそられる。
真剣な眼差しで自分の胸を掴んで、必死に中央に寄せようとするその様子。
僕はSではないが、それでもちょっと邪魔してみたいと思ってしまう。
ちょっと、アスカさんの胸の間に、自分のそれをすり寄せてみた。
「!?」
アスカさんは、目を白黒させてたじろいだ。
体とそれが擦れて起こる快感も、悪くない。
「・・・すげぇ匂い・・・」
今まで集中しすぎて気づいていなかったのか、そんな感想まで漏らしてくれた。
「どうですか?できそうですか?」
「・・・ダメだ、全っ然できねぇ・・・」
(いいんですよ、元々気持ちよくしてもらうのが目的じゃないんですから)
それは言ったら怒られるだろうから言わない。
生暖かい息が、僕のそれにかかる。アスカさんのため息だった。
「ごめんな、ヒロ・・・これじゃ、全然きもちよくないだろ?」
「別に構いませんが、それなら・・・えっと・・・くわえて、もらえませんか?」
これは同人誌のプレイではない。ただ単に、僕がやってもらいたいだけだ。
あの小さな口で僕のそれをくわえて、舌で舐めて、口全体を上下に動かす―――考えただけでも、ちょっと僕のそれが元気になってくる。
やってもらわなきゃ損だ。
「くわえる、って・・・何を?」
「いえですから、さっきまで挟もうとしていたこれを・・・」
「・・・は?これを?」
「はい」
そう言うと、アスカさんは顔全体に難色を示した。
「いや無理無理無理、無理だって!なんでこんなすげぇ匂いのものを・・・!」
「いや、そこまで拒絶しなくても・・・」
「いや・・・だってさ?ここって、おしっことか出したりする所だろ?それを・・・」
「じゃあ、舐めるだけでも・・・」
「無理っ!」
確かに、アスカさんの言ってることは間違っていない。
そりゃ誰だって、これをくわえるのには抵抗があると思う・・・が。ここまで嫌がられるのは、正直ショックだった。
無理矢理やらせるのは可哀想だし、どうしたものかと考えていると、唐突にアスカさんが言った。
「・・・じゃあヒロは、俺のここ舐められんのかよ」
「えっ?」
そう言ってアスカさんが指を指したのは、アスカさんの股間だった。
指につられて、思わず僕の視線も動く。
そこは、男性とは比べ物にならないくらい複雑なものが揃っている女性器・・・なんだろう。上からだとよく見えない。
「・・・?」
アスカさんってよく分からない、そう心の底から思った瞬間だった。
何で僕のそれを舐めるのと、アスカさんの大事な部分を舐めるのを同じものとして考えるんだろうか。
寧ろ僕としては、舐めさせてくれるのならちょっと興味がある、といった感じだ。
「ほら、ヒロも無理だろ?だから―――」
「別に僕はいいですけど?」
「え?」
何も言わなかった僕を見てアスカさんが勝ち誇ったようにそう言いかけたので、僕がそう言ったらびっくりしたような顔をされた。
「やっぱ・・・ヒロって・・・変た「じゃないです」」
また変態と言われかけたので、今度はきっぱりと否定した。
このアスカさんの判断基準で行ったら、大半のことが変態認定されてしまう。
「それじゃあ、ちょっとここに横になって下さい」
そう言って、アスカさんを風呂のタイルの上に横にさせる。硬いだろうがしょうがない。
「さて、と・・・」
僕も風呂椅子から腰を浮かせ、椅子は邪魔なので端のほうにどける。
そして同じように横になり、アスカさんのそこに顔を近づけた。
「な、なんか恥ずかしいな・・・そんなジロジロ見られると」
「いいじゃないですか、僕だってアスカさんにここを散々見られてるんですよ」
アスカさんの顔の方に、わざと自分のそれを近づけてみた。凄く苦々しい顔をされた。
それはさておき、僕はアスカさんの股間を観察してみる。
柔らかそうな肉の割れ目の内側に、男性とは比べ物にならないくらい複雑なものが揃っている。洗うのが大変そうだ。
そしてよく見ると、もともとここが風呂であるせいで、全身濡れていて分かりにくいが―――
「アスカさんのここ、もしかして濡れてますか?」
「え?」
アスカさんは正座でパイズリをしていたが、実はその時何回か足をもじもじとさせていた。最初はただ単に足が痺れただけかと思ったが、こういう事だったのか。
「濡れてるって、俺達全身濡れてるんじゃ―――」
「ここですよ、ここ」
アスカさんの割れ目の隙間に指を這わせる。
「ひゃうっ!」
そのままゆっくりと指を動かし、ぴんと立った股間の突起の先端に触れる。
ちょっと触れただけでも、アスカさんは可愛らしい声を上げた。
「ヒ、ヒロ、どこ触ってんだよ、そこは・・・!」
「あ、また濡れてきましたね」
僕はさらに、突起を弄ってみる。爪でかり、と軽く引っ掻いてみた。
「んあっ・・・!ヒロ、ってば・・・!」
そういえばアスカさんには「舐められんのかよ」と聞かれていたことを思いだし、今度は舌で突起を舐める。
舌の上に、なんとも言い難い独特の味が広がった。
「んんんっ・・・ふぁうぅ・・・」
連続的に喘ぎ声を漏らし、体や足をばたつかせる。いかにも、全身で快楽を受けている、という感じだ。
が、ばたばたされると正直やりにくいので、アスカさんの腰の方に手を回し、体を引き寄せた。
その時大変偶然持ちどころが悪く、なぜかアスカさんのお尻に手が当たった。
片手で掴めるほど小ぶりなお尻に、むにゅう、と指が食い込んでいく。
「おまっ、どこ触ってんだよ!」
「あっ、す、すいません!」
思わず、慌てて謝ってしまった。
実はアスカさんを床に寝かせた辺りから、ここでビシっと決めないと男としてかっこ悪いと思い、多少普段の僕とは違う感じで振る舞っていた。
が、やはりこういう所でボロが出てしまった。
「・・・こほん」
僕は咳を軽く1つし、再びアスカさんのそれを舐めにかかる。
今度は、複雑な部分に舌を這わせた。
2本の指で隙間を押し広げ、ぐちゃぐちゃに濡れたそこに舌を伸ばす。
ぐい、と舌を突っ込むと、アスカさんは大きく身震いをした。
「あ・・・熱いのっ、ヒロの舌、熱いっ・・・!」
一瞬、アスカさんの声の高さにびっくりした。
そして、アスカさんは、普段じゃ絶対に出さないような声を出している。
女性のような(女性なんだが)、甘くとろりとした声。
そして声の甘さに比例するように、舐めてる所の奥から液体が溢れ出した。
じゅるるっ。
わざとそんな下品な大きな音を立て、その液体を吸い上げる。
「ふぁ、あうぅ・・・」
快感からか羞恥心からか、アスカさんの声がいまいち小さい。
そしてやっぱり、この味はなんとも言い難い。
一通り吸い上げたあと、舌も口も離す。透明な糸が、まだ僕とアスカさんを繋いでいた。
「・・・どうですか?」
「・・・きもちよかったけど、恥ずかしい、死にたい、もうお嫁に行けない・・・」
アスカさんの口から、お嫁という単語が出てきたのは少し意外だった。
(少しやりすぎたかな・・・)
僕は少し反省する。しかし、まだまだこれでは終わらない。
「で、アスカさん・・・僕はちゃんと舐めたんですから・・・」
「・・・うぅ・・・やっぱ、やらないと、駄目?」
「はい」
はい、の部分は、わざと思いっきり元気よく言った。
「ん~・・・」
アスカさんの顔の前に自分のそれを密着レベルに近づけると、恐る恐るアスカさんはそれに手を伸ばす。
そして両手でそれを包み込むように掴み、先端を、ちろりと舐めた。
「こ、こうかな・・・」
そのまま亀頭を舌で丁寧に舐め上げ、ゆっくりと舌は根元に向かう。
根元もまた、丁寧に舌で舐めてくれた。
じわじわと快感が来るが、正直なんか物足りなかった。
「アスカさん、そのままくわえて下さい。あと手も使って・・・」
「手も!?・・・んむっ、んっ・・・」
同人誌で得た程度の知識だが、アスカさんにはそのことはバレていないようだ。
「んんっ・・・」
小さな口の中に僕のそれが入っていくと、それだけでも凄く気持ちいい。舐めてる時とは段違いだ。
徐々に奥までそれが入って行き、入れている間もアスカさんは根元を手でしごいていた。
口内のむわっとした熱が、僕のそれに伝わってくる。
やがてかなり奥の方まで入ると、今度はアスカさんは僕の「玉」に手を伸ばした。
「んっ!?」
まさかそっちを触られるとは思っていなかったので、僕は思わず声を上げる。
その声を聞くと、アスカさんは勝ち誇ったように目で笑った。
しかしそれをくわえこんでいるせいで、いまいち笑っているように見えない。
そしてそれを皮切りに、アスカさんの攻めが激しくなった。
口の中にくわえこんだまま舌で竿をちろちろと舐め、また2つの玉を片手でもみしだく。
多分、僕が感じたことで、アスカさんは調子に乗ったんだろう。
(す、すごい・・・)
さっきまで嫌々やっていたアスカさんが本気を出すと、こんなに上手いなんて。
「ん・・・むっ!」
くわえられる限り奥までくわえこみ、そのまま先端まで口を一気に動かす。
アスカさんの唇が竿全体を刺激し、それだけでも達しそうな快感に襲われた。
(負けて、られないかも・・・)
アスカさんのこの攻めに僕は変な対抗心を感じ、アスカさんのそこに指を入れた。
アスカさんが1度大きく身震いするが、構わず指を進めていく。
「んっ、んうっ・・・」
気持ち良さにアスカさんは喘ぎつつも、口にくわえこんでるものがもののせいで、声が出ない。
しかしそれでも、負けじと僕のそれをしゃぶろうとした。
(さて、どのあたりが弱いんだろう、女の子って・・・)
同人誌で女の子が弱い所を刺激されて喘いでいるシーンはあるが、どこが弱いかは同人誌によってまちまちだ。
ましてやここは3次元なので、自分で探すしかないだろう。
そう思って指を進めていくと、中で何かにぶつかった。
(あれ?ここで行き止まり、なはずは・・・ちょっと短すぎる・・・)
どの方向に行けばさらに奥に行けるのか分からなくて、指の感触を頼りに手探りで探す。
その時、アスカさんがこれ以上ないくらいによがっているのに気がついた。
「もしかして・・・これ、気持ちいいですか?」
実験的に、指をあちこち動かす。ぐるぐると、中で指を回す。
「んっ!?ふうぅぅぅ!んっ!」
途端に、アスカさんが激しくばたばたと暴れだした。
暴れる両足をとりあえず抑え付け、さらに指を回す。
「んうぅぅっ!」
暴れるほど、アスカさんの口から僕のそれが抜けていく。指を回す前は結構深くまでくわえこんでいた口が、今は先端部まで移動していた。
(あ、ここかな?)
その時、やっと穴の続きを見つける。僕は指を回すのをやめ、そこに指を進めた。
「ふうっ、む、うん・・・」
とたんにアスカさんの大暴れもおさまり、まだ全身をびくびくさせてはいるものの、比較的おとなしくなった。
(奥は、さらに狭い・・・)
中がギチギチとしていて、1本の人差し指ですらも進めるのが困難だ。
中の肉の圧迫がきつい。
そしてそこでもまた指を進めていくうちに、行き止まりにたどり着いた。
(ここで、終わり?)
多分そうかな、と思い、一番奥に指を押し込んだ。
「ふうっ!」
するとアスカさんは、さっきよりも一層激しい反応を見せる。
また中で指を、回してみた。今度は回すだけじゃなく、中で指を曲げている。
肉圧で、指が折れそうだった。
「んんっ、ふっ、むっ、・・・ふあっ!」
またアスカさんは暴れ、身をよじらせ―――とうとう口から、僕のそれが抜けた。
口の中のものがなくなると、アスカさんの喘ぎ声はより一層激しくなる。
「ああっ!ヒロ、そこ、そんな、いじっちゃだめぇぇ!」
普段からは想像もつかない女性らしい声をBGMに、少しほぐれてきたそこに、もう1本指を入れてみる。
「あ―――っ!」
1本でも指が折れそうなくらいきつかったそこに、2本も指を入れたら、当然中はギッチギチだ。
しかしそれでも、無理やり押し込むようにして、指を進めていく。
「いあっ!だ、だめ、裂ける、裂けちゃうって!」
(2本で裂ける、って・・・)
じゃあ仮にもう1本足したらどうなるんだろう、と考えたが、これ以上突っ込むスペースもないし、無理に入れたら本当に裂けるか、僕の指が折れるかのどっちかになりそうだ。
無理やり進めていく時に、爪が中の肉に当たる。
「あっ!なんか、かりかりする、いっ、やめ・・・」
やめろと言われても、ここが狭いんだからどうしようもない。
しかし中から液体が止めどなく溢れ出してきているおかげでぬめりが良くなって、奥まで入りやすくなっているのは幸いだ。
そしてかなり無理をしながらも、なんとか2本目の指も一番奥まで到達した。
「ふぅ――――」
なんとかここまで到達した苦労を感じ、1つ大きく息を吐く。
「はっ、ふうっ、はぁっ・・・ヒロ、お願い、お願いだから、抜いて、くれ・・・これいじょ、したら、おかしくなる・・・」
苦しそうな息を絶え絶えに吐きながら、アスカさんは僕に懇願する。
しかし、ここで抜いたら男として台無し、ということは僕にも分かる。
ぴったりくっつくようにして入っていた指を、中で広げた。
「んあぁっ!」
ぐにぐにと、中を押し広げるように指を動かす。
「ヒロ、だめ、だめぇ!」
ふと思いついて、中の肉を、指でツボ押しをするように押してみた。
指を曲げて、ぎゅっ、ぎゅっと、壁を押すようにして刺激する。
「ゆび、曲げちゃやらぁ・・・!」
今度はそれを、一番奥に向けてやってみる。2本の指で、押すように。
「ひうぅっ、だっ、だめ・・・
      • んっ、あっ、ちょっ、な、何か変な感じなってる、お願い、やめ・・・」
アスカさんの動きがおかしくなったが、僕はとどめ、と言わんばかりに、さっきよりも強く押した。
「ひっ、だ、だからだめ、だって、俺・・・あっ、ああああぁっ!」
一瞬の間の後、アスカさんが大きな悲鳴をあげる。
それと同時に、中が電気ショックを受けたように突然びくりと動き、アスカさんの全身の力が抜けたような感じがした。
にもかかわらず、中はまだびくびくと痙攣していた。
「もしかして・・・イっちゃい、ましたか?」
自分でやったことながらも、こんなに簡単にイってしまうとは思わなくて、軽く呆気に取られていた。
「イクって何か・・・よく、分かんねーけど・・・なんか、目の前、真っ白になって・・・頭ん中ぴかってなって・・・こう、すごいものが体中に来た感じ・・・」
荒い息を吐きながら、アスカさんはそう答えた。
(女の人って、イクとこうなるんだ・・・)
男みたいに露骨に何か出るわけじゃないんだなぁ、と僕は思った。
さて、目の前に息の荒い全裸の、ほぼ体力がゼロに近いアスカさんが横たわっているが、ここでまず何をすべきだろう。
答えは1つ。これは、
(最後まで、やるしかない!)
ここまでしておいて続きをしないなんて、ありえない。
それに目の前で喘いでイったアスカさんを見せられて、既に僕のそれもありえないくらい怒張していた。
多分これが、本能というやつなんだ、と僕は思う。
早く、アスカさんのここに、指ではなくて、僕のそれを突っ込みたい。頭の中が、その思いだけに支配されていく。
僕はさっそく体勢を直し、お互いの股間が視界に映るような体勢ではなく、アスカさんと正面に向き合った。
そしてそのまま、僕のそれをアスカさんのぐちゃぐちゃになった大事な所にあてがう。
「・・・なに、すんだ・・・?」
正面の間近から、アスカさんが聞いた。
「これを、アスカさんのここに入れるんですよ」
そう言うとアスカさんは僕のそこを見、微妙に表情を変化させる。
「入んのか・・・?」
「多分・・・アスカさんが言う大人だって、みんなこうやってるんですし・・・」
「・・・そういう、もんなんだな・・・」
さっきのアスカさんだったら、間違いなく「無理だって!」と言っていた事だろう。
イったらこんなに態度が大人しくなるとは、思っていなかった。
「・・・で、いいですか?挿れても」
最終確認として、アスカさんに尋ねた。ダメと言われたらどうするかは、考えないまま。
するとアスカさんは、数秒の間の後、僕を見て、うん、と頷いた。
「それじゃあ・・・」
アスカさんを、僕の方を体ごと向いていた状態から仰向けにさせ、僕はアスカさんに覆いかぶさるように四つん這いになる。
そのまま体を低くし、アスカさんの大事な所にそれをくっつけ、
「―――いきます、よっ!」
その言葉を皮切りに、僕はそれを突っ込んだ。
「んっ、ああぁぁっ!」
風呂場全体に響き渡るような声を、アスカさんは張り上げる。この声で誰か起きてこやしないかと、心配になった。
「いっ、痛い、なんか痛い、これっ・・・」
アスカさんの処女の血が、床のタイルを伝い、排水口の方へとゆっくり、緩やかに流れていく。
その血は、床のお湯と混ざって色が薄くなり、あらぬ方向へと垂れていく。
「アスカさん・・・少し、止めた方がいいですか?」
「・・・やだ、止めないで、続けて・・・止まられると逆に痛いし、それに、もっとヒロのが奥に欲しい・・・」
僅かに微生物レベルに残っていた理性が、全て塗りつぶされる感じがした。
「・・・分かりました」
ぐいっ、と腰に力を入れ、さらに奥へ奥へと突き進んでいく。
さっきの指2本よりも太いものが入ってるんだ。血が出るのも、アスカさんが痛がるのもしょうがない。
血すらも滑りをよくする潤滑剤の代わりに利用した。
「んっ、んぐうぅぅぅ~!」
この声は喘いでいるのか痛がっているのか、よく分からない。
そして、なんとか根元まで差し込む。この頃には、血はかなり流れていた。
しかし、まだまだ終わらない。本番はこれからだ。
腰に力を入れる。そして、ピストン運動を始めた。
「んああぁっ!?は、激しすぎ、変になっちゃう・・・!」
ばちゅん、ばちゅんと、互いの肉を本能のままに打ち付け合う音が響く。
「ふうっ、あっ、あうっ!ヒロ、凄い・・・っ!」
少しずつではあるが、段々とアスカさんの声に艶が出てきた。
顔にも、苦悶の表情ではなく、快楽に悶える表情が浮かび始めている。
そして体はもっと快楽に正直で、膣の肉が僕のそれを締め付けて離さなかった。下手したら、食いちぎられそうな程に。
「ああっ、ヒロのが、俺の中でごりごりしてる・・・」
ごりごりしてると言われても、僕の知識じゃ中で何がどうなってるかなんてさっぱり分からない。
そしてそこで、僕は童貞を卒業してるんだな、とふと思った。
(下手したら、30過ぎくらいまで童貞のままかな、なんて思ってたけど・・・)
こんなに早く卒業できるとは、全く思っていなかった。
というか、中1で童貞卒業なんて、エロゲかエロ同人のようだ。
今時はこんなもんなのかな、と考えてみる。
(ぶっちゃけどうでもいいですけど、ジンさんとかジェシカさんとかとっくに1線越えた事くらいありそう・・・)
勝手に根拠のない想像をして、こういう状況になったのは自分だけではないんだろうな、と勝手に安心する。
「あっ、すごっ、きもちいいよ・・・」
アスカさんの腕が、僕の背中にまわりこむ。
そのままぎゅうっと、抱き締めるようにさて僕の背中に爪を立てた。跡がつきそうだ。
そして。
(やばい、そろそろ出るかも・・・)
実を言うと、そろそろ、というか、もう限界に近い。早漏なんて言わないで下さい、とまた誰かに向かって謎の言葉を発した。
そして一旦外に出してから射精しょうかと考えたが、締め付けがすごくて抜く気になれない。
(・・・1回くらいなら、中に出しても大丈夫ですかね・・・)
ふと、そんな考えが脳裏をよぎる。
1回なら多分妊娠しないだろう、うん多分。
それに、こんなことを考えている間にも、僕のそれはもう本当に限界だった。
早くアスカさんの中に出したい。男の本能がそう言っている。
腰を振る動きが、どんどん早まっていく。こんなに興奮したのは初めてだ。
「アスカさんっ・・・そろそろ、中に出していいですか?」
「出すって、何を・・・?で、どーなるんだ・・・」
「えっと・・・まあ、とにかく出されて見れば分かります!」
「・・・うん、分かった、なんかよく分かんねぇけど、ヒロのこと、信じる・・・!」
「っ・・・出します・・・!」
そう言った瞬間、僕は射精した。
びくびくと、アスカさんの中で僕のものが激しく暴れる。
そして待ってましたと言わんばかりに、僕のそれから精液が出ていく。
「んあああっ!ヒロ、ヒロおっ!」
そして出た精液は全てアスカさんの最奥にぶち当たり、アスカさんは僕の下で快感で背中を反らせた。
「は・・・あ、っ・・・ふぅ・・・」
暫くは僕も余韻に浸っていたが、やがて余韻も取れてくると、あることが気になってくる。
      • このあと、どうしよう。

次の日。
「あぁ・・・」
自室のベッドに体育座りになり、うつむいている変な男が1人。
そしてその変な男とは、紛れもなく僕の事だ。
(やって、しまった・・・)
アスカさんの方から誘ってきたとはいえ、それに乗ってしまったのは僕だ。
それも生でしてしまった。もしアスカさんが妊娠してしまったら、僕はどう責任を取るつもりだったんだろうか。
一応ことが終わった後、お互い風呂場にもかかわらず汗だくだったので、シャワーで全身と―――主にお互いのそれを―――重点的に洗い流した。
そして、アスカさんの中に溜まっていたものを掻き出し、その後は疲れきっていたのでお互いおやすみなさいということになり、今日に至る。
(僕は馬鹿か・・・)
なんであそこで、おやすみなさいで終わってしまったんだろうか。
今となっては、昨夜アスカさんにしたことが気になって気になって、昨日のように爆睡は絶対にできない。
(それに、考えてみたら、僕、凄く気持ち悪い・・・)
アスカさんに言ったこと、したことを振り返ってみると、我ながら気持ち悪い。
パイズリやらせようとするは、アスカさんのそこを下品な音を立てて舐めるわ、挙げ句の果てには男の本能とかなんとかで中に出すわで。
(どんな顔して、これからアスカさんと接すればいいんだろうか・・・)
目を閉じると、まだあの時の光景と水音が鮮明に蘇る。
絶対気まずくなるよなぁ、と思いながら1つため息をつき、顔を上げると。
「どーしたんだ、ヒロ?」
目の前に、アスカさんの顔があった。
「うわっ、アスカさん!いつからそこに!?」
「今来たんだよ。にしてもちゃんと部屋入る前にノックもしたのに、全然返事なくてさ・・・」
ノックしていたなんて、全然気づかなかった。
「・・・で、アスカさんこそ何かご用ですか?やはり昨日の・・・」
「よく分かったなー。そうだよ、昨日のこと話しに来たんだよ」
(やっぱりか)
今の僕なら、アスカさんに何を言われても土下座できる自信がある。
さあ何でも言って下さい、と半分諦めの身構えをすると。
アスカさんの口からは、予想もしない言葉が飛び出した。
「いや、実は昨日やり忘れていたことがあってさ・・・これっ!」
その瞬間、アスカさんの顔が本当に目の前まで近づき―――唇が、触れた。
触れたといっても一瞬だけで、ぐいと唇を押し付けたかと思えば、すぐに離れる。
ちゅ、とリップ音がした。
「ちゅー、まだしてなかっただろ?」
「ア、アスカさ・・・!?」
アスカさんの行動は、本当によく分からない。文句の1つ2つ3つは覚悟していたのに、ある意味拍子抜けだ。
「昨日のあれ、すげー気持ちよくってさ、今日またやってほしいんだけど・・・いいだろ?」
いいだろ、の言葉で一瞬理性が落ちかける。
「だ、駄目ですよアスカさん!」
「なんで?昨日はあんなにノリノリだったじゃん」
「そういう問題じゃなくて・・・第一今まだ午前中ですし、それにここどこだと・・・」
ここは男子の共同部屋だ。
こんな所で始めたら、最中に誰か来たら、と考えると冷や汗が滝のように流れそうだ。
「別にいーじゃん、時間なんて。
それにあいつらなら、今バトルやってるからしばらく戻って来ないぜ?だから今のうちに・・・」
「え、っと、ちょっと・・・!」
なんか、すごく気に入ってしまったみたいだな・・・
そう考えている間に、僕はアスカさんに押し倒されたのであった。
最終更新:2013年05月18日 10:39